魔王にさらわれた聖女の君は、僕の言葉で堕とされ『花嫁』となる

K.A.

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Act 07

至尊の座~聖、慰める指頭

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「う……あは……エリオット……はあ、はあ……」

「……ああ……アリス、『魔の力』で縛られていない時でも、そうやって手を使って僕の大切なものに快楽を与えてくれ。宵の訪れを待たずともよいんだ。
 ふふ。
 玉座ぎょくざで二人きりの時は、気張る必要はない。魔界に君臨する伉儷こうれいだんではなく、永遠とわ相伴あいともなうと誓う飛鳥ひちょうつがいの聞くも美しい鳴きで、愛を伝えあっていきたいと考えている。そして、君の方から僕の大切なものに手を添え、『魔の力』を注いでほしいと願い出てきてくれ。魔の者になったのち、さらなる力が必要だと思いおよぶのは、魔界の女王としてのつとめを果たしたいとしんに考えてくれているに等しい。もちろん、すぐに『魔の力』を与えてやるつもりだ。
 今日は、魔王の花嫁としてのおごそかな仕法しほう涵養かんようしてもらう為の道すがら程度だったが、褒美を与えてやろう」

「あう……下……はあ、はあ……ドレスの下から手を入れて……い、陰核いんかくを、さわらない……で……あう……」

「おやおや。
 聖女さま、元気がないじゃないか。僕ばかりが楽しんでいると、腹を立ててしまったのかな? 自分の方はらされ、苛立いらだたされていたと、ひどい仕打ちであるといきどおってしまったのか……アリス、そんなに怒らないでくれ。びが必要だというのなら、すぐに寝所ねどこに移動しよう。いとしい君の望みを聞き届けるというのが最も大切であると考えているよ。
 人心じんしんを惑わしもてあそび、禍害かがいが起こる故とするのはたわむれだが、花嫁である君が心から願い出てきてくれた事をなみするなんてできない。さあ、寝所ねどこの白布の上で肌をさらし、横たわりながら底なしの快楽に沈みたいと言ってくれ。
 おのが内からあふれたもので、陰部が湿りびてしまい、触れる僕の指が滑らかな動きをするだけで、いくたびも、想いがみねに達してしまうほど楽しい時間を与えてやる事を約束するよ」

「う……あは……や、やめて……下をさわっても、だめなの……私は、エリオットを愛しているから……だから、これ以上、愛さないと決めたの……愛がいただきへと達したら、きっと、わたし……あうっ!」

「指よりも、尻尾しっぽ陰核いんかくでられた方が気持ちいい? 妃になってもらったのちも、僕が望んだらすぐに身体を差し出すつとめがある故、ふふ、二人きりで過ごす時は、今日のように陰部を護る肌付はだつきを与えない方がよいかな?
 尻尾しっぽの先端を陰部の裂け目に密着させてやったら、なまめかしいため息をついてくれたじゃないか。揺れる赤い横髪の間にのぞく頬は、明らかに紅色べにいろに染まっている。いつまで経っても陰部が裂かれず、気をんでいるんだろ? しっかりと君のを抱き寄せてみれば、鼓動の乱れを隠せなくなっているのがよく伝わってくるぞ。
 尻尾しっぽがゆっくりと奥に進める程度には濡れているが……もっと愛慾あいよくに溺れ、内が侵犯しんぱんされる事に悦びを感じるほどになりたいと思わないか?」

「あは、あは……し、尻尾しっぽを動かさないで……あは、はあ……か、身体は、魔力で巻かれても構わないし、魔王の妃という背信者になった私を世界のみんなの前にさらすのも、エリオットの好きにすればいいわ。でも、心は消してほしいの。身体を重ね続けて、私を魔の者にしたとしても、何も得られないうつつは、あなたもいらないでしょ……消して……おねが……ぃ……い、あ……あうっ!」

「水がはねるような音が、聖女さまの耳にも届いているだろ? 肩をしっかり抱いてやっていなければ、腰を動かして応じてしまいそうなぐらい、僕の尻尾しっぽに激しく陰核いんかくを刺激されていて……もっと、乱れてしまえばいいんだよ!
 何を遠慮しているんだ!
 拘泥こうでいし、我執がしゅうにとらわれ嫌々しているさま、僕が君を手に入れたいという想いが強まっていくだけだよ。
 なかばでとどこおる事なく、尻尾しっぽを入れてほしいと思わないか? 一番奥まで、何度も、何度も!」

