記憶なし、魔力ゼロのおっさんファンタジー

コーヒー微糖派

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第22章 改革の歌

第305話 改革の奇想曲

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「フロスト! 何があった!?」
「いでで~! あいつら、とんでもねーもん用意しやがって~!」

 俺達が三番隊と戦っているところに、二番隊と戦っているはずのフロストが吹き飛んできた。
 フロストは以前に見せた背中のアームで衝撃を緩和したらしいが、この状態のフロストが吹き飛ぶなんて、何があったんだ……!?





「グギャァアアア!!」

 そんな俺達の耳におぞましい雄たけびが入り込む。
 そして、その雄たけびの主がこちらへと近づいてきた――



「あ、あれってもしかしてコマンドラゴンですか……? でもなんだか様子がおかしいような――」
「かつてジフウ隊長が倒したものだね……。だが、あのコマンドラゴン……どうやら"ゾンビ化"しているな……」
「『ゾンビ化』?」

 ラルフルとロギウスが言うに、あれはジフウが【龍殺しの狂龍】と呼ばれるようになった所以、"コマンドラゴン"という魔物らしい。
 以前に倒したパンクタイガーと同じく、二足歩行の人に近いタイプの魔物か……。

 だがその体は腐敗して所々肉がただれ落ちており、最早生命としての体を成していなかった――

「あのゾンビとなったコマンドラゴンには、俺とフレイムでも太刀打ちできね~。そもそもただの攻撃が意味ねーからな~。……おい、ゼロラとロギウス。マカロンとラルフルをこの場から逃がすことを優先しろ」

 目の前の生ける屍を見て勝てないと判断したのか、フロストは自身が守る最大の対象であるマカロンとラルフルを逃がすことを願い出てきた。

「フロスト。本当にお前やフレイムの力でもどうにもならないのか?」
「ならねーな。あのゾンビ化ってのは単純な火力で太刀打ちできるもんじゃーね~。もっと"神聖な力"があれば手の打ちようもあるが、今この場には――」

 どうやらフロストフレイムの力をもってしても、あのゾンビ化したコマンドラゴンへの対策はないらしい。
 "神聖な力"か――



 ――この場に一人だけ、その持ち主がいるな。

「マカロン。お前の光魔法なら、あのゾンビ化した化け物もどうにかできるんじゃないか?」
「え!? わ、私にですか!?」

 マカロンの光魔法を使えば、あのゾンビ化したコマンドラゴンも倒せるだろうと俺は考えた。

「フロスト。マカロンの光魔法があればなんとかなりそうか?」
「な、なんとかなるとは思うがよ~……。マカロンをこれ以上危険な目に――」
「あの化け物を放っておく方がよっぽど危険だぞ?」

 マカロンの身を心配して渋るフロストだったが、対策自体はあるようだ。
 どうにかして、コマンドラゴンを倒す必要がある。

「……わーかったよ。フレイム!」

 フロストの呼び声で、上空にいたフレイムが傍に降りてきた。

「……マカロン。この砲弾に光魔法を込めろ。要領は光魔法を使う時と同じでいい」
「わ、分かりました」

 フロストがアームで差し出した砲弾に、マカロンは言われた通りに光魔法を込め始めた。

「フレイム。<キャノンブレス>の実弾型を準備しろ~」
「フオオオ!」

 フロストの指示でフレイムが少しずつ息を吸い込み始める。
 俺とロギウス相手に使った、<キャノンブレス>の発射準備をしているようだ。

「よし。俺とラルフルであのコマンドラゴンの足止めをする。ロギウスはマカロンやガルペラ達を守ってくれ」
「分かった! そっちは頼んだよ!」
「ちょ、ちょっと待て!? なんでラルフルが危ない方を――」
「大丈夫です! 自分とゼロラさんならできます!」

 ラルフルとロギウスの役割に異議を申し立てようとするフロストだったが、ラルフルの声でそれは却下された。
 ロギウスなら魔法を使って大勢を守りながら戦える。
 それに、今のラルフルの実力ならば問題はない。

「行くぞ、ラルフル! 俺達であのゾンビドラゴンを足止めするぞ!」
「はい!」

 俺とラルフルの二人で、ゾンビ化したコマンドラゴンへと立ち向かっていった――
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