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夏の日
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インターホンの音で目が覚めた。
何度も何度もなるもんだ。うるさいったらありゃしない。
私は少し不機嫌なまんまインターホンを取る。
「若ちゃん。おはよう。今何時かわかるかな?早くドアを開けていただいても?」
ドアの向こうには私より不機嫌な人がいたようだ、、
私は時計を見た後慌てて扉を開けに走った。
青山さんがうちに来るときは時間の約束をしていなくても大体2時過ぎだ。
時計はもうすぐ3時を指していて、私はしまったと青山さんを見る。
ブツブツと何かを言いながら青山さんは私のほうを見た。
「で?どうするの?違うもの描く?」
青山さんは遠回しに物事を話すのが嫌いな人で基本はなんでもストレートにくる。
「私は、、このシリーズ描きたいです。」
青山さんは頷くとそうだろうね。と漏らした。
「でも、描きたいんですだけでは描けないよ?物語が浮かばないんじゃ物語は進まない。もちろん期日も伸びない」
青山さんの雰囲気からしても自分の今の状態がダメなことくらいわかっている。
私はひたすらの沈黙をで青山さんが出してくれる答えを待った。
自分では考えられなかった。甘えだ。26歳にもなって自分のしごとも管理できないんじゃプロなんて言えない。
むしろ素人以下だ。
「若ちゃんにあこがれて絵本作家になる人だってこの世に入るし君を目標にして頑張ってる作家さんだってたくさんいる。ここの出版社に持ち込みにくる子でもこの夢物語が大好きだって涙をためながら熱弁する人もいる。若ちゃんの絵本はそれほどすごいんだよ。」
青山さんのストレートな感想に胸がえぐられる。
「原因は?」
優しく聞いてくれる青山さんに私は涙をためる。
青山さんに話したらくだらないと笑うだろうか。
でも私は一つ一つ説明した。
すると青山さんはそれは辛かったね。そういって頭を撫でてくれた。
優しく。
何度も何度も。
私は嗚咽を漏らして泣いた。
泣いて泣いて気づけば日も暮れていた。
その時だった。「あ、、浮かんだ、、」
物語の構成が出できたのだ。
青山さんは私のほうを見るとでかした!!
そういってまた強く私の頭を撫でた。
青山さんとは私が初めて持ち込みをした時の担当さんでもう古き仲なのだ。
とりあえず忘れないようにメモを取った。
話の工程が完璧にまとまったのは夜の9時を回っていた。
青山さんはお?終わった?飯いくかぁと大きく伸びをした。
「ここまでくると若ちゃんしごと早いからね。ご褒美」
そういって無邪気に笑う青山さんを見て私は昔を思い出した。
「懐かしいですね。そういえば初めて持ち込みした時にもそんな風に笑ってわけのわからないぬいぐるみくれましたよね」
そんなこともあったねぇなんて笑って青山さんはいつもと同じラーメン屋ののれんをくぐった。
何度も何度もなるもんだ。うるさいったらありゃしない。
私は少し不機嫌なまんまインターホンを取る。
「若ちゃん。おはよう。今何時かわかるかな?早くドアを開けていただいても?」
ドアの向こうには私より不機嫌な人がいたようだ、、
私は時計を見た後慌てて扉を開けに走った。
青山さんがうちに来るときは時間の約束をしていなくても大体2時過ぎだ。
時計はもうすぐ3時を指していて、私はしまったと青山さんを見る。
ブツブツと何かを言いながら青山さんは私のほうを見た。
「で?どうするの?違うもの描く?」
青山さんは遠回しに物事を話すのが嫌いな人で基本はなんでもストレートにくる。
「私は、、このシリーズ描きたいです。」
青山さんは頷くとそうだろうね。と漏らした。
「でも、描きたいんですだけでは描けないよ?物語が浮かばないんじゃ物語は進まない。もちろん期日も伸びない」
青山さんの雰囲気からしても自分の今の状態がダメなことくらいわかっている。
私はひたすらの沈黙をで青山さんが出してくれる答えを待った。
自分では考えられなかった。甘えだ。26歳にもなって自分のしごとも管理できないんじゃプロなんて言えない。
むしろ素人以下だ。
「若ちゃんにあこがれて絵本作家になる人だってこの世に入るし君を目標にして頑張ってる作家さんだってたくさんいる。ここの出版社に持ち込みにくる子でもこの夢物語が大好きだって涙をためながら熱弁する人もいる。若ちゃんの絵本はそれほどすごいんだよ。」
青山さんのストレートな感想に胸がえぐられる。
「原因は?」
優しく聞いてくれる青山さんに私は涙をためる。
青山さんに話したらくだらないと笑うだろうか。
でも私は一つ一つ説明した。
すると青山さんはそれは辛かったね。そういって頭を撫でてくれた。
優しく。
何度も何度も。
私は嗚咽を漏らして泣いた。
泣いて泣いて気づけば日も暮れていた。
その時だった。「あ、、浮かんだ、、」
物語の構成が出できたのだ。
青山さんは私のほうを見るとでかした!!
そういってまた強く私の頭を撫でた。
青山さんとは私が初めて持ち込みをした時の担当さんでもう古き仲なのだ。
とりあえず忘れないようにメモを取った。
話の工程が完璧にまとまったのは夜の9時を回っていた。
青山さんはお?終わった?飯いくかぁと大きく伸びをした。
「ここまでくると若ちゃんしごと早いからね。ご褒美」
そういって無邪気に笑う青山さんを見て私は昔を思い出した。
「懐かしいですね。そういえば初めて持ち込みした時にもそんな風に笑ってわけのわからないぬいぐるみくれましたよね」
そんなこともあったねぇなんて笑って青山さんはいつもと同じラーメン屋ののれんをくぐった。
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