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第三章 「獣人」と「覚醒」
53.おいー嘘だろ!
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「まあ、そんな感じだな。基本は格闘なんだがな。たまにくじの中にスピードを競ったり、造形物を造って美しさを競ったりするものが有る。勿論時間制限有りだ。受付時に番号を渡されるから。数が多いから始めは団体戦になる。1~10までが同じ組、とかな」
「いつも何日くらいで終わるんだ?」
「長くて3日かな」
「3日.........。地上に帰るにはギリギリの滞在期間だな。一度風の神殿に帰らないと」
「.........風になれば此処からなら2時間くらいか?ああ、奥方か。そうか。息が出来ないか」
「1日半は掛かる。急げば.........いや、やっぱり1日は最低掛かるな。既に今日で2日目だ」
「それを考えると全く余裕が無いな」
「穏便に済ませたかったんだがな。色々上手くは行かないわ」
俺はエールをグイッと飲み干す。確かにこのエールは旨い。魚料理も香りが良いし旨い。臭みが全く無い。獣人は香草大丈夫なんだろうか?
「アウィン。エールも旨いがワインもイケるぞ?頼むか?」
「うーん。明日に備えるからもう酒はやめとく。まあ、既に4杯は飲んでるけどな。割と酔ってる。シャザは強くなったな」
「飲まされるからな。始めは二日酔いで倒れてたよ。獣人は基本酒には強いんだが、飲む量が半端じゃ無いから」
「ふふ。お互いもう子供じゃ無いんだな。お前もそろそろ伴侶探ししてるのか?」
「.........好きな女は居る」
「ほう?天界に居るんだな?」
「.........58番目だ」
「.........成る程。それは大変だ。いくつなんだ?」
「今年で28だったはずだ」
「年上か。言わないのか?天界では制約関係無いだろ?しかも相手は.........」
「資格がな。必要なのさ」
「へぇ。姫を貰うには資格が要るのか?どんな?」
「強い.........男」
「それは。つまり姫は.........めちゃくちゃ強いのか.........」
「素晴らしい剣の腕だ。互角.........かな。多分」
「あら?互角じゃ無いわよ。私の方が頭一つ分は強いわよ?ねぇ?シャザ」
「!!」
その時シャザの背後から女が近づいて来る。少しハスキーな色気の有る声だ。俺は気配を感じさせず近づいて来た女に目が釘付けになった。
美しい.........
黒の髪を持つ抜群のスタイル。
胸が溢れそうな黒い皮の胸当て。太腿が気持ち良さそうな絶妙な寸のぴっちりした黒いショートパンツ。
誘ってるように見えるが腰にはレイピアを帯剣している。
そして、人間の顔だ。
......え?人間?いや、短い角が左右にある。
「ミル........姫」
シャザが呟く。
「ふふ。どう?今日入った魚。美味しいでしょ?養殖が上手く行ってね。地上から持って来たんだけど餌を変えたら脂が乗って良い味になったわ。まあ、姿も変わっちゃったんだけど」
「.........ええ。最高に美味かったです。甘辛くて.........」
「エールに合うでしょ?此方の方は初めましてね?私はミルよ。食堂の責任者なの。.........あら?貴方.........」
「.........初めまして。ミル様。風の末裔でアウィンと申します。こんな格好で申し訳ありません。妻が寝てしまって」
俺は椅子に座りながら頭を下げ挨拶をする。
「妻.........居るの。なんだか.........不思議な感じ。貴方と初めて会った気がしない。何処で会ってるのかな?」
「.........いえ。俺は獣人神の領域に初めて来ましたから。会うなら地上ですかね?」
俺は記憶に無い。こんなイイ女、一度会ったら忘れないだろう。いや、獣人なんだけど。角は帽子で隠せそうなくらい短いから判りにくい。
「.........そう。不思議.........」
ジッと見てくる。何か考えてるようだ。
「ミル姫?」
シャザがミルを見上げる。
「ん?ああ、ごめんなさい。思い出せないのが悔しくて。ふふ。ねぇ?明日また『勝ち抜き』あるんでしょ?皆んなその話題で持ちきりよ?父が言い出したんだって?珍しいよね。シャザ達は参加するの?」
「俺は参加します。獣人神にお願いがあって」
「我は....「へぇ?貴方強いの?じゃあ、私も出ようかな~」.........え?」
「ミル姫.........」
「ねぇ?勝ったら私とデートしてよ?風でしょ?空を飛べるのよね?飛びたい!翼人は獣人には居ないのよね~」
「え?あ、はい。いや、その.........」
空を飛びたい?そりゃいつでも.........あの胸は魅力的だな。ガシッと抱いたら凄い事に.........。
「.................アウィン」
「ん?」
「我も出る」
「え?ええ!!いや、え?今回は見逃してくれるんじゃ無いのかよ!サラの.........お前が出たら.....」
「我が勝てば《リンミン》をお前に下さるよう進言する」
「.........シャザ......っ...なんで.........」
それが本当なら有難いけどさ。
「純粋に、強者は誰なのか.........知りたくなった」
だがプイッと横を向く。
.........ちょっと待て、お前まさか!ミル姫が出るからとか.........?どこが純粋なんだよ!!
