付く枝と見つ

羽上帆樽

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第13部 na

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 何もかも上手くいくことなどない。そんなことは分かっているのに、いつも期待してしまう。それがシロップの欠点だった。自分でも、それは分かっている。分かっているのに、直そうとは思わない。いや、かつて、直そうとしたことがあったかもしれない。ただ、今はもう諦めてしまった。

「上手いも、下手も、自分で決めた基準だよね」とルンルンが言った。

 隣を歩きながら、シロップは彼女に目を向ける。

「私は、もう、そういうの、面倒臭いからさ。考えないことにしたんだ」

「気楽でいいね」シロップは応じた。

「そうそう、気楽。どんなことでも、楽しんでやらないと、ハッピーになれないから」

「ハッピーになりたいの?」

「別に」そう言って、ルンルンはこちらを見る。「ハッピーとか、ハッピーじゃないとか、もう、そういうのもどうでもいい。結局のところ、私は存在するわけだし。それに、私、死ぬこともできないからさ。何もやらないわけにはいかないんだよね」

「それで、悪戯をして回ってるの?」

「悪戯って、いい言葉だよね。響きがいい」ルンルンは歩きながら一回転する。「でもさ、そうやって、私が悪戯することによって、保たれるバランスというのもあるんだな。悪戯されるとさ、生きてるって感じがするでしょ? 色々な感情が湧いてくる」

「度が過ぎる」シロップは言った。「私のこと、殺しかけたくせに」

「そんなんじゃ死なないって分かっていたから、やったんだよ」ルンルンは話す。
「第一、貴女って、死ぬことができるの?」

 シロップは考える。試したことがないから分からないというのが、現状での彼女の答えだった。ただ、物理的に傷がつくことはあるし、死のうと思えば死ねるような気がする。ただし、傷がついたまま生きることができるという可能性も考えられなくはない。苦しんで生きるくらいなら、死んだ方がましだろうか。

 どうも、彼女といると、自分のスタンスが揺らぐようだと、シロップは思った。自分とデスクの関係が、そのまま、ルンルンと自分に置き換わるようだ。つまり、自由奔放に暴れ回る役と、それを宥める役が、時と場合によって変わる。今は、ルンルンが前者で、自分が後者のようだった。

 唐突に、ルンルンが手を伸ばしてくる。

 シロップは、彼女に指を掴まれる。

「もっと楽しもうよ」ルンルンが言った。「もしかして、私といるの、楽しくない?」

 シロップは彼女から目を逸らす。それから、再び彼女の方を見て、笑って言った。

「そんなことないよ」
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