R18「僕の手から逃げる事は許さない!」狂愛夫に、塔の上に囚われているが意外と純愛心を持っている【短編集/読み切り】

K.A.

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「……私をその部屋に連れ込むつもり?」「ああ。逆らうような真似をせず、僕の言う通りにしろ」【[※]後半2話、他所で未発表原稿】

[ラブホテル]「鎖が付いてる首輪……私をどうするつもりだったのかしら?」

「あはぁあんっ……くはぁああんっ。
 うきゃああああ……はあっ」

「アリス。
 どうしたんだ?
 ははっ。
 ソープを塗られて、身体の隅から隅まで、僕の手にいじられているだけじゃないか!
 浴室に、僕と二人きりで入ったんだ。
 当然だろ?
 首のあたり、ゆっくりこすられるのが、そんなにも気持ちいいのか。では、首の後ろから胸に向かって、もう少し激しく洗ってやろう」

「きゃぁああ……む、むねのさきだけ、なんども……なんども……あはあん……エリオット……あははん」

「手錠で壁に固定されたまま、逃げ出せもしないからといって、足を激しく揺らして――陰部に少しでも刺激を与えようと、必死なのではないだろうな? 目に涙を浮かべているのは、心地よいからか?
 天王寺アリス。
 このエリオット・ジールゲンの問いに、素直に答えてくれないか。
 ふん、本当に反抗的だ。君の口に、直接聞くとしよう――」

「ん……んふっ。
 んんんんっ……んんっ……ん……はふ……はあ……はあ……舌、そんなにはげしく……んっ!
 んんんんんんっ!
 んんっ!
 んん……んんんっ!」

「……一度で済ませてやると思ったか。
 この部屋にきてから、僕をないがしろにした事、たっぷりと後悔しろ! 言葉を発するその口にだって、自由を与えてやるつもりはない」

「あ……エリオット。
 かお、つかまないで……両手で、いきなりで、びっくりした」

「僕の方だけを見ろ。
 他に目をやる権利、君にはない。僕は、幼い頃からただ一人、天王寺アリスという女性だけを見つめてきたんだ。
 飛び級までして、同じ大学に入ったのに、先輩扱い以外は認めないなどと、つれない態度で、このエリオット・ジールゲンをしいたげるなんてな。
 クーデターを成功させ、世界を手に入れると同時に、君を我が手に堕とすつもりが、無断で故郷に帰ってしまう始末。
 制圧者となった最初の晩に、君と結ばれるという、僕の夢はあっさりと砕かれた」

「あ、あし……でないで……ああ……付け根のほうまで……ああん」

「陰部はさわってやらないぞ。
 そこに慈悲を与えてやるのは、ベッドに移動してからだ。
 この部屋に連れ込まれる前、僕以外の事を考えていたその身体、指の先まで綺麗に洗わせてもらった。で流されたのちは、このエリオット・ジールゲンの事だけを考えろ。
 君が、返事をするかしないかは、どちらでもいいんだ。僕は、君の身体を自由に扱う権利を持っているからな。
 ふん。
 世俗の為などと、つかみどころがない、愚昧ぐまいであると言ってもよい考えに基づき行動していたんだろ? 世界の仇敵きゅうてき寵姫ちょうきという立場になったのを好都合とばかりに……僕の心をきつけ離さないように絡めとり、さらに、僕の麾下きか臣属しんぞくに成り下がったと見せかけた上での背信行為はいしんこういだったよ」

「うはん……あはん……エ、エリオット……あ、あ」

「シャワーをかけられただけで、そんなに反応してしまうなんてな――ふふ。
 だが、許してやろう。
 アリス。
 君が、いとも容易たやすく乱れてしまうのは、僕と身体を重ね続けた事がこりだからだ。
 故郷まで追ってきた僕に、みずから、を差し出してくれたじゃないか。そして、僕の子を腹に宿し、産み落としてくれた。
 順番があべこべになってしまったが、妻に迎えたいと、誠意をもって伝えたのに、断るなんてな。
 ああ。
 いまだに妻ではなかった。
 そんな女に、容赦はいらない。
 ははっ。
 胸の谷間から、指先を下におろされて、どうだ? そうして、腹のあたりで動きを止められた。まれたり、さわられたりしたい場所は無視される。
 あははっ。
 僕と、これからも生活を共にする事、同意するのなら情けをかけてやるが、どうする?」

