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第二章
第119話 仮の姿?
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魔王……メイスが?
衝撃の告白に私は言葉を失くして立ち尽くす。
しかも、メサイアスというのが本名だなんて知らなかった。
背後では、ヒデさんがゴクリと喉を鳴らしたのが聞こえてハッと我に返る。
「……ということは、メイス、いや、メサイアス様は魔王様なんですよね?国は?国民は?私と一緒に居て大丈夫なのですか?」
私の口調が自然と敬語になっていた。
すると、琥珀色の瞳をスッと細めたメイスが、不快そうな声色で言い放った。
『はぁ……。さっきも言ったが、あれは配下たちが勝手にしたことだ。俺が居なくても優秀な配下たちが国を回している。お前が気にすることではない』
でも、一国の王、しかも魔王が長く国を離れて大丈夫なのだろうか?
統制が取れずに他国と揉め事が起きたりしたら……。
もやもやが解決したと思ったら、新たな問題が発生してしまった。
内心で頭を抱えつつも、普段は使わない脳をフル回転させる。
メイスは長命の猫で魔法に長けている。
それは魔力量が多いから。
でもって魔族の国の王に就いていると。
愛らしい姿の猫が魔族の国の王……。
それはそれでシュールだ。
想像をしたら笑いが零れてしまった。
「ふ、ふふふ。猫の王様って可愛い」
つい心の声が漏れてしまったが、そのことに気づかない私は黒猫が玉座に座り王冠を被っている姿を想像して、魔族に対する偏見が和らいでいくのを感じた。
しかし、次に発した言葉を耳にして私は驚愕した。
『……これは仮の姿だ。猫の姿なら誰にも警戒されることがないからな。お前もそうだっただろう?』
「……え?仮の姿……?」
その言葉を聞いた途端、背中を冷たい汗が流れる。
それはヒデさんも同様だったようで、血の気が引いたように青色を通り越して白くなっていた。
メイスは私達の様子を見て深いため息を吐いた後、静かに語り始めた。
『……前にも言ったが、俺は王に据えられているがそれだけだ。国を回すのは配下に任せているし基本自由に過ごしてきた。どうしても俺でなければ対処出来ない時は俺が対処したが、そんな事態になることは滅多にない。……だから、今までのように接してほしい』
その声色は、どこか悲しそうな懇願するような感情が滲んでいる気がした。
なぜ、メイスの口調が俺様なのか分かったような気がする。
だって、魔王様なんだもん。
そこでふと、魔王は英雄に討伐されたという話しを思い出す。
英雄がしょうたさんということは、その当時の魔王はメイスということになる。
メイスの口ぶりから、しょうたさんとは仲が良いように聞こえたのだが、二人は一体どんな関係だったのだろう?
好奇心が勝った私は、目の前の黒猫が魔王だということも忘れて問いかけていた。
「ねぇ、魔王は英雄に討伐されたって話しだったけど、本当のところはどうだったの?だって、メイスから聞いた話しだとしょうたさんとは仲が良かったように思えるのに二人が戦うなんて想像がつかないんだもん。ヒデさんもそこのところ、気になるでしょ?」
私は遠巻きにしてこちらを眺めるヒデさんに振り向いたが、ヒデさんは聞こえているのかいないのか微動だにしない。
返答がないままメイスに顔を向けると、安堵した様子でメイスが口を開いた。
『そんなことか。……アイツは俺が魔王と知ったにも拘わらず、俺が悪い奴には見えないと言って穏便に事が済むように計画を立ててくれた。国に足を運び魔族の暮らしを見た上で双方が納得する方法を考えてくれたのだ。俺も戦うことを避けたかったからアイツの提案を快く受け入れた。おかげで双方血を流すことなく平穏に暮らせているというわけだ』
へぇ……二人の間にそんなやり取りがあったんだ。
確かに、戦わずに済むならそれに越したことはない。
英雄が本当は日本からの転生者だったことと、メイスが戦闘狂じゃなかったから出来たことなのだろう。
何だか嬉しくて笑顔になる。
「……そっか。何だかしょうちゃんらしいや」
背後からポツリとヒデさんの声が聞こえて振り返る。
ついさっきまで青ざめた顔色をしていたヒデさんだったが、メイスの話しを聞いてからは随分と穏やかな表情をしている。
良かったと頷く私の耳にメイスの声が届いた。
『では、疑問が解消したことだし、ついでに正体も明かしておくとするか』
そう告げるなりメイスの周囲を黒い煙が覆っていく。
私とヒデさんは突然のことに驚愕して立ち尽くす。
一瞬にして黒い煙が消え去ると、そこに現れたのは言葉で言い表せないほどの美貌の男性が立っていた。
衝撃の告白に私は言葉を失くして立ち尽くす。
しかも、メサイアスというのが本名だなんて知らなかった。
背後では、ヒデさんがゴクリと喉を鳴らしたのが聞こえてハッと我に返る。
「……ということは、メイス、いや、メサイアス様は魔王様なんですよね?国は?国民は?私と一緒に居て大丈夫なのですか?」
私の口調が自然と敬語になっていた。
すると、琥珀色の瞳をスッと細めたメイスが、不快そうな声色で言い放った。
『はぁ……。さっきも言ったが、あれは配下たちが勝手にしたことだ。俺が居なくても優秀な配下たちが国を回している。お前が気にすることではない』
でも、一国の王、しかも魔王が長く国を離れて大丈夫なのだろうか?
