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第七章 あなたと信じる心
98.バレてます
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バドワージウ国 ーレジンの執務室ー
3人は取り敢えず休憩を挟みレジンの執務室に集まる。その他アシュケとカーミラン、諜報暗部に籍を置いたモーリシャスが居た。
「まあ、そんな訳でしたー。あー疲れたわ」
「俺の方もそんな感じだな」
紙にペンを走らせていたアシュケが顔を上げる。
「えー、では整理しますね。『聖女』様は過去世でシーラ様と呼ばれる《花の聖女》様だった。その時の伴侶がカイザル。カイザルは隣国の女と共謀して《花の聖女》様を隣国へ売ろうとしていた。裏切られた《花の聖女》様は自暴自棄になり大地の力を解放して人に魔力を植え付けた。これが魔力過多症の始まりと。
シャルと呼ばれた護衛であった男が《最初の魔術師》になったのはこの時でシーラ様に恋心を抱いていたが何も出来ないままシーラ様は自害。数百年もの間大地の娘を探し待ち続けて等々ミリアーナ様が生まれる事を感じ取り、その時にシーラ様とミリアーナ様の魂を分けて身体が育つのを待ち、期を経て魂を再度合わせ、自分のものにしようとしていた。更にカイザルの思念が過去世を持つディスター王太子を乗っ取り再度『聖女』様を我がものにしようとした、と」
「長々と説明ありがと」
レジンが手をぷらぷらさせる。
「これを.........ダヤン様とレジン様が防衛した......」
「スパダートの皇王を操っていたのもシャントルだ」
「闇が深すぎる」
「だが、俺やレジンはあいつに謀られた訳では無い。あいつにとっては予想外の存在だったようだ」
「........なんだか、スッキリしたようなしないような。何だろな。根本に何か働いてるような、別にそうじゃ無いような。うーん。後、1、2ピースくらい足りない気がするわ」
「........そうだな。レジンの言いたい事は解るよ。俺も何だかモヤっとしてる」
「.................」
「ミア?平気か?気分悪かったら帰ろうか?」
「ダヤン様.........」
「顔色悪いし、今日の夜の治療は良いよ。そう采配してくれたんだろ?アシュケ?」
「万事抜かりなく」
「レジン様.........」
「俺たちもちょっと頭冷やして冷静になろう。なんか思いつくかも知れんし。ダヤン、良いか?」
「ああ。そうだな。今日は帰るよ。何かあれば通信機で連絡する」
「了解。じゃあ、ミリアーナ。ゆっくり休んでくれ」
「はい。レジン様。あの........あ、ありがとございました。その..........」
「また、今度な」ニコリ
「.................はい」
俯くミリアーナ。
「......行こうか、ミア」
ダヤンはミリアーナの肩を抱いて転移の術で屋敷に飛んだ。
*
残された4人の男達。
「........何ですか?とうとう告白したんですか?」
とアシュケ。
「は?」
目を剥くレジン。
「随分、拗らせてる、から、もう言わないの、かと思ってたけど」
とモーリシャス。
「え?」
「まあ、しょうがない。恋敵はあの魔術師様だ。普通は言えんだろ」
とカーミラン。
「う?」
「まあ、ちょっと遅すぎですが、ちゃんと伝えたのなら男として褒めるべきですね。おめでとうございます。レジン様」
「な、なんで?なんで?」
「そうだな、何か、言わない、ままの、レジン、は違う、かなって、思う。よかったよ」
「嘘だろ?」
「頑張れよ。レジン。望みは薄い、いや、極薄だが諦めるな!奪い取れ!」
「わーーーー!バレてるバレてる!」
「いや、分かりやすいですから。急に名前呼び捨ですし」
「.....................................ヤバっ」
机に突っ伏すレジンであった。
****
ダヤン屋敷
「お帰りなさいませ。ダヤン様」
「ああ、ネリオス。変わった事は無いか?」
「そうですね。ラシェル様が目を覚まされました」
「そうか。どうだ?」
「はい。混乱はされておりません。アーガスト様が付いていらっしゃいます。食事も少し召し上がりました」
「会えそうか?」
「お伺いしてみます」
「ああ。頼む」
ダヤンはミリアーナに向かい微笑みながら言った。
「今日はどうする?お義母さんに会えるようなら会うか?明日でも良いぞ?」
「ダヤン様。わたくし母さまと2人きりで会いたいです。良いですか?」
「.................ちょっと心配だけど。勿論良いよ」
「ありがとうございます。また後でお話に来ます」
そう言ってミリアーナは自室にソイリアを伴い戻って行く。その姿を少し寂しそうに見つめるダヤン。
更にダヤンの後ろでその様子を見つめるネリオス。
「.....何ですか?その子供の成長を嬉しいと思いつつ寂しいみたいな、子離れ出来ない親みたいな哀愁は」
