付く枝と見つ

羽上帆樽

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第36部 ko

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 コンビニで買ってきた漫画は、ルンルンが持っていた。彼女は、いつでも、どこでも、現れることができるから、知らない内にシロップから取り上げたのだろう。この場合、ルンルンが物の怪の性質を持っているとしても、そのルンルンの動作の対象となる漫画は、果たしてそれと同じ性質を持つことになるのか否か、という問題が生じる。

「そういう細かいことを考えると、面倒」ブランコを漕ぎながらルンルンが言った。「どうだっていいんだよ。結局、なるようにしかならないんだから」

 物の怪も、しかし、やはりルールの内を漂っていることに変わりはない。物体を構成する一般的なルールから逸脱して作られたものが物の怪だとしても、その一般的なルールから逸脱するというルールの内に物の怪もあるからだ。つまり、物の怪と、それ以外のものの、その両者を包括するルールというものを見出すことができる。

 サヤは、物体を構成する一般的なルールから逸脱して作られた、もの、を物の怪と呼ぶと言った。しかし、その、もの、にはたらく動きをも物の怪という枠組みは含みうるだろう。ルンルンというものは物の怪だが、彼女が空気中から突然出現するというのは、空気というものがそれを構成する一般的なルールから外れるのと同時に、空気はそこにあるだけという動きに関するルールからも外れることになる。

「というような細かいことを考えると、面倒なんだって」いつの間にかブランコを漕ぐ足を止めて、ルンルンがこちらを見ていた。「結局、なるようにしかならないんだって」

「なるようにしかならないって、どういう意味?」

「大枠としてルールの通りに事が運ぶ、という意味」

 シロップは頷く。要するに、物理というほどの意味だろう。物の怪に関するルールをも飲み込んだものとしての物理。

「死んでもさ、結局、物質の量が減ったりするわけではないんだよ。形が変わるだけ。人間も、いや、生き物は全部、物の怪かもしれない。不思議だと思わない? 海の中から勝手に生き物ができたんだよ。でも、塩水が入った水槽の中にタンパク質を放り込んだだけじゃ、何ともならないでしょ?」

 でも、生き物も、人間も、生まれてしまった。

 それは、なるようになった結果でしかない。

 いつも、観測できるのは結果だけ。

 確かに分かるのは、過去のことだけ?
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