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将軍艦隊編・急
ep336 戦末決行の艦尾将:バーニングボーグⅡ
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「……ボス。自分も聞こえてしまったのですが、フラグシップギアに搭載しているのは本当に自爆ボタンなのですか?」
「そりゃー、搭載してるに決まってんだろーが。万一あれが敵の手に渡りそうな時、脱出しつつ最後の一撃をお見舞いしてーだろ?」
「いや、できとりまへんがな。むしろ盛大に敵に利用されとりまんで?」
「やかましーな、牙島。ロマンとして搭載したかったってー側面もあるんだ」
「ロマンで自爆装置を取り付けんでほしいばい……」
アタシ達の様子を見て、またしても障壁の向こうで五艦将の皆さんが話を始めている。
どうやらタケゾーが見つけたドクロマークの赤いボタンは、本当に自爆ボタンのようだ。
フラグシップギアについてるドリルやロボット変形機能にしてもそうだけど、フロスト博士って本当にこういうロマン武装が好きだよね。ただ、これは利用価値がありそうだ。
フレイムの至近距離で自爆ボタンを作動。それと同時にアタシはタケゾーを担いで脱出。
この作戦ならいける。思わぬところで光明を見つけたもんだ。
「ところでボス。フラグシップギアの自爆はどれほどの威力なのですか?」
「あれには白陽炉を攻撃に転換した核融合エネルギー爆裂システムが搭載してある。作動させたところで、空色の魔女の勝利とはいかねーよ。このスペースじゃ脱出しよーにも、爆発圏内からは逃れよーがねーな。相打ちになるか」
「……すんまへん。その話を聞く限り、こっちもヤバいんとちゃいまっか?」
「この艦橋旗艦ごと吹き飛ばんね……?」
そうやって作戦を思いついたんだけど、ここで気になる話がアタシの耳に飛び込んでくる。
要するに、自爆の規模はアタシ達が逃げきれるレベルじゃないってこと? フラグシップギアだけの神風特攻とはいかないってこと?
――てかさ、この戦艦ごと吹き飛ぶよね? 白陽炉に張られた障壁なんて関係なく巻き込んで、ここにいる全員が吹き飛ぶんじゃない?
だってこの自爆、言ってしまえばビッグバンだもん。
「……クカー!? 空色の魔女! ストップだ! 自爆ボタンだけは絶対に押すんじゃねーぞ!? フリじゃねーからな!?」
「フオオォ!? オオォ!? オオッ!?」
「わ、分かった! 分かったから! アタシも流石にそこまではできないから! タケゾー! フリじゃなくて本当に押さないでね!?」
「わ、分かってるっての! つうか、俺もコクピットから降りるぞ!」
そんな話を聞いてしまえば、アタシも流石にフラグシップギア自爆神風特攻は使えない。フロスト博士もその事実を理解し、急に狼狽えてアタシ達を止めてくる。
フレイムまで持っていた斧から両手を放し、両手を擦り合わせて拝んで止めてくる。
みんなが犠牲にならずに助かる道を求めてやって来たのに、ビッグバンレベルの爆発でこの戦艦ごと沈めたら何やってるのか分かんない。
アタシとタケゾーもフラグシップギアを降り、もう一度話し合いに戻るしかない。
「フロスト博士さ……。いくらなんでも、自爆装置にビッグバンはやりすぎじゃないかな? ここら一帯に宇宙でも創造するつもり?」
「……俺様のロマンを盛り込んだ結果だ。流石にやり過ぎたとは思ってる」
「てかさ、これってアタシ達がフラグシップギアと戦ってた時も、相当危ない橋を渡ってたってことじゃない? 下手すりゃあそこ一帯、砲撃なんか目じゃないレベルの爆風に巻き込まれてたよね?」
「そこについては安心しろ。フラグシップギアの自爆装置はコクピットの自爆ボタンを押さねー限り、外部の衝撃でも作動しないよーな設計になってる」
「そういうところはきちんと安全設計してんだね……。もっとも、爆発規模を先に安全設計しておいてよ……」
結局、フロスト博士がフラグシップギアに搭載した過剰自爆装置も起動させずじまい。フロスト博士のロマン砲にも困ったものだ。
でもこうなってくると、クジャクさんに出された終戦条件も白紙に戻ってしまう。フラグシップギアみたいな隠し玉がないと、アタシ達にフレイムを倒す手段なんてない。
これってどうなるのよ? てか、ルール変えない? いっそのこと、アタシとフレイムで安全にボードゲームでもしない?
オセロとかなら勝算もあるし、そっちにシフトしたいんだけど?
