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第一章 転生と計画
第十七話 般若さん、騙される
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どうするか迷いながら隊商に近づくと、後ろから声がかかった。
「おっ、来てくれたのか」
真っ先に俺に気づいたのは、商会長の護衛隊長だというカルコスという熊獣人だ。熊というだけあって体が大きく頼もしさがあふれ出ている。俺が孤児と伝えたときに同情してくれた護衛なんだけど、あれが嘘だったとはとても思えない。今も綺麗な目で話し掛けてくれている。ハーフ差別者の目は酷く濁っているように見えるからだ。
「おはようございます。今日が出発だと伺いましたのであいさつに参りました」
「おはよう。昨日は宴で姿を見なかったから心配したよ」
「えっ? あぁ……家でやることがあったので失礼かと思ったのですが、村長が気を利かせてくれまして」
あっぶねーーー!
宴があったなんてこと自体知らなかったし。まぁ知ってても行かないけどな。昨日はヴァーミリオン商会から買ったものを食べたかもしれないが、基本的にこの村の食事は蛙肉だ。異世界では普通の食材かもしれないが、前世の記憶がある俺には抵抗しかない。今後他に食べるものがないと言われるまでは手をつけることはないだろう。
「村長が……?」
何か納得がいかないみたいな表情をしているが、それ以上は特に何も言わずに話題を切り替えた。
「そういえば俺たちの大陸では十歳で祝福の儀を受けるが、すぐに働きに出ず、学園に行って自分のスキルを学んだり訓練で身につくスキルを修得したりするんだ。興味があったら十歳の祝福の儀のあと、行商に来ると思うから一緒にくるといい。よかったら考えておいてくれ」
「あ……ありがとうございます……」
めちゃくちゃいい人だ。でも残念ながら行商のための隊商が来る前に俺は死ぬ。実際死ななかったとしても、死んだことになるのだ。この世界死亡診断書などなく、死んだ事実があれば捜索もなにもない。それに生きていたとしても、死んだはずのハーフエルフを匿ったことで迷惑を掛けるのは申し訳ないから、俺はお礼を言うだけに留めた。
それでもこの世界に少しだけ希望を持てた言葉を聞けて嬉しかった。
「おやおや、カルコス君に先に言われてしまいましたか。私もその話をしようと思っていたんだけどね」
「早い者勝ちってやつですよ」
このとき俺は嬉しい言葉を聞きながらも迷っていたが、意を決して慰謝料の話を切り出そうとした瞬間、後ろが騒がしくなった。
「何かあったのかな?」
状況が分からず耳を澄ませていると、騒動の内容が聞こえてきた。その内容がテロリストことカクタス・フラウアが、金庫のお金を持って失踪したというものだった。真っ先に俺に疑いの視線が向けられていたが、残念ながら俺は昨日ここにいなかったし、売り上げ金が入った金庫はフラウア家と般若さんの家の中間にある。さらに村の兵士が守備を固めている上、専用の鍵がなければ入れもしないし盗めもしないのだ。
つまり俺の犯行だと決めつけるのならば、たった二本しかない鍵をいつも首から提げていて、金庫に近づいても不審に思われない二人の犯行だと説明した方が確率が高かった。それか五歳児に警備を突破された警備のミスとかね。それが分かっているから、誰もが視線を向けるに留めているのだ。
だが、視線を向ける方向がいけなかった。
俺の後ろにはヴァーミリオン商会の人たちがいる。彼らは五歳児が盗みなどやるなど思っていないだろうし、昨日交わした取引の内容を知っているから盗む必要もないと思っている。よってヴァーミリオン商会の人たちは、疑惑の視線を向けられているのは自分たちだと思ったことだろう。
