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丸の内北口
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バスを降りて、東京駅の丸の内北口まで歩くと、どっと疲れが出てきた。
ここのところ、予定が立て込んでいて、ただでさえ体調が優れなかったのだ。
しかし、何としても、かれんの墓参りだけは、欠かすことが出来なかった。
急に空腹を覚えて、近くの飲食店で、ハムサンドウィッチ二つとコーヒーの食事をとる。
サンドウィッチと、コーヒーを腹に流し込むと、いくらか落ち着きを覚え始めた。
冷たい東京の気候は、やがて雨へと少しづつ変わりはじめた。
僕は、金を払うと、外へ出た。
これから、都営の電車に乗って、自宅のアパートへと帰る。
混雑した、電車に乗っていると、緊張と疲れで、眠気が押し寄せてくるようだった。
かれんの墓参りを済ませたので、大学にも安心して通えるようになった。
講義に出る。しかし、卒業は、四年生になった時点で既に決まっていたので、そのことは安心の種だった。
単調な講義。その日は、哲学史の講義だった。
興味があってとったわけではない。それを言うと嘘になるかもしれない。
少し髪が薄くなった、ハンサムな教授が、サルトルの『嘔吐』に見られる実存主義と、レヴィ・ストロースの『悲しき熱帯』の構造主義との、関連性について、説明を始めた。
うわさによると、この教授は、昔から、学生たちのあいだで、「ロマンスグレー」と、呼ばれているらしい。
そのことは、同じ国文科四年生の同級生である、立花洋子から、聞いた。
立花の背中が、見える。
少し眠気を覚えているのか、それともメモを取っているのかは分からないが、形の良いほっそりとした頭が上下している。
サルトルは、小男だったということ。その余談が終わると、講義も終わりに近付いた。
立花が、僕の方を振り返っている。僕も真剣に、ノートを取ることにした。
ここのところ、予定が立て込んでいて、ただでさえ体調が優れなかったのだ。
しかし、何としても、かれんの墓参りだけは、欠かすことが出来なかった。
急に空腹を覚えて、近くの飲食店で、ハムサンドウィッチ二つとコーヒーの食事をとる。
サンドウィッチと、コーヒーを腹に流し込むと、いくらか落ち着きを覚え始めた。
冷たい東京の気候は、やがて雨へと少しづつ変わりはじめた。
僕は、金を払うと、外へ出た。
これから、都営の電車に乗って、自宅のアパートへと帰る。
混雑した、電車に乗っていると、緊張と疲れで、眠気が押し寄せてくるようだった。
かれんの墓参りを済ませたので、大学にも安心して通えるようになった。
講義に出る。しかし、卒業は、四年生になった時点で既に決まっていたので、そのことは安心の種だった。
単調な講義。その日は、哲学史の講義だった。
興味があってとったわけではない。それを言うと嘘になるかもしれない。
少し髪が薄くなった、ハンサムな教授が、サルトルの『嘔吐』に見られる実存主義と、レヴィ・ストロースの『悲しき熱帯』の構造主義との、関連性について、説明を始めた。
うわさによると、この教授は、昔から、学生たちのあいだで、「ロマンスグレー」と、呼ばれているらしい。
そのことは、同じ国文科四年生の同級生である、立花洋子から、聞いた。
立花の背中が、見える。
少し眠気を覚えているのか、それともメモを取っているのかは分からないが、形の良いほっそりとした頭が上下している。
サルトルは、小男だったということ。その余談が終わると、講義も終わりに近付いた。
立花が、僕の方を振り返っている。僕も真剣に、ノートを取ることにした。
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