記憶なし、魔力ゼロのおっさんファンタジー

コーヒー微糖派

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第19章 光と闇の交差点

第259話 対決・魔幻塔大神官②

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 向かってくる俺とシシバに対して、リョウは再び黒く染まった魔力の塊を一つずつぶつけようとしてくる。

「フゥウン!!」
「キエェイ!!」

 パリン―― パリン――

 俺の拳とシシバのトンファーで、リョウの魔力の塊をまずは二つ破壊できた。

「よっしゃ! これなら問題なく行けそうや!」

 マカロンの光の波動の効果は俺達二人に確かに表れている。
 俺もシシバも凝縮された<ナイトメアハザード>の力に汚染されることなく、魔力の塊に攻撃を加えられる!

「クハハハハ!! まさかこのボクの魔力の塊を破壊できるとはネ! うざったいヨ……二人とモ!!」

 リョウは残りの五つの魔力の塊を同時に俺達へと放つ!
 魔力の塊は俺とシシバの周りを回りながら、行動範囲を狭めてくる!

「これだけじゃ終わらないヨ! ボク自身だって攻撃できることを忘れないで欲しいネ!」

 さらにリョウ自らも俺達の周りを舞いつつ、指先から黒い魔法の閃光を撃ち込んでくる!

「チィ! リョウの奴、ホンマ魔法に関しては天才やな! こないに同時に魔法を使いこなせるやなんて――我が妹ながら、末恐ろしいわ……!」

 シシバも言う通り、魔法の使えない俺にでも分かる。

 同時に五つの魔力の塊を操りつつ――
 自らも高速で宙を舞い――
 自らも魔法で攻撃へと参加してくる。

 そしてその全てが高レベル――
 <ナイトメアハザード>の影響か闇魔法が中心になっているが、リョウ自身はこれらの能力を完全に使いこなしている。

 これまで俺も魔法の使い手とは何度も戦ってきたが、リョウほど魔法の扱いに長けた相手はいなかった。
 改めて実感する。【七色魔力の響音】の二つ名を持つ、リョウと言う名の天才の力を……!

「くそ……! こうも素早く囲まれながら攻撃されちゃ、まともに相手もできねえ……!」

 マカロンの光魔法のおかげでリョウの攻撃を防御することはできるが、魔力の塊による包囲はどんどんと狭まっていく!
 これが一気に襲い掛かってきたら、いくらマカロンの光魔法で守られているといっても――



「お願い! リョウさん! 目を覚ましてぇええ!!」

 ――その時マカロンが必死の思いを込めながら叫んだ。
 マカロンは崩れ落ちたまま両手をこちらに向け、それぞれの手から光魔法の弾丸を放つ!



 パリン―― パリン――

 その弾丸が、リョウの魔力の塊を二つ破壊した!

「ぐうぅ!? マ、マカロンまでボクに手を出してくるとはネ! 仕方なイ! こうなったらマカロンから先に――」

 マズい! リョウの狙いが変わった!
 自身の魔力の塊が残り三つになったのを確認したリョウは、攻撃の矛先をマカロンへと変えようと――





「――攻撃するわけ……ないじゃないか! ボ、ボクの体なんだ! ちゃんと――ちゃんとボクの言う通りに動いてくれぇええ!!」

 ――矛先を変えようとした矢先、リョウは自らの頭を抱え込んで涙を流しなら自らを操る力へ抵抗する!
 七つある魔力の塊の内、四つを破壊された影響もあるのだろう。
 リョウは本来の人格が戻りつつある。
 そして空中でもがき苦しみながら、自らの暴走を食い止める!

「た……頼む! 三人とも! は、早くボクの残り三つの魔力の塊を破壊し――させる訳ガ……! ――い、急いでくれ! 頼む!!」

 リョウはかなり無理をして踏ん張っている!
 この状況で俺達にできることは一つしかない!

「急げ! リョウが稼いだ時間を無駄にするな! 残り三つも破壊するぞ!!」
「リョウ! あとちょっとだけ待っとれや!!」
「リョウさん……! 必ず助けます!!」

 俺もシシバもマカロンも。それぞれが残り三つの魔力の塊に対して各々の攻撃を繰り出す!



 パリン―― パリン―― パリン――



 リョウの魔力の核となっている全ての塊を破壊できた。
 これにより一時的に魔法を使えなくなったのか、宙に浮かんでいたリョウは地面へと倒れ込む。
 ひとまずは落ち着いてくれたか――





「ア……アガァ……!? な、なんだいこれは……!? こ、これはもう……ボク自身の意識なんて関係ない……! "ボクではない誰か"が……ボ、ボクの中に―― ウガァアアア!!!???」
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