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第8章
272話 ラシェン王 3
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「どうやら最近、遠距離最強のこの私に匹敵するんじゃ無いかと言われている者がいるらしいんだよ」
ヘラデスは忌々しそうに話す。しかし人間族の者からしたら、あの炎弾に勝てる遠距離攻撃を放てる者が居るなんて信じられない様だ。
「な、なに……あの炎弾のヘラデス殿が気にされる程の者がいるのか……?」
「馬鹿を言え。ヘラデス殿は一撃で小型を倒せるのだぞ?」
「噂では中型すら一人で倒せると聞いたぞ?」
周りは有り得ないだろうと言いたい様な表情を浮かべるが、最強になりたいと言っているヘラデスがそんな嘘など付かないだろうと、少し困惑している様に見える。
「今回一番の目的はソイツと戦う事だ」
不敵な笑みをして、前で腕を組むヘラデスは威風堂々としている。
「私が部下に調べさせた限り、ソイツは雷弾と呼ばれている様だ」
雷弾と呟いた後にヘラデスは肩を震わせて笑う。
「炎弾と呼ばれている私に対して雷弾か──面白いじゃねぇーか」
既にヘラデスの頭の中では戦闘の事を想像している様子である。
「都合の良い事に、ソイツは獣人族の様だからな、心置きなく殺せるぜ」
獣人族と聞いた途端に周りは騒ぐ。
「なんだ、野蛮人ならヘラデス殿の圧勝だな」
「あぁ、ヘラデス殿が野蛮人などに負ける訳が無い」
やはり、人間族の中ではヘラデスと言う人物は遠距離最強のイメージなのだろう。
「おい、マーズ聞いたか! 雷弾とか言う野蛮人がヘラデス殿より強いかも知れないという根も葉も無い噂が有るらしいぞ!」
リンクスの言葉に頭が痛くなって来たマーズは言葉を無視する。
──どう見ても、ロピさんの事ですね……それにリンクスはロピさんの戦闘を目の当たりにしたのに気が付いて無いのか……?
馬鹿を見る様な目でリンクスを少しの間見るがリンクスは勿論気付いてない様だ。
「──と言う事だから、お前ら私の為に雷弾と最高の舞台で戦える様に場を整えろ!」
口調や態度が荒々しいが、その分ヘラデスは戦場で数え切れない程の功績を生んでいる為、誰もが尊敬した眼差しで見つめ、炎弾の為に頑張ろうとしている様に見える。
「私からは以上!」
そう言うと、ラシェン王の後ろに再び立つ。
「グンドウよ、カールはどうした?」
「ハッ。現在偵察や情報収集の為参加出来ないと部下から報告が上がっております」
「そうか。なら伝えてやれ」
ラシェン王の指示により再び前に立ち話し掛ける。
「遊撃部隊隊長であるカール殿だが、彼は現在偵察と情報収集の為不在だ──またの機会に話をして貰おうと思う」
短い言葉で説明し、直ぐにラシェン王の後ろに下がった。
そして、再びラシェン王が席を立ち上がる。
「皆の者、我ら人間族は一年後に全他種族共を奴隷にする、その為にはいくら優秀な我らでもそれ相応の準備が必要だ──頼むぞ」
ラシェンの問いに、周りの人間は声を合わせて大きく返事をする。それを見たラシェン王は一度大きく頷く。
「そして、私の最終目的は全種族の支配では無い!」
その言葉に、周りのいる者が困惑する。全種族を支配した後に一体何をするのかと……
「私の最終目的は深淵の森の先にあると言われている土地の征服だ!」
室内にいる9割がラシェン王の言っている意味が分からず首を捻っている。
「フンッ、バカ共め……これだから能無しと話すのは疲れる」
周りに聞こえない様に呟くがラシェン王の少し後ろに控えている二人にはシッカリと聴こえていた様だ。
「ラシェン様の知識と比べられると、流石に殆どの者が能無しになりますな」
「ハッ、ちげぇーねぇー! ラシェン様の知識は国一番だぜ」
グンドウとヘラデスの言葉に気分を良くしたのか表情が笑顔に戻る。そして再び前を向き話し掛ける。
「とにかく──まずは他種族だ。気に食わない種族が居たら滅ぼしても構わん。ただしエルフ族の女だけは生かして私の元に連れて来い」
ラシェン王は何を想像したのか、にやりと一度笑い、直ぐに表情を作り直した。
「行くぞ」
「「ハッ!」」
ラシェン王は来た時と同じく、グンドウとヘラデスを後ろに引き連れて室内を出て行った。
「──マーズよ、見たか! あの三人の威厳と言ったら……」
既に姿は無いがリンクスはいつまで経ってもラシェン王達が立ち去った扉を見ていた。
「私もいずれは戦いで名を馳せてあの三人の中に加わりたいものだな!」
「ははは、夢みがちな事で──あなたの能天気さが羨ましい限りですよ」
ガバイがリンクスを小馬鹿にする様にして近付いて来た。
「う、うるさい! 貴様は早く帰れ!」
「まぁまぁ、そんなに邪険にしないでくださいよ」
「貴様とは話したくない!」
「随分嫌われてしまいましたな。それでは今日は退散しますかな」
ガバイに対して、小さく頭を下げたマーズ。
「マーズよ我らも戻るぞ」
こうして、マーズは重大な話を聞きこれからどうするかを頭の中で組み立てている様だ。
──まずは、どうにかしてこの事をアトスさん達に知らせないと……
マーズは何か良い手が無いかと頭を捻り続けるのであった。
ヘラデスは忌々しそうに話す。しかし人間族の者からしたら、あの炎弾に勝てる遠距離攻撃を放てる者が居るなんて信じられない様だ。
「な、なに……あの炎弾のヘラデス殿が気にされる程の者がいるのか……?」
「馬鹿を言え。ヘラデス殿は一撃で小型を倒せるのだぞ?」
「噂では中型すら一人で倒せると聞いたぞ?」
周りは有り得ないだろうと言いたい様な表情を浮かべるが、最強になりたいと言っているヘラデスがそんな嘘など付かないだろうと、少し困惑している様に見える。
「今回一番の目的はソイツと戦う事だ」
不敵な笑みをして、前で腕を組むヘラデスは威風堂々としている。
「私が部下に調べさせた限り、ソイツは雷弾と呼ばれている様だ」
雷弾と呟いた後にヘラデスは肩を震わせて笑う。
「炎弾と呼ばれている私に対して雷弾か──面白いじゃねぇーか」
既にヘラデスの頭の中では戦闘の事を想像している様子である。
「都合の良い事に、ソイツは獣人族の様だからな、心置きなく殺せるぜ」
獣人族と聞いた途端に周りは騒ぐ。
「なんだ、野蛮人ならヘラデス殿の圧勝だな」
「あぁ、ヘラデス殿が野蛮人などに負ける訳が無い」
やはり、人間族の中ではヘラデスと言う人物は遠距離最強のイメージなのだろう。
「おい、マーズ聞いたか! 雷弾とか言う野蛮人がヘラデス殿より強いかも知れないという根も葉も無い噂が有るらしいぞ!」
リンクスの言葉に頭が痛くなって来たマーズは言葉を無視する。
──どう見ても、ロピさんの事ですね……それにリンクスはロピさんの戦闘を目の当たりにしたのに気が付いて無いのか……?
馬鹿を見る様な目でリンクスを少しの間見るがリンクスは勿論気付いてない様だ。
「──と言う事だから、お前ら私の為に雷弾と最高の舞台で戦える様に場を整えろ!」
口調や態度が荒々しいが、その分ヘラデスは戦場で数え切れない程の功績を生んでいる為、誰もが尊敬した眼差しで見つめ、炎弾の為に頑張ろうとしている様に見える。
「私からは以上!」
そう言うと、ラシェン王の後ろに再び立つ。
「グンドウよ、カールはどうした?」
「ハッ。現在偵察や情報収集の為参加出来ないと部下から報告が上がっております」
「そうか。なら伝えてやれ」
ラシェン王の指示により再び前に立ち話し掛ける。
「遊撃部隊隊長であるカール殿だが、彼は現在偵察と情報収集の為不在だ──またの機会に話をして貰おうと思う」
短い言葉で説明し、直ぐにラシェン王の後ろに下がった。
そして、再びラシェン王が席を立ち上がる。
「皆の者、我ら人間族は一年後に全他種族共を奴隷にする、その為にはいくら優秀な我らでもそれ相応の準備が必要だ──頼むぞ」
ラシェンの問いに、周りの人間は声を合わせて大きく返事をする。それを見たラシェン王は一度大きく頷く。
「そして、私の最終目的は全種族の支配では無い!」
その言葉に、周りのいる者が困惑する。全種族を支配した後に一体何をするのかと……
「私の最終目的は深淵の森の先にあると言われている土地の征服だ!」
室内にいる9割がラシェン王の言っている意味が分からず首を捻っている。
「フンッ、バカ共め……これだから能無しと話すのは疲れる」
周りに聞こえない様に呟くがラシェン王の少し後ろに控えている二人にはシッカリと聴こえていた様だ。
「ラシェン様の知識と比べられると、流石に殆どの者が能無しになりますな」
「ハッ、ちげぇーねぇー! ラシェン様の知識は国一番だぜ」
グンドウとヘラデスの言葉に気分を良くしたのか表情が笑顔に戻る。そして再び前を向き話し掛ける。
「とにかく──まずは他種族だ。気に食わない種族が居たら滅ぼしても構わん。ただしエルフ族の女だけは生かして私の元に連れて来い」
ラシェン王は何を想像したのか、にやりと一度笑い、直ぐに表情を作り直した。
「行くぞ」
「「ハッ!」」
ラシェン王は来た時と同じく、グンドウとヘラデスを後ろに引き連れて室内を出て行った。
「──マーズよ、見たか! あの三人の威厳と言ったら……」
既に姿は無いがリンクスはいつまで経ってもラシェン王達が立ち去った扉を見ていた。
「私もいずれは戦いで名を馳せてあの三人の中に加わりたいものだな!」
「ははは、夢みがちな事で──あなたの能天気さが羨ましい限りですよ」
ガバイがリンクスを小馬鹿にする様にして近付いて来た。
「う、うるさい! 貴様は早く帰れ!」
「まぁまぁ、そんなに邪険にしないでくださいよ」
「貴様とは話したくない!」
「随分嫌われてしまいましたな。それでは今日は退散しますかな」
ガバイに対して、小さく頭を下げたマーズ。
「マーズよ我らも戻るぞ」
こうして、マーズは重大な話を聞きこれからどうするかを頭の中で組み立てている様だ。
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