「け……消して……エリオット……おねがい……おねが……ぃ……い、あ、あ、あ、ああっ! し、しっぽが……エリオットの尻尾しっぽが……はいって……あ、あ、あ、あ!」

「まあ、いい。そうやって、心にしがらみを立ててくれると、アリスを快楽へと堕としていく楽しみが増すと考えよう。
 尻尾しっぽの動きを激しくしてやったが……楽しそうだね。聖女さまが、奥まで入れてくれない時に悦ばせてやるすべ服膺ふくようしているよ。君のさまに応じて、未来の夫である僕は与えてやる刺激を変えてやらねばならない。研鑽けんさんを積むように、つねに磨きをかけていくつもりだ。
 ふふ。そうか。内ではなく、外――陰核いんかくをもっとしっかり刺激してほしかったのだな。今度は、僕の口を使ってでてやろう……」

「はぁあああ……す、すってる? 吸っているの? あは……や、やめて……陰核いんかくくわえるみたいに……あはぁふぁ……はぁ……く……あは……く……あはっ」

「……可哀そうに。これほどまでに僕を愛してくれているのに、聖女であるという役儀やくぎわいつけられ、心の自由を奪われているなんて。
 この魔王エリオット・ジールゲンに唯一の罪があるとしたら、生まれ落ちてすぐのアリスを僕の手におさめてやれなかった事だ。『聖なる力』に恵まれた、あなどりがたい相手となりそうな女児が誕生したのには気づいていたが、嬰児えいじを果たしてしまおうとは、なぜか思わなかった。あとから考えると、何百年も待ち続けた運命の人の降誕こうたんを、我知らず、当然の慶事だと受け止めていたのだろう。
 だが、本当にすまなかった。
 おのれがいる世界を目に映す事もできない赤子の君を、この烏夜色うやいろのマントにくるみ、魔界の城に連れてきてやっていたら、合理的な行動だけを求められる聖女に仕立てられていくつらさを感じさせてしまう事はなかった。魔王の花嫁に迎えられる日に向けて、華やいだ心持ちだけで過ごさせてやれたのに……そうしてやれなかったと悔やむ限りだ。これからも君ただ一人を永遠とわに愛していくので許してほしい。
 過ぎ去った時間も、のちに向かう時間も、魔王の心を占めるのは、君だけ。心の傷が少しでも癒えるように、舌と舌を絡める事を楽しんで……」

「んん……ん……ぷは……ああ……エ、エリオット……んんんっ!」

「……最初のは、胸の高鳴りを刺激する為の口づけだよ。二度目は、互いの想いを深める為の愛撫あいぶ
 僕の可愛い聖女さま、情事にふけっていないなどと言い訳できないぐらいに、色に染まっていく事を望んでいる激しさを、舌の動きとして伝えてくれたが、それでもまだ、心を消されたいなどと言うつもりかい? あるいは、凡愚ぼんぐではない君のはかりごとの一つで、魔王たる僕の支配欲を満たそうとしてくれているのかな。
 ああ。
 花嫁に迎えられたのちも、熱き夜一夜よひとよを過ごさせてもらえるという約束に、たしかなあかしがほしいのだな。分かったよ」

「あ……エリオット、何を……私を、座らせて……何を……え……鎖?」

「驚かせて、すまない。
 座り心地は、どうだい? 魔界のあるじのみがする事を許されるその場所を君に譲った意味、分かってもらえたかな? うやまとうとむべき相手だと考える妃として君を迎えると、魔王である僕の方が約束する。すべてがまことであると安心して受け止めてくれ」

「くっ……外れない……エリオット……私の手首に、くさりを……え……きゃあ……鎖が、肘掛ひじかけに吸い込まれていく……」

「手枷から伸びるその鎖の長さは、君が思った通りに決まるんだ。魔力の触媒しょくばいとして、君が僕を愛してくれているという心を使わせてもらった。アリスが、僕と共にありたいと願う気持ちが鉄枷となり君を拘束し、幾重いくえも繋がる鎖を作り出したんだ。僕のそばに留まりたい想いに束縛されているという事。聖女さまが、こんなに揺るぎない堅固な僕への愛を誓ってくれていると知れて嬉しいよ。
 ああ。
 今日は、胸をでてやる事を疎かにしていてすまなかった。玉座ぎょくざに縛られたまま、しっかりと楽しんでほしい」
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