俺が一言「あの視線が向けられているのは自分です」と言えば済む話だが、それを言うと虐待が一瞬で発覚してしまうため言えなかった。
結果何が起こったかと言うと、ヴァーミリオン商会の人たちがキレた。特にカルコスさんが。隣で宥めている商会長も目が笑っていない。
「テンダ、契約書を持ってきてくれ」
「はい」
商会長が何か思いついたのか、ニッコリと笑うと真っ新な契約書を持ってこさせていた。契約書を手渡されると何やらスラスラと書き込んでいき、真っ青になった般若さんの元に向かった。
般若さんの横にはコソ泥クソ野郎がいて肩を貸していた。
「村長、何か大変なことがあったそうですね? 困ったことがあれば相談に乗りますよ」
「ほ……本当によろしいのでしょうか!?」
「えぇ。困ったときはお互い様でしょう?」
顔面蒼白で脂汗が止まらず体の震えも一向に治まらない般若さんは、藁にもすがる思いで聞き返していた。
「で……ではいくらか都合していただけないでしょうか? も……もちろん、担保は出します。あの子どもとの契約の品を無償提供でどうでしょう? 昨夜のこともありますし……」
「あの子どもとは、ティグル君のことですかな? あれは彼と私たちの契約ですから勝手に無償提供されても困ります。それに村のお金の問題ですのに、五歳の孤児が暮らしていくために必要な物を担保として差し出すのですかな? 私に悪魔になれと申しているのならば、私もいろいろと考え直さなければなりませんよ? それに昨夜のことと申しますが、彼はあの場にいなかったでしょう? それとも昨日のハーフ発言はティグル君のことを指しているのですかな? 私は違うと思っていたのですが、もしそうなら大切な取引相手です。ハーフ排斥運動を行う者たちから守るために積極的に働きかけないといけませんね」
途中から雰囲気が変わったように話す商会長に般若さんは気絶寸前である。あれが威圧というものだろうか。それとやっぱり昨夜何かがあったのだろう。般若さんが必死になってもみ消そうとしているってことは、神子筆頭候補の最弱魔導師様が何かしでかしたということだ。しかもハーフ絡み。
「ここはハーフ擁護派である第一王子の派閥だから安心していたのですが、私の予想とは違っていたのですか?」
「いいいいいいえ! そんなことはございません。昨日は体調が優れなかったようで幻覚を見ていたそうです。娘が言っていたのは魔物のハーフのことです!」
商会長からの弁解のチャンスというパスをなんとか受け止めるだけの判断力を残していた般若さんは、必死になって弁解していた。それにしても魔物のハーフってキマイラのことか? もう魔王と戦っているのかな? と内心で馬鹿にしていた。
「それでは怖かったでしょう。どうかお大事にとお伝えください」
「ありがとうございます!」
先ほどの怖い雰囲気もなくなり穏やかに話し始める商会長に、あの般若さんが必死になって頭を下げていた。まぁハーフ発言を見逃してくれたのなら命の恩人とも言えるしな。
「さて話を戻しますが、確かに村長の言うとおり担保は必要ですね。そこで私はティグル君の身の安全の確保と自由を保障することを担保として要求します。大切な取引先がハーフ排斥派に殺されるなんて損以外の何ものでもないでしょう。だからといって建物などに閉じ込めておくなど論外。なーに、今までも大切に支えて来たのでしょう? それならば今までと変わりませんよね? その代わりお金はあるときに少しずつで構いませんから」
「分かりました。お約束いたします」