おぃーーーーー!嘘だろーーーーーーー!!
「いつも何日くらいで終わるんだ?」
「長くて3日かな」
「3日.........。地上に帰るにはギリギリの滞在期間だな。一度風の神殿に帰らないと」
「.........風になれば此処からなら2時間くらいか?ああ、奥方か。そうか。息が出来ないか」
「1日半は掛かる。急げば.........いや、やっぱり1日は最低掛かるな。既に今日で2日目だ」
「それを考えると全く余裕が無いな」
「穏便に済ませたかったんだがな。色々上手くは行かないわ」
俺はエールをグイッと飲み干す。確かにこのエールは旨い。魚料理も香りが良いし旨い。臭みが全く無い。獣人は香草大丈夫なんだろうか?
「アウィン。エールも旨いがワインもイケるぞ?頼むか?」
「うーん。明日に備えるからもう酒はやめとく。まあ、既に4杯は飲んでるけどな。割と酔ってる。シャザは強くなったな」
「飲まされるからな。始めは二日酔いで倒れてたよ。獣人は基本酒には強いんだが、飲む量が半端じゃ無いから」
「ふふ。お互いもう子供じゃ無いんだな。お前もそろそろ伴侶探ししてるのか?」
「.........好きな女は居る」
「ほう?天界に居るんだな?」
「.........58番目だ」
「.........成る程。それは大変だ。いくつなんだ?」
「今年で28だったはずだ」
「年上か。言わないのか?天界では制約関係無いだろ?しかも相手は.........」
「資格がな。必要なのさ」
「へぇ。姫を貰うには資格が要るのか?どんな?」
「強い.........男」
「それは。つまり姫は.........めちゃくちゃ強いのか.........」
「素晴らしい剣の腕だ。互角.........かな。多分」
「あら?互角じゃ無いわよ。私の方が頭一つ分は強いわよ?ねぇ?シャザ」
「!!」
その時シャザの背後から女が近づいて来る。少しハスキーな色気の有る声だ。俺は気配を感じさせず近づいて来た女に目が釘付けになった。
美しい.........
黒の髪を持つ抜群のスタイル。
胸が溢れそうな黒い皮の胸当て。太腿が気持ち良さそうな絶妙な寸のぴっちりした黒いショートパンツ。
誘ってるように見えるが腰にはレイピアを帯剣している。
そして、人間の顔だ。
......え?人間?いや、短い角が左右にある。
「ミル........姫」
シャザが呟く。
「ふふ。どう?今日入った魚。美味しいでしょ?養殖が上手く行ってね。地上から持って来たんだけど餌を変えたら脂が乗って良い味になったわ。まあ、姿も変わっちゃったんだけど」
「.........ええ。最高に美味かったです。甘辛くて.........」
「エールに合うでしょ?此方の方は初めましてね?私はミルよ。食堂の責任者なの。.........あら?貴方.........」
「.........初めまして。ミル様。風の末裔でアウィンと申します。こんな格好で申し訳ありません。妻が寝てしまって」
俺は椅子に座りながら頭を下げ挨拶をする。
「妻.........居るの。なんだか.........不思議な感じ。貴方と初めて会った気がしない。何処で会ってるのかな?」
「.........いえ。俺は獣人神の領域に初めて来ましたから。会うなら地上ですかね?」
俺は記憶に無い。こんなイイ女、一度会ったら忘れないだろう。いや、獣人なんだけど。角は帽子で隠せそうなくらい短いから判りにくい。
「.........そう。不思議.........」
ジッと見てくる。何か考えてるようだ。
「ミル姫?」
シャザがミルを見上げる。
「ん?ああ、ごめんなさい。思い出せないのが悔しくて。ふふ。ねぇ?明日また『勝ち抜き』あるんでしょ?皆んなその話題で持ちきりよ?父が言い出したんだって?珍しいよね。シャザ達は参加するの?」
「俺は参加します。獣人神にお願いがあって」
「我は....「へぇ?貴方強いの?じゃあ、私も出ようかな~」.........え?」
「ミル姫.........」
「ねぇ?勝ったら私とデートしてよ?風でしょ?空を飛べるのよね?飛びたい!翼人は獣人には居ないのよね~」
「え?あ、はい。いや、その.........」
空を飛びたい?そりゃいつでも.........あの胸は魅力的だな。ガシッと抱いたら凄い事に.........。
「.................アウィン」
「ん?」
「我も出る」
「え?ええ!!いや、え?今回は見逃してくれるんじゃ無いのかよ!サラの.........お前が出たら.....」
「我が勝てば《リンミン》をお前に下さるよう進言する」
「.........シャザ......っ...なんで.........」
それが本当なら有難いけどさ。
「純粋に、強者は誰なのか.........知りたくなった」
だがプイッと横を向く。
.........ちょっと待て、お前まさか!ミル姫が出るからとか.........?どこが純粋なんだよ!!
おぃーーーーー!嘘だろーーーーーーー!!
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