統制が取れずに他国と揉め事が起きたりしたら……。
もやもやが解決したと思ったら、新たな問題が発生してしまった。
内心で頭を抱えつつも、普段は使わない脳をフル回転させる。
メイスは長命の猫で魔法に長けている。
それは魔力量が多いから。
でもって魔族の国の王に就いていると。
愛らしい姿の猫が魔族の国の王……。
それはそれでシュールだ。
想像をしたら笑いが零れてしまった。
「ふ、ふふふ。猫の王様って可愛い」
つい心の声が漏れてしまったが、そのことに気づかない私は黒猫が玉座に座り王冠を被っている姿を想像して、魔族に対する偏見が和らいでいくのを感じた。
しかし、次に発した言葉を耳にして私は驚愕した。
『……これは仮の姿だ。猫の姿なら誰にも警戒されることがないからな。お前もそうだっただろう?』
「……え?仮の姿……?」
その言葉を聞いた途端、背中を冷たい汗が流れる。
それはヒデさんも同様だったようで、血の気が引いたように青色を通り越して白くなっていた。
メイスは私達の様子を見て深いため息を吐いた後、静かに語り始めた。
『……前にも言ったが、俺は王に据えられているがそれだけだ。国を回すのは配下に任せているし基本自由に過ごしてきた。どうしても俺でなければ対処出来ない時は俺が対処したが、そんな事態になることは滅多にない。……だから、今までのように接してほしい』
その声色は、どこか悲しそうな懇願するような感情が滲んでいる気がした。
なぜ、メイスの口調が俺様なのか分かったような気がする。
だって、魔王様なんだもん。
そこでふと、魔王は英雄に討伐されたという話しを思い出す。
英雄がしょうたさんということは、その当時の魔王はメイスということになる。
メイスの口ぶりから、しょうたさんとは仲が良いように聞こえたのだが、二人は一体どんな関係だったのだろう?
好奇心が勝った私は、目の前の黒猫が魔王だということも忘れて問いかけていた。
「ねぇ、魔王は英雄に討伐されたって話しだったけど、本当のところはどうだったの?だって、メイスから聞いた話しだとしょうたさんとは仲が良かったように思えるのに二人が戦うなんて想像がつかないんだもん。ヒデさんもそこのところ、気になるでしょ?」
私は遠巻きにしてこちらを眺めるヒデさんに振り向いたが、ヒデさんは聞こえているのかいないのか微動だにしない。
返答がないままメイスに顔を向けると、安堵した様子でメイスが口を開いた。
『そんなことか。……アイツは俺が魔王と知ったにも拘わらず、俺が悪い奴には見えないと言って穏便に事が済むように計画を立ててくれた。国に足を運び魔族の暮らしを見た上で双方が納得する方法を考えてくれたのだ。俺も戦うことを避けたかったからアイツの提案を快く受け入れた。おかげで双方血を流すことなく平穏に暮らせているというわけだ』
へぇ……二人の間にそんなやり取りがあったんだ。
確かに、戦わずに済むならそれに越したことはない。
英雄が本当は日本からの転生者だったことと、メイスが戦闘狂じゃなかったから出来たことなのだろう。
何だか嬉しくて笑顔になる。
「……そっか。何だかしょうちゃんらしいや」
背後からポツリとヒデさんの声が聞こえて振り返る。
ついさっきまで青ざめた顔色をしていたヒデさんだったが、メイスの話しを聞いてからは随分と穏やかな表情をしている。
良かったと頷く私の耳にメイスの声が届いた。
『では、疑問が解消したことだし、ついでに正体も明かしておくとするか』
そう告げるなりメイスの周囲を黒い煙が覆っていく。
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