174 / 476
第13章 王国が変わる日
第174話 王宮脱出戦・正面ロビー到達
しおりを挟む
「くたばれぇ! コーヒー派の外道どもがぁ!!」
「お前はなんでまたコーヒーのことでキレとんのや!?」
正面ロビーに到達した俺達がまず最初に見たもの――
それは『紅茶は至高。コーヒーは泥水』と怒鳴り散らすコゴーダの姿であった。
まずはそのコゴーダをシシバが引っ叩いて正気に戻す。
「はっ!? わ、私は何を!?」
「まーた"紅茶とコーヒー戦争"を勃発させとったんや。それで頭に血ぃ上らして後詰で指揮執るお前が前線出てどないすんねん」
シシバに叩かれて正気に戻ったコゴーダは辺りの状況を確認して自らが前線に出てきてしまったことにようやく気付く。
……こいつはコーヒーに親でも殺されたのか?
「シシバのカシラー! やっと合流してくれたんすね!」
後ろで様子を見ていたらしいサイバラが俺達に気付いて前線に出てきた。
話によれば参謀長のコゴーダが我を忘れていち早く前線に出てしまったために、特攻隊長のサイバラが代理で指揮を執っていたようだ。
バクト公爵の救出にはヤカタとネモトを向かわせ、ガルペラ達も含めて無事に王都から離れられたらしい。
「ほーう。お前にしては上出来やないか。特別に褒めといたるわ」
「でしょー!? コゴーダの兄貴が踏ん切りつかないからって、おれがちょっと発破かけるために嘘吹き込んだせいで前線に出ちゃったから、もう大変で――」
「コゴーダが前線出とったのお前のせいかー!!」
珍しくシシバに褒められたサイバラだったが、そもそもコゴーダが前線に出てしまった原因を作ってしまったことを知られるや否や、シシバが持っていたトンファーで全力ツッコミを入れられてしまった。
「し、仕方ないでしょ!? 他に勢いつける方法が思いつかなかったんすから!」
「まあ……結果オーライだし、いいんじゃねか?」
「……確かに、ここで説教しとる暇もないしな」
シシバの言う通り、俺達には時間がない。
ギャングレオ盗賊団と合流できた以上、長居は無用だ。これ以上追手が来る前に――
「ゼ、ゼロラさん! 新手です! あれは――リフィー様!?」
――そう考えていると、ラルフルが後ろを確認して叫んだ。
「下賤な者達が! レーコ公爵の名のもと、大人しく捕まりなさい!」
賢者リフィー……!?
俺達がここまで逃げてきたことに余程腹を立てているのか、その整った顔を怒りで歪ませながら俺達に迫ってきた。
「まとめて始末してさしあげますわ! <雷魔法・極大>!!」
怒れるリフィーの両手から、俺達を覆うように何本もの雷が伸びてくる。
バルカウスやジャコウのものとは違う。見ただけでも強大と分かる雷が襲い掛かる!
「俺らを始末すんのに、雷魔法を使ったんは失敗やったな! 必殺! <サイバラ避雷針>!!」
「うえぇ!?」
リフィーの雷魔法を見たシシバは咄嗟に近くにいたサイバラを雷の方へ蹴り飛ばした。そして――
「あばばばばばぁあ!!?? おれ、なんでこんな役ばっかりぃいい!!??」
――全ての雷がサイバラへと集中した。
「サイバラが帯電体質で助かったわ。こいつに雷は効かん!」
「そ、そんなわけないでしょ……限度が……ありますよ……」
黒焦げになりながらもサイバラはなんとか無事なようだ。頑丈さだけは本物だな……。
「おっしゃ! 今度はこっちから仕掛けるで! ギャングレオ盗賊団! 全員、"グレネード"用意や!」
シシバの号令でギャングレオ盗賊団のメンバーが懐から一斉に"グレネード"と呼ばれるものを取り出し、付いていたピンを抜いた。
あれは……爆弾か!?
