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第五章 「勝者」と「陰謀」
88.ぶは!
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「ふふっ。本当美味しい.......嘘が無いから蕩ける」
「ん?」
「ねぇ、アウィン?貴方の知ってる過去世.........教えてくれる?」
「.........」
「もし、それで.........私に対して、その.........悪いな、とか償わないと、とか思ってるなら.........」
「それ誰に聞いたんだ?」
「...........あっ!.......その.........」
「.....まあ、その当時の事知ってるなら獣人神か。嫌な奴.........」
「あ.........うん。貴方の過去世の人が私の過去世の人を死なせたとしたらどうするか?って聞かれた」
「.........そうか」
「.................」
「.................正直まだ判らん。俺が夢で見たのは.........サラの過去世ルナを婚姻前に.........裏切ったとこまでだ」
「裏切り.........ルナ.........?」
「多分だけどサラの過去世は月の光の女神ルナだ。俺の過去世はランドールと言う。風の神の後継者だった」
「ランドール.........ランドール.........ランドール」
「.........サラ.........」
俺はサラの右手を握る。いつか思い出すだろう。2人が愛し合っていた事。ランドールが裏切った事。そしてもしかしたら.........死の原因になった事.........
「.........アウィン.........ダメだわ」
「.................サラ」
「.........全然思い出せない!」
「...........そうか」
「だから貴方も悩まないで。もし、そんな過去だったとしても、もう良いのよ。だってまた出会えたんだもの。そして夫婦になったわ。これからずっと一緒にいられるんだもん。きっとルナって人も幸せよ」
「.........だと良いけどな」
「.................そう、大丈夫。心配無い。怯える必要は何も無い。これはそんなものでは無い。貴方は貴方のままで良い」
「!.........え?」
「ん?」
「.........今、何か.........」
「ん?何?」
「.........いや.........気の所為か、な?」
「ふふっアウィン大好き!」
「.........もうサラってば。襲うぞ?」
「良いよ?」
「ぶはっ!」
「嘘!ふふっ」
「.........本当.........参る.........」
「ねぇ、アウィン!あの色々な色のあれ、何?」
「え?.........ああ。かき氷の事かな?削った氷に甘いシロップが掛かってる。食べるか?」
「うん!甘いの食べる!」
「甘い物なら他にも色々.........見て回るか?タイ焼き、チョコバナナ、ねり飴、飴細工にリンゴ飴......カラメル焼きなんてのも有るな......」
「ふわぁ~!.........ん?また魚。タイ焼き?」
「タイの形の金型に溶いた小麦粉を入れて真ん中に餡子を入れて焼いてある。温かいお菓子だよ」
「餡子?タコは甘辛いのにタイはお菓子なんだ。不思議だね?」
「タイ焼きは形だけ魚だからな。見れば分かるよ。じゃあ、ブラブラ歩きながら行こうか。」
「うん!露店って楽しい!」
サラが嬉しそうにはしゃいでる。変わらないサラの気持ちが嬉しくて、なんだかもうそれだけで泣きそうだ。俺がお前に出来る事は全てやる。
「そりゃ良かった」
俺は下を向きギュッと目を閉じてから立ち上がり、再び彼女と手を繋いで歩き出した。
****
第2試合はまだ続いている。大体流血試合なのでサラには観せたくない。コロシアムには戻らず隣接する広場まで歩いて来た。まあ、俺は風で見えるから直接じゃ無くても良い。
露店でリンゴ飴を欲しがったので買ってやる。艶々の赤い飴の部分をカリカリ食べては、ほぅ.........と息を吐きまたカリカリ。リスみたいだな.........。めちゃくちゃ可愛いんだけど。でも口の周りが赤く染まってる。まあ、良いか。黙っていよう。
「アウィンは直ぐに終わっちゃったね?相手の人どうなったの?」
「気絶したから医務室に居るよ」
「.........殴ってたね.........」
「蹴りも入れといた」
「.........」
「だって.........ムカついたから」
「怒ってたの?」
「.........ちょっとだけな」
「どうして?」
「.........秘密」
「ええ?」
ぷうっと頬を膨らませるサラ。本当.........
