うさぎの楽器やさん

銀色月

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<森のオルガン>のお話

10 ニノくんとふえ

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アンコールは、中止しましたが、
プログラムは、ちゃんと終了しました。

コンサートが失敗したわけでは、ありません。


ニノくんは、コンサートの時のことを思い出していました。

「3曲目は、緊張もとけて、ふえを吹いていることが、うれしくて、うれしくて、ふだん、出したことのない、喜びのような、さけびのような感覚が、音になって出ていた感じがした。」

こんな感覚は、オークのお店で、練習させてもらっていたときに、すでに、つかんでいました。
ふえが、ほんとうに、いい音で、鳴ってくれるのです。

だから、もっと、ふえに、答える。
ふえが、よろこんでいるのが、
わかる。

いい音と、一体になったとき、えもいわれぬ喜びが、身体じゅうを駆けめぐる。

それが、楽しくて、仕方がない。


それは、いけないこと?
演奏家は、みんな、そうしてるんじゃないの?
それが、いけないことなら、ぼくは、
ふえを吹いては、いけないの?

ニノくんは、どうしていいか、わかりませんでしたが、この先、このふえを、吹いてはいけないのなら、それは、悲しいことでした。


「ふえが、元から持つ、何かのせいだ。
ニノくんのせいでは、ないよ。」
と、うさぎの楽器やさんは、いいましたが、

ニノくんにとって、このふえは、もう、「それなら、他のふえにする。」
とは、言えないものに、なっていました。

この、ふえに出会ったからこそ、ふえを吹きたくなった。


だから、

どうしたらいい?




「こんなことに、なるとは、なぁ。」
家に帰って、うさぎの楽器やさんは、責任を感じていました。
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