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第3章 汚れ仕事からの脱却
第31話 対決・ルクガイア貴族侯爵
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バキュン! バキュン! バキュン!
ガルペラ侯爵は両手の銃を乱射させてこちらの接近を許さない。銃から放たれる弾の速度は簡単に避けられるものではない。銃の弾は無限ではないので弾切れの隙をついて接近を試みるが……。
「近づかないでほしいのですー!」
「うおぉ!?」
ビュォオオオ!
ガルペラ侯爵は風魔法を使ってこちらを足止めしてくる。風魔法は俺に決定打こそ与えないが、吹き飛ばされて再度距離を離されてしまう。その間に銃に弾を補充されてしまっている。
「あなたの戦い方が徒手空拳であることは調査済みです! 私に近づけない以上、あなたに勝ち目はないのです!」
ガルペラ侯爵の言うとおりだ。あの銃という武器の威力は驚異的だ。当たり所が悪ければ命を落としかねない。
……いや。対抗策は一つだけあるかもしれない。
『ガルペラ様は人の死を望まない』
ローゼスが言っていたセリフだが、その話が本当ならば……。
覚悟を決めた俺は意を決してガルペラ侯爵に向かって行った。
「むむ!? 諦めて玉砕覚悟で突っ込んできたのですか!?」
「そう捉えてもらって結構だ! 撃てるもんなら撃ってみろ!」
銃の弾の方向は銃の向きを見ればわかる。
俺はガルペラ侯爵が右手に持つ銃が"俺の額に向けられる"ようにして突っ込んでいった。
「んひぃ!? そ、その位置は危ないのです!」
バキュン!
「ぐぅ!?」
ガルペラ侯爵は左手に持った銃"のみ"を撃ってきた。
弾は俺の右足を掠っていった。掠っただけだがかなり痛い。やはり銃の威力は本物だ。
だがこれで分かった。ガルペラ侯爵は"俺を殺すことまではしたくない"ということが!
「うぉおお!!」
「ひ、ひぃ~!?」
俺の気迫に押されたのか、ガルペラ侯爵は風魔法で距離を離す余裕すら失ったようだ。
そのまま俺はガルペラ侯爵の近くまで行き、持っていた銃の"回転する筒状の部分"を両手でそれぞれ抑え込んだ。
「さっきからこの銃って武器を見てたんだが、弾はこの筒の部分に込められてたんだろ? 撃つときはこの筒が回転していたし、やっぱりここが回転しないと弾は出てこないみたいだな」
「こ、この短時間でリボルバーの構造まで理解してしまったのですか!? こ、こんなの負けです! 私の負けですよ~!」
ガルペラ侯爵は泣きながら崩れ落ちてしまった。
どうにか勝てたか……。頭を使って戦うのは疲れるもんだ……。
「クッ! 殺すがいいのです! 私だって侯爵なのです! 無駄な命乞いはしないのです! ですがどうか……どうかローゼス達家臣は助けてほしいのです!」
「いや、殺さないから。俺は本当に話を聞いてほしいだけだから。最初から言ってる通りだから」
なんだか一人で腹をくくってしまったガルペラ侯爵に俺は述べる。
「……へ? でも、あなたはドーマン男爵の依頼を受けて私を殺しに来たのですよね?」
「その依頼に従いたくねえから、あんたに助力を求めに来たんだ」
「でもでも、ローゼスから入った情報では下水道からコソコソと屋敷に入ってきたですよね?」
「俺自身、アンタの部下以外にドーマン男爵の部下にも見張られてたんだよ。一応そいつらを撒きたかったんだ」
「…………」
俺の話を聞いたガルペラ侯爵は立ち上がると部屋の扉を開けて屋敷の廊下を見た。
「ガ、ガルペラ様……ご無事で……?」
扉の先には意識を取り戻したローゼスが倒れこんでいた。
「ローゼスのアホー! 早とちりー! せっかちー! なのですー!!」
「ひゃぃいいい!!??」
ガルペラ侯爵を心配していたローゼスに放たれた言葉は八つ当たりのような罵声であった。
ガルペラ侯爵は両手の銃を乱射させてこちらの接近を許さない。銃から放たれる弾の速度は簡単に避けられるものではない。銃の弾は無限ではないので弾切れの隙をついて接近を試みるが……。
「近づかないでほしいのですー!」
「うおぉ!?」
ビュォオオオ!
ガルペラ侯爵は風魔法を使ってこちらを足止めしてくる。風魔法は俺に決定打こそ与えないが、吹き飛ばされて再度距離を離されてしまう。その間に銃に弾を補充されてしまっている。
「あなたの戦い方が徒手空拳であることは調査済みです! 私に近づけない以上、あなたに勝ち目はないのです!」
ガルペラ侯爵の言うとおりだ。あの銃という武器の威力は驚異的だ。当たり所が悪ければ命を落としかねない。
……いや。対抗策は一つだけあるかもしれない。
『ガルペラ様は人の死を望まない』
ローゼスが言っていたセリフだが、その話が本当ならば……。
覚悟を決めた俺は意を決してガルペラ侯爵に向かって行った。
「むむ!? 諦めて玉砕覚悟で突っ込んできたのですか!?」
「そう捉えてもらって結構だ! 撃てるもんなら撃ってみろ!」
銃の弾の方向は銃の向きを見ればわかる。
俺はガルペラ侯爵が右手に持つ銃が"俺の額に向けられる"ようにして突っ込んでいった。
「んひぃ!? そ、その位置は危ないのです!」
バキュン!
「ぐぅ!?」
ガルペラ侯爵は左手に持った銃"のみ"を撃ってきた。
弾は俺の右足を掠っていった。掠っただけだがかなり痛い。やはり銃の威力は本物だ。
だがこれで分かった。ガルペラ侯爵は"俺を殺すことまではしたくない"ということが!
「うぉおお!!」
「ひ、ひぃ~!?」
俺の気迫に押されたのか、ガルペラ侯爵は風魔法で距離を離す余裕すら失ったようだ。
そのまま俺はガルペラ侯爵の近くまで行き、持っていた銃の"回転する筒状の部分"を両手でそれぞれ抑え込んだ。
「さっきからこの銃って武器を見てたんだが、弾はこの筒の部分に込められてたんだろ? 撃つときはこの筒が回転していたし、やっぱりここが回転しないと弾は出てこないみたいだな」
「こ、この短時間でリボルバーの構造まで理解してしまったのですか!? こ、こんなの負けです! 私の負けですよ~!」
ガルペラ侯爵は泣きながら崩れ落ちてしまった。
どうにか勝てたか……。頭を使って戦うのは疲れるもんだ……。
「クッ! 殺すがいいのです! 私だって侯爵なのです! 無駄な命乞いはしないのです! ですがどうか……どうかローゼス達家臣は助けてほしいのです!」
「いや、殺さないから。俺は本当に話を聞いてほしいだけだから。最初から言ってる通りだから」
なんだか一人で腹をくくってしまったガルペラ侯爵に俺は述べる。
「……へ? でも、あなたはドーマン男爵の依頼を受けて私を殺しに来たのですよね?」
「その依頼に従いたくねえから、あんたに助力を求めに来たんだ」
「でもでも、ローゼスから入った情報では下水道からコソコソと屋敷に入ってきたですよね?」
「俺自身、アンタの部下以外にドーマン男爵の部下にも見張られてたんだよ。一応そいつらを撒きたかったんだ」
「…………」
俺の話を聞いたガルペラ侯爵は立ち上がると部屋の扉を開けて屋敷の廊下を見た。
「ガ、ガルペラ様……ご無事で……?」
扉の先には意識を取り戻したローゼスが倒れこんでいた。
「ローゼスのアホー! 早とちりー! せっかちー! なのですー!!」
「ひゃぃいいい!!??」
ガルペラ侯爵を心配していたローゼスに放たれた言葉は八つ当たりのような罵声であった。
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