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第26章 追憶の番人『斎』
第381話 賑やかな朝
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ゼロラさんが【伝説の魔王】だったことの判明。ミライちゃんとの再会。
<ナイトメアハザード>の終焉――
あれから早数日経ちました。
ゼロラさんとミライちゃんは現在、王宮で暮らしています。
陛下の計らいにより、ミライちゃんが落ち着くまでは王宮内で暮らすことになりました。
自分とお姉ちゃんも、今は王宮で暮らしています。
ミライちゃんは自分とお姉ちゃんのことは怖がらないので、ゼロラさんからも頼まれました。
ゼロラさんとミライちゃんの正体については、陛下が王国内に広まらないようにしてくれています。
この事実を知っているのは、自分達改革派だった仲間達だけです。
帰り道に襲ってきたボーネス公爵やジャコウ様も、今は魔幻塔の監獄の中です。
レイキース様達勇者パーティーにも、今回のことは伝わっていません。
改革による新たな生活も馴染み始め、最近は実に平和な日々です。
とたとた! とたとた!
――ただ、一つだけ悩みがあります。
バタンッ!
「ラルフルにいちゃーん! あーそーべー!」
自分が一人で部屋にいると、元気な大声と共に、勢いよく扉が開けられました。
「ひっさつー! <ミラ・イッテキマス>!」
そして扉を開けた張本人は、自分目がけて勢いよく、頭から突っ込んできました――
ぼごんっ!
「オブゥ!?」
その頭は自分のお腹にクリーンヒット。すごく痛いです。
思わず自分は地面へと倒れ込みます。
「ラルフルにいちゃん! おっはおー! ねえねえ! わたしと遊ん……で……」
「……きゅう」
自分へ突如ロケット頭突きで突っ込んできたのは、ミライちゃんです。
ミライちゃんはお父さんであるゼロラさんと再会してから、すっかり元気になりました。
いえ、元気になり過ぎました。
今ではこうして朝一番に、自分の部屋へ何かしらの突撃をしてきます。
「ラ……ラルフルにいちゃん……? そ……そんな……。まさか、わたしの<ミラ・イッテキマス>のせいで……!?」
そして倒れたまま動かない自分を見て、ミライちゃんはワナワナと震え始めます。
待ってください。お腹が痛いんです。
「わたしのせいで、ラルフルにいちゃんが死んじゃったー!? くやんでもー! くやみきれないーー!!」
「あの、生きてますからね?」
「よかった! 生きてた! わはーい!」
自分が起き上がると、ミライちゃんが笑顔で抱き着いてきました。
そんなミライちゃんの頭を撫でながら、自分のお腹も擦ります。
ミライちゃんは元気を取り戻し、姿も魔王城で見た写真と同じものに戻りました。
絶望で白く染まっていた髪は綺麗な黒髪に戻り、服も新しい紫の魔道服を着ています。
その顔は元気いっぱい、幸せいっぱいといった感じです。
頭の先から生えてる二本のアホ毛も、元気よくピョコピョコしています。
――このアホ毛、どういう仕組みなのでしょうか?
まるでミライちゃんの感情を表しているようです。
この子は髪の毛まで自在に動かせるのでしょうか?
「おい、ラルフル。ミライは来てないか?」
「パパー!」
そうこうしていると、ミライちゃんの父親であるゼロラさんも部屋に入ってきました。
ミライちゃんは自分から離れ、元気よくゼロラさんの胸元へと飛び掛かります。
「……ミライ。また、ラルフルに迷惑をかけたんじゃないか?」
「ふえー!? ご、ごめんなさーい!」
「大丈夫ですよ、ゼロラさん。あまり怒らないであげてください」
ゼロラさんはミライちゃんと再会してから、結構怒るようになりました。
でもそれは自分が最初にゼロラさんと会った時のような、苛立ちが原因ではありません。
ミライちゃんをしっかり育てるという、親心の表れ――
ミライちゃんもそんなゼロラさんの内心を分かっているのか、素直に言うことを聞いてます。
本当にいい子ですね。亡くなったユメ様を含む、ご両親の愛情の賜物でしょう。
できれば、もう少し自重してほしいですが……。
「そうだった、ラルフル。すまないが、二日間ほどミライを預かっていてくれないか?」
「え? 自分は構いませんが、ミライちゃんが大丈夫でしょうか?」
「だいじょーぶ! わたし! ラルフルにいちゃんと一緒がいいー!」
この数日間、ミライちゃんはゼロラさんとずっと一緒でした。
そんなゼロラさんと離れるのを怖がるかと思いましたが、ミライちゃんは自分に元気よく抱き着いてきました。
ミライちゃんがこの様子だから、ゼロラさんも自分にお世話を任せてくれるのでしょう。
それにしても――
「ゼロラさん、一人で何か用事ですか?」
「ああ。ミライも落ち着いてきたしな。ちょっと俺の古い関係者と会ってくる」
『古い関係者』――ですか。
それはきっと、ゼロラさんが【伝説の魔王】だったころに関係する人達でしょう。
ミライちゃんを自分に預けてまで会う人ですか――
「パパー! いってらっしゃーい!」
「ああ、行ってくる。ちゃんとラルフルの言うことを聞くんだぞ?」
「うんー!」
ミライちゃんに元気よく見送られながら、ゼロラさんは出かけていきました。
きっとゼロラさんはこれから大事な用があります。
自分は頼まれた通り、ミライちゃんのお世話をしておきましょう。
そういえば、今日はミリアさんが王宮に来ますね。
今のミライちゃんなら、ミリアさんに会っても大丈夫でしょう。
「ミライちゃん。今日は自分の大切な女性に会いに行きませんか?」
「ラルフルにいちゃんの大切な女性? 会いたい! 行こう! 行こう!」
どうやらミライちゃんも乗り気のようです。
「わたしね! その人が作ったおかし、食べてみたい!」
それはやめておいた方がいいと思います……。
<ナイトメアハザード>の終焉――
あれから早数日経ちました。
ゼロラさんとミライちゃんは現在、王宮で暮らしています。
陛下の計らいにより、ミライちゃんが落ち着くまでは王宮内で暮らすことになりました。
自分とお姉ちゃんも、今は王宮で暮らしています。
ミライちゃんは自分とお姉ちゃんのことは怖がらないので、ゼロラさんからも頼まれました。
ゼロラさんとミライちゃんの正体については、陛下が王国内に広まらないようにしてくれています。
この事実を知っているのは、自分達改革派だった仲間達だけです。
帰り道に襲ってきたボーネス公爵やジャコウ様も、今は魔幻塔の監獄の中です。
レイキース様達勇者パーティーにも、今回のことは伝わっていません。
改革による新たな生活も馴染み始め、最近は実に平和な日々です。
とたとた! とたとた!
――ただ、一つだけ悩みがあります。
バタンッ!
「ラルフルにいちゃーん! あーそーべー!」
自分が一人で部屋にいると、元気な大声と共に、勢いよく扉が開けられました。
「ひっさつー! <ミラ・イッテキマス>!」
そして扉を開けた張本人は、自分目がけて勢いよく、頭から突っ込んできました――
ぼごんっ!
「オブゥ!?」
その頭は自分のお腹にクリーンヒット。すごく痛いです。
思わず自分は地面へと倒れ込みます。
「ラルフルにいちゃん! おっはおー! ねえねえ! わたしと遊ん……で……」
「……きゅう」
自分へ突如ロケット頭突きで突っ込んできたのは、ミライちゃんです。
ミライちゃんはお父さんであるゼロラさんと再会してから、すっかり元気になりました。
いえ、元気になり過ぎました。
今ではこうして朝一番に、自分の部屋へ何かしらの突撃をしてきます。
「ラ……ラルフルにいちゃん……? そ……そんな……。まさか、わたしの<ミラ・イッテキマス>のせいで……!?」
そして倒れたまま動かない自分を見て、ミライちゃんはワナワナと震え始めます。
待ってください。お腹が痛いんです。
「わたしのせいで、ラルフルにいちゃんが死んじゃったー!? くやんでもー! くやみきれないーー!!」
「あの、生きてますからね?」
「よかった! 生きてた! わはーい!」
自分が起き上がると、ミライちゃんが笑顔で抱き着いてきました。
そんなミライちゃんの頭を撫でながら、自分のお腹も擦ります。
ミライちゃんは元気を取り戻し、姿も魔王城で見た写真と同じものに戻りました。
絶望で白く染まっていた髪は綺麗な黒髪に戻り、服も新しい紫の魔道服を着ています。
その顔は元気いっぱい、幸せいっぱいといった感じです。
頭の先から生えてる二本のアホ毛も、元気よくピョコピョコしています。
――このアホ毛、どういう仕組みなのでしょうか?
まるでミライちゃんの感情を表しているようです。
この子は髪の毛まで自在に動かせるのでしょうか?
「おい、ラルフル。ミライは来てないか?」
「パパー!」
そうこうしていると、ミライちゃんの父親であるゼロラさんも部屋に入ってきました。
ミライちゃんは自分から離れ、元気よくゼロラさんの胸元へと飛び掛かります。
「……ミライ。また、ラルフルに迷惑をかけたんじゃないか?」
「ふえー!? ご、ごめんなさーい!」
「大丈夫ですよ、ゼロラさん。あまり怒らないであげてください」
ゼロラさんはミライちゃんと再会してから、結構怒るようになりました。
でもそれは自分が最初にゼロラさんと会った時のような、苛立ちが原因ではありません。
ミライちゃんをしっかり育てるという、親心の表れ――
ミライちゃんもそんなゼロラさんの内心を分かっているのか、素直に言うことを聞いてます。
本当にいい子ですね。亡くなったユメ様を含む、ご両親の愛情の賜物でしょう。
できれば、もう少し自重してほしいですが……。
「そうだった、ラルフル。すまないが、二日間ほどミライを預かっていてくれないか?」
「え? 自分は構いませんが、ミライちゃんが大丈夫でしょうか?」
「だいじょーぶ! わたし! ラルフルにいちゃんと一緒がいいー!」
この数日間、ミライちゃんはゼロラさんとずっと一緒でした。
そんなゼロラさんと離れるのを怖がるかと思いましたが、ミライちゃんは自分に元気よく抱き着いてきました。
ミライちゃんがこの様子だから、ゼロラさんも自分にお世話を任せてくれるのでしょう。
それにしても――
「ゼロラさん、一人で何か用事ですか?」
「ああ。ミライも落ち着いてきたしな。ちょっと俺の古い関係者と会ってくる」
『古い関係者』――ですか。
それはきっと、ゼロラさんが【伝説の魔王】だったころに関係する人達でしょう。
ミライちゃんを自分に預けてまで会う人ですか――
「パパー! いってらっしゃーい!」
「ああ、行ってくる。ちゃんとラルフルの言うことを聞くんだぞ?」
「うんー!」
ミライちゃんに元気よく見送られながら、ゼロラさんは出かけていきました。
きっとゼロラさんはこれから大事な用があります。
自分は頼まれた通り、ミライちゃんのお世話をしておきましょう。
そういえば、今日はミリアさんが王宮に来ますね。
今のミライちゃんなら、ミリアさんに会っても大丈夫でしょう。
「ミライちゃん。今日は自分の大切な女性に会いに行きませんか?」
「ラルフルにいちゃんの大切な女性? 会いたい! 行こう! 行こう!」
どうやらミライちゃんも乗り気のようです。
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それはやめておいた方がいいと思います……。
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