空色のサイエンスウィッチ

コーヒー微糖派

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将軍艦隊編・破

ep317 第二陣を振り切ったぞ!

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「フオオオ!? オオオォ!?」
「えっ、何!? もしかして『よくもベレゴマ達をやってくれたな!』みたいなことを言いたい感じ!? でも、あいつらが吹き飛んだ原因はあんたのミサイルだからね!」
「フオオオォ!?」

 ベレゴマ一団は撃退するも、空中から援護していたフレイムは話が別だ。
 高度を落としてバイクと並走してくると、なんだか文句を言ってるような様子だ。表情も言葉も分かんないけど、なんとなくそんな気がする。
 でも、根本的な原因ってフレイム自身なのよね。文句だ何だはお門違いだ。

「フオオオオォ!」
「まあ、そっちもアタシ達を見逃すわけにはいかないよね。ベレゴマ達の第二陣を凌いでも、こいつをどうにかしないと……!」

 ただ、味方をうっかりフレンドリファイアしちゃったフレイムだって、おとなしく引き下がるわけにはいかないか。
 ベレゴマ達も大丈夫そうなのを見ると、こちらとの並走をやめて頭上へと飛び上がってくる。
 そして構えるは左腕のガトリングガン。見上げた先にある『武装した左腕を構えるサイボーグ』って姿にはロマンがあるけど、実際に戦うとなるとシャレにならないよね。

「とりあえず、こっちも今回はモデル・パンドラがある! 撃ってくるなら撃ってきな! 全弾跳ね返してやるさ!」

 上空をとられたのはマズいが、今のアタシなら電磁フィールドである程度は対抗できる。
 とはいえ、フレイムにはえげつない強度の装甲がある。跳ね返しても効果は薄い。
 タケゾーやバイクごと守らないといけないし、できれば交戦は避けたいんだけど――


 バシュゥゥン――ドガァァアアン!!


「フッ、フオオォ!?」

 ――そう願いながら電磁フィールドの展開を始めると、突如空中で鳴り響く爆発音。
 その前には風切り音みたいなのも聞こえたし、なんだかフレイムが煙に纏われてる。
 何があったんだろ? 搭載してたミサイルが暴発したとか?

「……って、あれってまさか、フクロウさんのガンシップ!? フレイムを攻撃してくれてるの!?」
「フオオオォ!!」

 どうやら、フクロウさんのガンシップがアタシ達の助けに来てくれたようだ。機体下部に搭載したミサイルを使い、フレイムに攻撃を加えてくれる。
 おかげで流石のフレイムもバランスを崩している。ガトリング攻撃も中断された。
 『人間相手にミサイルはやりすぎじゃない?』とか思いたくなりそうだけど、相手があのとんでもジャンボサイボーグのフレイムだからね。仕方ないね。

【ソラッチャン! そっちは大丈夫だったか!?】
「フクロウさん! うん、なんとかね! とりあえず、牙島とベレゴマは撃退した!」
【五艦将を二人もか!? だが、フレイム艦尾将が相手だと荷が勝るっしょ! オレッチとササッチャンで何とかするから、そっちは逃げるのを優先しておくんな!】

 アタシも空を見上げて様子を伺っていると、イヤホンマイクにフクロウさんからの通信が入る。
 どうにもフレイムが出撃した様子を見て、急いで援護に回ってきた様子が言われずとも感じ取れる。将軍艦隊ジェネラルフリート所属のフクロウさんならば納得の判断だ。
 ガンシップをよく見ると、機体上部には『ササッチャン』ことショーちゃんが居合の構えをするのも見える。

【隼さん! ボクも援護する! 早く武蔵さんと逃げて!】


 ズバァァアアンッ!!


「フオオォ!? オオォ、オオオォ!!」

 危なっかしくも見えるけど、ショーちゃんはガンシップの機動力との合わせ技により、フレイムの横を通過しながら居合で斬り抜く。
 銃火器によるフクロウさんの遠距離攻撃と、居合によるショーちゃんの近接攻撃。
 フレイムの装甲を完全に貫くには至らないけど、相性は良さそうだ。アタシが見ている限りでも、時間稼ぎにはもってこいだろう。
 イヤホンマイク越しにショーちゃんも言ってくれた通り、アタシとタケゾーはフレイムをこの間に振り切るのが得策か。

【ただ、オレッチ達もフレイム艦尾将を優先したせいで、将軍艦隊ジェネラルフリートの下っ端連中が集結しつつある!】
「わわっ!? 本当だ!? 前方から迫って来てる!?」
【隼さん、やり過ごせそう!?】
「任せなって! あれぐらいなら、フレイムの相手よりは楽勝さ!」

 フレイムもフクロウさんとショーちゃんの相手に回り、こちらへの攻勢は緩んでくれた。だけど、敵全体の追走はまだ終わらない。
 今度は抑えきれなかった将軍艦隊ジェネラルフリートの一団が道を塞ぐようにして、こちらの前方から迫ってくる。
 後方は手薄だけど、さっき逃げてきた方向に戻るのは気が引けるよね。かといって、道路自体は一本道で分岐もない。

「タケゾー! オフロードの運転ってできる!?」
「オフロード!? やったことはないが……こうなったら意地でやってるやる!」
「マジで肝っ玉が据わってきてるね! だったらお言葉に甘えて、ちょいと甘くない道に逃げ込むよ!」

 まあ、アタシが同乗してるからまだ選択肢は他にある。
 タケゾーに確認をとると、アタシはサイドカーからバイク本体を覆うように能力を発動させる。
 かつて星皇社長との決闘の舞台にもなった保育園に向かう時に使った、モデル・パンドラによる滑空能力。ガードレールを超えられるように行使することだって可能だ。


 ブワッ!


「な、何!? 敵バイクが車道の外へ!?」
「森の中に逃げ込むつもりか!?」

 それにより、アタシ達の乗ったバイクは車道横にあった森の中へと入り込む。
 前方から迫っていた将軍艦隊ジェネラルフリートではガードレールを超えられず、逃げるこちらを追うこともできない。

「タケゾー! 運転は大丈夫!?」
「ああ、なんとかな! 森を突っ切って追っ手をやり過ごすなんて、本当に無茶してくれるもんだ!」
「そんな無茶に付き合ってくれるタケゾーには感謝するよ! 愛してる!」
「い、今この場面で愛を囁くか!?」

 ぶっつけ本番だったけど、タケゾーもなんとか舗装されていない森の中を必死にハンドル握ってバイクを走らせてくれる。
 マジで感謝してる。こんなアタシにここまで付き合ってくれてさ。思わず愛を囁いちゃうぐらいには。
 据わりきった肝のおかげか、オフロードでの運転も安定している。
 森の中なら上空からフレイムが狙ってくる危険性もない。あの巨体じゃ、借りに追ってきても森の中で身動きも取れないはずだ。
 後はこのまま森を突っ切って公道に出れば、将軍艦隊ジェネラルフリートを完全に振り切ることも――


 バキュゥゥウン!!


「うおっ!? 銃声!?」
「後ろからだ! 電磁フィールドで防げたけど、あれはまさか……!?」

 ――逃亡コンプリートの期待とは裏腹、バイクの後方から銃声が鳴り響く。
 幸いアタシも後ろを警戒して電磁フィールドを展開したままだったからよかったけど、下手をすればタケゾーが撃たれていた。

 さらにはエンジン音が聞こえ、バイクの影も数台こちらに向かっているのが見える。
 正直、あの時のことを思い出す。パンドラの箱争奪戦を繰り広げた時からアタシにとって、もっとも厄介なヴィラン。

 ――あの人だったら、こんな地形でも容赦なく部下を引き連れて突撃してくるか。
 どんな場所でも正確にターゲットを狙う銃の腕前といい、最悪の相手かもしれないね。



「ようやく追いつきましたよ……! 五艦将を二人返り討ちにしたからといって、自分から逃れられるとは思わないことですね……!」
「ラ、ラルカさん……!?」
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