善悪を超えて行く者

べんぞう

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しっかりと考えていた「自由」

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子供の頃から「自由になりたい」という気持ちが強かったが、単に好き勝手にしたいという意味ではなく、自立して生きていける力を身につけ、周りともちゃんと付き合っていける、ということも考慮していた。(一時的に鬱状態になり、誰とも関わりたくないと思うこともあったが、引きこもりなどしたところで同情も理解もされない環境だったのでそういう甘いことは考えなかった)
つまり私なりの自由とは、自立できる力の上に樹立するものであり、超能力も対象にはしていたけれど、社会を意識した考え方であった。
そのため、自分が何の力も持っていないことがもどかしく、いつも自分を鍛えたかったし、学びたかった。
それを理解してくれる大人はおらず、ただ監視して、都合の悪いことをさせないようにし、あとは自由だからとほったらかすだけで、手応えのない反応しかなかった。

悟りで言うところの自由とは、マインドが何も仕事をしていない状態である。これは、成長期の活発なマインドが気付くわけはない。第一に、マインドがしっかり成長し、そこから折り返さないと気付けない。
そうやって勤勉であったことが、結果的に自分を強くした。
完全ではないが、自分の求めた自由に近付いた。
だが、マインドは、その完全が欲しくて仕方ないのである。
超能力は存在しないと分かった今、今度は経済力で自由を得たいと考えている。
ところがそれも空虚なものであり、今はその問題を使って鍛えられているのだ。
その証拠に、私は健康で、そして何とか毎日を無事に過ごしている。
「自由になりたい」←→「制限して鍛えたい」という相矛盾のマインドが、怒られたときに現れる恐怖の正体である。
「自由になりたいよ!」「でも、それじゃ自分を強くできないよ。怒ってくれるってことは、鍛えてくれるってことなんだ。言うことを聞くべきだよ」「でもずっと怒られるのはつらいよ。いつぶたれるかもわからない」「ぶたれるのだって、鍛えているうちだよ。もっと強くなりたいだろう」「でもつらいよ…」
という繰り返しが頭の中で起こっている。
「自由になりたい」は、「強くなりたい」でもあったことになる。
私はまだ弱いのだろうか?
弱さを許せることこそ、必要なのではないだろうか。
人間が成長していくために、「強さ」の概念は必要である。
しかし、普通に成長して社会生活を送っている自分は問題から逃げず、きちんと対応しようとする時点で、充分強い。結果を導くのは他の要素も絡むので、それは誰にも保証できない。だからそれで充分なのだ。
弱いことは恐怖を呼ぶ。しかし、強くなれば幸せなのかというと、そうではなく、マインドは更なる弱さを見つけ、恐怖し、さらに鍛えようとする。そういう役割なので、それが仕様なのである。常に弱く、怖れる仕様。そうでないと、適切に成長できない。
だから、強さと恐怖は、繋がりのない別のものである。ここを押さえておく。
強さは求めれば限りない。その判断は自分でしかできないが、マインドは結局のところ常に自分を弱く認定するので、強いことを維持するのは最初から無理なのだ。
「あなたはいつも弱いのです。だから、怖がりましょう。そして自分を鍛えましょう。永遠に」
というループが続く。
大人としてきちんと成長をしたのに、これが続くのはエネルギーの無駄遣いにしかならないことを、マインドは理解しにくい。これをしっかり認識すると、合理的なマインドは、ストイックな鍛え方を止める。

あとやることは、マインドの回る速さを見て、速めたり遅くしたりして、止められるようになることだ。
強いとか自由とか、そういう概念そのものを止めるのだ。
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