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第27章 追憶の番人『殿』
第403話 ルクガイアの行く末
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「あの……国王陛下。戻りました」
「お、おお……ゼロラ殿。何とか無事に済んだようだな。余の息子が申し訳ないことをした……」
「いえ、お気になさらずに。……結局、俺は何もしてませんし」
あの後、ロギウスは意識を失ったリョウをお姫様抱っこしながら、先に屋上を下りて行った。
俺もしばらく気持ちの整理に時間を使った後、遅れて屋上から戻ってきた。
そして現在、玉座の間にいる国王と話をしている。
ジフウとシシバの兄二人も、妹のリョウが心配なのか、席を外している。
玉座の間に残ったのは、俺と国王の二人だけだ。
「とりあえず、リョウもロギウスの告白には前向きみたいです」
「うむ、余もロギウスから聞いている。互いに認め合ったうえでの婚約なら、ひとまずは余も喜びたいところなのだが――」
国王もロギウスとリョウの婚約は認めるようだ。
だが、その表情はどこか重いものを感じる。
「国王陛下。ロギウスとリョウの婚約に、何か不安でもあるのですか?」
「あの二人が婚約すること自体に不安はない。問題は周囲の反応だ」
国王はその重い表情の原因を俺に語り始めた。
「ロギウスは曲がりなりにも、このルクガイア王国の王子――次期国王だ。それ故に、これまでも様々な令嬢から婚約の申し出は多々あった。ロギウスはこれまで全て断ってきたが、急に貴族令嬢でもない女性と婚約すると聞いて、彼女らはどう思うことやら……」
「あー……」
これまでの暴走っぷりでつい忘れがちだが、ロギウスはこの国の王子だった。
貴族制度の廃止が進んでいるとはいえ、かつてロギウスに求婚していた令嬢達にとって、この突然の婚約は面白くないだろう。
「ロギウスはすぐにでもリョウ大神官との婚約を、公の場で発表するそうだ。これまでロギウスへの求婚を断られていた令嬢達は、異議を申し立ててくるであろう……」
国王を頭を抱えながら、胸の内を曝け出す。
今後のことを考えれば、そりゃ不安にもなってくる。
それにしてもロギウスの奴……その辺りのことは考えてなかったのか?
改革が成立した日からずっと公務で忙しく、リョウと会う機会もこれまで用意できなかった。
それ故に気持ちが焦り、やれ告白だの、俺と決闘だので暴走しているところを見るに、考えてなさそうだ。
――ロギウスよ。少し落ち着いて行動してくれ。
お前は父親を悩ませすぎだ。
後、このままだとリョウにも迷惑がかかるよな……?
「へ、陛下! 大変です!」
「え、えらいことになってもうたで!」
そんな重苦しい雰囲気の玉座の間に、ジフウとシシバの二人が戻ってきた。
血相を変えて大慌てしているが、今度は何があったんだ?
「何事だ!? 余はこれ以上の面倒事など、御免被るぞ!」
「ロギウス殿下が王都に、リョウと婚約することのお触れを出したんです! それを見た令嬢達が、この王宮に押し寄せてきています!」
「めっちゃ人数おるで! 一体あの王子様は、これまでなんぼほど婚約を断ってきたんでっか!?」
想定していた事態は、想像以上に早く訪れてしまった。
国王ももう態度を考える余裕もないらしい。
それにしても、シシバ達が慌てる程の人数か――
ロギウスは本当に、どこまで結婚相手にこだわってたんだよ……。
そしていい相手が見つかったと思えば、異常なまでに一途――。
一応はこの国の王子なんだから、もう少し考えて行動を起こせよ……。
嬉しくて、すぐに発表したかったんだろうけどよ……。
「だから俺は嫌だったんだ! リョウがロギウス殿下と婚約すると、こうやってまた面倒事が―― オボォ!?」
「ジフウの兄貴!? めっちゃ吐いとるで!? 大丈夫なんか!? 胃が破裂したんとちゃうか!?」
度重なる急展開から来るストレスで、ついにジフウの胃が限界に達した。
これ、俺と王都で戦った時よりも、ダメージ受けてるだろ……。
だがこうなってしまった以上、どうにかして事態を終息させるしかない。
そして何よりも、確認すべきことがある――