「どっかん、どっかん! 投げ込んだれやぁあ!!」
シシバの合図と共に、ギャングレオ盗賊団は一斉に"グレネード"をリフィーと王国騎士団に投げつけた。
ドカァン! ドカァン! ドカァン!
けたたましい音を立てる爆発が何度も起こり、辺りが爆風と煙で覆われる。
「きゃあああ!? な、なんなのよこれは!? こんな爆弾見たことありませんわ!?」
王国内で出回っている同じサイズの爆弾よりもはるかに強大な威力。
リフィーも王国騎士団も完全に怯んでしまい、煙のせいで俺達の姿も確認できないようだ。
「ちょ、ちょっと!? これってやり過ぎなんじゃない!?」
「ミリア様! 四の五の言ってる暇はない! この機に乗じて、早く逃げるんだ!」
あまりの大惨事に驚くミリアだったが、ロギウスの言う通りこのチャンスを逃すわけにはいかない!
「ミリアさん! 自分に掴まってください!」
ラルフルはミリアの手を掴んで急いで走り出す。
黒焦げになっていたサイバラもなんとか起き上がり、他のギャングレオ盗賊団に肩を借りながら逃げ始める。
「ゼロラはん! 俺らも逃げるで!」
「分かった! 急ぐぞ!」
俺とシシバも全員が逃げたのを確認して、後を追うように脱出する――
グサッ――!
「な……!?」
――その瞬間、俺の胸元から一本の剣が飛び出してきた。
背中から刺された? 一体誰に?
そんな疑問を打ち消すように、俺の後ろから刺してきた張本人の声がした。
「王宮で不貞を働いた反逆者が、この勇者レイキースから逃げ切れるとでも?」
「お前はなんでまたコーヒーのことでキレとんのや!?」
正面ロビーに到達した俺達がまず最初に見たもの――
それは『紅茶は至高。コーヒーは泥水』と怒鳴り散らすコゴーダの姿であった。
まずはそのコゴーダをシシバが引っ叩いて正気に戻す。
「はっ!? わ、私は何を!?」
「まーた"紅茶とコーヒー戦争"を勃発させとったんや。それで頭に血ぃ上らして後詰で指揮執るお前が前線出てどないすんねん」
シシバに叩かれて正気に戻ったコゴーダは辺りの状況を確認して自らが前線に出てきてしまったことにようやく気付く。
……こいつはコーヒーに親でも殺されたのか?
「シシバのカシラー! やっと合流してくれたんすね!」
後ろで様子を見ていたらしいサイバラが俺達に気付いて前線に出てきた。
話によれば参謀長のコゴーダが我を忘れていち早く前線に出てしまったために、特攻隊長のサイバラが代理で指揮を執っていたようだ。
バクト公爵の救出にはヤカタとネモトを向かわせ、ガルペラ達も含めて無事に王都から離れられたらしい。
「ほーう。お前にしては上出来やないか。特別に褒めといたるわ」
「でしょー!? コゴーダの兄貴が踏ん切りつかないからって、おれがちょっと発破かけるために嘘吹き込んだせいで前線に出ちゃったから、もう大変で――」
「コゴーダが前線出とったのお前のせいかー!!」
珍しくシシバに褒められたサイバラだったが、そもそもコゴーダが前線に出てしまった原因を作ってしまったことを知られるや否や、シシバが持っていたトンファーで全力ツッコミを入れられてしまった。
「し、仕方ないでしょ!? 他に勢いつける方法が思いつかなかったんすから!」
「まあ……結果オーライだし、いいんじゃねか?」
「……確かに、ここで説教しとる暇もないしな」
シシバの言う通り、俺達には時間がない。
ギャングレオ盗賊団と合流できた以上、長居は無用だ。これ以上追手が来る前に――
「ゼ、ゼロラさん! 新手です! あれは――リフィー様!?」
――そう考えていると、ラルフルが後ろを確認して叫んだ。
「下賤な者達が! レーコ公爵の名のもと、大人しく捕まりなさい!」
賢者リフィー……!?