【ハハハッ! なんとも想定外な結末となったものだ! だが、ヒーローたる者の由縁はしかと見させてもらった! ……フロスト艦橋将もこの結末において異論はないな?】
「……そりゃまー、俺様もこれ以上はお手上げなもんですし、クジャク様の判断には従うしかねーですから……」
色々と悩んでいるアタシを他所に、将軍艦隊内ではなんだか話が進んでいる。
モニター越しに様子を伺っていたクジャクさんも話に参加し、何やらフロスト博士に進言している。
なんだか、もう勝負はついたって言いたい感じかな? 実際にはフレイムにまともなダメージも入れてないんだけど――
【この勝負、空色の魔女とその夫両名の勝利とする!】
「ええぇ!? これでいいの!?」
――なんと、クジャクさんはアタシとタケゾーの勝利でこの戦いの幕を引いてしまった。
いや、こっちとしてはありがたい話なんだけど、本当にこんなのでいいの? まともに勝負したって言えるのかな、これ?
【もとより、この勝負は隼殿の覚悟を見測ることを目的としたものだ。フラグシップギアの自爆という最強のカードを手にしながら、敵の身も案じるその精神。それこそがヒーローの在り方と私は見させてもらったぞ】
「い、いや……。自爆の規模が想定外すぎて、アタシ達まで巻き込まれちゃうから……」
【では、隼殿は仮に『自分達が自爆に巻き込まれず、艦橋旗艦のみ沈められる』という条件ならば、自爆装置は作動させていたかな?】
「仮にそれができてもするわけないでしょ? アタシはこれ以上の犠牲を出さないために、こうやって危険を承知でここまで来たわけよ。将軍艦隊にまで被害が出ちゃったら意味ないじゃん」
モニターから問いかけてくるクジャクさんにも話すけど、アタシの願いは一貫して変わらない。
アタシはもう誰の血も見たくない。誰にも苦しんだり傷ついたりしてほしくない。願いなんて本当にそれだけ。
それはたとえ敵である将軍艦隊でも変わらない。
向かってくるならこっちも容赦しないけど、命まで奪うなんてご法度だ。アタシの中でのヒーロー像が壊れてしまう。
――『倒すために戦う』のではなく『守るために戦う』
それがアタシの思い描くヒーロー像だ。
【そう、それでよい。隼殿の気持ちは先程の行いにて、私もしかと理解できた。将軍艦隊やウォリアールのやり方とは相容れぬだろうが、隼殿がそう考えて戦いに身を投じることを知れただけでも私にとっては本望だ】
「……結局のところ、アタシも将軍艦隊もクジャクさんの手の平で踊らされてた感じだねぇ。まあ、戦いが終わるならそれで構わないさ。これ以上細かいことを考えても、なんだか仕方ない気もしてきた」
【ハハハッ! 今は終戦の事実だけ受け入れればよい!】
本当にクジャクさんに手玉に取られた感じだけど、これにて無事将軍艦隊との全面衝突は避けられた。
アタシも今はそれで良しとしよう。正直、あれこれ考えるのが疲れてきた。考えても無駄っぽいし。
――ただ、アタシには一つだけ気になってしまうものが残っている。
「……ねえ、クジャクさん。どうしてアタシなんかのために、ここまでお膳立てをしてくれたのさ? なんだか、アタシでも知らない何かがありそうな気がするんだけど?」
「そりゃー、搭載してるに決まってんだろーが。万一あれが敵の手に渡りそうな時、脱出しつつ最後の一撃をお見舞いしてーだろ?」
「いや、できとりまへんがな。むしろ盛大に敵に利用されとりまんで?」
「やかましーな、牙島。ロマンとして搭載したかったってー側面もあるんだ」
「ロマンで自爆装置を取り付けんでほしいばい……」
アタシ達の様子を見て、またしても障壁の向こうで五艦将の皆さんが話を始めている。
どうやらタケゾーが見つけたドクロマークの赤いボタンは、本当に自爆ボタンのようだ。
フラグシップギアについてるドリルやロボット変形機能にしてもそうだけど、フロスト博士って本当にこういうロマン武装が好きだよね。ただ、これは利用価値がありそうだ。
フレイムの至近距離で自爆ボタンを作動。それと同時にアタシはタケゾーを担いで脱出。
この作戦ならいける。思わぬところで光明を見つけたもんだ。
「ところでボス。フラグシップギアの自爆はどれほどの威力なのですか?」
「あれには白陽炉を攻撃に転換した核融合エネルギー爆裂システムが搭載してある。作動させたところで、空色の魔女の勝利とはいかねーよ。このスペースじゃ脱出しよーにも、爆発圏内からは逃れよーがねーな。相打ちになるか」
「……すんまへん。その話を聞く限り、こっちもヤバいんとちゃいまっか?」
「この艦橋旗艦ごと吹き飛ばんね……?」
そうやって作戦を思いついたんだけど、ここで気になる話がアタシの耳に飛び込んでくる。
要するに、自爆の規模はアタシ達が逃げきれるレベルじゃないってこと? フラグシップギアだけの神風特攻とはいかないってこと?
――てかさ、この戦艦ごと吹き飛ぶよね? 白陽炉に張られた障壁なんて関係なく巻き込んで、ここにいる全員が吹き飛ぶんじゃない?
