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第四章 「後悔」と「過去世」
72.なんでこんな事考える?
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俺はその瞬間、結界を解除してゾーイを風で浮かす。
既に意識が朦朧としているゾーイの顎を外らせ、口から肺に酸素を送り込んだ。甲冑着てるからあんまり分からん。息はしているようだ。4、5回繰り返してそのまま地面に降ろす。まあ、大丈夫だろ。
窒息させるのは時間が掛かるから瞬殺では無いが、お互い無傷で勝負が着いて便利だ。
「第3闘技場第1試合先攻戦勝者、アウィン・シータ・ウィングボルト!」
怒号が沸き上がる。まあ、観客席から観てたら何がなんだか解らんだろうな。勝手に倒れたみたいに見えるだろう。こう言う場では派手なパフォーマンスを見せた方が人気が有るんだろうが、正直どうでも良い。
俺は踵を返し闘技場を後にした。
「.........次の試合の時間が判らんな。ジャザの所へ行くか」
確かジャザは第4闘技場での第1試合の後攻だ。スタスタと歩きながら闘技場全体を見回す。まあ、広いよな。コロシアムは円型に造られていた。全方向から観れる。今回は神の観覧席が特別に設営されており、豪華な布が張ってあるのだが、紋章が付いている。座る席の後ろに掲げてあり、どの神がいらっしゃるのか判るようになっていた。ザッとみただけでも5、6神は来ている。
サラは.........獣人神の横の謎の煌びやかなスペースで沢山の姫達に囲まれていた。
俺の試合、観てたかな?.........観れて無さそうだ。
まあ.........別にたいした試合じゃ無かったし。良いか。しかし、やっぱり女神の誕生は珍しいモノなんだな。.........因みに風の父は来ては居ない。まあ、既にサラには会っているしな。
あの観覧席に来ている神達は自分の属性の女神では無いかと見に来たのかな?
........サラは『月の光の女神』じゃないかとは思う。ボンヤリ光を放つ身体に、夜になるとウキウキするって言ってたし。容姿も儚げで.........ルナに似ている。
でも、何か引っ掛かる。気質が違うんだよな。まあ、サラの人格もあるから、夢の中のルナとはそりゃ違いはあるんだけど.........でも、ルナには額に模様なんて無かったし。
多分だけど.........まだ完全な覚醒には至っていないんだ。じゃあ、何だ?だが考えても答えが出てこない。模様?俺が知らない女神?なんで?なんでこんな事考える?
そう、俺は.........何か見落としている感じがして仕方が無かったんだ。
****
32人だから最多で5試合。後、4試合。コロシアムには第4闘技場迄あるから第1試合先攻後攻終了時で16名。第2試合が終わったらベスト8が決まり、第3試合でベスト4。
今日はどこまで行くかな.........。
フイッと顔を上げた先の第4闘技場を見る。今はまだ第1試合の先攻の試合中。サイとバッファローの神族だ。パワーファイター同士じゃねぇか。見応えありそう!
第1闘技場ではワニとヒョウ。
第2闘技場はコモドドラゴンと闇の神族た........
こちらは異種だな。
「ジャザ。どうだ?楽しそうなカードだな」
「アウィン。終わったのか?相手は.........ゾーイか」
「ああ」
「殺したのか?」
「殺すほどでも無かった」
「そうか」
「ミル様も後攻の試合か。水と土も、だな」
俺とゾーイ以外は後攻だ。
「我の相手はキリンの神族だ」
「へえ、どんな闘い方するんだろ?ふふ」
「早々に終わらす。ミル様の試合を観なければ」
「ははははっ。そうだな」
俺達はサイとバッファローのガチンコのぶつかり合いを最後まで観覧した。武器ありの試合だ。
バッファローはデカイバトルアックスと背中側のベルトに投斧が挟んである。
サイの方はバルバードを持っていた。
ハルバードはアックスブレイドとスパイク、フルークが先に付いた槍だ。切る、突く、引っ掛けると三位一体の攻撃が出来る。
暫くはパワーファイターらしく激しい力業の打ち合いが続いたが、最後はバッファローの投斧が首に決まり試合終了となった。うん、真っ向勝負で見応えあった。
敗者が運ばれ闘技場の清掃の後、いよいよジャザの試合だ。久しぶりに本気観れるかな?
