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ミッキーマウス 不思議の国の大冒険(ハドソン・1987年)

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 プレイ時期:1995年ごろ
 ソフト入手:親戚にもらう
 クリア状況:エンディングまで
 おすすめ度:★★

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 本体ごとくれたのとはまた別の親戚から、古いゲームをまとめて引き取ったもの。題材が題材だけあって人気ソフトだったので、それ以前でも友人宅などでプレイする機会は何度かあったはずである。特に女の子に人気だったような覚えがある。

『不思議の国のアリス』をベースに、『魔法使いの弟子』『ピーターパン』あたりが混ざったような世界での横スクロールアクション。お供のミニーは足手まとい(ミニーが穴に落ちると、後を追ってミッキーが落ちてミス扱いになるのが怖い)に見えて、武器を手に入れると活躍。攻撃に対しては無敵なので一部のボスは一方的に倒せたりする。思うように動かせないことが障害になる場面もあるが、それを前提としたゲームバランスなので理不尽さはない。

 全体的な印象としては、同社の『ドラえもん』みたいなバラエティ豊富なものを作ろうとしたけれど予算や日程が足りずに力尽きた感じがひしひしと漂ってくる。一応ステージは5つあるが作り込みの度合いが全然違う。特に4面の海賊船、独立させる必要ある?

 1面の出口から海が見えて、次のコースが海になるのだが、2面以降にはこのような繋がりが見られない。むしろ海→森→海賊船という非常に不自然な構成になる。素直に海の後に海賊船を持ってくるのでは駄目だったのだろうか。このあたりも無理やり要素を詰め込んだ感じがする。

 ランダムで出現する隠しアイテムの中にはお邪魔キャラがおり、ミニーを拉致されると救出するまでクリア不可能になる。しかも救出にはランダム出現のボーナスステージで、これまたランダムで当たりを引く必要があって非常に困難。リセットしたほうが早いくらいである。「画面に残っているうちにエリア切り替え」で無かったことに出来るのが救いなのだが。

 一方で、妖精を取って無敵になるとボスでさえ一撃で倒せるのが爽快。最終面はまともにクリアしようとするとボスラッシュがかなりきついが、運良く妖精を引けば体当たりでラスボスをも倒してあっという間にクリアできる。現代の感覚ではかなり大胆というか大味な印象を受けるだろうが、ゲームが苦手な子でも運次第でクリアできるという意図的な調整だろうし、キャラゲーのスタンスとしては個人的には正しいと思う。

 裏技でステージセレクト可能。ただしこの場合はミニーが丸腰になるので難易度が上がり、さらにラスボスを倒してもエンディングにならない(これも『ドラえもん』と一緒)。3面のループ脱出パターンを覚えるのにはちょうどいいか。

 1987年のハドソンは、ファミコンとPCエンジンを合わせて10本ものソフトを発売しており、開発現場はかなり過密なスケジュールだったと想定される。せっかくのディズニーという題材なので、もう少し時間をかけて作れば名作になれたかも知れない。なんとも惜しいゲームである。
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