「ではさっそく契約してしまいましょう。年利は二十パーセントであるとき払いで構いません。ワイン造りが軌道に乗ればあっという間でしょう」
若干利率が高く感じたのか般若さんが顔をしかめたが、これ以上甘えることは矜持が許さないのだろう。何も言わずにサインをしていた。
俺は契約し終わってお金を取りに来たときにチラッと見えた契約書を見て驚愕した。そこには般若さんたちを地獄に叩き落とす文言があったのだ。
『五年後に一括完済』という一文である。
俺がいなくなることを見越した契約内容に、もしかしたら俺とエルフの関係に気づいているのかもしれないと思い、つい商会長を見るととても冷たい目で般若さんとコソ泥クソ野郎を見ていた。
思わず目を逸らすと視線の先には、以前の般若さん以上に顔を鬼の形相に変えた神子筆頭候補がいた。女の子がいたらいけない顔である。それにしても何故あいさつに来ないのかと不思議だ。
「それでは次回の取引も楽しみにしていますよ。それからウィード殿、公共トイレやワイン樽に使える木材もお持ちするのでまた取引をお願いしますね」
「な……なぜトイレのことを?」
「おや、村長補佐であるウィード殿が村の設備担当だと思ったのですが違いました? 壁が少し崩れていて気になったものですから。担保のこともよろしくお願いしますね。ではここで失礼させていただきます」
俺は隊商に向かって頭を下げた。今回のことで俺は安全を買えた。確実ではないが、多額の借金を抱えた村が今まで通り無視するだけで借金ができるのだ。それならば徹底的に無視するだろう。そしてもし死んでも、旅立ったとか魔物の襲撃にあったとか言うつもりだろう。
ちなみに、現在の本宅が村から比較的近い位置にあるのに、モンス以外誰も来ないのには理由がある。エルフにも旅人がいて、外国で暮らしている者の中には差別感情を持たない者も少なからずいる。そして魔境の森という理由でたまに旅人が現れる。俺が巌窟王生活をしているときにも現れ、紙をもらえず地面に字を書いて勉強していたときに紙を渡そうとしてくれたのだ。
しかし神子筆頭候補とモンスが邪魔に入ったのだ。当然ハーフ差別をする子どもに驚き叱責した。すると、旅人は夕方直前だというのに村を追い出されたのだ。申し訳ないという気持ちもあったが俺には何もできなかった。何故なら俺はテロリストを筆頭に集団リンチを受けていたからだ。
このことがあって俺の家にも近づかなければ、俺にも近づかなくなった。だって何かされたら何かをした本人のところに行き、「この間はありがとうございました」と言えば完全に詰む。
結果、小屋には誰も近づかないのだ。
モンスは後ろ盾が強大だということと、お馬鹿加減が限界突破しているから仕方がなかったと思っている。
ということで俺の初めての行商人との取引は、エルフ全体としてはともかく俺だけで考えれば、大成功であり大団円である。そして明日からはいよいよアポロとベガと一緒に地下遺跡の探検開始だ。
「おっ、来てくれたのか」
真っ先に俺に気づいたのは、商会長の護衛隊長だというカルコスという熊獣人だ。熊というだけあって体が大きく頼もしさがあふれ出ている。俺が孤児と伝えたときに同情してくれた護衛なんだけど、あれが嘘だったとはとても思えない。今も綺麗な目で話し掛けてくれている。ハーフ差別者の目は酷く濁っているように見えるからだ。
「おはようございます。今日が出発だと伺いましたのであいさつに参りました」
「おはよう。昨日は宴で姿を見なかったから心配したよ」
「えっ? あぁ……家でやることがあったので失礼かと思ったのですが、村長が気を利かせてくれまして」
あっぶねーーー!
