転生というキーワードを入れないとアクセスが伸びないので転生を入れてみたが実は転生ではないことがバレないかとビクビクしている魔法少女の物語。

杉山薫

文字の大きさ
25 / 38
第二章 帰還

第2話

しおりを挟む
「ええい、ならばこれはどうだ!」

ラーニャは両掌を天に向かって突き上げて怒声をあげる。

「お前になんか止められんぞ! スターライトサンダー!」

ラーニャの両掌から凄まじい魔力の光が上空へと飛んでいく。キラキラと光り輝いて下弦の月の暗闇を無数の星で埋め尽くしていく。

「マジックブレイク!」

私の魔力量では消しきれない!

私は思わず目を閉じる。

ん?

一向に何も起きないので私は目を開ける。私の目の前には大きな光の玉が青白く輝いている。

「リサ。お待たせ!」

ミコちゃん?
てか、若い。
獄門島に行った時と同じくらい。
汚れているけど、それ獄門島へ行った時のコスチューム!

「君がリサ君かい。待たせたね」

東條補佐官が私を見て言う。

はあ?
何を今更。
てか、なんだよ。
その黒縁メガネ、似合わねえ!

「カザミヤ! おまええええ! よくも裏切ったね。覚悟しな!」

「僕は君とは初対面のはずだよ。ルナ君」

ラーニャの言葉に不思議なことを言う東條補佐官。

ななちゃん?
『災厄の魔女』がななちゃんってこと!

「よくわからんことを! それではこれでどうだ!」

ラーニャはふたたび両掌を天に突き上げる。下弦の月を掻き消すように大きな満月が夜空を照らしていく。それを見て東條補佐官は黒縁メガネに手をかける。だから、サイズ合ってないなら買い換えろ!

「リサ君、詠唱しろ! 赤い月⋯⋯」

東條補佐官の言葉に応じ、私は詠唱を開始する。

「赤い月!」

痛っ!

左目の傷が熱く焼け焦げるように痛い。

「グワアアアアア!」

『さゆたん! 何グズグズしている。あたしはグズが嫌いだよ!』

幻聴?
ななちゃんの声!
ななちゃんに嫌われるくらいならやってやる。

「赤い月満ちる時我復活せん。グワアアアアア!」

左目の傷口が開き、何かが出てくる。

熱い!
痛い!
助けて、ななちゃん⋯⋯。

私の左目から赤い光が辺りを照らしていく。遠くでラーニャの怒声が聞こえる。

「ムーンライト⋯⋯」

ダメだ。
ラーニャが必死の形相で私に向かって走ってくる。

やられる!

「さゆたん! 誰にやられた?」

ラーニャの両手が私の両肩を掴み上げた。

「何黙ってんだ! その左目は誰にやらたんだ」

ななちゃん?

「ななちゃん、ななちゃん⋯⋯」

私はしっかりとななちゃんを抱きしめる。

へへへ、ななちゃんのニオイだ!

「さゆたん、離れろ! 治癒なおせねえだろ」

12年ぶりのななちゃんを離すわけがない。

ななちゃんはええいと言って、右掌を私の左目に当ててくる。私は押し返されてなるものかとななちゃんの右掌を力いっぱい押し返す。

「エクストラヒーリング!」

ななちゃんがそう言うと左目の傷口にあたたかい光が輝き出す。

ふえぇ⋯⋯、ななちゃんだ。

輝いていた光が消えると傷口どころか左目の眼球さえも再生されていた。

ななちゃんが普通に魔法を使ってる?

東條補佐官は私の左目からポトリと落ちた血まみれのモノを手に取って、黒縁メガネに手をかける。

「うん、これは『召喚の指輪』だね。魔界の『災厄の魔女ラーニャ』を召喚するアイテム⋯⋯らしい」

「らしいって、東條補佐官が私の左目に封印したんじゃないですか!」

私の言葉にななちゃんは身構える。

「サリー君にも言ったけど僕は東條さんじゃないよ」

確かに東條補佐官にしては若すぎる。

「僕は風宮薫、25才。しがないフリ⋯⋯、探偵だ」

「カザミヤカオルってラーニャが裏切り者って言ってたカザミヤカオルですか?」

風宮薫は静かに首を横に振る。

「ごめん。よくわからいんだよ。だって僕はラーニャにもルナ君にもさっき会ったばかりだからね。あ、それとリサ君やサリー君もね」

「そういえば白猫の『ぷちぷち』のことは知らねえか?」

風宮薫はちょっと待ってと言って黒縁メガネに手をかける。

なんだ。
この人は?

