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マサオさん
6話
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「さて、大学行くか!」
普段では考えられない程のテンションでベットから起き上がり準備を始めるオカ。
「いやー、講義も何も無いけど大学行くのって新鮮だな」
そうなのだ。オカは本来大学に行く必要無い日なのだがカリンとマサオさんについて話したいが為に大学に行くのだ。
「準備良し。あ、もしもの為にタブレットも持っていくか」
こういう準備周到な所は流石オタクなだけある。そしてオカは家を出て大学に向かう。
電車を乗り継ぎ自身が通う大学に到着する。
「カリンはどこにいるかな?」
オカは校内を探し回る。するとある一角で学生の一帯が大声で騒いでいるのが聞こえる。
「全く、ああいう奴らとは絶対関わりたくないもんだな」
そこにはオタク達が苦手としている者達が居た。
そしてその集団の中にカリンを見つけたオカは咄嗟に素知らぬフリをして通り過ごそうとした。
「ギャハハ、そういえばよカリン。例の件は順調なのか?」
見た目が明らかにチャラそうな男がカリンに話しかける。
「……」
だがカリンはダンマリして話さない。
「罰ゲームなんだから、ちゃんと最後まで貫き通せよ?」
すると、周りの若者が騒ぎ出す。
「あはは、カリンみたいな芸能人ばりに容姿がいい奴が普通あんなオタクみたいな奴相手しねぇーんだから罰ゲームでも嬉しいと思うぜ?」
その言葉を聞いて、オカは察してしまう……。
別にオカの名前が出た訳でも無いし、詳細を聞いた訳でも無いのに大体の流れを想像し、それが間違ってない事を確信する。
オカはそのまま素通りして遠回りし、家に帰ろうと決め歩き出した……。
「お前らうっさいよ! 私が誰と仲良くなろうが関係ねぇーだろ!」
「おいおい、何怒っているんだよ。ゲームに負けたんだから、罰ゲームとしてちゃんとやってもらうぜ?」
チャラ男はカリンに対してヘラヘラしながら話す。
「そうだよ。それにカリンが告白しなくても、昨日一緒に帰った奴なら、向こうから告白してくるよー」
昨日オカと帰る直前まで一緒に居た女友達がカリンに言う。
「まぁー、どうしても嫌なら俺と一回デートしてくれるなら無しでいいぜ?」
「あ! お前狡いぞ! なら俺もカリンとデートしてぇーよ!」
「お、俺も!」
チャラ男を始め、次々とカリンとのデートを巡って騒ぎ出す男達を見てカリンはため息を吐く。
彼女は幼少の頃から容姿が良い為男から言い寄られる事が多かった。中学までは清楚な見た目だった為、不良から普通の生徒まで満遍なく告白されていたのだ。
そこで高校に入ると同時に化粧を濃くする事により、人を寄せ付けない様にしようとした。
その成果は半分成功して、半分失敗に終わる。まず化粧を濃くした事によりギャルと認識される事によって普通の男は近づいて来なくなった。
だが化粧が濃くなり実際には更に綺麗になり街などを歩くと直ぐにチャラそうな奴らに声を掛けられる毎日だった。
男に嫌気を指し、高校は女性友達としか交流を深め無かったし、大学に入っても極力男とは関わらない様にしてきたカリンだが、やはり男がほっとくわけも無く、仕方なく最低限の付き合いとして今のグループに属しているのだ。
「お前らとデートするくらいなら、私は断然オカとデートするわ!」
そう言って、カリンは女友達だけに挨拶をしてその場から離れた。
きっと、このやり取りを最後までオカが聞いていれば、オカはカリンの事を見直しただろうがその場にオカは既に居なかった……。
「なんだアイツ?」
「お前が嫌だから帰ったんじゃねぇーの?」
「あはは、あり得るわー。お前みたいなチャラ男はノーサンキューなんだよ!」
「うるせッ!」
集団は直ぐに別の話で盛り上がるのであった。
「やっぱり、何か裏があってカリンは俺に接触してたんだな……」
なんとなく疑いの目を向けながらカリンとは接していたせいか、オカはそこまで傷付いて無かった。
むしろ不思議に思っていたくらいの為理由が分かって良かったとさえ思ったオカはどうせ来たならご飯を食べて帰ろうと思い食堂に向かった。
「おー、オカ! お前今日は休みじゃ無かったか?」
「ちょっと予定が合ってな。だがもう終わったから飯食って帰る所だ」
食堂に行くと友人の一人がご飯を食べていたので、先程の出来事を話す。
「マジかよ……。やっぱりギャルこぇーな」
「だよなー」
オカと友人は、女性は信じられないと結論を出したのだ。
「やっぱり、俺達には二次元だな!」
「その通りだぜ!」
二人でアニメの話で盛り上がっていると窓をコンコンと叩かれた。窓の奥には派手な格好をした女性が笑顔で手を振っている。
「カリンかよ……」
オカの表情を見た女性はムッとした表情になり学食に入ってきた。
「おいおい、悪魔が来ちまったぞ!?」
友人が慌てた様に言う。
「お、俺だってもう会いたくてねぇーよ!」
オカも慌てており二人はオロオロしている内にカリンが目の前まで来てしまう。
「ちょっとオカ! アンタのその態度は何なのよ!」
いつぞやのセリフを吐きながらカリンが歩いてくる。だが少し違った事もある。
「オカの友人の方だよね? この前は本当にごめんねー」
「い、いや怒ってないし、気にしてない……」
先程まで悪魔と言っていた人間とは考えられない程静かになってしまった友人を横目で見ながらオカは問う。
「何しに来たんだよ?」
「オカが会おうって昨日メールで言ったんじゃん!」
先程の出来事ですっかり忘れていたオカだったが、確かにそうだったと思い出すのであった。
「いや、もう無理しなくていいぞカリン」
「え? 何が?」
カリンが首を傾げる。昨日までのオカ達なら、イチコロだったが裏側の事情を知ってしまった二人は前回みたいに恥ずかしがったりしない様だ。
「いや、何でもない……」
「何よそれー!」
オカはこの場で全て先程の事を言ってやろうかと思ったが、そんな事はしなかった。
「お、俺そろそろ予定があるから行くわ」
友人が逃げる様に食堂から出て行く。そしてカリンと二人になったオカは……。
「カリン、都市伝説マサオさん見たか?」
「うんうん、見たよ!」
この男は、どうしてもマサオさん友達が欲しいが為に先程の事を言わなかったのであろう……。
オカの友人がこの場を見たら、そこまでして話したいのかよと呆れる所である。
そこからは、マサオさんの話をして、次会う時までに全ての記事を目を通すと約束して二人は別れたのであった。
そして、その頃にはオカもカリンの事を意識しないで話せる様になっていた。恐らくオカの中でカリンは恋愛対象から外れたのだろう……。
普段では考えられない程のテンションでベットから起き上がり準備を始めるオカ。
「いやー、講義も何も無いけど大学行くのって新鮮だな」
そうなのだ。オカは本来大学に行く必要無い日なのだがカリンとマサオさんについて話したいが為に大学に行くのだ。
「準備良し。あ、もしもの為にタブレットも持っていくか」
こういう準備周到な所は流石オタクなだけある。そしてオカは家を出て大学に向かう。
電車を乗り継ぎ自身が通う大学に到着する。
「カリンはどこにいるかな?」
オカは校内を探し回る。するとある一角で学生の一帯が大声で騒いでいるのが聞こえる。
「全く、ああいう奴らとは絶対関わりたくないもんだな」
そこにはオタク達が苦手としている者達が居た。
そしてその集団の中にカリンを見つけたオカは咄嗟に素知らぬフリをして通り過ごそうとした。
「ギャハハ、そういえばよカリン。例の件は順調なのか?」
見た目が明らかにチャラそうな男がカリンに話しかける。
「……」
だがカリンはダンマリして話さない。
「罰ゲームなんだから、ちゃんと最後まで貫き通せよ?」
すると、周りの若者が騒ぎ出す。
「あはは、カリンみたいな芸能人ばりに容姿がいい奴が普通あんなオタクみたいな奴相手しねぇーんだから罰ゲームでも嬉しいと思うぜ?」
その言葉を聞いて、オカは察してしまう……。
別にオカの名前が出た訳でも無いし、詳細を聞いた訳でも無いのに大体の流れを想像し、それが間違ってない事を確信する。
オカはそのまま素通りして遠回りし、家に帰ろうと決め歩き出した……。
「お前らうっさいよ! 私が誰と仲良くなろうが関係ねぇーだろ!」
「おいおい、何怒っているんだよ。ゲームに負けたんだから、罰ゲームとしてちゃんとやってもらうぜ?」
チャラ男はカリンに対してヘラヘラしながら話す。
「そうだよ。それにカリンが告白しなくても、昨日一緒に帰った奴なら、向こうから告白してくるよー」
昨日オカと帰る直前まで一緒に居た女友達がカリンに言う。
「まぁー、どうしても嫌なら俺と一回デートしてくれるなら無しでいいぜ?」
「あ! お前狡いぞ! なら俺もカリンとデートしてぇーよ!」
「お、俺も!」
チャラ男を始め、次々とカリンとのデートを巡って騒ぎ出す男達を見てカリンはため息を吐く。
彼女は幼少の頃から容姿が良い為男から言い寄られる事が多かった。中学までは清楚な見た目だった為、不良から普通の生徒まで満遍なく告白されていたのだ。
そこで高校に入ると同時に化粧を濃くする事により、人を寄せ付けない様にしようとした。
その成果は半分成功して、半分失敗に終わる。まず化粧を濃くした事によりギャルと認識される事によって普通の男は近づいて来なくなった。
だが化粧が濃くなり実際には更に綺麗になり街などを歩くと直ぐにチャラそうな奴らに声を掛けられる毎日だった。
男に嫌気を指し、高校は女性友達としか交流を深め無かったし、大学に入っても極力男とは関わらない様にしてきたカリンだが、やはり男がほっとくわけも無く、仕方なく最低限の付き合いとして今のグループに属しているのだ。
「お前らとデートするくらいなら、私は断然オカとデートするわ!」
そう言って、カリンは女友達だけに挨拶をしてその場から離れた。
きっと、このやり取りを最後までオカが聞いていれば、オカはカリンの事を見直しただろうがその場にオカは既に居なかった……。
「なんだアイツ?」
「お前が嫌だから帰ったんじゃねぇーの?」
「あはは、あり得るわー。お前みたいなチャラ男はノーサンキューなんだよ!」
「うるせッ!」
集団は直ぐに別の話で盛り上がるのであった。
「やっぱり、何か裏があってカリンは俺に接触してたんだな……」
なんとなく疑いの目を向けながらカリンとは接していたせいか、オカはそこまで傷付いて無かった。
むしろ不思議に思っていたくらいの為理由が分かって良かったとさえ思ったオカはどうせ来たならご飯を食べて帰ろうと思い食堂に向かった。
「おー、オカ! お前今日は休みじゃ無かったか?」
「ちょっと予定が合ってな。だがもう終わったから飯食って帰る所だ」
食堂に行くと友人の一人がご飯を食べていたので、先程の出来事を話す。
「マジかよ……。やっぱりギャルこぇーな」
「だよなー」
オカと友人は、女性は信じられないと結論を出したのだ。
「やっぱり、俺達には二次元だな!」
「その通りだぜ!」
二人でアニメの話で盛り上がっていると窓をコンコンと叩かれた。窓の奥には派手な格好をした女性が笑顔で手を振っている。
「カリンかよ……」
オカの表情を見た女性はムッとした表情になり学食に入ってきた。
「おいおい、悪魔が来ちまったぞ!?」
友人が慌てた様に言う。
「お、俺だってもう会いたくてねぇーよ!」
オカも慌てており二人はオロオロしている内にカリンが目の前まで来てしまう。
「ちょっとオカ! アンタのその態度は何なのよ!」
いつぞやのセリフを吐きながらカリンが歩いてくる。だが少し違った事もある。
「オカの友人の方だよね? この前は本当にごめんねー」
「い、いや怒ってないし、気にしてない……」
先程まで悪魔と言っていた人間とは考えられない程静かになってしまった友人を横目で見ながらオカは問う。
「何しに来たんだよ?」
「オカが会おうって昨日メールで言ったんじゃん!」
先程の出来事ですっかり忘れていたオカだったが、確かにそうだったと思い出すのであった。
「いや、もう無理しなくていいぞカリン」
「え? 何が?」
カリンが首を傾げる。昨日までのオカ達なら、イチコロだったが裏側の事情を知ってしまった二人は前回みたいに恥ずかしがったりしない様だ。
「いや、何でもない……」
「何よそれー!」
オカはこの場で全て先程の事を言ってやろうかと思ったが、そんな事はしなかった。
「お、俺そろそろ予定があるから行くわ」
友人が逃げる様に食堂から出て行く。そしてカリンと二人になったオカは……。
「カリン、都市伝説マサオさん見たか?」
「うんうん、見たよ!」
この男は、どうしてもマサオさん友達が欲しいが為に先程の事を言わなかったのであろう……。
オカの友人がこの場を見たら、そこまでして話したいのかよと呆れる所である。
そこからは、マサオさんの話をして、次会う時までに全ての記事を目を通すと約束して二人は別れたのであった。
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