宴があったなんてこと自体知らなかったし。まぁ知ってても行かないけどな。昨日はヴァーミリオン商会から買ったものを食べたかもしれないが、基本的にこの村の食事は蛙肉だ。異世界では普通の食材かもしれないが、前世の記憶がある俺には抵抗しかない。今後他に食べるものがないと言われるまでは手をつけることはないだろう。
「村長が……?」
何か納得がいかないみたいな表情をしているが、それ以上は特に何も言わずに話題を切り替えた。
「そういえば俺たちの大陸では十歳で祝福の儀を受けるが、すぐに働きに出ず、学園に行って自分のスキルを学んだり訓練で身につくスキルを修得したりするんだ。興味があったら十歳の祝福の儀のあと、行商に来ると思うから一緒にくるといい。よかったら考えておいてくれ」
「あ……ありがとうございます……」
めちゃくちゃいい人だ。でも残念ながら行商のための隊商が来る前に俺は死ぬ。実際死ななかったとしても、死んだことになるのだ。この世界死亡診断書などなく、死んだ事実があれば捜索もなにもない。それに生きていたとしても、死んだはずのハーフエルフを匿ったことで迷惑を掛けるのは申し訳ないから、俺はお礼を言うだけに留めた。
それでもこの世界に少しだけ希望を持てた言葉を聞けて嬉しかった。
「おやおや、カルコス君に先に言われてしまいましたか。私もその話をしようと思っていたんだけどね」
「早い者勝ちってやつですよ」
このとき俺は嬉しい言葉を聞きながらも迷っていたが、意を決して慰謝料の話を切り出そうとした瞬間、後ろが騒がしくなった。
「何かあったのかな?」
状況が分からず耳を澄ませていると、騒動の内容が聞こえてきた。その内容がテロリストことカクタス・フラウアが、金庫のお金を持って失踪したというものだった。真っ先に俺に疑いの視線が向けられていたが、残念ながら俺は昨日ここにいなかったし、売り上げ金が入った金庫はフラウア家と般若さんの家の中間にある。さらに村の兵士が守備を固めている上、専用の鍵がなければ入れもしないし盗めもしないのだ。
つまり俺の犯行だと決めつけるのならば、たった二本しかない鍵をいつも首から提げていて、金庫に近づいても不審に思われない二人の犯行だと説明した方が確率が高かった。それか五歳児に警備を突破された警備のミスとかね。それが分かっているから、誰もが視線を向けるに留めているのだ。
だが、視線を向ける方向がいけなかった。
俺の後ろにはヴァーミリオン商会の人たちがいる。彼らは五歳児が盗みなどやるなど思っていないだろうし、昨日交わした取引の内容を知っているから盗む必要もないと思っている。よってヴァーミリオン商会の人たちは、疑惑の視線を向けられているのは自分たちだと思ったことだろう。
俺が一言「あの視線が向けられているのは自分です」と言えば済む話だが、それを言うと虐待が一瞬で発覚してしまうため言えなかった。
結果何が起こったかと言うと、ヴァーミリオン商会の人たちがキレた。特にカルコスさんが。隣で宥めている商会長も目が笑っていない。
「テンダ、契約書を持ってきてくれ」
「はい」
商会長が何か思いついたのか、ニッコリと笑うと真っ新な契約書を持ってこさせていた。契約書を手渡されると何やらスラスラと書き込んでいき、真っ青になった般若さんの元に向かった。
般若さんの横にはコソ泥クソ野郎がいて肩を貸していた。
「村長、何か大変なことがあったそうですね? 困ったことがあれば相談に乗りますよ」
「ほ……本当によろしいのでしょうか!?」
「えぇ。困ったときはお互い様でしょう?」
顔面蒼白で脂汗が止まらず体の震えも一向に治まらない般若さんは、藁にもすがる思いで聞き返していた。
「で……ではいくらか都合していただけないでしょうか? も……もちろん、担保は出します。あの子どもとの契約の品を無償提供でどうでしょう? 昨夜のこともありますし……」
「あの子どもとは、ティグル君のことですかな? あれは彼と私たちの契約ですから勝手に無償提供されても困ります。それに村のお金の問題ですのに、五歳の孤児が暮らしていくために必要な物を担保として差し出すのですかな? 私に悪魔になれと申しているのならば、私もいろいろと考え直さなければなりませんよ? それに昨夜のことと申しますが、彼はあの場にいなかったでしょう? それとも昨日のハーフ発言はティグル君のことを指しているのですかな? 私は違うと思っていたのですが、もしそうなら大切な取引相手です。ハーフ排斥運動を行う者たちから守るために積極的に働きかけないといけませんね」
