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第28話 ガフェーナ教主国とリンスル聖王国
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次の日、早朝から行政地区の最深部にある宮殿でリィーシャともう一人の若い剣士が立ち会ってルトルスの事情聴取を行う。ルトルスを店で発見した証人としてシェーナとキシャナも同席する。
宮殿の客室に通されると、それぞれ指定されたテーブルの席に着く。
剣士はキシャナとルトルスの顔を見るなり、不機嫌を露骨に顔に出す。
「忙しいのに悪いね。手短に済ませるから、早速始めようか」
主導権はリィーシャが握って進行を始めようとするが、剣士はリィーシャを遮るようにシェーナ達の素性を確認する。
「その前に三人の経歴を確認しておきたい。シェーナ・ウラバルトはハシェル国の元第三近衛隊隊長の女騎士。キシャナ・ウスティーはガフェーナ国の元諜報員に属していたダークエルフ。ルトルス・ライヤーはガフェーナ国の元ディアン枢機卿直属の暗黒騎士で間違いはないか?」
威圧的な態度の剣士は書類に記載されている経歴を読み上げる。
経歴については間違っていないし、シェーナ達は頷く。
すると、剣士は腰に下げている剣をシェーナに向ける。
「そこのシェーナ・ウラバルトは二人の邪教徒を使役して、我々を葬り五大国を征服しようと画策している可能性がある。ハシェルがガフェーナと密約を交わしているのではないかね」
「違います! 私達はそんな大それたことを考えたりはしていません」
必死に無実であると訴えるシェーナだが、剣士は頑なに聞く耳を持たない。
「即刻、裁判を開いて貴様等を……」
「カリュー君、少し黙ろうか?」
リィーシャは表情を変えずに、静かな口調で諭す。
カリューと呼ばれた剣士はリィーシャに反論しようと試みるが、彼女の凄みに圧されて剣を鞘に収めて口をつぐむ。
「では聴取を始めるね」
リィーシャは事情聴取を再開すると、ルトルスは淡々と語り始める。
その間、カリューは面白くなさそうな顔でシェーナ達を睨み付けて敵対心を剥き出しにする。
たしかにハシェルの女騎士、ダークエルフ、ガフェーナの暗黒騎士が一堂に集まる機会はな
いだろう。国を治める立場なら、カリューの主張は危惧の念を抱かされても仕方がないことなのかもしれない。
事情聴取が終わると、リィーシャはルトルスに住民票と身分証明書を渡す。
「住民票の住所は料理店にしてあるよ。それと身分証明書は商業ギルド『森の聖弓』に登録させてもらうよ。ギルドについてはシェーナ君やキシャナ君に詳しく聞くといいよ」
「ああ、手間をかけさせたな」
ルトルスはリィーシャと握手を交わすと、正式に中立国家プライデンの住人となった。
その様子を忌々しそうに眺めるカリューは宮殿の奥へと消えていった。
「すまないね。彼は勇者君がリンスル聖王国から引っ張って来た神官戦士なんだ」
リィーシャがカリューの出自を説明すると、合点がいった。
聖リンスルを主と崇めるリンスル聖王国は創造神ガフェーナを主と崇めるガフェーナ教主国
を邪教徒の烙印を押して宗教戦争が勃発。五大国の中で魔王復活前から因縁深い国同士なのだ。
ガフェーナと繋がりが深い邪教徒のルトルスとキシャナを招き入れることは、カリューのよ
うなリンスル聖王国の人間には我慢がならないのだろう。
リィーシャは上層部へ報告するためにその場で別れると、シェーナ達は料理店へと戻る。
宮殿の客室に通されると、それぞれ指定されたテーブルの席に着く。
剣士はキシャナとルトルスの顔を見るなり、不機嫌を露骨に顔に出す。
「忙しいのに悪いね。手短に済ませるから、早速始めようか」
主導権はリィーシャが握って進行を始めようとするが、剣士はリィーシャを遮るようにシェーナ達の素性を確認する。
「その前に三人の経歴を確認しておきたい。シェーナ・ウラバルトはハシェル国の元第三近衛隊隊長の女騎士。キシャナ・ウスティーはガフェーナ国の元諜報員に属していたダークエルフ。ルトルス・ライヤーはガフェーナ国の元ディアン枢機卿直属の暗黒騎士で間違いはないか?」
威圧的な態度の剣士は書類に記載されている経歴を読み上げる。
経歴については間違っていないし、シェーナ達は頷く。
すると、剣士は腰に下げている剣をシェーナに向ける。
「そこのシェーナ・ウラバルトは二人の邪教徒を使役して、我々を葬り五大国を征服しようと画策している可能性がある。ハシェルがガフェーナと密約を交わしているのではないかね」
「違います! 私達はそんな大それたことを考えたりはしていません」
必死に無実であると訴えるシェーナだが、剣士は頑なに聞く耳を持たない。
「即刻、裁判を開いて貴様等を……」
「カリュー君、少し黙ろうか?」
リィーシャは表情を変えずに、静かな口調で諭す。
カリューと呼ばれた剣士はリィーシャに反論しようと試みるが、彼女の凄みに圧されて剣を鞘に収めて口をつぐむ。
「では聴取を始めるね」
リィーシャは事情聴取を再開すると、ルトルスは淡々と語り始める。
その間、カリューは面白くなさそうな顔でシェーナ達を睨み付けて敵対心を剥き出しにする。
たしかにハシェルの女騎士、ダークエルフ、ガフェーナの暗黒騎士が一堂に集まる機会はな
いだろう。国を治める立場なら、カリューの主張は危惧の念を抱かされても仕方がないことなのかもしれない。
事情聴取が終わると、リィーシャはルトルスに住民票と身分証明書を渡す。
「住民票の住所は料理店にしてあるよ。それと身分証明書は商業ギルド『森の聖弓』に登録させてもらうよ。ギルドについてはシェーナ君やキシャナ君に詳しく聞くといいよ」
「ああ、手間をかけさせたな」
ルトルスはリィーシャと握手を交わすと、正式に中立国家プライデンの住人となった。
その様子を忌々しそうに眺めるカリューは宮殿の奥へと消えていった。
「すまないね。彼は勇者君がリンスル聖王国から引っ張って来た神官戦士なんだ」
リィーシャがカリューの出自を説明すると、合点がいった。
聖リンスルを主と崇めるリンスル聖王国は創造神ガフェーナを主と崇めるガフェーナ教主国
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ガフェーナと繋がりが深い邪教徒のルトルスとキシャナを招き入れることは、カリューのよ
うなリンスル聖王国の人間には我慢がならないのだろう。
リィーシャは上層部へ報告するためにその場で別れると、シェーナ達は料理店へと戻る。
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