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第51話 聖核(セイントコア)
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しばらく二人は抱き合っていると、部屋の外からルトルスが入室して空間魔法は解除された。
慌ててシェーナはグラナから離れると、ルトルスはグラナに詰め寄っていく。
「貴様! シェーナに何をした!」
「おやおや、よく私が魔王だと分かったね」
「姿形が同じだろうと、その眼に宿す闇は誤魔化せんぞ」
「流石は元ガフェーナの優秀な暗黒騎士だ。闇の扱いは手慣れているようだ。亡くなった姉上も天国でルトルスの成長を喜んでいるだろう」
グラナはルトルスを煽るが、無視してシェーナに駆け寄る。
「シェーナ、大丈夫か? 奴に何かされていないか?」
「俺は大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。グラナとは色々と人生相談に乗ってもらっただけだから」
シェーナは照れ臭そうに礼を述べると、グラナはやれやれと言わんばかりに、部屋から退出する。
「……私が傍にいながら、すまなかった、今度、奴が変な事をしようとしたら遠慮なく私を呼んでくれ」
ルトルスはグラナを追いかけるようにして出て行くと、階下からルトルスの怒声と温泉から戻ったキシャナが仲裁に入って揉めている。やがて声が止むと、グラナは階下で先程の空間魔法を使用してキシャナとルトルスにシェーナと同じようなことをしているのだろう。
シェーナは机に座って利益の計算を再開して、しばらく静かな時を過ごした。
次の日、シェーナは久々に朝の日課だった剣の素振りをするために店の裏側に回って始めた。
気のせいか、身体は軽快に動けて、まるで背中に羽が生えたような感覚だ。
「おはよう。剣の修行かい?」
「グラナか。ここへ来てから剣を握る機会は減ってしまったからね。体力と精神を鍛えるためにも、たまにこうして素振りをしている」
二階の窓からシェーナの姿をしたグラナが顔を出すと、シェーナに朝の挨拶をする。
あれからグラナはキシャナと距離を縮めて仲は良くなったが、ルトルスは相変わらず警戒心を強めている。
「身体が軽いと思ったでしょう? 私を雇ってくれた礼に、ささやかだけどシェーナ達の潜在能力を引き上げてみたよ」
おそらく空間魔法にいた時に、潜在能力を解放したのだろう。
思い返せば、グラナに抱き付かれてから力が湧いてくるような感覚があったので、まさかそんなことになっているとは思わなかった。
シェーナは軽く剣を振ると、胸の奥底に何かを感じ取った。
「シェーナは『聖核』を扱うのは初めてか。人間には『聖核』と呼ばれる生命エネルギーが宿っている。リィーシャやルトルスはその力を上手く利用して戦場を駆け巡って戦果を挙げていたんだよ」
そういえば、ルトルスと初めて出会った時に剣を交えたが、毒が回っていたのにも関わらず互角以上の剣戟を繰り広げたのは『聖核』による恩恵が付与されていからだ。リィーシャがそれを止めに入った時にも異様なオーラを放ったり、行政地区でカリューに捕らわれたシェーナを見つけ出せたのも『聖核』を応用した技なのだろう。
「実戦に付き合ってあげるから、その剣を軽く振ってごらん」
グラナは二階から飛び降りると、無防備でその場に立ち尽くしてシェーナの様子を窺う。
言われた通りにシェーナは剣を振るうと、剣先から衝撃波のような物が現れたかと思うと、大木に衝撃波が命中して崩れ落ちた。
慌ててシェーナはグラナから離れると、ルトルスはグラナに詰め寄っていく。
「貴様! シェーナに何をした!」
「おやおや、よく私が魔王だと分かったね」
「姿形が同じだろうと、その眼に宿す闇は誤魔化せんぞ」
「流石は元ガフェーナの優秀な暗黒騎士だ。闇の扱いは手慣れているようだ。亡くなった姉上も天国でルトルスの成長を喜んでいるだろう」
グラナはルトルスを煽るが、無視してシェーナに駆け寄る。
「シェーナ、大丈夫か? 奴に何かされていないか?」
「俺は大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。グラナとは色々と人生相談に乗ってもらっただけだから」
シェーナは照れ臭そうに礼を述べると、グラナはやれやれと言わんばかりに、部屋から退出する。
「……私が傍にいながら、すまなかった、今度、奴が変な事をしようとしたら遠慮なく私を呼んでくれ」
ルトルスはグラナを追いかけるようにして出て行くと、階下からルトルスの怒声と温泉から戻ったキシャナが仲裁に入って揉めている。やがて声が止むと、グラナは階下で先程の空間魔法を使用してキシャナとルトルスにシェーナと同じようなことをしているのだろう。
シェーナは机に座って利益の計算を再開して、しばらく静かな時を過ごした。
次の日、シェーナは久々に朝の日課だった剣の素振りをするために店の裏側に回って始めた。
気のせいか、身体は軽快に動けて、まるで背中に羽が生えたような感覚だ。
「おはよう。剣の修行かい?」
「グラナか。ここへ来てから剣を握る機会は減ってしまったからね。体力と精神を鍛えるためにも、たまにこうして素振りをしている」
二階の窓からシェーナの姿をしたグラナが顔を出すと、シェーナに朝の挨拶をする。
あれからグラナはキシャナと距離を縮めて仲は良くなったが、ルトルスは相変わらず警戒心を強めている。
「身体が軽いと思ったでしょう? 私を雇ってくれた礼に、ささやかだけどシェーナ達の潜在能力を引き上げてみたよ」
おそらく空間魔法にいた時に、潜在能力を解放したのだろう。
思い返せば、グラナに抱き付かれてから力が湧いてくるような感覚があったので、まさかそんなことになっているとは思わなかった。
シェーナは軽く剣を振ると、胸の奥底に何かを感じ取った。
「シェーナは『聖核』を扱うのは初めてか。人間には『聖核』と呼ばれる生命エネルギーが宿っている。リィーシャやルトルスはその力を上手く利用して戦場を駆け巡って戦果を挙げていたんだよ」
そういえば、ルトルスと初めて出会った時に剣を交えたが、毒が回っていたのにも関わらず互角以上の剣戟を繰り広げたのは『聖核』による恩恵が付与されていからだ。リィーシャがそれを止めに入った時にも異様なオーラを放ったり、行政地区でカリューに捕らわれたシェーナを見つけ出せたのも『聖核』を応用した技なのだろう。
「実戦に付き合ってあげるから、その剣を軽く振ってごらん」
グラナは二階から飛び降りると、無防備でその場に立ち尽くしてシェーナの様子を窺う。
言われた通りにシェーナは剣を振るうと、剣先から衝撃波のような物が現れたかと思うと、大木に衝撃波が命中して崩れ落ちた。
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