俺達がここまで逃げてきたことに余程腹を立てているのか、その整った顔を怒りで歪ませながら俺達に迫ってきた。
「まとめて始末してさしあげますわ! <雷魔法・極大>!!」
怒れるリフィーの両手から、俺達を覆うように何本もの雷が伸びてくる。
バルカウスやジャコウのものとは違う。見ただけでも強大と分かる雷が襲い掛かる!
「俺らを始末すんのに、雷魔法を使ったんは失敗やったな! 必殺! <サイバラ避雷針>!!」
「うえぇ!?」
リフィーの雷魔法を見たシシバは咄嗟に近くにいたサイバラを雷の方へ蹴り飛ばした。そして――
「あばばばばばぁあ!!?? おれ、なんでこんな役ばっかりぃいい!!??」
――全ての雷がサイバラへと集中した。
「サイバラが帯電体質で助かったわ。こいつに雷は効かん!」
「そ、そんなわけないでしょ……限度が……ありますよ……」
黒焦げになりながらもサイバラはなんとか無事なようだ。頑丈さだけは本物だな……。
「おっしゃ! 今度はこっちから仕掛けるで! ギャングレオ盗賊団! 全員、"グレネード"用意や!」
シシバの号令でギャングレオ盗賊団のメンバーが懐から一斉に"グレネード"と呼ばれるものを取り出し、付いていたピンを抜いた。
あれは……爆弾か!?
「どっかん、どっかん! 投げ込んだれやぁあ!!」
シシバの合図と共に、ギャングレオ盗賊団は一斉に"グレネード"をリフィーと王国騎士団に投げつけた。
ドカァン! ドカァン! ドカァン!
けたたましい音を立てる爆発が何度も起こり、辺りが爆風と煙で覆われる。
「きゃあああ!? な、なんなのよこれは!? こんな爆弾見たことありませんわ!?」
王国内で出回っている同じサイズの爆弾よりもはるかに強大な威力。
リフィーも王国騎士団も完全に怯んでしまい、煙のせいで俺達の姿も確認できないようだ。
「ちょ、ちょっと!? これってやり過ぎなんじゃない!?」
「ミリア様! 四の五の言ってる暇はない! この機に乗じて、早く逃げるんだ!」
あまりの大惨事に驚くミリアだったが、ロギウスの言う通りこのチャンスを逃すわけにはいかない!
「ミリアさん! 自分に掴まってください!」
ラルフルはミリアの手を掴んで急いで走り出す。
黒焦げになっていたサイバラもなんとか起き上がり、他のギャングレオ盗賊団に肩を借りながら逃げ始める。
「ゼロラはん! 俺らも逃げるで!」
「分かった! 急ぐぞ!」
俺とシシバも全員が逃げたのを確認して、後を追うように脱出する――
グサッ――!
「な……!?」
――その瞬間、俺の胸元から一本の剣が飛び出してきた。
背中から刺された? 一体誰に?
そんな疑問を打ち消すように、俺の後ろから刺してきた張本人の声がした。
「王宮で不貞を働いた反逆者が、この勇者レイキースから逃げ切れるとでも?」
0
あなたにおすすめの小説
異世界だろうがソロキャンだろう!? one more camp!
ちゃりネコ
ファンタジー
ソロキャン命。そして異世界で手に入れた能力は…Awazonで買い物!?
夢の大学でキャンパスライフを送るはずだった主人公、四万十 葦拿。
しかし、運悪く世界的感染症によって殆ど大学に通えず、彼女にまでフラれて鬱屈とした日々を過ごす毎日。
うまくいかないプライベートによって押し潰されそうになっていた彼を救ったのはキャンプだった。
次第にキャンプ沼へのめり込んでいった彼は、全国のキャンプ場を制覇する程のヘビーユーザーとなり、着実に経験を積み重ねていく。
そして、知らん内に異世界にすっ飛ばされたが、どっぷりハマっていたアウトドア経験を駆使して、なんだかんだ未知のフィールドを楽しむようになっていく。
遭難をソロキャンと言い張る男、四万十 葦拿の異世界キャンプ物語。
別に要らんけど異世界なんでスマホからネットショッピングする能力をゲット。
Awazonの商品は3億5371万品目以上もあるんだって!
