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第8章 気付き始めた思い
第96話 大神官の大失態
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ボクとしたことがとんでもない大失態を犯してしまったようだ。
ミリア様にボクの秘蔵の"美少女・美少年絵画コレクション"を燃やされそうになって、慌ててコレクションを隠している間に、まさか……まさかこんなことになるなんて……!
「ラルフル君のファッションショーを見そびれるなんてぇえ!!」
「リョウ大神官うるさいですよ」
「そもそもリョウ大神官がいたらできませんよ」
ボクが一人であたふたしてる間にシスターたちがそんな世紀の大イベントも催してたなんて!
いいじゃないか! 見るぐらい! せっかくボクなりの技術で"カメラ"という記録装置を魔道具として再現できたのに! 記念すべき第一枚のシャッターチャンスを逃してしまったじゃないか!
「こうなったら……ラルフル君にメイド服でも着せて無理矢理にでも記念すべき第一枚に……!」
「そんなことしたらミリア様に怒られますよ」
「それとラルフルの師匠だっていうゼロラさんにもね」
くっ! あの二人を敵には回したくない……!
「そういえばゼロラさんって結構カッコいいと思わない?」
「思う、思う! ダンディーな渋さがある大人の男って感じで!」
おや? ゼロラ殿は意外とご婦人方に人気のようだね。確かに男気のある性格と渋い顔立ちはウケる相手にはウケるだろう。
でもボクは美少女・美少年専門だ。ゼロラ殿は守備範囲外だよ。
「リョウ大神官はゼロラさんともお友達なんですよね?」
「腐れ縁って言ったほうがいいかな」
「今度私達を紹介してくださいよ!」
シスター達、グイグイ来るね。大変だよ、マカロンちゃん。こんなところで恋のライバルが増えているよ。
「残念ながらゼロラ殿には先約がいてね。まだ相手側の片思いだけど」
「あー! それってもしかしてリョウ大神官のことですか!?」
……気味の悪いことを言う。確かにゼロラ殿とはいがみ合いながらも良い仲だと思っているが、男女の関係でなど見れないね。
「残念ながらボクじゃないよ。ボクはゼロラ殿にとってのただの友人――」
ズキ
……むぅ? なんだか胸が苦しいね? ボクともあろうものが病気かな?
「ただの友人だったんですか? そのわりにはすごく仲がよさそうというか、息があっているというか……」
ズキ
またか……。なんなんだこの痛みは? いや、この気持ちは?
「リョウ大神官? 急に顔色が優れなくなったようですが? 大丈夫ですか?」
「……大丈夫だ。いや……やはり少し苦しいな」
「お部屋で休んだ方がよいのでは?」
「ああ……そうさせてもらうよ……」
このボクが体調を崩して休むなんて、珍しいこともあるものだ……。
■
「収まらない……。さっきのシスターたちとの会話が耳から離れない……」
ボクはベッドで横になってで自室の天井を眺めていた。
胸は痛いし、呼吸も乱れている。こんなことは今まで一度もなかったのに……。
「……コレクションを見てもごまかせないとはね」
ミリア様から守り抜いたコレクションを見て胸の痛みをごまかそうと思ったが、効果がない。
それどころかコレクションを見ているはずなのに、ゼロラ殿の顔が思い浮かぶ。
思えば彼はボクを邪険にはしていたが、離れるようなことはなかった。
彼はボクを"クソ"だの"腐れ"などと言ってきたが、ここ一番では信用してくれた。
彼とマカロンちゃんがくっつけばいいと本気で思ってたのに、心のどこかで"嫌"という感情が沸き上がる。
「……自分で自分が嫌になるね」
こうなったら誰かに相談しようか。
ゼロラ殿はダメだ。今は顔を会わせられる自信がない。
同じような理由でマカロンちゃんとラルフル君もダメ。
イトー殿ならいいかもしれないが、気乗りしない。
「……こういう時は家族に相談するのが一番だね」
ボクは家族だけに渡した連絡用の魔道具を発動させた後、約束の場所に向かった。
ミリア様にボクの秘蔵の"美少女・美少年絵画コレクション"を燃やされそうになって、慌ててコレクションを隠している間に、まさか……まさかこんなことになるなんて……!
