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あれから4年。俺は9歳になっていた。既に魔力鑑定をして俺には火属性と風属性それから闇属性があるらしい事が分かっている。
普通の奴で1つか多くて2つが一般的らしく、更に闇属性を持つ者は少ないそうだ。暗いイメージはあるが隠密的な能力が発揮出来るらしい。まあ、あるんだったら使いこなそう。日々特訓の毎日だ。12歳になったら魔術剣士のカリキュラムを受ける為寄宿学校に行く。それまでにある程度術を使えるようにしておきたかった。
何故って?強い者には下らない火の粉はつかないもんだろ?
「ダリ!自主練はもういいから取り敢えず着替えて。今から出掛けるから。アリアンジュちゃんのとこ行くぞ」
相変わらず父は俺の都合などお構いなしに突然用事をぶっ込んでくる厄介な人だ。まだ朝飯も食ってない。
「あ、大丈夫料理長がサンドイッチ作ってくれたから。馬車で待ってるから15分以内な」
「…」
「ほら、早くしろ!」
だから、なんで俺を連れてくんだよ?そこだろ。5年前から事あるごとに俺を引き連れて行く。誕生日もそうだけど初めて立ったとか、髪が腰まで伸びたお祝いってなんだよ!意味わかんねぇ。なんでもお祝いにすれば良いってもんじゃないだろ。
まあ、これも脳内処理で口にはお首にも出さんけどな。
俺は仕方なく、鍛錬を途中で切り上げ部屋に着替えに行き、15分キッチリで馬車に乗り込んだ。しかも用意された衣装が何だかいつもより華美だ。髪までセットされた。
「よしよし!じゃあ、行くか!」
そしてまた片道3時間の馬車の旅が始まったのだ。
****
ゴード伯爵家に到着すると何だか邸がざわついていた。なんかあったのかな?そう言えば今日は何のお祝いなんだ?
だが、他に客人が居る訳では無さそうだ。俺は父の後を歩きながら何だか良く判らないモヤッとしたものを感じた。
今日はいつもの子供部屋では無く、応接室に連れて行かれる。
あ、何かあるわ。何だよ…ややこしいのは止めてくれよ。
「いらっしゃいガイザーク。リダリオス君」
相変わらず優しさの塊みたいな伯爵が俺たちを迎える。あ、因みに父の名前はガイザークだ。俺はリダリオス。父母にはダリって呼ばれてる。
「おう!待たせたな。じゃあ、とっとと始めるか」
「ふふふ。相変わらずせっかちだね。でも、ちょっと待ってね。アリアンジュがまだ用意出来てないかも。まあ、お茶でも飲みながら待とうか。レディの支度を急かしちゃいけないからね」
レディ?いや、まだ4歳。4歳でもレディになるのか?まあ、アンジュは賢い方だ。だがまだまだ上手く話せない幼子。走っても足がもつれてしょっちゅう転ぶ。俺の4歳の時とはちょっと違うよな…
紅茶を飲みながらつらつらとそんな事を考えていた。
コンコンッ
「お嬢様のお支度が整いました」
「待ってたよ。さあ、お入り」
扉が2人の侍従によって開けられる。
そこには黄緑色のふわふわしたドレスを身に纏った女の子が立っていた。
髪は淡いオレンジ色。瞳は大きな濃いピンク。少しタレ目がちだがそれがまた優しげな雰囲気を出している。色白で赤くなると顔が全部ピンクに染まる。小さな口と鼻。なんか妖精みたいだなって思った。
「かわい~い!やっぱり女の子可愛いなー!」
声デカいよ父上…いや、じゃあ、もう1人作れば良いんじゃないか?とは、言わない。生々しいしな。
「いらっちゃいませ。ごきげんよう」
アンジュの舌ったらずな挨拶は毎度お馴染みだ。
俺は会釈してから紅茶を一口くちに含み心の中で呟く。で?今日は何のお祝いなんだ?
「いやー!アンジュちゃん。ダリのお嫁さんに来てくれるなんて本当ありがとう!嬉しいよ!」
ブッハッ
俺は豪快に紅茶を吹き出した。
「ゲホゲホッグッ…っは?」
「お嫁さんだよ!ダリ!お嫁さん!」
「いや、意味は分かってる。なんで?」
「婚約するんだ?アリアンジュちゃんと!」
「は?」
「争奪戦だったけど勝ち抜いたのさ。ダリが!」
「いつ!?」
そんな戦いに参戦した覚えはからっきし無い!
て、言うか4歳だそ?わからんだろ。婚約なんて。
「じゃあ、そう言う事で、これからはアリアンジュちゃんの婚約者な。良かったな、ダリ」
「…」
なんで俺?ああ。もしかしてあれか。当て馬ってやつか?取り敢えず虫付かないようにって事かな。確か女の子は16歳までの婚約は王室に本書類提出義務が無いから「破棄」に成らず「解消」で済むんだっけ。つまり仮婚約だ。未成年に手を出してなけりゃ、だが。
「ダリしゃま。わたしダリしゃまのおよめさんになります。よろしくおねがいしまっしゅ」
ペコリと頭を下げるアリアンジュ。ふわふわと可愛いドレスが揺れている。それ一応カーテンシーだよな?ふーん…
「…うん、分かった」
しょうがないな。赤ん坊の時から知ってるし、防波堤の役割はしてやるか。流石に未来の嫁だと言われてもピンと来ない。…取り敢えずちゃんと喋れるようになろうな。お漏らし治ったか?
「さあ!今日は騒ぐぞーー!」
「え?」
どうやら父達は宴会を予定していたらしい。食堂に案内されるといつの間にか招待客が沢山集まっていた。すでに酔っ払っている奴もいるし。もしかして前日から?嘘だろ?
俺は呆然としながら、今日は帰れない事を悟った。
****
「ダリしゃま。だっこしてくだしゃい!」
「ん」
俺はいつものようにアンジュを抱っこする。
9歳にしては大きい俺は剣の訓練を始めてから更にグングンと伸びている。すでに剣術の講師が付いているので今は対人戦術を叩き込まれている最中だ。
アンジュはまだまだ小さくて俺の半分くらいしか無い。軽いし。
「ダリしゃま。わたししろいウサギをととさまにもらったのです。いっちょにみにいきまちょ?」
「アンジュは婚約の意味知ってるのか?」
「およめさんになるんでしょ?たのしみでしゅっ」
「お嫁さんは何するか知ってるのか?」
「はい。ダリしゃまとずーといっちょにいられるのでしゅ!」
「…まあ、良いか」
何だかアンジュは赤ん坊のイメージが強過ぎて未来の結婚生活が想像出来ない。勿論他の奴に比べれば情はあるんだが…まあ、俺だって一応子供だしな。それに寄宿学校に行くようになれば頻繁には会えなくなるし婚約って言っても実質名ばかりで大変な事にはなら無い筈だ。
女の子は女学校がある。貴族の子女が花嫁修業をする所だ。そこを卒業すると社交界で相手を探さなきゃならないらしい。相手がいればそのまま結婚して終わりだ。16歳で基本は卒業らしいから結婚出来る歳までって事だ。
アンジュが16歳になったら…俺が21歳か。随分遠いな…取り敢えずその歳まで様子見かな。
なんて、割と軽い気持ちでこの婚約の話しを受け入れたんだ。
でも…俺もやっぱり子供だった。いや、その時は本当に気付いていなかったんだ。
この珍しい容姿のアリアンジュが…
将来無類の美女になるなんて。
普通の奴で1つか多くて2つが一般的らしく、更に闇属性を持つ者は少ないそうだ。暗いイメージはあるが隠密的な能力が発揮出来るらしい。まあ、あるんだったら使いこなそう。日々特訓の毎日だ。12歳になったら魔術剣士のカリキュラムを受ける為寄宿学校に行く。それまでにある程度術を使えるようにしておきたかった。
何故って?強い者には下らない火の粉はつかないもんだろ?
「ダリ!自主練はもういいから取り敢えず着替えて。今から出掛けるから。アリアンジュちゃんのとこ行くぞ」
相変わらず父は俺の都合などお構いなしに突然用事をぶっ込んでくる厄介な人だ。まだ朝飯も食ってない。
「あ、大丈夫料理長がサンドイッチ作ってくれたから。馬車で待ってるから15分以内な」
「…」
「ほら、早くしろ!」
だから、なんで俺を連れてくんだよ?そこだろ。5年前から事あるごとに俺を引き連れて行く。誕生日もそうだけど初めて立ったとか、髪が腰まで伸びたお祝いってなんだよ!意味わかんねぇ。なんでもお祝いにすれば良いってもんじゃないだろ。
まあ、これも脳内処理で口にはお首にも出さんけどな。
俺は仕方なく、鍛錬を途中で切り上げ部屋に着替えに行き、15分キッチリで馬車に乗り込んだ。しかも用意された衣装が何だかいつもより華美だ。髪までセットされた。
「よしよし!じゃあ、行くか!」
そしてまた片道3時間の馬車の旅が始まったのだ。
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ゴード伯爵家に到着すると何だか邸がざわついていた。なんかあったのかな?そう言えば今日は何のお祝いなんだ?