「楽しみだ」
「早々に終わらすって言ってるだろ?」
「油断は禁物だ、なんてな」
「我は油断なぞしない。いつでも全力だ」
「ああ、そうか。そうだな。」
本当真面目な奴。
「お、来たようだ。あれだな、キリン」
こちらの第4闘技場に向かって歩いてくる奴を見てジャザが呟いた。
「.................でか。いや、長。ギリギリ人間.........じゃ無い?」
「あれは初見の女は逃げるな」
「逃げるわ。首が俺の足くらい長いじゃん」
「獣の姿ならモテてるさ」
「目は黒目がちでつぶらな感じが可愛いんだけどな」
「だが、キリンの身体能力は侮れないからな」
ジャザはそう言いながら椅子から立ち上がる。
第1試合後攻戦は時間が決まっていないので両者が揃えば直ぐに開始になるのだ。
「さて、ではやるか」
「ああ。サクッとな」
ジャザは黒くて長い尻尾をふにふにと返事をするかのように揺らし、闘技場中央へ進んで行った。
成る程.........尻尾め。
ウズウズして触りたくなるな。
既に意識が朦朧としているゾーイの顎を外らせ、口から肺に酸素を送り込んだ。甲冑着てるからあんまり分からん。息はしているようだ。4、5回繰り返してそのまま地面に降ろす。まあ、大丈夫だろ。
窒息させるのは時間が掛かるから瞬殺では無いが、お互い無傷で勝負が着いて便利だ。
「第3闘技場第1試合先攻戦勝者、アウィン・シータ・ウィングボルト!」
怒号が沸き上がる。まあ、観客席から観てたら何がなんだか解らんだろうな。勝手に倒れたみたいに見えるだろう。こう言う場では派手なパフォーマンスを見せた方が人気が有るんだろうが、正直どうでも良い。
俺は踵を返し闘技場を後にした。
「.........次の試合の時間が判らんな。ジャザの所へ行くか」
確かジャザは第4闘技場での第1試合の後攻だ。スタスタと歩きながら闘技場全体を見回す。まあ、広いよな。コロシアムは円型に造られていた。全方向から観れる。今回は神の観覧席が特別に設営されており、豪華な布が張ってあるのだが、紋章が付いている。座る席の後ろに掲げてあり、どの神がいらっしゃるのか判るようになっていた。ザッとみただけでも5、6神は来ている。
サラは.........獣人神の横の謎の煌びやかなスペースで沢山の姫達に囲まれていた。
俺の試合、観てたかな?.........観れて無さそうだ。
まあ.........別にたいした試合じゃ無かったし。良いか。しかし、やっぱり女神の誕生は珍しいモノなんだな。.........因みに風の父は来ては居ない。まあ、既にサラには会っているしな。
あの観覧席に来ている神達は自分の属性の女神では無いかと見に来たのかな?
........サラは『月の光の女神』じゃないかとは思う。ボンヤリ光を放つ身体に、夜になるとウキウキするって言ってたし。容姿も儚げで.........ルナに似ている。
でも、何か引っ掛かる。気質が違うんだよな。まあ、サラの人格もあるから、夢の中のルナとはそりゃ違いはあるんだけど.........でも、ルナには額に模様なんて無かったし。
多分だけど.........まだ完全な覚醒には至っていないんだ。じゃあ、何だ?だが考えても答えが出てこない。模様?俺が知らない女神?なんで?なんでこんな事考える?
そう、俺は.........何か見落としている感じがして仕方が無かったんだ。
****
32人だから最多で5試合。後、4試合。コロシアムには第4闘技場迄あるから第1試合先攻後攻終了時で16名。第2試合が終わったらベスト8が決まり、第3試合でベスト4。
今日はどこまで行くかな.........。
フイッと顔を上げた先の第4闘技場を見る。今はまだ第1試合の先攻の試合中。サイとバッファローの神族だ。パワーファイター同士じゃねぇか。見応えありそう!
第1闘技場ではワニとヒョウ。
第2闘技場はコモドドラゴンと闇の神族た........
こちらは異種だな。
「ジャザ。どうだ?楽しそうなカードだな」
「アウィン。終わったのか?相手は.........ゾーイか」
「ああ」
「殺したのか?」
「殺すほどでも無かった」
「そうか」
「ミル様も後攻の試合か。水と土も、だな」
俺とゾーイ以外は後攻だ。
「我の相手はキリンの神族だ」
「へえ、どんな闘い方するんだろ?ふふ」
「早々に終わらす。ミル様の試合を観なければ」
「ははははっ。そうだな」
俺達はサイとバッファローのガチンコのぶつかり合いを最後まで観覧した。武器ありの試合だ。
バッファローはデカイバトルアックスと背中側のベルトに投斧が挟んである。
サイの方はバルバードを持っていた。
ハルバードはアックスブレイドとスパイク、フルークが先に付いた槍だ。切る、突く、引っ掛けると三位一体の攻撃が出来る。
暫くはパワーファイターらしく激しい力業の打ち合いが続いたが、最後はバッファローの投斧が首に決まり試合終了となった。うん、真っ向勝負で見応えあった。
敗者が運ばれ闘技場の清掃の後、いよいよジャザの試合だ。久しぶりに本気観れるかな?
「楽しみだ」
「早々に終わらすって言ってるだろ?」
「油断は禁物だ、なんてな」
「我は油断なぞしない。いつでも全力だ」
「ああ、そうか。そうだな。」
本当真面目な奴。
「お、来たようだ。あれだな、キリン」
こちらの第4闘技場に向かって歩いてくる奴を見てジャザが呟いた。
「.................でか。いや、長。ギリギリ人間.........じゃ無い?」
「あれは初見の女は逃げるな」
「逃げるわ。首が俺の足くらい長いじゃん」
「獣の姿ならモテてるさ」
「目は黒目がちでつぶらな感じが可愛いんだけどな」
「だが、キリンの身体能力は侮れないからな」
ジャザはそう言いながら椅子から立ち上がる。
第1試合後攻戦は時間が決まっていないので両者が揃えば直ぐに開始になるのだ。
「さて、ではやるか」
「ああ。サクッとな」
ジャザは黒くて長い尻尾をふにふにと返事をするかのように揺らし、闘技場中央へ進んで行った。
成る程.........尻尾め。
ウズウズして触りたくなるな。
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