406 / 492
第10章
405話
しおりを挟む
「お兄さん、早く早くー」
「はは、ロピ落ち着けよ、どうせそんなに急いでも今日中に到着しないんだから」
「姉さん、アトス様の言う通り。先はまだ長いよ?」
「だって、久しぶりに旅に出られて嬉しいんだもーん!」
「ほっほっほ。はしゃいでおりますな」
現在、俺達はシャレ達の頼みによって、他種族に対して一緒に戦ってくれる様に頼みに行く旅に出ている。
「ふぁ~。それにしても朝早く出たから眠いな……」
「アトス様、大丈夫でしょうか?」
俺が欠伸すると、チルが心配そうな目でこちらを見ていた。
「あぁ、大丈夫」
「あまり、無理なさらず。少しでもご気分が優れない場合は仰ってくださいね?」
「あぁ、そうさせて貰う」
チルは常に俺の側に立ち、片腕しか無い俺をサポートしてくれる。
「そういえば、シャレ達が言っていたけど、俺達ってそんなに有名なのか?」
「はい。私も気になりました──特に何かした訳でも無いのに有名だと言われても信じられません」
「えー? なんで? 私達今まで、沢山活躍したじゃん!」
ロピは何を言っているの? と言う様な感じで首を傾げる。
「ほっほっほ。ロピ殿の言う通りですぞ?」
「どう言う事だ?」
「我々はアトス殿が思っている以上に戦場やモンスター討伐で活躍しました」
リガスが言っているのは過去の戦いだろう。
「でも、リガス。私達は噂が広がる程活躍をしてないと思う」
「いえいえ、そんな事ありません。十分な位活躍していますよ?」
「そうだよー。魔族さんの言う通り!」
「まずは、休憩場での戦いですな、覚えていますかな?」
忘れるわけが無い……あの時は死ぬかと思ったからな……最期は捨て身の特攻作戦で、なんとか倒せたけど……
「まず、あの時の商人達が各地に散らばり、村に移動する度に我々の噂をしたのでしょう」
「あの時、商人さん達、沢山いたんもんねー!」
「ふむ。次にドワーフの村の出来事ですな」
変異体と中型2体と戦った時か……
「中型一体を倒すだけでも凄いと言われる世の中なのに、二体倒した事により、より一層我々が活躍した事が際立ちましたな──こちらも商人達が事あるごとに我々の事を話をしてくれているみたいですな」
あの時は本当に辛い戦いだったな……
俺がしみじみしていると、リガスは更に説明する。
「ほっほっほ。そして今回の人間族との戦いで我々──いや、特にアトス殿ですな」
「俺がどうした?」
「炎弾を退けたのはアトス殿のスキルの影響が大きいですな、それは既に周知の事実ですな」
リガスの言葉に全員が大きく頷いた。
そういうものなのか……?
俺が首を傾げていると、リガスが話し続ける。
「なので、アトス殿やチル様があまり活躍されていないと思っても実際には商人や他の者達の手によって我々の活躍が広まり、知らない内に有名になっている感じですな」
「なるほどな……」
この世界にテレビやネット回線、ラジオなど情報を伝達するのに便利な機器は無い。
いくら、商人達が俺達の事を言い回っても限界はあるだろう。
「ねぇねぇ、それよりも私達は今から何処に向かうのー?」
「アトス様、私も気になります」
「ほっほっほ。お二人にも馴染みがある場所ですな」
「「!?」」
リガスの言葉に二人が反応する。
「えーッなんで私達が知らなくて魔族さんだけ知っているの!? 納得いかない!」
「姉さんの言う通りです。納得いきません」
どうやら、二人は自分達を差し置いてリガスだけが知っているのが気に食わない様だ。
「ほっほっほ。どうやらアトス殿の信頼を一番得ているのは私の様ですな」
「「ッ!?」」
二人は目を見開く。
「お、お兄さん……そんな事無いよね……? 魔族さんより私達の方がいいよね?!」
「リガスより確実に私達を信頼するべきです」
「ほっほっほ。無駄ですぞ? 事実、行き先を知っているのは私だけの様ですしな」
リガスは二人を煽って更に言葉を続ける。