「ふふっ。こんなに可愛いのにな」口赤いけど。
「? 何が?」
「そりゃ勿論俺の妻がだよ」
「もう!この姿だからでしょ?なんだかヤダ!」
「えー!そう言われても。じゃあ、どうしたら可愛いって言って良いんだ?」
「.........真っ暗なとこで。顔を見ないで言ってみて?」
「.........それは.........成る程」
「成る程?」
「灯を付けないでしたいって事?」
「もう!アウィンはやらしい!したいなんて言ってないよ!」
「でも、2日空いてそろそろ欲しくなって来たろ?中に...『パシッ』モガッ」
「キャーーー!もう!もう!アウィンはもうちょっと抑えた言い方しないとダメだと思うよ!」
「..................」ニヤ
「ん?」
「ねぇ、アウィン?貴方の知ってる過去世.........教えてくれる?」
「.........」
「もし、それで.........私に対して、その.........悪いな、とか償わないと、とか思ってるなら.........」
「それ誰に聞いたんだ?」
「...........あっ!.......その.........」
「.....まあ、その当時の事知ってるなら獣人神か。嫌な奴.........」
「あ.........うん。貴方の過去世の人が私の過去世の人を死なせたとしたらどうするか?って聞かれた」
「.........そうか」
「.................」
「.................正直まだ判らん。俺が夢で見たのは.........サラの過去世ルナを婚姻前に.........裏切ったとこまでだ」
「裏切り.........ルナ.........?」
「多分だけどサラの過去世は月の光の女神ルナだ。俺の過去世はランドールと言う。風の神の後継者だった」
「ランドール.........ランドール.........ランドール」
「.........サラ.........」
俺はサラの右手を握る。いつか思い出すだろう。2人が愛し合っていた事。ランドールが裏切った事。そしてもしかしたら.........死の原因になった事.........
「.........アウィン.........ダメだわ」
「.................サラ」
「.........全然思い出せない!」
「...........そうか」
「だから貴方も悩まないで。もし、そんな過去だったとしても、もう良いのよ。だってまた出会えたんだもの。そして夫婦になったわ。これからずっと一緒にいられるんだもん。きっとルナって人も幸せよ」
「.........だと良いけどな」
「.................そう、大丈夫。心配無い。怯える必要は何も無い。これはそんなものでは無い。貴方は貴方のままで良い」
「!.........え?」
「ん?」
「.........今、何か.........」
「ん?何?」
「.........いや.........気の所為か、な?」
「ふふっアウィン大好き!」
「.........もうサラってば。襲うぞ?」
「良いよ?」
「ぶはっ!」
「嘘!ふふっ」
「.........本当.........参る.........」
「ねぇ、アウィン!あの色々な色のあれ、何?」
「え?.........ああ。かき氷の事かな?削った氷に甘いシロップが掛かってる。食べるか?」
「うん!甘いの食べる!」
「甘い物なら他にも色々.........見て回るか?タイ焼き、チョコバナナ、ねり飴、飴細工にリンゴ飴......カラメル焼きなんてのも有るな......」
「ふわぁ~!.........ん?また魚。タイ焼き?」
「タイの形の金型に溶いた小麦粉を入れて真ん中に餡子を入れて焼いてある。温かいお菓子だよ」
「餡子?タコは甘辛いのにタイはお菓子なんだ。不思議だね?」
「タイ焼きは形だけ魚だからな。見れば分かるよ。じゃあ、ブラブラ歩きながら行こうか。」
「うん!露店って楽しい!」
サラが嬉しそうにはしゃいでる。変わらないサラの気持ちが嬉しくて、なんだかもうそれだけで泣きそうだ。俺がお前に出来る事は全てやる。
「そりゃ良かった」
俺は下を向きギュッと目を閉じてから立ち上がり、再び彼女と手を繋いで歩き出した。
****
第2試合はまだ続いている。大体流血試合なのでサラには観せたくない。コロシアムには戻らず隣接する広場まで歩いて来た。まあ、俺は風で見えるから直接じゃ無くても良い。
露店でリンゴ飴を欲しがったので買ってやる。艶々の赤い飴の部分をカリカリ食べては、ほぅ.........と息を吐きまたカリカリ。リスみたいだな.........。めちゃくちゃ可愛いんだけど。でも口の周りが赤く染まってる。まあ、良いか。黙っていよう。
「アウィンは直ぐに終わっちゃったね?相手の人どうなったの?」
「気絶したから医務室に居るよ」
「.........殴ってたね.........」
「蹴りも入れといた」
「.........」
「だって.........ムカついたから」
「怒ってたの?」
「.........ちょっとだけな」
「どうして?」
「.........秘密」
「ええ?」
ぷうっと頬を膨らませるサラ。本当.........
「ふふっ。こんなに可愛いのにな」口赤いけど。
「? 何が?」
「そりゃ勿論俺の妻がだよ」
「もう!この姿だからでしょ?なんだかヤダ!」
「えー!そう言われても。じゃあ、どうしたら可愛いって言って良いんだ?」
「.........真っ暗なとこで。顔を見ないで言ってみて?」
「.........それは.........成る程」
「成る程?」
「灯を付けないでしたいって事?」
「もう!アウィンはやらしい!したいなんて言ってないよ!」
「でも、2日空いてそろそろ欲しくなって来たろ?中に...『パシッ』モガッ」
「キャーーー!もう!もう!アウィンはもうちょっと抑えた言い方しないとダメだと思うよ!」
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