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最終章 それが俺達の絆
第434話 明暗夜光のルクガイア・序③
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「勇者レイキース……! この騒動、やはり君の仕業だったか……!」
「ロギウス殿下。お前も加担したこの国の改革は、これまでの世の中の理を乱すものだ。大人しく僕に下り、そして従え」
レイキース様はロギウス殿下に対しても冷たい態度をとり、剣を握りながら近づいてきます。
「もちろん、国王陛下も一緒ですわ。あなた達王族が持つ力――<絶対王権>。あれをわたくし達に差し出しなさい」
「だ、誰がお主らに渡すものか……! このような騒動を引き起こした悪しき魂の持ち主に、<絶対王権>など使わせぬ!」
リフィー様も述べていますが、狙いは<絶対王権>のようです。
陛下はミリアさんの治療を受けながら、それでも語気を強めて反論します。
「『悪しき魂の持ち主』とは笑わせる。【伝説の魔王】の生まれ変わりを知りながら、それで"正義"を語れるか?」
「ほざけ……! お主はただ、己の欲求を満たしたいだけだ! こうして民の心を操り、身勝手な"正義"を振り回していながら、何が"勇者"だ!!」
「……聞く耳を持たないか。仕方ない。死なない程度に痛めつけ、<絶対王権>の書状のありかを吐いてもらおう」
自らの意見以外をまるで受け入れない、レイキース様。
陛下とロギウス殿下へと、剣の切っ先を向けながら今にも斬りかかりそうです――
――これはもう、黙って見ているわけにはいきません。
バッ!
「……何の真似だ? ラルフル?」
「見て分かりませんか? あなたの道を塞いでいます」
剣を振り上げたレイキース様の前に、自分は躍り出ました。
「そこをどけ。今どけば、特別にお前を再び僕の仲間にしてやっても、構わないぞ?」
「丁重にお断りします。今のあなたと一緒にいる理由は、何一つとしてありません」
かつては自分もこの人の仲間でした。ですが、もう関係ありません。
かつてこの人は自分を騙し、魔力を奪い取りました。それも関係ありません。
――目の前にいる人は、自分の敵です。
それだけは分かります。
「……残念だ。魔力のないお前がのし上がる機会など、この一時しかなかったのにな……。おい、リフィー」
「はい、レイキース様」
「この王宮中に探知式の結界を張れ。これ以上、邪魔者を入れないようにな」
「かしこまりました」
レイキース様の命令通り、リフィー様が呪文を唱え始めます。
――それにしても、リフィー様の目はどこか朧げです。
この目は魔幻塔で見た兵隊と同じ目――
どうやらリフィー様も、レイキース様の術中にはまっているようです。
「リフィー様までご自身の都合のいいように動かし、あなたはそれで満足なのですか?」
「満足するも何も、僕は"正しい行い"をしている。古くから伝えられている、"勇者と魔王の物語"……。その伝統を守るためにも、こうやって目障りなお前らは排除する必要がある」
「……自分はつくづく、"あなたに捨てられてよかった"と実感しています」
「何とでも言え。お前がどれだけ主張したところで、世の理に反している以上、"正義"は僕にある」
"正義"……ですか。
レイキース様はいつもそればっかりですね。
『勇者は正義だ』、『正義に背くものは倒されるべき』、『勇者に逆らうことは許さない』――
かつて魔法使いとして、この人との旅を願った自分を愚かに思います。
この人の本心を見抜けていたら、自分はあの絶望のどん底に落ちることもなかったでしょう。
――ですが、それも最早過去の話です。
今の自分がなすべきことは、一つしかありません。
「……レイキース様。この王宮全体への結界を張り終わりました。レイキース様とも魔力でリンクしてあります。もしも王宮内で動きがあれば、感知することができます」
「よくやった。僕は少しラルフルの相手をする。お前はそのまま探知を続けていろ。……何、一瞬で終わる」
リフィー様は呪文を唱え終えたようです。
レイキース様は剣に<勇者の光>を宿し、臨戦態勢に入りました。
――自分も覚悟を決めましょう。
「お姉ちゃん、ミリアさん、ロギウス殿下、国王陛下。どうか下がっていてください。自分がレイキース様の相手をします……!」
「ラ、ラルフル……」
「お願い……。今はアンタしか頼れない……!」
「レイキースをここまでつけ上がらせた責任は、僕達王族にもある。だが――」
「少年よ……頼む! レイキースを倒してくれ!」
一人レイキース様の前へ出る自分を、皆さんが励ましてくれました。
この中で一番レイキース様の戦い方を知っているのは、自分――
レイキース様との因縁があるのも、自分――
――一番まともに戦えるのも、自分。
その自信を胸に、自分もレイキース様に対して構えをとります。
「ただでさえ僕に勝てなかったお前が、魔力まで失って勝てる道理はどこにもない。大人しく、僕の正義の前に敗れろ」
「生憎ですが、かつての自分と同じだと思わないでください。今の自分は……あの時よりも強いです!」
「ロギウス殿下。お前も加担したこの国の改革は、これまでの世の中の理を乱すものだ。大人しく僕に下り、そして従え」
レイキース様はロギウス殿下に対しても冷たい態度をとり、剣を握りながら近づいてきます。
「もちろん、国王陛下も一緒ですわ。あなた達王族が持つ力――<絶対王権>。あれをわたくし達に差し出しなさい」
「だ、誰がお主らに渡すものか……! このような騒動を引き起こした悪しき魂の持ち主に、<絶対王権>など使わせぬ!」
リフィー様も述べていますが、狙いは<絶対王権>のようです。
陛下はミリアさんの治療を受けながら、それでも語気を強めて反論します。
「『悪しき魂の持ち主』とは笑わせる。【伝説の魔王】の生まれ変わりを知りながら、それで"正義"を語れるか?」
「ほざけ……! お主はただ、己の欲求を満たしたいだけだ! こうして民の心を操り、身勝手な"正義"を振り回していながら、何が"勇者"だ!!」
「……聞く耳を持たないか。仕方ない。死なない程度に痛めつけ、<絶対王権>の書状のありかを吐いてもらおう」
自らの意見以外をまるで受け入れない、レイキース様。
陛下とロギウス殿下へと、剣の切っ先を向けながら今にも斬りかかりそうです――
――これはもう、黙って見ているわけにはいきません。
バッ!
「……何の真似だ? ラルフル?」
「見て分かりませんか? あなたの道を塞いでいます」
剣を振り上げたレイキース様の前に、自分は躍り出ました。
「そこをどけ。今どけば、特別にお前を再び僕の仲間にしてやっても、構わないぞ?」
「丁重にお断りします。今のあなたと一緒にいる理由は、何一つとしてありません」
かつては自分もこの人の仲間でした。ですが、もう関係ありません。
かつてこの人は自分を騙し、魔力を奪い取りました。それも関係ありません。
――目の前にいる人は、自分の敵です。
それだけは分かります。
「……残念だ。魔力のないお前がのし上がる機会など、この一時しかなかったのにな……。おい、リフィー」
「はい、レイキース様」
「この王宮中に探知式の結界を張れ。これ以上、邪魔者を入れないようにな」
「かしこまりました」
レイキース様の命令通り、リフィー様が呪文を唱え始めます。
――それにしても、リフィー様の目はどこか朧げです。
この目は魔幻塔で見た兵隊と同じ目――
どうやらリフィー様も、レイキース様の術中にはまっているようです。
「リフィー様までご自身の都合のいいように動かし、あなたはそれで満足なのですか?」
「満足するも何も、僕は"正しい行い"をしている。古くから伝えられている、"勇者と魔王の物語"……。その伝統を守るためにも、こうやって目障りなお前らは排除する必要がある」
「……自分はつくづく、"あなたに捨てられてよかった"と実感しています」
「何とでも言え。お前がどれだけ主張したところで、世の理に反している以上、"正義"は僕にある」
"正義"……ですか。
レイキース様はいつもそればっかりですね。
『勇者は正義だ』、『正義に背くものは倒されるべき』、『勇者に逆らうことは許さない』――
かつて魔法使いとして、この人との旅を願った自分を愚かに思います。
この人の本心を見抜けていたら、自分はあの絶望のどん底に落ちることもなかったでしょう。
――ですが、それも最早過去の話です。
今の自分がなすべきことは、一つしかありません。
「……レイキース様。この王宮全体への結界を張り終わりました。レイキース様とも魔力でリンクしてあります。もしも王宮内で動きがあれば、感知することができます」
「よくやった。僕は少しラルフルの相手をする。お前はそのまま探知を続けていろ。……何、一瞬で終わる」
リフィー様は呪文を唱え終えたようです。
レイキース様は剣に<勇者の光>を宿し、臨戦態勢に入りました。
――自分も覚悟を決めましょう。
「お姉ちゃん、ミリアさん、ロギウス殿下、国王陛下。どうか下がっていてください。自分がレイキース様の相手をします……!」
「ラ、ラルフル……」
「お願い……。今はアンタしか頼れない……!」
「レイキースをここまでつけ上がらせた責任は、僕達王族にもある。だが――」
「少年よ……頼む! レイキースを倒してくれ!」
一人レイキース様の前へ出る自分を、皆さんが励ましてくれました。
この中で一番レイキース様の戦い方を知っているのは、自分――
レイキース様との因縁があるのも、自分――
――一番まともに戦えるのも、自分。
その自信を胸に、自分もレイキース様に対して構えをとります。
「ただでさえ僕に勝てなかったお前が、魔力まで失って勝てる道理はどこにもない。大人しく、僕の正義の前に敗れろ」
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