だが、他に客人が居る訳では無さそうだ。俺は父の後を歩きながら何だか良く判らないモヤッとしたものを感じた。
今日はいつもの子供部屋では無く、応接室に連れて行かれる。
あ、何かあるわ。何だよ…ややこしいのは止めてくれよ。
「いらっしゃいガイザーク。リダリオス君」
相変わらず優しさの塊みたいな伯爵が俺たちを迎える。あ、因みに父の名前はガイザークだ。俺はリダリオス。父母にはダリって呼ばれてる。
「おう!待たせたな。じゃあ、とっとと始めるか」
「ふふふ。相変わらずせっかちだね。でも、ちょっと待ってね。アリアンジュがまだ用意出来てないかも。まあ、お茶でも飲みながら待とうか。レディの支度を急かしちゃいけないからね」
レディ?いや、まだ4歳。4歳でもレディになるのか?まあ、アンジュは賢い方だ。だがまだまだ上手く話せない幼子。走っても足がもつれてしょっちゅう転ぶ。俺の4歳の時とはちょっと違うよな…
紅茶を飲みながらつらつらとそんな事を考えていた。
コンコンッ
「お嬢様のお支度が整いました」
「待ってたよ。さあ、お入り」
扉が2人の侍従によって開けられる。
そこには黄緑色のふわふわしたドレスを身に纏った女の子が立っていた。
髪は淡いオレンジ色。瞳は大きな濃いピンク。少しタレ目がちだがそれがまた優しげな雰囲気を出している。色白で赤くなると顔が全部ピンクに染まる。小さな口と鼻。なんか妖精みたいだなって思った。
「かわい~い!やっぱり女の子可愛いなー!」
声デカいよ父上…いや、じゃあ、もう1人作れば良いんじゃないか?とは、言わない。生々しいしな。
「いらっちゃいませ。ごきげんよう」
アンジュの舌ったらずな挨拶は毎度お馴染みだ。
俺は会釈してから紅茶を一口くちに含み心の中で呟く。で?今日は何のお祝いなんだ?
「いやー!アンジュちゃん。ダリのお嫁さんに来てくれるなんて本当ありがとう!嬉しいよ!」
ブッハッ
俺は豪快に紅茶を吹き出した。
「ゲホゲホッグッ…っは?」
「お嫁さんだよ!ダリ!お嫁さん!」
「いや、意味は分かってる。なんで?」
「婚約するんだ?アリアンジュちゃんと!」
「は?」
「争奪戦だったけど勝ち抜いたのさ。ダリが!」
「いつ!?」
そんな戦いに参戦した覚えはからっきし無い!
て、言うか4歳だそ?わからんだろ。婚約なんて。
「じゃあ、そう言う事で、これからはアリアンジュちゃんの婚約者な。良かったな、ダリ」
「…」
なんで俺?ああ。もしかしてあれか。当て馬ってやつか?取り敢えず虫付かないようにって事かな。確か女の子は16歳までの婚約は王室に本書類提出義務が無いから「破棄」に成らず「解消」で済むんだっけ。つまり仮婚約だ。未成年に手を出してなけりゃ、だが。
「ダリしゃま。わたしダリしゃまのおよめさんになります。よろしくおねがいしまっしゅ」
ペコリと頭を下げるアリアンジュ。ふわふわと可愛いドレスが揺れている。それ一応カーテンシーだよな?ふーん…
「…うん、分かった」
しょうがないな。赤ん坊の時から知ってるし、防波堤の役割はしてやるか。流石に未来の嫁だと言われてもピンと来ない。…取り敢えずちゃんと喋れるようになろうな。お漏らし治ったか?
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「え?」
どうやら父達は宴会を予定していたらしい。食堂に案内されるといつの間にか招待客が沢山集まっていた。すでに酔っ払っている奴もいるし。もしかして前日から?嘘だろ?
俺は呆然としながら、今日は帰れない事を悟った。
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「ダリしゃま。だっこしてくだしゃい!」
「ん」
俺はいつものようにアンジュを抱っこする。
9歳にしては大きい俺は剣の訓練を始めてから更にグングンと伸びている。すでに剣術の講師が付いているので今は対人戦術を叩き込まれている最中だ。
アンジュはまだまだ小さくて俺の半分くらいしか無い。軽いし。
「ダリしゃま。わたししろいウサギをととさまにもらったのです。いっちょにみにいきまちょ?」
「アンジュは婚約の意味知ってるのか?」
「およめさんになるんでしょ?たのしみでしゅっ」
「お嫁さんは何するか知ってるのか?」
「はい。ダリしゃまとずーといっちょにいられるのでしゅ!」
「…まあ、良いか」
何だかアンジュは赤ん坊のイメージが強過ぎて未来の結婚生活が想像出来ない。勿論他の奴に比べれば情はあるんだが…まあ、俺だって一応子供だしな。それに寄宿学校に行くようになれば頻繁には会えなくなるし婚約って言っても実質名ばかりで大変な事にはなら無い筈だ。
女の子は女学校がある。貴族の子女が花嫁修業をする所だ。そこを卒業すると社交界で相手を探さなきゃならないらしい。相手がいればそのまま結婚して終わりだ。16歳で基本は卒業らしいから結婚出来る歳までって事だ。
アンジュが16歳になったら…俺が21歳か。随分遠いな…取り敢えずその歳まで様子見かな。
なんて、割と軽い気持ちでこの婚約の話しを受け入れたんだ。
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