「ラルフル君のファッションショーを見そびれるなんてぇえ!!」
「リョウ大神官うるさいですよ」
「そもそもリョウ大神官がいたらできませんよ」
ボクが一人であたふたしてる間にシスターたちがそんな世紀の大イベントも催してたなんて!
いいじゃないか! 見るぐらい! せっかくボクなりの技術で"カメラ"という記録装置を魔道具として再現できたのに! 記念すべき第一枚のシャッターチャンスを逃してしまったじゃないか!
「こうなったら……ラルフル君にメイド服でも着せて無理矢理にでも記念すべき第一枚に……!」
「そんなことしたらミリア様に怒られますよ」
「それとラルフルの師匠だっていうゼロラさんにもね」
くっ! あの二人を敵には回したくない……!
「そういえばゼロラさんって結構カッコいいと思わない?」
「思う、思う! ダンディーな渋さがある大人の男って感じで!」
おや? ゼロラ殿は意外とご婦人方に人気のようだね。確かに男気のある性格と渋い顔立ちはウケる相手にはウケるだろう。
でもボクは美少女・美少年専門だ。ゼロラ殿は守備範囲外だよ。
「リョウ大神官はゼロラさんともお友達なんですよね?」
「腐れ縁って言ったほうがいいかな」
「今度私達を紹介してくださいよ!」
シスター達、グイグイ来るね。大変だよ、マカロンちゃん。こんなところで恋のライバルが増えているよ。
「残念ながらゼロラ殿には先約がいてね。まだ相手側の片思いだけど」
「あー! それってもしかしてリョウ大神官のことですか!?」
……気味の悪いことを言う。確かにゼロラ殿とはいがみ合いながらも良い仲だと思っているが、男女の関係でなど見れないね。
「残念ながらボクじゃないよ。ボクはゼロラ殿にとってのただの友人――」
ズキ
……むぅ? なんだか胸が苦しいね? ボクともあろうものが病気かな?
「ただの友人だったんですか? そのわりにはすごく仲がよさそうというか、息があっているというか……」
ズキ
またか……。なんなんだこの痛みは? いや、この気持ちは?
「リョウ大神官? 急に顔色が優れなくなったようですが? 大丈夫ですか?」
「……大丈夫だ。いや……やはり少し苦しいな」
「お部屋で休んだ方がよいのでは?」
「ああ……そうさせてもらうよ……」
このボクが体調を崩して休むなんて、珍しいこともあるものだ……。
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「収まらない……。さっきのシスターたちとの会話が耳から離れない……」
ボクはベッドで横になってで自室の天井を眺めていた。
胸は痛いし、呼吸も乱れている。こんなことは今まで一度もなかったのに……。
「……コレクションを見てもごまかせないとはね」
ミリア様から守り抜いたコレクションを見て胸の痛みをごまかそうと思ったが、効果がない。
それどころかコレクションを見ているはずなのに、ゼロラ殿の顔が思い浮かぶ。
思えば彼はボクを邪険にはしていたが、離れるようなことはなかった。
彼はボクを"クソ"だの"腐れ"などと言ってきたが、ここ一番では信用してくれた。
彼とマカロンちゃんがくっつけばいいと本気で思ってたのに、心のどこかで"嫌"という感情が沸き上がる。
「……自分で自分が嫌になるね」
こうなったら誰かに相談しようか。
ゼロラ殿はダメだ。今は顔を会わせられる自信がない。
同じような理由でマカロンちゃんとラルフル君もダメ。
イトー殿ならいいかもしれないが、気乗りしない。
「……こういう時は家族に相談するのが一番だね」
ボクは家族だけに渡した連絡用の魔道具を発動させた後、約束の場所に向かった。
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