「.....細かいな。誰が親だ」
「まあ、ベッタリくっ付くよりちょっと距離がある方が燃えますよ。知らない部分が有ると知りたくなるでしょ?」
「ミアの知らない部分なんて要らないけどな」
「馬鹿ですねー。お子ちゃまなんだから。因みに女の人の方が秘密を持ちたがりますから。無闇に突かない方が良いですよ?男は隠すの下手ですし無い方が良いですけど」
「隠すの下手.......か。そうだな。下手だな」
「心当たりがお有りで?」
「俺じゃ無いけどな」
「へえ」
「なんだよ」
「......ダヤン様でもそんなお顔されるんですね」
「........お前は早く聞いて来い。俺は部屋に戻ってるから。後、食事頼む。部屋で食べるから」
「分かりました。ミリアーナ様にもそうお伝えしておきます。では」
そう言ってネリオスが去って行く。
「.................そんな顔ってなんだよ」
ダヤンは眉間を指でグリグリと摩り暫く下を見ていたが、ふうっと息を吐き、自身の私室に転移した。
****
7の刻
ラシェルの部屋
コンコンコンッ
「はい、どうぞー」
「母さま。ミリアーナです」
「ミリアーナ!入って入って!待ってたのよー!」
「.......母さま。あの。わたくし、その。姿が......変わってしまいましたの。その.......」
「聞いたわー。入って入って!」
「.................はい。失礼しますわ」
ガチャッとノブを捻る。少し間を空け、意を決して扉を開いた。
そこにはベッドの上で金色の髪を後ろに流して座るラシェルの姿があった。
おずおずと近づくミリアーナ。
「母さま..........あの。わたくしです。ミリアーナです。判りますか?」
「.................」
「母さま.................」
「.................素敵!」
「え?」
「私の可愛いミリアーナがこんな美人になるなんて!なんて言うのかしら?百合の花?木蓮?睡蓮?可憐だわー!儚げな美しさと色気!ぐっと来るわね!薄紫の髪なんて初めてよ?手足も長く伸びて、あ!お胸が!!パワフルね!」
「か、母さま.......。もう」
ラシェルはミリアーナに向かい両腕を差し出して優しく笑う。
「でも、貴方の綺麗な瞳の色は変わらない。素敵。私のミリアーナ。愛してるわ」
「~~~っ!」
もう限界だった。
ミリアーナは駆け出してラシェルの胸に飛び込み、声をあげて泣いた。
3人は取り敢えず休憩を挟みレジンの執務室に集まる。その他アシュケとカーミラン、諜報暗部に籍を置いたモーリシャスが居た。
「まあ、そんな訳でしたー。あー疲れたわ」
「俺の方もそんな感じだな」
紙にペンを走らせていたアシュケが顔を上げる。
「えー、では整理しますね。『聖女』様は過去世でシーラ様と呼ばれる《花の聖女》様だった。その時の伴侶がカイザル。カイザルは隣国の女と共謀して《花の聖女》様を隣国へ売ろうとしていた。裏切られた《花の聖女》様は自暴自棄になり大地の力を解放して人に魔力を植え付けた。これが魔力過多症の始まりと。
シャルと呼ばれた護衛であった男が《最初の魔術師》になったのはこの時でシーラ様に恋心を抱いていたが何も出来ないままシーラ様は自害。数百年もの間大地の娘を探し待ち続けて等々ミリアーナ様が生まれる事を感じ取り、その時にシーラ様とミリアーナ様の魂を分けて身体が育つのを待ち、期を経て魂を再度合わせ、自分のものにしようとしていた。更にカイザルの思念が過去世を持つディスター王太子を乗っ取り再度『聖女』様を我がものにしようとした、と」
「長々と説明ありがと」
レジンが手をぷらぷらさせる。
「これを.........ダヤン様とレジン様が防衛した......」
「スパダートの皇王を操っていたのもシャントルだ」
「闇が深すぎる」
「だが、俺やレジンはあいつに謀られた訳では無い。あいつにとっては予想外の存在だったようだ」
「........なんだか、スッキリしたようなしないような。何だろな。根本に何か働いてるような、別にそうじゃ無いような。うーん。後、1、2ピースくらい足りない気がするわ」
「........そうだな。レジンの言いたい事は解るよ。俺も何だかモヤっとしてる」
「.................」
「ミア?平気か?気分悪かったら帰ろうか?」
「ダヤン様.........」
「顔色悪いし、今日の夜の治療は良いよ。そう采配してくれたんだろ?アシュケ?」
「万事抜かりなく」
「レジン様.........」
「俺たちもちょっと頭冷やして冷静になろう。なんか思いつくかも知れんし。ダヤン、良いか?」
「ああ。そうだな。今日は帰るよ。何かあれば通信機で連絡する」
「了解。じゃあ、ミリアーナ。ゆっくり休んでくれ」
「はい。レジン様。あの........あ、ありがとございました。その..........」
