流行りじゃない方の、ピンク髪のヒロインに転生しました。

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第一章

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「転移」


 と、ルカ君が呟く。
 気がついたら、どこかの部屋に、いた。

「……ルカ君?」

 ルカ君が、頭に顔を埋める。

「良い匂いがする」
「ちょ、ちょっと待って、ここは……?」

 ルカ君を押し返し、周りを見回す。
 ベッドに、椅子に、テーブル。
 ……いつも使っている、高級ラブホテルの様な部屋だ……

「……なんで」
「ごめん、……他の男に、ミアさんを見せたくなくて」

 ……ちょっと待って、理解が追いつかない。

「髪を下ろしてるのも、眼鏡をかけてないのも、こんな綺麗なドレスを着てるのだって……、初めて見た。こんなの、他の男に見せたら、駄目だ」
「……なん、で、ん」

 頭を抱え込む様に、キスをされる。
 ルカ君の舌が入ってきて、口の中を、ぐちゃぐちゃに掻き回されてしまう。

「ん、んっ、ゃ だ、キスは、……やだ」

 顔を横に向け、無理矢理ルカ君の唇を、引き剥がす。

「……どうして?」

 ルカ君が余裕の無い声で言う。
 
「っ、だって、勘違いしてしまうから」
「……勘違い?」
「恋人みたいだな、って、」
「…………」
「私の為に、恋人のふりをしてくれて、私が聖属性だから、こういう事になってしまったけど……そんな風にされたら勘違いしそうだから、……やめて欲しい」
「………………僕にキスされるのも、触れられるのも、本当は嫌だった?」
 
「……嫌じゃないから、駄目なのっ」

 思わず感情的になって、言ってしまう。

「それは…………、僕は、ミアさんが好きだよ。小さくて、柔らかくて、簡単に壊れてしまいそうなのに、ミアさんの中に、温かくて強いものがある。……そんなミアさんが、好きなんだ」
「………………好き……私を?」
「うん。……いつも穏やかで優しいのに、人の事になると、意志が強くなるミアさんが、好きだよ」
 
 ルカ君が、花冠にそっと手で触れる。

「……ローズマリーとデイジー、ミアさんにぴったりの花言葉だ」
「……どんな意味があるんですか?」
「確か、デイジーは『平和』に『無垢』、ローズマリーが、『誠実さ』『静かな力強さ』……、『私を想って』だったかな? ……僕の願望も入ってるね」

 ルカ君に微笑んで言われ、顔が熱くなってしまう。

「……私も、ルカ君が好きです」
「……………………本当に?」

 ルカ君が呟く様に言う。

「はい。……ルカ君といる、穏やかな時間が好きです。いつも、相手に気づかせない様に、気遣ってくれる優しい所も、無邪気に笑う顔も、優しい声も、手も、全部、大好き、です」

 この気持ちが、恋なのか、愛なのか、よく分からないけれど、ルカ君が大切で、愛しい、という気持ちは、私の中にちゃんとある。

 
 ルカ君に、ぎゅっと抱きしめられる。

「キスしても良い……?」

 頷くと、顎を持たれ、ちゅっと口づけられる。唇を優しく何度も喰まれる。

「……もっと、ミアさんに触れたい」

 ひょいっと抱えられ、すたすたと歩いてベッドの上に下ろされてしまう。
 
 この部屋を何度も訪れたけれど、ベッドを使うのは初めてだった。
 靴を脱がされ、ルカ君も、もどかしそうに自分のブーツを脱ぎ捨てる。

 覆い被さる様にして、深くキスされる。

「っはぁ、んっ」

 ドレスの襟に手を入れ、コルセットの隙間から、指が差し込まれる。
 胸の先を狭い所で弄られてしまう。

「ん、ゃ、あっ」

 ドレスを肩から下ろされ、コルセットから覗く胸の膨らみが露わになり、首筋から、肩や鎖骨へと、吸いつく様にキスされる。

「んっ、あ、」

 コルセットをグッと押し下げられ、胸がふるりと揺れながら溢れ出てしまう。
 下から掬う様に揉まれ、指先で胸の頂きをきゅっと摘まれた。

「あっ」
「……ここに、セオドアも、触れた?」

 胸の先を、くにくにと指で弄りながら、ルカ君に聞かれる。

「んっ、ぁ、はい……」
「…………ミアさん、『聖蜜』が、胸以外からも、摂取出来るって知ってる?」
「え?」
「きっと、嫌がるだろうと思って、今まで言わなかったんだけど……、僕だけが、触れられる場所が欲しい」

