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さかなの気持ちは
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じーーーーーー。
っと、水槽の前から動かない少女が一人。
と言っても知らない子ではなく、年の離れた親戚の女の子。
年に数回僕の家に遊びに来るのだが、親同士が話している間とてもつまらなそうにしていた。
前回までは。
今回は半年ぐらい空いただろうか、その間に僕は熱帯魚を飼い始めていた。
大きめの水槽に数匹の魚。
ひれが綺麗な魚で優雅に泳ぐ姿が見たかったから、横に長い水槽を買った。
数日たつと、僕が水槽に近づくとご飯をもらえると思って水面に近づいてくるようになった。
なにもすることが無いとき、疲れたとき、気持ち良さそうに泳ぐ魚達を見て癒された。
自分もこの中で泳ぎたいと思うこともあった。
魚達を見ているときだけは辛いことや、時に悲しいことだってその間だけは忘れることができた。
ふと、時計を見ると自分が思っていた以上に時間が経っていて驚くこともしばしばだった。
熱帯魚達を飼いはじめて3ヶ月ほどたっと頃だった。
久しぶりに親戚が僕の家に遊びに来た。
一番下の女の子は僕とは一回り近く離れていて、僕は親が話で盛り上がっているときには遊んであげることが多かった。
しかし今回は家に来て挨拶をした後、早々に水槽を発見するとすぐに飛び付き水槽の前でじーっと、泳ぐ魚を見ていた。
僕は話しかけなかった。
あまりにも集中して見ていたものだから。
なんとなく僕にも気持ちが分かったから。
邪魔してはいけない。
といっても彼女は、僕のように癒しを求めているというよりは生き物に興味津々というかんじだろうか。
それからどれくらい時間が経っただろうか。
相変わらず飽きること無く、大人たちは会話に花を咲かせている。
彼女はじっと動かなかったので僕もやることがなくなり、自分の部屋に戻っていた。
戻ってきても彼女はまだ水槽の前にいた。
お魚は好き?
彼女は少し驚いたような顔をした。
相当集中していたらしい。
うん。と小さく頷いた。
そうか。きれいだよね。
うん。だけどね。
彼女は水槽に指を指していった。
あの子は少しかわいそう。
ん?
水槽を見てみると一匹の魚がある一匹の小さな魚を追いかけていた。
追いかけられているのは他の子と比べて少し小さな一匹だった。
ほんとだね。
確かにその一匹は時々追いかけられているのを見ていた。
別のお部屋を用意してあげないといけないね。
あのね、周りの子達はなんで助けてあげないのかな。
彼女は言った。
僕の顔を見て、その目はまだ濁ってはいなかった。
そうだね。
としか言えなかった。
何て返すべきだったのか、ばかな僕には今もわからない。
その時彼女は言った。
私もね、たくさんの怖い子達に言い返す勇気はないの。
喧嘩だってしたくない。みんなが悲しくなるから。
だからね、二人になったときいつも通りに接するの。
怖い思いをしたことを忘れられるぐらい楽しいことを一緒にするの。お魚さんにもそんな友達ができればいいな。
そして少女は笑った。
お魚さんの世界も大変だね。
子ども達は僕たちが思っている以上に考えて考えている。
優しい少女から僕は学んだ。
そして知らぬ間に大人になり、彼女もまた学ぶのだろうか。
僕が子どもの頃はどうだっただろうか。
っと、水槽の前から動かない少女が一人。
と言っても知らない子ではなく、年の離れた親戚の女の子。
年に数回僕の家に遊びに来るのだが、親同士が話している間とてもつまらなそうにしていた。
前回までは。
今回は半年ぐらい空いただろうか、その間に僕は熱帯魚を飼い始めていた。
大きめの水槽に数匹の魚。
ひれが綺麗な魚で優雅に泳ぐ姿が見たかったから、横に長い水槽を買った。
数日たつと、僕が水槽に近づくとご飯をもらえると思って水面に近づいてくるようになった。
なにもすることが無いとき、疲れたとき、気持ち良さそうに泳ぐ魚達を見て癒された。
自分もこの中で泳ぎたいと思うこともあった。
魚達を見ているときだけは辛いことや、時に悲しいことだってその間だけは忘れることができた。
ふと、時計を見ると自分が思っていた以上に時間が経っていて驚くこともしばしばだった。
熱帯魚達を飼いはじめて3ヶ月ほどたっと頃だった。
久しぶりに親戚が僕の家に遊びに来た。
一番下の女の子は僕とは一回り近く離れていて、僕は親が話で盛り上がっているときには遊んであげることが多かった。
しかし今回は家に来て挨拶をした後、早々に水槽を発見するとすぐに飛び付き水槽の前でじーっと、泳ぐ魚を見ていた。
僕は話しかけなかった。
あまりにも集中して見ていたものだから。
なんとなく僕にも気持ちが分かったから。
邪魔してはいけない。
といっても彼女は、僕のように癒しを求めているというよりは生き物に興味津々というかんじだろうか。
それからどれくらい時間が経っただろうか。
相変わらず飽きること無く、大人たちは会話に花を咲かせている。
彼女はじっと動かなかったので僕もやることがなくなり、自分の部屋に戻っていた。
戻ってきても彼女はまだ水槽の前にいた。
お魚は好き?
彼女は少し驚いたような顔をした。
相当集中していたらしい。
うん。と小さく頷いた。
そうか。きれいだよね。
うん。だけどね。
彼女は水槽に指を指していった。
あの子は少しかわいそう。
ん?
水槽を見てみると一匹の魚がある一匹の小さな魚を追いかけていた。
追いかけられているのは他の子と比べて少し小さな一匹だった。
ほんとだね。
確かにその一匹は時々追いかけられているのを見ていた。
別のお部屋を用意してあげないといけないね。
あのね、周りの子達はなんで助けてあげないのかな。
彼女は言った。
僕の顔を見て、その目はまだ濁ってはいなかった。
そうだね。
としか言えなかった。
何て返すべきだったのか、ばかな僕には今もわからない。
その時彼女は言った。
私もね、たくさんの怖い子達に言い返す勇気はないの。
喧嘩だってしたくない。みんなが悲しくなるから。
だからね、二人になったときいつも通りに接するの。
怖い思いをしたことを忘れられるぐらい楽しいことを一緒にするの。お魚さんにもそんな友達ができればいいな。
そして少女は笑った。
お魚さんの世界も大変だね。
子ども達は僕たちが思っている以上に考えて考えている。
優しい少女から僕は学んだ。
そして知らぬ間に大人になり、彼女もまた学ぶのだろうか。
僕が子どもの頃はどうだっただろうか。
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