虹の樹物語

藤井 樹

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〜0章〜

無の光

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 神々は虹を渡る。

 大いなる慈悲の光により、その星は静かに廻っていた。

 悠久の時の中、『ヒト』は突如発現した。

 遍く全てとの共存を条件に、神々は手を差し伸べた。

 大いなる発展を遂げた『ヒト』は大いに神々を喜ばせた。

 やがて、その欲望は神にも届かんとするほど、強大に膨れ上がった。

 傲慢な命を憂いた神々は、『無の光』を放ち、その星から飛び立った。

 やがて、星は、光を失った。
 
 神々は虹を渡る。
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