「また、今度な」ニコリ
「.................はい」
俯くミリアーナ。
「......行こうか、ミア」
ダヤンはミリアーナの肩を抱いて転移の術で屋敷に飛んだ。
*
残された4人の男達。
「........何ですか?とうとう告白したんですか?」
とアシュケ。
「は?」
目を剥くレジン。
「随分、拗らせてる、から、もう言わないの、かと思ってたけど」
とモーリシャス。
「え?」
「まあ、しょうがない。恋敵はあの魔術師様だ。普通は言えんだろ」
とカーミラン。
「う?」
「まあ、ちょっと遅すぎですが、ちゃんと伝えたのなら男として褒めるべきですね。おめでとうございます。レジン様」
「な、なんで?なんで?」
「そうだな、何か、言わない、ままの、レジン、は違う、かなって、思う。よかったよ」
「嘘だろ?」
「頑張れよ。レジン。望みは薄い、いや、極薄だが諦めるな!奪い取れ!」
「わーーーー!バレてるバレてる!」
「いや、分かりやすいですから。急に名前呼び捨ですし」
「.....................................ヤバっ」
机に突っ伏すレジンであった。
****
ダヤン屋敷
「お帰りなさいませ。ダヤン様」
「ああ、ネリオス。変わった事は無いか?」
「そうですね。ラシェル様が目を覚まされました」
「そうか。どうだ?」
「はい。混乱はされておりません。アーガスト様が付いていらっしゃいます。食事も少し召し上がりました」
「会えそうか?」
「お伺いしてみます」
「ああ。頼む」
ダヤンはミリアーナに向かい微笑みながら言った。
「今日はどうする?お義母さんに会えるようなら会うか?明日でも良いぞ?」
「ダヤン様。わたくし母さまと2人きりで会いたいです。良いですか?」
「.................ちょっと心配だけど。勿論良いよ」
「ありがとうございます。また後でお話に来ます」
そう言ってミリアーナは自室にソイリアを伴い戻って行く。その姿を少し寂しそうに見つめるダヤン。
更にダヤンの後ろでその様子を見つめるネリオス。
「.....何ですか?その子供の成長を嬉しいと思いつつ寂しいみたいな、子離れ出来ない親みたいな哀愁は」
「.....細かいな。誰が親だ」
「まあ、ベッタリくっ付くよりちょっと距離がある方が燃えますよ。知らない部分が有ると知りたくなるでしょ?」
「ミアの知らない部分なんて要らないけどな」
「馬鹿ですねー。お子ちゃまなんだから。因みに女の人の方が秘密を持ちたがりますから。無闇に突かない方が良いですよ?男は隠すの下手ですし無い方が良いですけど」
「隠すの下手.......か。そうだな。下手だな」
「心当たりがお有りで?」
「俺じゃ無いけどな」
「へえ」
「なんだよ」
「......ダヤン様でもそんなお顔されるんですね」
「........お前は早く聞いて来い。俺は部屋に戻ってるから。後、食事頼む。部屋で食べるから」
「分かりました。ミリアーナ様にもそうお伝えしておきます。では」
そう言ってネリオスが去って行く。
「.................そんな顔ってなんだよ」
ダヤンは眉間を指でグリグリと摩り暫く下を見ていたが、ふうっと息を吐き、自身の私室に転移した。
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7の刻
ラシェルの部屋
コンコンコンッ
「はい、どうぞー」
「母さま。ミリアーナです」
「ミリアーナ!入って入って!待ってたのよー!」
「.......母さま。あの。わたくし、その。姿が......変わってしまいましたの。その.......」
「聞いたわー。入って入って!」
「.................はい。失礼しますわ」
ガチャッとノブを捻る。少し間を空け、意を決して扉を開いた。
そこにはベッドの上で金色の髪を後ろに流して座るラシェルの姿があった。
おずおずと近づくミリアーナ。
「母さま..........あの。わたくしです。ミリアーナです。判りますか?」
「.................」
「母さま.................」
「.................素敵!」
「え?」
「私の可愛いミリアーナがこんな美人になるなんて!なんて言うのかしら?百合の花?木蓮?睡蓮?可憐だわー!儚げな美しさと色気!ぐっと来るわね!薄紫の髪なんて初めてよ?手足も長く伸びて、あ!お胸が!!パワフルね!」
「か、母さま.......。もう」
ラシェルはミリアーナに向かい両腕を差し出して優しく笑う。
「でも、貴方の綺麗な瞳の色は変わらない。素敵。私のミリアーナ。愛してるわ」
「~~~っ!」
もう限界だった。
ミリアーナは駆け出してラシェルの胸に飛び込み、声をあげて泣いた。
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