「これからも、私がアトス殿の信頼を一身に受けることでしょうな」
「もうッ! 魔族さんは黙ってて!」
「リガスは口を閉じとくべき」
変えられない事実に、どうしようも無い気持ちになったのか、二人はリガスを力で黙らせようと捕まえに掛かる。
しかし、二人の実力ではリガスを捕まえられる訳も無く、二人の腕が空を切る。
「ほっほっほ。二人共まだまだですな」
「魔族さん、おとなしく捕まってよ!」
「リガス、逃げちゃダメッ」
はは、最近は色々あって、こういうのが無かったな……
俺は自然と笑みが溢れる。
「おーい、次の行先教えるから戻ってこーい」
二人は全力でリガスを捕まえようたとしていたが、一向に捕まえられる気配がない為、渋々戻ってくる。
「もー、あんなの反則だよ!」
「私の執事なのに言う事を聞かないのは納得いきません」
「ほっほっほ。お二人はなかなかでしたよ?」
三人が戻ってきた。
「はは、なんかいいな。こういうの」
俺はロピとチルの頭を撫でてあげると、嬉しそうに目を細める。
リガスには二人の気持ちを軽くしてくれたお礼として労う様に肩を叩く。
そして、俺は二人に行先を伝える。
すると、二人は懐かしむ。
「あはは、魔族さんとの思い出の場所だ!」
「懐かしいです」
「ほっほっほ。私の人生に再び色が付いた時ですな」
こうして、俺達は再び歩を進める。
「はは、ロピ落ち着けよ、どうせそんなに急いでも今日中に到着しないんだから」
「姉さん、アトス様の言う通り。先はまだ長いよ?」
「だって、久しぶりに旅に出られて嬉しいんだもーん!」
「ほっほっほ。はしゃいでおりますな」
現在、俺達はシャレ達の頼みによって、他種族に対して一緒に戦ってくれる様に頼みに行く旅に出ている。
「ふぁ~。それにしても朝早く出たから眠いな……」
「アトス様、大丈夫でしょうか?」
俺が欠伸すると、チルが心配そうな目でこちらを見ていた。
「あぁ、大丈夫」
「あまり、無理なさらず。少しでもご気分が優れない場合は仰ってくださいね?」
「あぁ、そうさせて貰う」
チルは常に俺の側に立ち、片腕しか無い俺をサポートしてくれる。
「そういえば、シャレ達が言っていたけど、俺達ってそんなに有名なのか?」
「はい。私も気になりました──特に何かした訳でも無いのに有名だと言われても信じられません」
「えー? なんで? 私達今まで、沢山活躍したじゃん!」
ロピは何を言っているの? と言う様な感じで首を傾げる。
「ほっほっほ。ロピ殿の言う通りですぞ?」
「どう言う事だ?」
「我々はアトス殿が思っている以上に戦場やモンスター討伐で活躍しました」
リガスが言っているのは過去の戦いだろう。
「でも、リガス。私達は噂が広がる程活躍をしてないと思う」
「いえいえ、そんな事ありません。十分な位活躍していますよ?」
「そうだよー。魔族さんの言う通り!」
「まずは、休憩場での戦いですな、覚えていますかな?」
忘れるわけが無い……あの時は死ぬかと思ったからな……最期は捨て身の特攻作戦で、なんとか倒せたけど……
「まず、あの時の商人達が各地に散らばり、村に移動する度に我々の噂をしたのでしょう」
「あの時、商人さん達、沢山いたんもんねー!」
「ふむ。次にドワーフの村の出来事ですな」
変異体と中型2体と戦った時か……
「中型一体を倒すだけでも凄いと言われる世の中なのに、二体倒した事により、より一層我々が活躍した事が際立ちましたな──こちらも商人達が事あるごとに我々の事を話をしてくれているみたいですな」
あの時は本当に辛い戦いだったな……
俺がしみじみしていると、リガスは更に説明する。
「ほっほっほ。そして今回の人間族との戦いで我々──いや、特にアトス殿ですな」
「俺がどうした?」
「炎弾を退けたのはアトス殿のスキルの影響が大きいですな、それは既に周知の事実ですな」
リガスの言葉に全員が大きく頷いた。
そういうものなのか……?