すごいよね。
―――――――――
以前公開していた小説のセルフリメイクです。
アルファポリス様で掲載していたのは同名のリメイク前の作品となります。
基本的には同じですが、リメイクするにあたって展開をかなり変えているので御注意を。
1話2000~3000文字で毎日更新してます。
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
帰国した王子の受難
ユウキ
恋愛
庶子である第二王子は、立場や情勢やら諸々を鑑みて早々に隣国へと無期限遊学に出た。そうして年月が経ち、そろそろ兄(第一王子)が立太子する頃かと、感慨深く想っていた頃に突然届いた帰還命令。
取り急ぎ舞い戻った祖国で見たのは、修羅場であった。
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
【改訂版アップ】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
ばいむ
ファンタジー
10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~
大筋は変わっていませんが、内容を見直したバージョンを追加でアップしています。単なる自己満足の書き直しですのでオリジナルを読んでいる人は見直さなくてもよいかと思います。主な変更点は以下の通りです。
話数を半分以下に統合。このため1話辺りの文字数が倍増しています。
説明口調から対話形式を増加。
伏線を考えていたが使用しなかった内容について削除。(龍、人種など)
別視点内容の追加。
剣と魔法の世界であるライハンドリア・・・。魔獣と言われるモンスターがおり、剣と魔法でそれを倒す冒険者と言われる人達がいる世界。
高校の休み時間に突然その世界に行くことになってしまった。この世界での生活は10日間と言われ、混乱しながらも楽しむことにしたが、なぜか戻ることができなかった。
特殊な能力を授かるわけでもなく、生きるための力をつけるには自ら鍛錬しなければならなかった。魔獣を狩り、いろいろな遺跡を訪ね、いろいろな人と出会った。何度か死にそうになったこともあったが、多くの人に助けられながらも少しずつ成長し、なんとか生き抜いた。
冒険をともにするのは同じく異世界に転移してきた女性・ジェニファー。彼女と出会い、ともに生き抜き、そして別れることとなった。
2021/06/27 無事に完結しました。
2021/09/10 後日談の追加を開始
2022/02/18 後日談完結しました。
2025/03/23 自己満足の改訂版をアップしました。
【男装歴10年】異世界で冒険者パーティやってみた【好きな人がいます】
リコピン
ファンタジー
前世の兄と共に異世界転生したセリナ。子どもの頃に親を失い、兄のシオンと二人で生きていくため、セリナは男装し「セリ」と名乗るように。それから十年、セリとシオンは、仲間を集め冒険者パーティを組んでいた。
これは、異世界転生した女の子がお仕事頑張ったり、恋をして性別カミングアウトのタイミングにモダモダしたりしながら過ごす、ありふれた毎日のお話。
※日常ほのぼの?系のお話を目指しています。
※同性愛表現があります。
異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~
繭
ファンタジー
高梨洋子(25)は帰り道で車に撥ねられた瞬間、意識は一瞬で別の場所へ…。
見覚えの無い部屋で目が覚め「アレク?!気付いたのか!?」との声に
え?ちょっと待て…さっきまで日本に居たのに…。
確か「死んだ」筈・・・アレクって誰!?
ズキン・・・と頭に痛みが走ると現在と過去の記憶が一気に流れ込み・・・
気付けば異世界のイケメンに転生した彼女。
誰も知らない・・・いや彼の母しか知らない秘密が有った!?
女性の記憶に翻弄されながらも成り上がって行く男性の話
保険でR15
タイトル変更の可能性あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる