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最終章 それが俺達の絆
第472話 最終決戦のその先
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「自分の……勝ち……ですか?」
「ああ……そうだ。お前の勝ちだ……ラルフル」
ゼロラはラルフルの勝ちを認めた。
ゼロラも決して悔しくないわけではない。
だが、この決戦の勝者は間違いなくラルフルだった。
――その真実を、ゼロラは称えた。
「本当に強くなったな……。もう、お前は俺の背中を追うような立場じゃない……」
「有難いお言葉です……。ですが本当はもっと、ゼロラさんが万全の状態で戦いたかったですね……」
ラルフルも戦う中で理解していた。
ゼロラは自身よりも消耗し、万全の状態ではなかったことを。
ずっと待ち望んでいた戦いを制した喜びは大きかったが、同時にゼロラが全力を出し切れなかったことにも後悔した。
「……今回の自分の勝利は、まだ完全なものではありません。ですから、また挑ませていただいてもよろしいですか?」
故にラルフルは願った。
今回のように、これからもゼロラへと挑む許可――
それは遠回しに、『これからもゼロラと一緒にいたい』という意味を含んだ、ラルフルの願い――
「ああ、もちろんだ。俺も今回で、お前に負けたまま終わるつもりはない。また鍛えなおして、こっちこそ挑ませてもらう。これからもよろしく頼むな……ラルフル」
――そんなラルフルの願いを、ゼロラは聞き入れた。
先にゆっくりと立ち上がってラルフルの傍に近づくと、手を差し伸べて握手を求める。
「ええ。こちらこそ、よろしくお願いします……ゼロラさん」
ラルフルもゼロラの手を取り、固く握りしめる。
ゼロラに引き寄せられ、ラルフルは体を起こしながら、笑顔と力強い眼差しでゼロラを見る。
ゼロラもまたラルフルのその表情に、同じ笑顔と眼差しで応える。
かつて【伝説の魔王】に挑もうとし、仲間の裏切りで魔力を失った少年。
かつて【伝説の魔王】として生き、魔力を捨ててまで愛する娘のために人間へと転生した男。
二人が出会うことで動き出した数奇な運命は、ここに一つの決着を迎えた。
だがそれは新たな始まりでもあり、これからもその絆は続く。
ラルフルもゼロラも、全く異なる運命をたどってきたが、そこには確かな"絆"が存在していた――
――バシュンッ!
「ぐうぅ!?」
「ゼ、ゼロラさん!?」
――戦いの余韻に浸る二人だったが、突如ゼロラが苦しみ始めた。
ラルフルも驚くが、ゼロラの足を見て、その原因をすぐに理解する。
――そこに突き刺さっていたのは、<光毒針>。
その毒が体に回り、ゼロラは苦しみ始めたのだった。
「こ、これがあるってことは……まさか!?」
ラルフルは状況を理解し、屋上にある階段へと目を向ける。
そしてその予想通り、そこに立っていたのは――
「ゼロラァアア!! ラルフルゥウウ!! お前達は……お前達だけはぁあ!! 僕の手で……殺してやるからなぁああ!!」
――当代勇者、レイキース。
ゼロラに敗れ、ラルフルにも反旗を翻されたその勇者は、憎悪の叫びを上げながら二人を睨みつけていた。
「レ……レイキース……! この期に及んで、まだ過ちを―― うぐぅ!?」
ゼロラは毒に苦しみながら立ち向かおうとするが、すでに疲労とダメージが重なって限界を迎えた体に、そんな力は残っていない。
そんなゼロラを守るように、ラルフルがゼロラの前へと出る。
「レイキース様……。あなたはもう終わりです。これ以上、罪を重ねないでください!」
そして渾身の力を振り絞り、必死にレイキースへ訴えかける。
だがその声は、レイキースには届かない――
「黙れぇえ! 僕は勇者だ! ラルフル! お前もどの道、そこの魔王に与する者だ! 今ここで……僕が殺してやるぞおお!!」
――レイキースの目には、もう二人の姿しか映っていない。
目的は一つ。自らを邪険にした、ゼロラとラルフルの二人を自らの手で殺すこと――
――レイキースは手に持った<光毒針>を、ゼロラを庇うラルフル目がけて投げつけようとした。
「や……やめろ! やめるんだぁああ!! レイキースゥウウウ!!!」
ゼロラは喉が裂けるような思いで、レイキースへと声を張り上げた。
自らを庇うラルフルが、この状況で避けるような人間でないことをゼロラは良く知っている。
どうにか体を動かしてラルフルを庇おうとするも、体は全く動かない。
ラルフルも同様に、レイキースの<光毒針>を捌けるだけの力は残っていない。
それでもゼロラが思う通り、避けるつもりは毛頭ない。
ラルフルは歯を食いしばり、ゼロラを守ることだけを考えていた――
「死ねぇえええ!!!」
バシュンッ!