俺が首を傾げていると、リガスが話し続ける。
「なので、アトス殿やチル様があまり活躍されていないと思っても実際には商人や他の者達の手によって我々の活躍が広まり、知らない内に有名になっている感じですな」
「なるほどな……」
この世界にテレビやネット回線、ラジオなど情報を伝達するのに便利な機器は無い。
いくら、商人達が俺達の事を言い回っても限界はあるだろう。
「ねぇねぇ、それよりも私達は今から何処に向かうのー?」
「アトス様、私も気になります」
「ほっほっほ。お二人にも馴染みがある場所ですな」
「「!?」」
リガスの言葉に二人が反応する。
「えーッなんで私達が知らなくて魔族さんだけ知っているの!? 納得いかない!」
「姉さんの言う通りです。納得いきません」
どうやら、二人は自分達を差し置いてリガスだけが知っているのが気に食わない様だ。
「ほっほっほ。どうやらアトス殿の信頼を一番得ているのは私の様ですな」
「「ッ!?」」
二人は目を見開く。
「お、お兄さん……そんな事無いよね……? 魔族さんより私達の方がいいよね?!」
「リガスより確実に私達を信頼するべきです」
「ほっほっほ。無駄ですぞ? 事実、行き先を知っているのは私だけの様ですしな」
リガスは二人を煽って更に言葉を続ける。
「これからも、私がアトス殿の信頼を一身に受けることでしょうな」
「もうッ! 魔族さんは黙ってて!」
「リガスは口を閉じとくべき」
変えられない事実に、どうしようも無い気持ちになったのか、二人はリガスを力で黙らせようと捕まえに掛かる。
しかし、二人の実力ではリガスを捕まえられる訳も無く、二人の腕が空を切る。
「ほっほっほ。二人共まだまだですな」
「魔族さん、おとなしく捕まってよ!」
「リガス、逃げちゃダメッ」
はは、最近は色々あって、こういうのが無かったな……
俺は自然と笑みが溢れる。
「おーい、次の行先教えるから戻ってこーい」
二人は全力でリガスを捕まえようたとしていたが、一向に捕まえられる気配がない為、渋々戻ってくる。
「もー、あんなの反則だよ!」
「私の執事なのに言う事を聞かないのは納得いきません」
「ほっほっほ。お二人はなかなかでしたよ?」
三人が戻ってきた。
「はは、なんかいいな。こういうの」
俺はロピとチルの頭を撫でてあげると、嬉しそうに目を細める。
リガスには二人の気持ちを軽くしてくれたお礼として労う様に肩を叩く。
そして、俺は二人に行先を伝える。
すると、二人は懐かしむ。
「あはは、魔族さんとの思い出の場所だ!」
「懐かしいです」
「ほっほっほ。私の人生に再び色が付いた時ですな」
こうして、俺達は再び歩を進める。
0
あなたにおすすめの小説
最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~
津ヶ谷
ファンタジー
綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。
ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。
目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。
その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。
その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。
そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。
これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
スライムに転生した俺はユニークスキル【強奪】で全てを奪う
シャルねる
ファンタジー
主人公は気がつくと、目も鼻も口も、体までもが無くなっていた。
当然そのことに気がついた主人公に言葉には言い表せない恐怖と絶望が襲うが、涙すら出ることは無かった。
そうして恐怖と絶望に頭がおかしくなりそうだったが、主人公は感覚的に自分の体に何かが当たったことに気がついた。
その瞬間、謎の声が頭の中に鳴り響いた。
充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~
中畑 道
ファンタジー
「充実した人生を送ってください。私が創造した剣と魔法の世界で」
唯一の肉親だった妹の葬儀を終えた帰り道、不慮の事故で命を落とした世良登希雄は異世界の創造神に召喚される。弟子である第一女神の願いを叶えるために。
人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で異世界の常識や習慣、魔法やスキル、身の守り方や戦い方を学んだトキオ セラは、女神から遣わされた御供のコタローと街へ向かう。
目的は一つ。充実した人生を送ること。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様
あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。
死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。
「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」
だが、その世界はダークファンタジーばりばり。
人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。
こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。
あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。
ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。
死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ!
タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。
様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。
世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。
地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる