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15.未知の武器?
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ハアハアと息を切る。走り抜けた先にはシーラの腰を抱く黒いローブを羽織った赤い仮面の男。そしてゆっくりとその横に歩いて来る.........枢機卿の姿があった。
「ほほほ。レジン王。あれほどわたくしが申し上げましたのに。早く側室を娶って子を作っていれば寂しくならなくて済みましたのにね?ほほほっ。いや、今からでも遅くは有りません。わたくし達がご用意致しますよ?どんな女人がお好みですかな?勿論貴族です。高貴な相手であればある程利用価値があります。おお!そうだ!リクルソナの聖女と言われているわたくしの沢山いる内の16になる娘などどうでしょう?美しく育っていますよ?勿論閨も鍛えております。ご満足頂ける事間違いなしです。ほほほほほ。」
「.........あんたの噂は良く知ってるよ。身寄りの有る無し関わらず若い綺麗な女を引き取って、手管を覚えさせ、自分の娘だって吹いて各所に送り込んでるらしいな。その筋じゃ有名な話だ。まあ、16の娘と血が繋がってんならそっちの方が驚きだが。.........で、それが今関係有るのか?」
「おやおや、まあまあ。王妃様は今からリクルソナの地で教典にある女神の生まれ変わりとして余生を過ごして頂くので、そうなるとレジン王、貴方は独り身になりますでしょう?それとも.........今すぐ冥界に旅立たれますかな?ほほほほっ」
「お前のその自信.........どこから来るんだよ。そのデカイ腹に何隠してる?」
「我がリクルソナ教国は『聖女』を手に入れた。そして貴方達には未知の武器である【リクルソナの星】にてバドワージウ国を配下に置く。ほほほほ」
「未知の.........武器?」
「ハリシュダを知っているかね?」
「うちの友好国だよ」
「.................何だと?ふっまさか。あの島は半浮遊で常に移動している。友好国などに出来る訳無いだろう?」
「座標が判れば問題ない。うちには1日3回緯度経度連絡来るんだよ。そんな事よりなんだよ?ハリシュダに武器なんて.................まさか妖精さん達か?」
「グッ!な、何故それを!」
「また巻き込まれてるのか.........ダメだなあそこの弱虫君は。うちで一回預かろうかな。まあ、じゃあ、妖精の力を使った武器か。《神聖魔法》だな」
「.................レジン王。貴方は本当に聡明だ。何でもご存知なのだな。そうだ。《神聖魔法》だよ。我々はその偉大な力を....... 」
「はあ。もう良い。兎に角シーラは返してもらう。おい!いつまで腰に手を回してんだ!そこの黒い奴!触るな!俺の妻だぞ!」
レジンはドカドカとシーラに向かって歩き出す。が、ふわっと宙に浮き上がり、シーラごと距離を取ってまた後ろに降り立った。
「.......魔術師か」
「.................」
「シーラ。大丈夫か?」
「は.........はい」
「嫌だろうけど、もう少し我慢してな?」
レジンはシーラに微笑み掛ける。
「レジン様.................はい」
シーラも微笑み返した。
「.................」
黒い男は黙ってシーラの腰から手を離し、たかと思ったら今度は後ろからシーラを腕ごと抱き込んだ。見せ付けるように。
「ぴゃっ!」
ビクンとするシーラ。
その刹那、レジンは右足で力一杯踏み出し一気に間合いを詰めながら腰の短剣を引き抜いた。
「だ~か~ら~ーーーーーーっ!」
ヒュッと赤い仮面に向け投げ付ける。男が左にそれを避ける。が、青く揺らめく炎が黒いローブに纏わり付いた。レジンの魔剣から鞭の様に延びるそれは生きた炎。レジンは男の横を通り過ぎ、無理矢理身体の方向を180度変えながら魔剣を縦に振った。
「ほほほ。レジン王。あれほどわたくしが申し上げましたのに。早く側室を娶って子を作っていれば寂しくならなくて済みましたのにね?ほほほっ。いや、今からでも遅くは有りません。わたくし達がご用意致しますよ?どんな女人がお好みですかな?勿論貴族です。高貴な相手であればある程利用価値があります。おお!そうだ!リクルソナの聖女と言われているわたくしの沢山いる内の16になる娘などどうでしょう?美しく育っていますよ?勿論閨も鍛えております。ご満足頂ける事間違いなしです。ほほほほほ。」
「.........あんたの噂は良く知ってるよ。身寄りの有る無し関わらず若い綺麗な女を引き取って、手管を覚えさせ、自分の娘だって吹いて各所に送り込んでるらしいな。その筋じゃ有名な話だ。まあ、16の娘と血が繋がってんならそっちの方が驚きだが。.........で、それが今関係有るのか?」
「おやおや、まあまあ。王妃様は今からリクルソナの地で教典にある女神の生まれ変わりとして余生を過ごして頂くので、そうなるとレジン王、貴方は独り身になりますでしょう?それとも.........今すぐ冥界に旅立たれますかな?ほほほほっ」
「お前のその自信.........どこから来るんだよ。そのデカイ腹に何隠してる?」
「我がリクルソナ教国は『聖女』を手に入れた。そして貴方達には未知の武器である【リクルソナの星】にてバドワージウ国を配下に置く。ほほほほ」
「未知の.........武器?」
「ハリシュダを知っているかね?」
「うちの友好国だよ」
「.................何だと?ふっまさか。あの島は半浮遊で常に移動している。友好国などに出来る訳無いだろう?」
「座標が判れば問題ない。うちには1日3回緯度経度連絡来るんだよ。そんな事よりなんだよ?ハリシュダに武器なんて.................まさか妖精さん達か?」
「グッ!な、何故それを!」
「また巻き込まれてるのか.........ダメだなあそこの弱虫君は。うちで一回預かろうかな。まあ、じゃあ、妖精の力を使った武器か。《神聖魔法》だな」
「.................レジン王。貴方は本当に聡明だ。何でもご存知なのだな。そうだ。《神聖魔法》だよ。我々はその偉大な力を....... 」
「はあ。もう良い。兎に角シーラは返してもらう。おい!いつまで腰に手を回してんだ!そこの黒い奴!触るな!俺の妻だぞ!」
レジンはドカドカとシーラに向かって歩き出す。が、ふわっと宙に浮き上がり、シーラごと距離を取ってまた後ろに降り立った。
「.......魔術師か」
「.................」
「シーラ。大丈夫か?」
「は.........はい」
「嫌だろうけど、もう少し我慢してな?」
レジンはシーラに微笑み掛ける。
「レジン様.................はい」
シーラも微笑み返した。
「.................」
黒い男は黙ってシーラの腰から手を離し、たかと思ったら今度は後ろからシーラを腕ごと抱き込んだ。見せ付けるように。
「ぴゃっ!」
ビクンとするシーラ。
その刹那、レジンは右足で力一杯踏み出し一気に間合いを詰めながら腰の短剣を引き抜いた。
「だ~か~ら~ーーーーーーっ!」
ヒュッと赤い仮面に向け投げ付ける。男が左にそれを避ける。が、青く揺らめく炎が黒いローブに纏わり付いた。レジンの魔剣から鞭の様に延びるそれは生きた炎。レジンは男の横を通り過ぎ、無理矢理身体の方向を180度変えながら魔剣を縦に振った。
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