1 / 4
序章
序章
しおりを挟むいつもと変わらない少し肌寒い、1人暮らしの休日。
視線を感じ目を開けてみると、宙に浮かぶ夕焼けのようなオレンジ色の髪をしたワンピース姿の少女が浮かんでいた。
寝ぼけていた少年は、まどろみにみた夢と現実がごっちゃになる。
「テリマヨピザとコーラを一つ以上で」
むにゃむにゃ言うと睡魔に誘われるように目を閉じた時、朝日が差し込み始めた。
ピザの店員と間違えられたオレンジ髪の少女は、眉間にシワを寄せながら耳元で叫んだ。
「1億円になりまーす!」
耳元で大きな声を出されて、目を見開き、叫びをあげながら飛び起きた。
「高いわああああ!」
朝日を避けるように床に敷かれた布団と本棚の間に立っている見慣れない少女を見て、少年は首を傾げた。
「誰?」
少女は少年の問いに答え、笑みを浮かべながら自己紹介を始める。
「初めまして、私の名前はユウナと申します。折り入ってお願いがあり、参りました」
先ほどとは違うお嬢様風に自己紹介を終えて少年を見が、少年は胸元に目を奪われ、目を輝かせて言った。
「本物?」
少年の目には自己紹介をするユウナの姿より、豊満な胸に心を奪われていのだ。
ユウナは顔を真っ赤にし、胸を手で隠しながら、少年の顔を見て叫んだ。
「人の話聞けや~」
途端に、食べ終わったインスタントラーメンやペットボトルの散乱する部屋で突風が起き、散乱していたゴミが少年に襲いかかるが、夢だと思っているのか、全く動じずに少年はいやらしい顔をしながら平謝りをし、胸に手を伸ばして触ろうとする。
「痛っ、悪かった悪かった、、、、、、?」
触れなかった少年は、そこで半透明な事に気づき視線を顔に向ける。ユウナははんにゃの様な形相で頭突き、少年は意識を失った。
時計の針が12時を過ぎた頃、床に敷いてある布団の上で頭を抱えながら目が覚め、身体を起こした。本やパソコンの置いてある三畳程度の部屋で、消したはずのテレビの音が聞こえ、その方向へ視線を向けると、オッサンの様に肘をついて横になり、チョメチョメっていいともを見ている少女の姿があった。
少年はそーっと後ろから逃げようとするも、辺りに散らばった食べ終わったラーメンの容器を踏んでしまい、気づかれる。
「やっと起きましたか、少年」
寝そべりながら振り返るユウナの顔がはんにゃの形相と重なって見えた。
少年はたじろぎ、飲みかけのペットボトルにつまずいて布団に倒れ、震えながら要件を聞く。
「な、何の御用ですか?」
少年の問いに応えるように立ち上がり、ワンピースの裾を少し上げ、お嬢様風に説明を始める。
「先ほどは失礼しました」
少年は相変わらず胸を見ているが、気にせずに説明を続ける。
「少年よあなたの世界は、人類が滅ばないよう、バックアップ用に作られたアナザーワールドです。
そして貴方は、人類最後の大賢者の子孫にあたります。崩壊を始めた平行世界を救う為に、貴方の遺伝子が必要です。これよりこのアナザーワールドから平行世界へと転移します」
説明を終え、目を開けるとそこには、パンツ一丁でニヤニヤしながら近づいて来る少年の姿が。
「つまり子作りを、、、、、、」
言い終わる前に、ユウナは赤面しながら、蹴りが股間に炸裂。
「クソガキがーボフッ」
少年は目が飛び出そうな顔をして、股間を抑えて疼くまった。
「うっギャー、、、、、、」
そんな姿をよそに、おもむろに胸元あたりで片手をタッチ画面に触るようなアクションを取ると、電子画面が展開され、立体に表示されているマネキンの服を選択した。
すると、股間を抑え激痛で白目を向いたまま気を失っていた少年の身体は宙に浮き、光に包まれて、メイドの服装へと見る見るうちに変わる。
少女はそんな少年を宙に浮かせ、気を失ったまま連れて、靴の散乱する玄関へ向かい風鈴の音が鳴る。
「とりあえず行くぞクソガキ」
しかし少年は女座りで意気消沈し、ユウナの声も届いていない。
こうして少年の奇妙な物語が始まった。
0
あなたにおすすめの小説
魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
『伯爵令嬢 爆死する』
三木谷夜宵
ファンタジー
王立学園の中庭で、ひとりの伯爵令嬢が死んだ。彼女は婚約者である侯爵令息から婚約解消を求められた。しかし、令嬢はそれに反発した。そんな彼女を、令息は魔術で爆死させてしまったのである。
その後、大陸一のゴシップ誌が伯爵令嬢が日頃から受けていた仕打ちを暴露するのであった。
カクヨムでも公開しています。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる