過酷な場所で生き抜く為に──食物連鎖の頂点が巨大モンスターの世界で死ぬ気で生き抜きます

こーぷ

文字の大きさ
335 / 492
第8章

334話

しおりを挟む
「オラッ、行くぜエルフ!」

 バルオールが大斧を片手にエルトンに向かって走る。

 そして、エルトンも自身の武器である剣を片手で持ちバルオールに向かって走る。

「ほぅ……向かって来るか──面白い」

 ニヤリと凶悪な笑みを向ける。

 お互いがお互いの攻撃範囲内に入った瞬間に武器を振る。

 やはりと言うべきか、まず初めにバルオールの大斧がエルトンの顔面に目掛けて迫り来る。

 そんな大斧をエルトンはしゃがむ事によって避ける──そして直ぐ様自身の剣を相手の胸に向かって突き刺す形で押し込もうとする……

「──ッな!?」
「がはは、非力め」

 なんと、エルトンが突きはバルオールの身体を突き刺す事は無かった。

 直ぐ様、バルオールの大斧の攻撃が上段から振り下ろされる。

 エルトンは直ぐ様横に転がり回避する。

「随分とまぁ、避けるのがうめぇーじゃねぇーかよ!」

 追い掛ける様にして斧を振り回すが、エルトンはしっかりと相手の武器の間合いを見極めて、ギリギリ届かない距離を保つ。

 それからも、隙があればバルオールの攻撃を掻い潜っては攻撃を仕掛けるが、どんなに勢いの乗った振り下ろしでもバルオールの身体に傷を付ける事は出来ない様だ。

「がはは、楽しいな」
「化物め」
「失礼な奴だ──俺より化け物な奴なんて沢山いるぞ?」

 お互い軽口を叩くが、一人は余裕な表情を浮かべ、もう一人は額に冷や汗を垂らしている。

「このままじゃ勝てそうに無いな……」

 小さく呟き、どうするか考え、そして剣を握る力を強めた。

 すると、エルトンの両腕が淡い光に包まれた。

「ほぅ、お前は身体強化持ちか」

 バルオールの問いには応えずニルトンは、攻撃の為に距離を詰めた。

「何をするか知らないが俺には効かんぞ?」

 ニルトンに合わせる様に斧を振るが、又もや避けられる。

 そしてニルトンはスキルにて強化した力で剣をバルオールの腕目掛けて振り下ろした……

「──よし」

 今度はちゃんと斬れた様でバルオールの腕からは血が流れる。

「やるじゃねぇーか……」

 自身の斬られて血が出ている腕を見ながらバルオールはニルトンを褒めた。

「お前が見せたなら、俺も見せとくか」

 そう言うと、バルオールの両腕も淡い光に包まれる。

「どうやら、お互い同じスキルの様だな──まぁ、ランクは違うだろうがな」

 ニヤリと笑うと先程より、更に鋭く、力強い攻撃がニルトンの脳天目掛けてされた。

 流石に受けたら、とんでもない怪我をすると感じたのか、ニルトンは今までとは違い、不恰好な姿で避ける。

 ニルトンの耳では近くを大斧か空を切る音を聞いた。

 それから、地面から鈍い音がしたかと思うと土が近辺に散らばる。

 そんな様子を避けながらも観察したエルトンは信じられない光景を目の当たりする。

 なんと、バルオールが振り切った大斧は地面を割ったのである。

 そして、振り下ろされた斧の周りには無数の亀裂が外に広がる様にあった。

「お前凄いな──良くもそんなに避けられるもんだ」

 エルトンはバルオールからの攻撃を極力受け止めず、避ける方向で戦っている。

 しかし、どんなに避ける者が居てもも、全部を避けられる訳では無い──そして、ニルトンとバルオールの戦いでも同じ事である。

「──オラッ」

 バルオールの攻撃を避けるニルトンだが、当たれば重症という、この状況に精神はすり減っており、とうとう一発の攻撃がニルトンに直撃した……


「──ッ!?」

 どこを斬られたのか最初は理解されないまま吹飛ばされる。

「エルフよ、もうお終いか?」

 強者の余裕なのか、攻め立てる事なくバルオールはエルトンの様子を伺う。

 一方のエルトンは自身の身体が真っ二つにされて無いか素早く確認するが、どうやら、まだしっかりとくっついて居る事に一瞬だけ感謝をする。

 すぐに立ち上がるが、余程先程の一撃が効いて居るのかフラフラである。

「そんじゃ、まぁ少しだけ楽しめたけど終わりにするか」

 今の一撃で動けなくなったニルトンには、既に興味が失せたのか、詰まらなそうな表情を浮かべるバルオール。

 必死になり武器を構え直そうと手足に力を込めるが、込めた端から力が抜ける様に身体が痛む。

「なぁ、死ぬ前に教えてくれ──ここにはお前より強い奴はいるのか?」

 恐らく、エルトンを殺してから、次の獲物を探しているのであろう。

 だが、エルトンは応えない──いや、応えられ無い程ダメージを覆っている様だ。

 そんなエルトンを見て興醒めだと言わんばかりにため息を一度吐くバルオール。

「はぁ……実際は大した事無かった……あばよ」

 バルオールは腕を光らせて、大斧を地面に伏しているエルトンに向かって振り下ろされた──

「──カネル!」






 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

俺、何しに異世界に来たんだっけ?

右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」 主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。 気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。 「あなたに、お願いがあります。どうか…」 そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。 「やべ…失敗した。」 女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記  大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。 それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。  生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、 まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。  しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。 無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。 これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?  依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、 いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。 誰かこの悪循環、何とかして! まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて

スライムに転生した俺はユニークスキル【強奪】で全てを奪う

シャルねる
ファンタジー
主人公は気がつくと、目も鼻も口も、体までもが無くなっていた。 当然そのことに気がついた主人公に言葉には言い表せない恐怖と絶望が襲うが、涙すら出ることは無かった。 そうして恐怖と絶望に頭がおかしくなりそうだったが、主人公は感覚的に自分の体に何かが当たったことに気がついた。 その瞬間、謎の声が頭の中に鳴り響いた。

充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~

中畑 道
ファンタジー
「充実した人生を送ってください。私が創造した剣と魔法の世界で」 唯一の肉親だった妹の葬儀を終えた帰り道、不慮の事故で命を落とした世良登希雄は異世界の創造神に召喚される。弟子である第一女神の願いを叶えるために。 人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で異世界の常識や習慣、魔法やスキル、身の守り方や戦い方を学んだトキオ セラは、女神から遣わされた御供のコタローと街へ向かう。 目的は一つ。充実した人生を送ること。

地味スキル「ためて・放つ」が最強すぎた!~出来損ないはいらん!と追い出したくせに英雄に駆け上がってから戻れと言われても手遅れです~

かくろう
ファンタジー
【ためて・放つ】という地味スキルを一生に一度の儀式で授かってしまった主人公セージ。  そのせいで家から追放され、挙げ句に異母弟から殺されかけてしまう。  しかしあらゆるものを【ためる】でパワフルにできるこのスキルは、最高ランクの冒険者すらかすんでしまうほどのぶっ壊れ能力だった!  命からがら魔物の強襲から脱したセージは、この力を駆使して成り上がっていく事を決意する。  そして命の危機に瀕していた少女リンカニアと出会い、絆を深めていくうちに自分のスキルを共有できる事に気が付いた。 ――これは、世界で類を見ない最強に成り上がっていく主人公と、彼の元へ集まってくる仲間達との物語である。

狼になっちゃった!

家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで? 色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!? ……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう? これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...