「白猫ね。ハハハ、そのうち戻ってくるよ。しかし、ルナ君面白いね。あんなもんを手懐けるとはね」

風宮薫は苦笑いをしている。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

メインをはれない私は、普通に令嬢やってます

かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・ だから、この世界での普通の令嬢になります! ↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・

卒業パーティでようやく分かった? 残念、もう手遅れです。

ファンタジー
貴族の伝統が根づく由緒正しい学園、ヴァルクレスト学院。 そんな中、初の平民かつ特待生の身分で入学したフィナは卒業パーティの片隅で静かにグラスを傾けていた。 すると隣国クロニア帝国の王太子ノアディス・アウレストが会場へとやってきて……。

ざまぁされるための努力とかしたくない

こうやさい
ファンタジー
 ある日あたしは自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生している事に気付いた。  けどなんか環境違いすぎるんだけど?  例のごとく深く考えないで下さい。ゲーム転生系で前世の記憶が戻った理由自体が強制力とかってあんまなくね? って思いつきから書いただけなので。けど知らないだけであるんだろうな。  作中で「身近な物で代用できますよってその身近がすでにないじゃん的な~」とありますが『俺の知識チートが始まらない』の方が書いたのは後です。これから連想して書きました。  ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。  恐らく後で消す私信。電話機は通販なのでまだ来てないけどAndroidのBlackBerry買いました、中古の。  中古でもノーパソ買えるだけの値段するやんと思っただろうけど、ノーパソの場合は妥協しての機種だけど、BlackBerryは使ってみたかった機種なので(後で「こんなの使えない」とぶん投げる可能性はあるにしろ)。それに電話機は壊れなくても後二年も経たないうちに強制的に買い換え決まってたので、最低限の覚悟はしてたわけで……もうちょっと壊れるのが遅かったらそれに手をつけてた可能性はあるけど。それにタブレットの調子も最近悪いのでガラケー買ってそっちも別に買い換える可能性を考えると、妥協ノーパソより有意義かなと。妥協して惰性で使い続けるの苦痛だからね。  ……ちなみにパソの調子ですが……なんか無意識に「もう嫌だ」とエンドレスでつぶやいてたらしいくらいの速度です。これだって10動くっていわれてるの買ってハードディスクとか取り替えてもらったりしたんだけどなぁ。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

無能令嬢、『雑役係』として辺境送りされたけど、世界樹の加護を受けて規格外に成長する

タマ マコト
ファンタジー
名門エルフォルト家の長女クレアは、生まれつきの“虚弱体質”と誤解され、家族から無能扱いされ続けてきた。 社交界デビュー目前、突然「役立たず」と決めつけられ、王都で雑役係として働く名目で辺境へ追放される。 孤独と諦めを抱えたまま向かった辺境の村フィルナで、クレアは自分の体調がなぜか安定し、壊れた道具や荒れた土地が彼女の手に触れるだけで少しずつ息を吹き返す“奇妙な変化”に気づく。 そしてある夜、瘴気に満ちた森の奥から呼び寄せられるように、一人で足を踏み入れた彼女は、朽ちた“世界樹の分枝”と出会い、自分が世界樹の血を引く“末裔”であることを知る——。 追放されたはずの少女が、世界を動かす存在へ覚醒する始まりの物語。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

私の作るおにぎりが、騎士団の士気を異常に上げています(犯人は副団長)

星乃和花
恋愛
おにぎりを配っただけで、騎士団の士気が異常値になりました。 団長は警戒、監察部は呪術検査、国まで動きかけるのに――副団長だけが平然と断言。 副団長「彼女のご飯は軍事物資です」 私「えっ重い」 胃袋で落ちた策略家副団長の“最適化溺愛”に巻き込まれ、気づけば専属補給係(=婚約)寸前!? ほのぼの爆笑&甘々の騎士団ラブコメです。 (月水金21:00更新ー本編16話+後日談6話)

ぽっちゃり女子の異世界人生

猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。 最強主人公はイケメンでハーレム。 脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。 落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。 =主人公は男でも女でも顔が良い。 そして、ハンパなく強い。 そんな常識いりませんっ。 私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。   【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】

処理中です...