群雄割拠した異世界では訳アリな人物で溢れていた

霧矢風月

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第101話 エルフの里 マッサージ

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 三人は温泉から出て支給された浴衣に着替えると、エルフのマッサージ師が無料でマッサージをしてくれるそうだ。
 ルトルスやペトラもマッサージをしてもらったが、とても好評だった。

「折角だから、体験していこうかな。キシャナとグラナはどうする?」
「いいね! シェーナは美肌のツボを押してもらって、綺麗になった姿をルトルスに見せないとな」
「俺は別にそんなつもりじゃ……」
「最近は高度な魔法を連発していたから、シェーナに賛成」

 シェーナは前世で銭湯や温泉場にあったマッサージ機を使う感覚だったのだが、キシャナは深い意味に捉えてしまったようだ。
 困惑したシェーナの横でグラナは上機嫌でマッサージに同意する。
 意見がまとまると、シェーナ達はエルフのマッサージ師の案内に従って、それぞれ個室へ通された。個室には中央にベッドが設置されて、シェーナはベッドに仰向けになるとマッサージは開始される。
 エルフのマッサージ師はアロマオイルを調合した物を取り出すと、手の平でマッサージオイルを伸ばして足裏からマッサージを始めると、ふくらはぎ、腰、腕、首の順に全身のマッサージを進めていく。こういったマッサージは初体験だったので少々不安だったのだが、肌つやも良くなって体も軽くなった気分だ。最後にエルフのマッサージ師からアロマオイルをプレゼントされて、一人でも簡単にできるマッサージを伝授してくれた。
 シェーナはマッサージを終えると、丁度二人も終えて合流する。

「アロマオイルなんて初めてだったけど、ルトルスやペトラが絶賛するのも頷けるよ」
「そうだな。マッサージ中は長耳が激しく動いちゃった。私も女子がマッサージにハマる理由が分かったような気がするよ」
「私はマッサージに夢中になって、変身魔法が解けそうで危なかったよ」

 三人はそれぞれマッサージの感想を述べる。
 キシャナが長耳を激しく動かしているところは何となく想像ができてしまって、シェーナは自然と笑みを浮かべた。グラナは魔法を維持できていなかったら、阿鼻叫喚の騒ぎになって温泉施設を出禁されるところだったかもしれない。

「ルトルス達と合流して、ご飯にしようか」

 シェーナ達は温泉施設の外で待っていたルトルスとペトラを見つけると、温泉の感想を述べながら西エリアに移動する。
 西エリアは料理店が軒並み点在しているが、主にエルフの里で獲れた農産物で作った郷土料理店が多い。

「エルフの里の郷土料理ってどんなものだろう?」

 考えてみれば、エルフが主食にしている料理を知らなかった。
 シェーナの想像だが、リィーシャやサリーニャを例に挙げて考えると色素が薄いエルフはカロリー控えめな野菜料理が中心なのではないか。

「私がダークエルフの故郷にいた頃、狩猟で獲った野兎を捌いて食べていたね」
「なるほど」

 キシャナは故郷にいた頃を思い出すと、罠を仕掛けて野兎を捕獲して、焼く、煮るの選択肢で保存食にしたりしていた。
 ダークエルフも元々はエルフ族に分類されるので、食文化は繋がっているかもしれない。

「とりあえず、どこか店に入ってみよう」

 シェーナは長蛇の列になっている店を選ぶ。
 列ができているのは、それだけ人気店である証拠だと思ったからだ。
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