「……は……はあ。
 わたし……私、まだ子育てがあるから……エリオットと二人で、隠れ住んで一生を過ごすのは、おことわ……り……あっ!」

「胸の谷間や腹への接触でも、大きな悦びを感じてしまうんだろ? けれども、得られる快感が続かない。
 君は、本当に強情だ。
 分かった。
 尋問の場所を、ベッドに移すか。
 手の拘束を解除するが、逃げる素振そぶりを見せるな。まあ、そんな状態では無理というものか」

「ふ……ふあ!」

「おいおい!
 バスタオルで、くるまれただけだぞ。
 あははははっ。
 そんな程度で、感じてしまうんだな!
 君を、ベッドまで連行するのに、あつらえ向きの拘束衣だっ。
 顔が赤いのは、浴室から出たところだからじゃないんだろ? 否定のを込めたように、まぶたを閉じても無駄じゃないか! どんな抵抗をしたところで、君は、これからベッドに縛りつけられる。
 さあ、一緒に来るんだっ!」

「……あ。
 こんなに、しっかりと肩を支えられていては……私、逃げられないわね……エリオットは、恐怖で世界を支配しようとするような、悪役だから。
 ――私の大切な息子の父親でもあるけど」

「……ああ。
 そうだ。
 テーブルの上に、首輪があったな。
 先ほど、今宵は使わぬと言ったが、僕は悪役なんだ。世俗に対し、軍部圧政をいる指導者、エリオット・ジールゲンが、妻でもない女との約束を守る訳がない。
 ――天王寺アリスという女性の息子は、そんな男のいとし子でもある」

「私に、その首輪をつける気?」

「抵抗するな。
 大人しく、制圧されてもらおう。
 首輪をつけられたさまさらしたのち、鎖をみずからの手で、僕の方に差し出せ。それができないと言うのなら、代償を払う事になる。
 アリス。
 君のいとしい息子、ルイーナの金棒がねぼうを握らせてもらう。
 ふ。
 理解しているだろ?
 今のあの子のポジションは、再び、僕が世界をこの手にするのに、とても都合がいい。
 エリオット・ジールゲンの命を奪わない形――支配者が討ち取られ、暴力の連鎖で動乱が起こる事態を避けた上で、世俗の権衡けんこうを崩さぬ為の象徴を用意した。その計画を完遂した君に、敬意をひょうするよ。
 平和を願う歌により僕の残虐行為を止めた事で、民間人から偶像視ぐうぞうしされる人物でありながら、僕の血を引く唯一の子。反乱分子どもも、軍の連中も、誰も彼もが次代の支配者にと望む存在、それが今のルイーナだ。
 そんなルイーナを操る事に成功すれば、むしろ、以前よりも強大で、盤石ばんじゃくで、誰もがしんであると信じる、そう、まごうことなき権威が手に入る。
 あははははっ。
 アリス!
 本当に、ありがとう!」

「相変わらず、卑怯ね。実の息子を人質に、私を脅すなんて。
 変わってないな。
 子供の頃から成長してない。
 ぬいぐるみたちも、私の大切なものだったけど、おぼえている?
 宝物のオルゴールを持ち出されたわ。
 天王寺家の屋敷から出されて、施設に預けられると気づいて、どうにも私と離れるのが嫌だと騒ぎながら、モノジチをとって、部屋に立てこもった」

「……幼い日のごとだ。
 さあ、どうする?
 首輪から伸びる鎖。アリス、君の手で、僕が握る事を認めてもらえるか。返事は、早くした方がいいぞ。
 バスタオルは、すでに、床に落ちている。
 裸のまま、鎖の垂れ下がった首輪をつけられた姿をさらしているのだからな。
 陰部や胸に、快楽を与えられる事、期待しているんだろ? そういう意味でも、速やかに、そして、僕が快く思うような応じ方をしてくれるか。
 ルイーナを、護りたいんだろ……早くしろっ!」

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