 ドレスの裾をたくし上げられ、ルカ君の手が足を撫でる様に、中へと入ってくる。
 内腿をするりと摩られ、下着にくちゅりと触れられた。

「濡れてるね」

 ルカ君が嬉しそうに言い、下着越しに、割れ目に沿って、指を動かされる。

「やっ、ぁ、だめ」

 擦られる度に、中から何かが溢れてきて、下着を余計に濡らしてしまう。
 下着の紐を解かれ、すでにぐちゃぐちゃになってしまった下着を剥ぎ取られる。

 膝を立てられ、間を割る様に、ルカ君の顔が近づく。

「だ、だめっ」

 膝を閉じようするけれど、更に足を開かされてしまう。

「やあ、だめ、っ!」

 すりっと、粒立ったところを擦られ、身体がびくりと震える。舌の温かい感触が、中に入ってくる。

「っ、あッ、や、ぁんッ」

 浅いところを舌で舐めとられ、割れ目の周りを、そっと喰む様に吸いつかれる。

「ンッ、ぁ、それ、だめ、」

 ぷくりと膨れた小さな粒を、口に含まれ、舌先で緩く刺激される。
 とろとろと中から、溢れ出てしまったものを、ルカ君の舌で丁寧に舐められる。

「は、あッ、ンンッ」

 ビクンと、身体がしなる様に震える。

 息を吐いて、ルカ君が顔を上げた。
 身体の力が抜けてしまい、頭がぼんやりとする。
 ルカ君に、覆い被さる様に、ぎゅっと抱きしめられた。

「……ごめん。嫌だった……?」

 ぷるぷると首を振る。

「……初めての事で、びっくり、しただけ……です。あ、……ル、ルカ君、シーツを汚してしまったかも、しれません……」

 ドレスが捲れ上がり、シーツに肌が直接触れている部分が、冷たく湿っている。
  
「シーツは、このままにしておいたら、洗ってもらえるよ。ミアさんも濡れてしまったよね」
「……っ」

 恥ずかしくて、顔がとても熱くなってしまう。
 ルカ君が、濡らした布巾を持って来てくれた。

「じ、自分でします……」
「僕のせいなんだから。ミアさんはじっとしてて?」

 と、濡らした所を、丁寧に拭かれてしまう。
 色々と、恥ずかしすぎる……。
 


 乱れた服を整えていると、

「…………そのドレス、とても似合ってるね」
「このドレスは……、ディアナさんが、貸してくれたんです」
「そうだったんだね。……今度は、僕がミアさんにドレスを贈りたいな」
「……そんな高価なもの、もらえない、です」
「ミアさんに物を贈るのは、難しいのかな……」
「……だって、もらう理由がないですし……」

 ルカ君が、何か考えている顔をしているけど、さっきから気になっていた事を聞いてみる。

「あの……、ルカ君は転移魔法が使えるんですね」
「あ、さっきの、……うん、元々得意だったんだけど、使えなくなってたんだ。ミアさんのおかげで、力が安定してきて、使える様になったんだよ。何回も連続してとか、長距離の場合は、まだ無理なんだけどね」
「そうだったんですね……」
「うん。それに、夜寝られる様にもなったんだ。僕の力は、夜に強くなってしまうから、薬でも中々抑えられなくて。……でも、ミアさんのおかげで、夜も穏やかに眠れる様になった」
「……そうなんですね。良かった……」

 最近、図書館で、お昼寝する事が減っていたのは、そういうことだったんだ。

「……ミアさんには、感謝しても、しきれないんだ。だから、何かさせて欲しいと思ったんだけど……」
「自分のたまたま持ってるものが、人の為に使えるなら、それだけで嬉しいです。自己満足だけど。だから、気にしないで下さい」
「……僕だって、ミアさんが喜んでくれたら、嬉しいよ。……だから、考えとく。ミアさんに喜んでもらえそうな物」
「……じゃあ、楽しみにしておきますね」
 
 ルカ君の気持ちが嬉しくて、そう答える。

「……ご馳走様食べ損ねちゃいましたね」
「……持って来ようか?」
「自分で選びたいです」
「…………駄目、です」
「エマも心配してると思いますし、ドレスを貸して下さった、ディアナさんにも見せたいです。……戻りませんか?」
「…………分かった。ミアさん、男とは目を合わせないでね」

 ……心配性なのかな? ヤンデレにはならないで欲しい、な……。
 
「大丈夫ですよ。ルカ君は、初めての、サウィンの前夜祭でしょう? 一緒に楽しみたいです」
「……………うん、分かった」


 ルカ君が子供みたいに言うので、つい笑ってしまう。
 ルカ君の手を握り、

「行きましょう」

 と言うと、
 
「うん、行こう」

 と言って、ようやく立ち上がった。
 

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