途中から雰囲気が変わったように話す商会長に般若さんは気絶寸前である。あれが威圧というものだろうか。それとやっぱり昨夜何かがあったのだろう。般若さんが必死になってもみ消そうとしているってことは、神子筆頭候補の最弱魔導師様が何かしでかしたということだ。しかもハーフ絡み。
「ここはハーフ擁護派である第一王子の派閥だから安心していたのですが、私の予想とは違っていたのですか?」
「いいいいいいえ! そんなことはございません。昨日は体調が優れなかったようで幻覚を見ていたそうです。娘が言っていたのは魔物のハーフのことです!」
商会長からの弁解のチャンスというパスをなんとか受け止めるだけの判断力を残していた般若さんは、必死になって弁解していた。それにしても魔物のハーフってキマイラのことか? もう魔王と戦っているのかな? と内心で馬鹿にしていた。
「それでは怖かったでしょう。どうかお大事にとお伝えください」
「ありがとうございます!」
先ほどの怖い雰囲気もなくなり穏やかに話し始める商会長に、あの般若さんが必死になって頭を下げていた。まぁハーフ発言を見逃してくれたのなら命の恩人とも言えるしな。
「さて話を戻しますが、確かに村長の言うとおり担保は必要ですね。そこで私はティグル君の身の安全の確保と自由を保障することを担保として要求します。大切な取引先がハーフ排斥派に殺されるなんて損以外の何ものでもないでしょう。だからといって建物などに閉じ込めておくなど論外。なーに、今までも大切に支えて来たのでしょう? それならば今までと変わりませんよね? その代わりお金はあるときに少しずつで構いませんから」
「分かりました。お約束いたします」
「ではさっそく契約してしまいましょう。年利は二十パーセントであるとき払いで構いません。ワイン造りが軌道に乗ればあっという間でしょう」
若干利率が高く感じたのか般若さんが顔をしかめたが、これ以上甘えることは矜持が許さないのだろう。何も言わずにサインをしていた。
俺は契約し終わってお金を取りに来たときにチラッと見えた契約書を見て驚愕した。そこには般若さんたちを地獄に叩き落とす文言があったのだ。
『五年後に一括完済』という一文である。
俺がいなくなることを見越した契約内容に、もしかしたら俺とエルフの関係に気づいているのかもしれないと思い、つい商会長を見るととても冷たい目で般若さんとコソ泥クソ野郎を見ていた。
思わず目を逸らすと視線の先には、以前の般若さん以上に顔を鬼の形相に変えた神子筆頭候補がいた。女の子がいたらいけない顔である。それにしても何故あいさつに来ないのかと不思議だ。
「それでは次回の取引も楽しみにしていますよ。それからウィード殿、公共トイレやワイン樽に使える木材もお持ちするのでまた取引をお願いしますね」
「な……なぜトイレのことを?」
「おや、村長補佐であるウィード殿が村の設備担当だと思ったのですが違いました? 壁が少し崩れていて気になったものですから。担保のこともよろしくお願いしますね。ではここで失礼させていただきます」
俺は隊商に向かって頭を下げた。今回のことで俺は安全を買えた。確実ではないが、多額の借金を抱えた村が今まで通り無視するだけで借金ができるのだ。それならば徹底的に無視するだろう。そしてもし死んでも、旅立ったとか魔物の襲撃にあったとか言うつもりだろう。
ちなみに、現在の本宅が村から比較的近い位置にあるのに、モンス以外誰も来ないのには理由がある。エルフにも旅人がいて、外国で暮らしている者の中には差別感情を持たない者も少なからずいる。そして魔境の森という理由でたまに旅人が現れる。俺が巌窟王生活をしているときにも現れ、紙をもらえず地面に字を書いて勉強していたときに紙を渡そうとしてくれたのだ。
しかし神子筆頭候補とモンスが邪魔に入ったのだ。当然ハーフ差別をする子どもに驚き叱責した。すると、旅人は夕方直前だというのに村を追い出されたのだ。申し訳ないという気持ちもあったが俺には何もできなかった。何故なら俺はテロリストを筆頭に集団リンチを受けていたからだ。
このことがあって俺の家にも近づかなければ、俺にも近づかなくなった。だって何かされたら何かをした本人のところに行き、「この間はありがとうございました」と言えば完全に詰む。
結果、小屋には誰も近づかないのだ。
モンスは後ろ盾が強大だということと、お馬鹿加減が限界突破しているから仕方がなかったと思っている。
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