「ジフウ、シシバ。この騒動や王族との関係を抜きに、お前達は兄として、妹のリョウを祝うことはできるか?」
「ゲホォ……。え? リョウがロギウス殿下と婚約することにか? まあ……あいつの兄貴としては、そりゃ嬉しいけどよ……」
「まあ、俺もそこだけ見れば異論はないな。ロギウスはなんやかんやで、リョウのことを幸せにしてくれそうや。もし悲しませたら、王子とか関係なしに殴り飛ばす」
ジフウもシシバも、リョウの婚約そのものについては前向きなようだ。
なんだかんだでこの二人、妹想いなようだ。
こんな状況のせいで錯乱してるが、ここさえ乗り切れば、全員にとって良好な道も見えてる。
「やるぞ、ジフウ、シシバ。リョウの幸せのためにも、俺達でなんとかするんだ」
「……ああ、そうだな。細かい考え事はもうなしだ。リョウのためにも、俺は令嬢達をなんとかしてみせるぜ!」
「しゃーないな。かわいい妹のためや。俺も一肌脱ぐとすっか!」
俺とジフウとシシバ。三人の決意は固まった。
もうじきここに押し寄せてくるロギウスに婚約を断られた令嬢達をなんとかし、リョウとロギウスの婚約を無事に果たす。
その目的の為に、俺達はこの玉座の間で令嬢達を迎え撃つ覚悟を決める。
三人で手を重ね合い、心を一つにした――
「三人とも……決心したところに水を差すようで申し訳ないが、そもそも"何をどうする"つもりなのだ?」
――そこに割り込んできた、国王のもっともな疑問。
それについては――
「その……頑張って止める!」
「なんだそれ!? 結局ノープランじゃねえか!?」
「あんさん、元々は【伝説の魔王】やったんやろ!? もっとええ方法考えんかい!」
「う、うるせえ! 俺が【伝説の魔王】だったことは関係ないだろ!?」
俺とジフウとシシバの三人で、口論が始まってしまった。
正直、俺にこの場を乗り切る作戦なんて思いつかない。
とりあえずこの事態を聞いたロギウスも、時期に玉座の間へ戻ってくるはずだ。
その時、俺達で頑張って――
「とにかく! なんとかする!」
「だから! もっと具体的な方法を出せ!」
「もうアカンのちゃうか、これ!? こんなん、どないせえっちゅうんや!?」
「これは……余でもどうにもできない……」
「お、おお……ゼロラ殿。何とか無事に済んだようだな。余の息子が申し訳ないことをした……」
「いえ、お気になさらずに。……結局、俺は何もしてませんし」
あの後、ロギウスは意識を失ったリョウをお姫様抱っこしながら、先に屋上を下りて行った。
俺もしばらく気持ちの整理に時間を使った後、遅れて屋上から戻ってきた。
そして現在、玉座の間にいる国王と話をしている。
ジフウとシシバの兄二人も、妹のリョウが心配なのか、席を外している。
玉座の間に残ったのは、俺と国王の二人だけだ。
「とりあえず、リョウもロギウスの告白には前向きみたいです」
「うむ、余もロギウスから聞いている。互いに認め合ったうえでの婚約なら、ひとまずは余も喜びたいところなのだが――」
国王もロギウスとリョウの婚約は認めるようだ。
だが、その表情はどこか重いものを感じる。
「国王陛下。ロギウスとリョウの婚約に、何か不安でもあるのですか?」
「あの二人が婚約すること自体に不安はない。問題は周囲の反応だ」
国王はその重い表情の原因を俺に語り始めた。
「ロギウスは曲がりなりにも、このルクガイア王国の王子――次期国王だ。それ故に、これまでも様々な令嬢から婚約の申し出は多々あった。ロギウスはこれまで全て断ってきたが、急に貴族令嬢でもない女性と婚約すると聞いて、彼女らはどう思うことやら……」
「あー……」
これまでの暴走っぷりでつい忘れがちだが、ロギウスはこの国の王子だった。
貴族制度の廃止が進んでいるとはいえ、かつてロギウスに求婚していた令嬢達にとって、この突然の婚約は面白くないだろう。
「ロギウスはすぐにでもリョウ大神官との婚約を、公の場で発表するそうだ。これまでロギウスへの求婚を断られていた令嬢達は、異議を申し立ててくるであろう……」
国王を頭を抱えながら、胸の内を曝け出す。
今後のことを考えれば、そりゃ不安にもなってくる。
それにしてもロギウスの奴……その辺りのことは考えてなかったのか?
改革が成立した日からずっと公務で忙しく、リョウと会う機会もこれまで用意できなかった。
それ故に気持ちが焦り、やれ告白だの、俺と決闘だので暴走しているところを見るに、考えてなさそうだ。
――ロギウスよ。少し落ち着いて行動してくれ。
お前は父親を悩ませすぎだ。
後、このままだとリョウにも迷惑がかかるよな……?
「へ、陛下! 大変です!」
「え、えらいことになってもうたで!」
そんな重苦しい雰囲気の玉座の間に、ジフウとシシバの二人が戻ってきた。
血相を変えて大慌てしているが、今度は何があったんだ?
「何事だ!? 余はこれ以上の面倒事など、御免被るぞ!」
「ロギウス殿下が王都に、リョウと婚約することのお触れを出したんです! それを見た令嬢達が、この王宮に押し寄せてきています!」
「めっちゃ人数おるで! 一体あの王子様は、これまでなんぼほど婚約を断ってきたんでっか!?」
想定していた事態は、想像以上に早く訪れてしまった。
国王ももう態度を考える余裕もないらしい。
それにしても、シシバ達が慌てる程の人数か――
ロギウスは本当に、どこまで結婚相手にこだわってたんだよ……。
そしていい相手が見つかったと思えば、異常なまでに一途――。
一応はこの国の王子なんだから、もう少し考えて行動を起こせよ……。
嬉しくて、すぐに発表したかったんだろうけどよ……。
「だから俺は嫌だったんだ! リョウがロギウス殿下と婚約すると、こうやってまた面倒事が―― オボォ!?」
「ジフウの兄貴!? めっちゃ吐いとるで!? 大丈夫なんか!? 胃が破裂したんとちゃうか!?」
度重なる急展開から来るストレスで、ついにジフウの胃が限界に達した。
これ、俺と王都で戦った時よりも、ダメージ受けてるだろ……。
だがこうなってしまった以上、どうにかして事態を終息させるしかない。
そして何よりも、確認すべきことがある――
「ジフウ、シシバ。この騒動や王族との関係を抜きに、お前達は兄として、妹のリョウを祝うことはできるか?」
「ゲホォ……。え? リョウがロギウス殿下と婚約することにか? まあ……あいつの兄貴としては、そりゃ嬉しいけどよ……」
「まあ、俺もそこだけ見れば異論はないな。ロギウスはなんやかんやで、リョウのことを幸せにしてくれそうや。もし悲しませたら、王子とか関係なしに殴り飛ばす」
ジフウもシシバも、リョウの婚約そのものについては前向きなようだ。
なんだかんだでこの二人、妹想いなようだ。
こんな状況のせいで錯乱してるが、ここさえ乗り切れば、全員にとって良好な道も見えてる。
「やるぞ、ジフウ、シシバ。リョウの幸せのためにも、俺達でなんとかするんだ」
「……ああ、そうだな。細かい考え事はもうなしだ。リョウのためにも、俺は令嬢達をなんとかしてみせるぜ!」
「しゃーないな。かわいい妹のためや。俺も一肌脱ぐとすっか!」
俺とジフウとシシバ。三人の決意は固まった。
もうじきここに押し寄せてくるロギウスに婚約を断られた令嬢達をなんとかし、リョウとロギウスの婚約を無事に果たす。
その目的の為に、俺達はこの玉座の間で令嬢達を迎え撃つ覚悟を決める。
三人で手を重ね合い、心を一つにした――
「三人とも……決心したところに水を差すようで申し訳ないが、そもそも"何をどうする"つもりなのだ?」
――そこに割り込んできた、国王のもっともな疑問。
それについては――
「その……頑張って止める!」
「なんだそれ!? 結局ノープランじゃねえか!?」
「あんさん、元々は【伝説の魔王】やったんやろ!? もっとええ方法考えんかい!」
「う、うるせえ! 俺が【伝説の魔王】だったことは関係ないだろ!?」
俺とジフウとシシバの三人で、口論が始まってしまった。
正直、俺にこの場を乗り切る作戦なんて思いつかない。
とりあえずこの事態を聞いたロギウスも、時期に玉座の間へ戻ってくるはずだ。
その時、俺達で頑張って――
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