――そしてレイキースは手に持った<光毒針>を、ラルフル目がけて投げつけた。
投げられた<光毒針>は、一直線にラルフルへと向かって行く――
――ガキンッ!
「……え?」
「なっ……!?」
――だがその<光毒針>は、ラルフルに当たらなかった。
ゼロラの前方にいるラルフル。そのさらに前方に割り込んだ人間により、<光毒針>は弾き落とされた――
「当代勇者――レイキース。あなたの行いを、私はこれ以上見過ごせません」
「お、お前は!? ラルフルの姉の!? だ、だが何で!?」
――割り込んできたのはマカロンだった。
だがその様子はいつもと違う。
右手に抜き身となった刀を持ち、それでレイキースの<光毒針>を弾き飛ばしたことは、その場にいる三人にも理解できた。
――ただマカロンにそんな芸当ができることが、三人には理解できなかった。
「マ、マカロン……? いや……ま、まさか……!?」
――それでもゼロラだけは、何かを理解できた。
先程マカロンが間に割って入った時の動き、刀の振るい方――
それはゼロラにとって――いや、【伝説の魔王】ジョウインとして、最もなじみの深い人間のものと瓜二つであった。
「……お久しぶりです、ジョウインさん。こうしてこの子の体を借りてですが、また会えて嬉しいですよ」
「ユメ……なのか……?」
「ああ……そうだ。お前の勝ちだ……ラルフル」
ゼロラはラルフルの勝ちを認めた。
ゼロラも決して悔しくないわけではない。
だが、この決戦の勝者は間違いなくラルフルだった。
――その真実を、ゼロラは称えた。
「本当に強くなったな……。もう、お前は俺の背中を追うような立場じゃない……」
「有難いお言葉です……。ですが本当はもっと、ゼロラさんが万全の状態で戦いたかったですね……」
ラルフルも戦う中で理解していた。
ゼロラは自身よりも消耗し、万全の状態ではなかったことを。
ずっと待ち望んでいた戦いを制した喜びは大きかったが、同時にゼロラが全力を出し切れなかったことにも後悔した。
「……今回の自分の勝利は、まだ完全なものではありません。ですから、また挑ませていただいてもよろしいですか?」
故にラルフルは願った。
今回のように、これからもゼロラへと挑む許可――
それは遠回しに、『これからもゼロラと一緒にいたい』という意味を含んだ、ラルフルの願い――
「ああ、もちろんだ。俺も今回で、お前に負けたまま終わるつもりはない。また鍛えなおして、こっちこそ挑ませてもらう。これからもよろしく頼むな……ラルフル」
――そんなラルフルの願いを、ゼロラは聞き入れた。
先にゆっくりと立ち上がってラルフルの傍に近づくと、手を差し伸べて握手を求める。
「ええ。こちらこそ、よろしくお願いします……ゼロラさん」
ラルフルもゼロラの手を取り、固く握りしめる。
ゼロラに引き寄せられ、ラルフルは体を起こしながら、笑顔と力強い眼差しでゼロラを見る。
ゼロラもまたラルフルのその表情に、同じ笑顔と眼差しで応える。
かつて【伝説の魔王】に挑もうとし、仲間の裏切りで魔力を失った少年。
かつて【伝説の魔王】として生き、魔力を捨ててまで愛する娘のために人間へと転生した男。
二人が出会うことで動き出した数奇な運命は、ここに一つの決着を迎えた。
だがそれは新たな始まりでもあり、これからもその絆は続く。
ラルフルもゼロラも、全く異なる運命をたどってきたが、そこには確かな"絆"が存在していた――
――バシュンッ!
「ぐうぅ!?」
「ゼ、ゼロラさん!?」
――戦いの余韻に浸る二人だったが、突如ゼロラが苦しみ始めた。
ラルフルも驚くが、ゼロラの足を見て、その原因をすぐに理解する。
――そこに突き刺さっていたのは、<光毒針>。
その毒が体に回り、ゼロラは苦しみ始めたのだった。
「こ、これがあるってことは……まさか!?」
ラルフルは状況を理解し、屋上にある階段へと目を向ける。
そしてその予想通り、そこに立っていたのは――
「ゼロラァアア!! ラルフルゥウウ!! お前達は……お前達だけはぁあ!! 僕の手で……殺してやるからなぁああ!!」
――当代勇者、レイキース。
ゼロラに敗れ、ラルフルにも反旗を翻されたその勇者は、憎悪の叫びを上げながら二人を睨みつけていた。
「レ……レイキース……! この期に及んで、まだ過ちを―― うぐぅ!?」
ゼロラは毒に苦しみながら立ち向かおうとするが、すでに疲労とダメージが重なって限界を迎えた体に、そんな力は残っていない。
そんなゼロラを守るように、ラルフルがゼロラの前へと出る。
「レイキース様……。あなたはもう終わりです。これ以上、罪を重ねないでください!」
そして渾身の力を振り絞り、必死にレイキースへ訴えかける。
だがその声は、レイキースには届かない――
「黙れぇえ! 僕は勇者だ! ラルフル! お前もどの道、そこの魔王に与する者だ! 今ここで……僕が殺してやるぞおお!!」
――レイキースの目には、もう二人の姿しか映っていない。
目的は一つ。自らを邪険にした、ゼロラとラルフルの二人を自らの手で殺すこと――
――レイキースは手に持った<光毒針>を、ゼロラを庇うラルフル目がけて投げつけようとした。
「や……やめろ! やめるんだぁああ!! レイキースゥウウウ!!!」
ゼロラは喉が裂けるような思いで、レイキースへと声を張り上げた。
自らを庇うラルフルが、この状況で避けるような人間でないことをゼロラは良く知っている。
どうにか体を動かしてラルフルを庇おうとするも、体は全く動かない。
ラルフルも同様に、レイキースの<光毒針>を捌けるだけの力は残っていない。
それでもゼロラが思う通り、避けるつもりは毛頭ない。
ラルフルは歯を食いしばり、ゼロラを守ることだけを考えていた――
「死ねぇえええ!!!」
バシュンッ!
――そしてレイキースは手に持った<光毒針>を、ラルフル目がけて投げつけた。
投げられた<光毒針>は、一直線にラルフルへと向かって行く――
――ガキンッ!
「……え?」
「なっ……!?」
――だがその<光毒針>は、ラルフルに当たらなかった。
ゼロラの前方にいるラルフル。そのさらに前方に割り込んだ人間により、<光毒針>は弾き落とされた――
「当代勇者――レイキース。あなたの行いを、私はこれ以上見過ごせません」
「お、お前は!? ラルフルの姉の!? だ、だが何で!?」
――割り込んできたのはマカロンだった。
だがその様子はいつもと違う。
右手に抜き身となった刀を持ち、それでレイキースの<光毒針>を弾き飛ばしたことは、その場にいる三人にも理解できた。
――ただマカロンにそんな芸当ができることが、三人には理解できなかった。
「マ、マカロン……? いや……ま、まさか……!?」
――それでもゼロラだけは、何かを理解できた。
先程マカロンが間に割って入った時の動き、刀の振るい方――
それはゼロラにとって――いや、【伝説の魔王】ジョウインとして、最もなじみの深い人間のものと瓜二つであった。
「……お久しぶりです、ジョウインさん。こうしてこの子の体を借りてですが、また会えて嬉しいですよ」
「ユメ……なのか……?」
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