過酷な場所で生き抜く為に──食物連鎖の頂点が巨大モンスターの世界で死ぬ気で生き抜きます

こーぷ

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第10章

442話

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「アトス様は、トッポを覚えてますでしょうか?」

 トッポ……あの事件を巻き起こした人物。かなり気さくな奴で、いい奴だったんだけどな……

「トッポがどうした? 確か、牢屋に捕まえていたとか言ってなかったか?」
「はい、どの様な罰を償わせると言う事で、牢屋に放り込んでいました」

 以前は親友だったトッポを村長として裁かないといけないグイン。

「で? 結局どんな罰を受けさせるか決めたのか?」
「はい……長く掛かりましたが、やはり生かして置けないという事になりました」

 なるほど……

「それで、そのトッポがどうかしたのか?」
「どこから聞き出したのか分かりませんが、トッポは自分が殺される事を知って、牢屋から逃げ出しました……」
「なに?」
「それも、つい3日程前の出来事です」

 3日と言えばかなり、最近だな

「見つかったのか?」

 俺の言葉に首を振るグイン。

「いえ、どこに隠れたのか、姿が見えないまま、どこを探しても見つかりません」
「なら、もうらかなり遠くに逃げたんじゃ無いか?」

 俺の言葉に、また首を振る。

「逃げ出す時に、村人がグインの足を一本折りましたので、遠くには逃げられないでしょう──更に村総出で探し回りましたが、見つからないので、どこかに隠れたんだと思います」
「トッポの隠れている場所の検討はついているのか?」
「はい、この村から程々にある場所に立ち入り禁止区域があるのですが、恐らくそこかと」

 禁止区域だと? また、物騒な……言葉が出て来たな。

「その場所は先祖代々言い伝えられており、その場所に踏み入ってはいけないと言われてました」
「なぜだ?」
「詳細は分かりませんが、私達は親に禁止区域には凶悪なナニカが住んでいると、良く脅かされていましたね」

 凶悪なナニカ?

「ナニカの正体は誰一人知りません、ですが唯一禁止区域について知ってそうな村長はあの戦いで死んでしまったので、今ではあの場所に何があるのか知るものは誰一人いません」
「そうか……話を聞く限り、トッポが逃げ隠れているのが、その禁止区域の可能性があるって事か?」

 グインの三度目の頷きに、ついため息が出てしまう。

「はぁ……アイツ、何やっているんだか……」
「……」
「それで、グインはどうするつもりなんだ?」
「禁止区域に入って、トッポを探そうと思っています」
「そうか……でも、禁止区域として昔から入っちゃ行けなかった場所だろ? いいのか?」

 グインは眉間に皺を寄せる。

「アイツの行動で同胞が何人も死にました……仮に私が見逃しても他の村人達が見逃すとは思えません。それなら親友であった俺が……捕まえて罪を償わせようと思います」
「そうか」

 なるほどな……先程のグインの不自然な態度や、村人達の様子が何かおかしかったのも、トッポが逃げ出したのが原因だったわけか。

「それなのに、俺達の歓迎会なんてしてて良かったのか?」
「えぇ。問題ありません──それに、何人かは引き続きトッポを捜索しております」
「そうか。なんだかタイミングが悪い時に来ちゃったみたいだな」
「はは、アトス様達であれば、いつ来ようが大歓迎です」

 先程まで、眉間に皺を寄せていたグインであったが、表情を緩めて笑顔を浮かべた。

「この村にはいつまでも居て問題ありませんので、ゆっくりしてください」
「あぁ、有り難い」
「ただ、明日から少し忙しくなるので不便を掛けてしまうかもしれません」
「ん? 何かあるのか?」
「明日、若い者を連れて禁止区域に向かう予定です」
「そうか。見つかるといいな」
「はい。禁止区域以外は全て探しましたので、必ず居るでしょう」

 何か決意を持って表情を引き締めたグイン。恐らく複雑な気持ちなのだろう。

 仮にグインを捕まえた場合は殺さないといけない。しかし、捕まえなければ村人達の怒りは収まらない。

 グインの立場は辛いな……

 そんな話をしていると、大皿に料理を山盛り乗せたロピとチルがこちらに戻ってきた。

「あはは、お兄さーん、楽しんでいるー?」
「おー、ほどほどに楽しんでいるぞー?」
「良かったー! お兄さんの分も料理持ってきてあげたよー!」

 そう言って、ロピは肉を差し出してくる。
 俺はその肉に齧り付くと、口の中に一気に旨みが広がった。

「美味いな」
「だよねー!」
「アトス様、こちらも美味しいのでお食べください」
「ありがとうチル」

 それから、宴会は夜遅くまで続いた。

 俺は、久しぶりに騒いだ為と言うのもあり、直ぐに寝てしまう。そして、次に俺達が起きた時には、既にグイン達は村を出て、禁止区域に向かったらしい……
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