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第四章 あなたと護るべき者
【夢見】** 飛ばしOK
しおりを挟むそこは暗い光の全くない空間だった。足元はぬめった汚水が淀み歩く足に絡みつく。目的地は…解らない。ただただフラフラと方向もわからないまま進む。しばらくすると猫の鳴き声が聞こえてくる。足を向ける。始めはニャーニャーと、その次はアーアーと。発情した雄猫のようだ。
それは近づくたびにまるで泣き叫ぶ女の悲鳴に聞こえた。ボンヤリとそれを見やる。既に足元は硬い灰色の地面の上に立っていた。裸足のようだ。顔を上げる。そこには裸になって男女が息を弾ませ睦み合っている。男に胸を鷲掴みにされ捏ねられ乳首を指でぐりぐりと潰されながら男のモノを使って腹の中を掻き回されている。猫の声はその女のものであった。
クチュッグチュッと男が腰を振る度に繋がりから粘りのある水の音が聞こえる。たまにギリギリまで引き抜いては激しく突き上げ根元を擦り付ける。その度に女は甲高い悲鳴を上げた。
男が繋がったまま女の体を抱き起こし自身は胡座をかいて女をその上に乗せる。女の白い脚を男の腰に回させ、しっかりと腰を掴むと上下に揺すりあげた。
女の乳房がタユタユと動きに合わせて柔らかく重みを感じさせながら揺れる。その動きに合わせ女の乳首に舌を這わせ摩り、ゆっくりと鎖骨辺りを舐め上げながら徐々に激しく突き上げる。
男の足裏には女の液が滴り落ち濡れていた。女は仰け反りながら腕を延ばし男の首と頭にしがみつき快感に咽び泣く。揺れるくすんだ金髪....いや柔らかなミルクティーの色をした長い髪が乱れて男の手に絡み付いている。
「ああああ…深いの、ぉ、ふか…いぃぃ、あ!ああっ!こわ、れ、ぇちゃ…っあ、あ」
男は女の首筋に吸い付き舐め回し、激しく女の身体に自身を突き刺しながら腰から手を滑らせる。
白く柔らかな背中を日に焼けた逞しい腕で愛しげに抱きしめてキツく目を閉じ、呻きくぐもった声を上げる。
「ああ…壊れろ。壊してやるよ、ハァ…無茶苦茶になれ。はっ好きだ…俺のっ─」
「ミ**ーナ」
『!!!』
一気に目の中に飛び込んでくるそれは
──金茶髪!
がば!と飛び起きた。ぶわっと汗が吹き出して冷たい雨の雫のように流れ落ちる。
「ハッハッハ…ハァ……っくそ!」
毛布を跳ね除けドアに向かう。一つ目を開け、部屋を横切り、二つ目のドアに手を掛け意を決してゆっくりと開ける。
まだ夜は明けておらず月明かりも無い静寂の中に小さな呼吸音だけが聞こえる。
そっと足音を消してベッドに近づく。そこにはふわふわと流れる髪を緩く耳の横で一つに括り、小さく呼吸をする可愛いらしい愛しい人が眠っていた。
「ふうっ」と一つ息を吐いてそのまま寝姿を見ていたが、徐に肩までかかっている毛布を引き下げ寝間着の胸のリボンを外す。下着は付けていなかった。白い肌にピンクの蕾が息をする度に少し上下する。
ゆっくりと小さな肩のすぐ横のベッドに手を置き、唇だけでそのまろい乳房の形を辿る。乳首に唇が当たると舌をチロリと出して先を舐める。小さくてまだふにゃりとした乳首を何度も舌先で舐め回す。どんどん固くなるそれに興奮してくるがなんとか抑え、最後に優しくちゅっと一度吸い上げ名残惜しげにリボンを戻し、また毛布を掛け転移の術で自室に戻る。
「はあ…あまりの夢見の悪さに口直ししてしまった…ごめん、ミア。いや、あれはあいつが悪い!なんでお前なんだよ!ミアの…あんな」
「……」
なぜかそのまま浴室に転移するダヤン。
その後しばらくの間、金茶髪の男への風当たりが強くなったのは言うまでも無い。
****
「なんだよ?何かしたか俺?」
「…存在が許せん」
「ええ!?なんで!」
とばっちり以外の何モノでも無い可哀想なレジンであった。
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