だってこの自爆、言ってしまえばビッグバンだもん。
「……クカー!? 空色の魔女! ストップだ! 自爆ボタンだけは絶対に押すんじゃねーぞ!? フリじゃねーからな!?」
「フオオォ!? オオォ!? オオッ!?」
「わ、分かった! 分かったから! アタシも流石にそこまではできないから! タケゾー! フリじゃなくて本当に押さないでね!?」
「わ、分かってるっての! つうか、俺もコクピットから降りるぞ!」
そんな話を聞いてしまえば、アタシも流石にフラグシップギア自爆神風特攻は使えない。フロスト博士もその事実を理解し、急に狼狽えてアタシ達を止めてくる。
フレイムまで持っていた斧から両手を放し、両手を擦り合わせて拝んで止めてくる。
みんなが犠牲にならずに助かる道を求めてやって来たのに、ビッグバンレベルの爆発でこの戦艦ごと沈めたら何やってるのか分かんない。
アタシとタケゾーもフラグシップギアを降り、もう一度話し合いに戻るしかない。
「フロスト博士さ……。いくらなんでも、自爆装置にビッグバンはやりすぎじゃないかな? ここら一帯に宇宙でも創造するつもり?」
「……俺様のロマンを盛り込んだ結果だ。流石にやり過ぎたとは思ってる」
「てかさ、これってアタシ達がフラグシップギアと戦ってた時も、相当危ない橋を渡ってたってことじゃない? 下手すりゃあそこ一帯、砲撃なんか目じゃないレベルの爆風に巻き込まれてたよね?」
「そこについては安心しろ。フラグシップギアの自爆装置はコクピットの自爆ボタンを押さねー限り、外部の衝撃でも作動しないよーな設計になってる」
「そういうところはきちんと安全設計してんだね……。もっとも、爆発規模を先に安全設計しておいてよ……」
結局、フロスト博士がフラグシップギアに搭載した過剰自爆装置も起動させずじまい。フロスト博士のロマン砲にも困ったものだ。
でもこうなってくると、クジャクさんに出された終戦条件も白紙に戻ってしまう。フラグシップギアみたいな隠し玉がないと、アタシ達にフレイムを倒す手段なんてない。
これってどうなるのよ? てか、ルール変えない? いっそのこと、アタシとフレイムで安全にボードゲームでもしない?
オセロとかなら勝算もあるし、そっちにシフトしたいんだけど?
【ハハハッ! なんとも想定外な結末となったものだ! だが、ヒーローたる者の由縁はしかと見させてもらった! ……フロスト艦橋将もこの結末において異論はないな?】
「……そりゃまー、俺様もこれ以上はお手上げなもんですし、クジャク様の判断には従うしかねーですから……」
色々と悩んでいるアタシを他所に、将軍艦隊内ではなんだか話が進んでいる。
モニター越しに様子を伺っていたクジャクさんも話に参加し、何やらフロスト博士に進言している。
なんだか、もう勝負はついたって言いたい感じかな? 実際にはフレイムにまともなダメージも入れてないんだけど――
【この勝負、空色の魔女とその夫両名の勝利とする!】
「ええぇ!? これでいいの!?」
――なんと、クジャクさんはアタシとタケゾーの勝利でこの戦いの幕を引いてしまった。
いや、こっちとしてはありがたい話なんだけど、本当にこんなのでいいの? まともに勝負したって言えるのかな、これ?
【もとより、この勝負は隼殿の覚悟を見測ることを目的としたものだ。フラグシップギアの自爆という最強のカードを手にしながら、敵の身も案じるその精神。それこそがヒーローの在り方と私は見させてもらったぞ】
「い、いや……。自爆の規模が想定外すぎて、アタシ達まで巻き込まれちゃうから……」
【では、隼殿は仮に『自分達が自爆に巻き込まれず、艦橋旗艦のみ沈められる』という条件ならば、自爆装置は作動させていたかな?】
「仮にそれができてもするわけないでしょ? アタシはこれ以上の犠牲を出さないために、こうやって危険を承知でここまで来たわけよ。将軍艦隊にまで被害が出ちゃったら意味ないじゃん」
モニターから問いかけてくるクジャクさんにも話すけど、アタシの願いは一貫して変わらない。
アタシはもう誰の血も見たくない。誰にも苦しんだり傷ついたりしてほしくない。願いなんて本当にそれだけ。
それはたとえ敵である将軍艦隊でも変わらない。
向かってくるならこっちも容赦しないけど、命まで奪うなんてご法度だ。アタシの中でのヒーロー像が壊れてしまう。
――『倒すために戦う』のではなく『守るために戦う』
それがアタシの思い描くヒーロー像だ。
【そう、それでよい。隼殿の気持ちは先程の行いにて、私もしかと理解できた。将軍艦隊やウォリアールのやり方とは相容れぬだろうが、隼殿がそう考えて戦いに身を投じることを知れただけでも私にとっては本望だ】
「……結局のところ、アタシも将軍艦隊もクジャクさんの手の平で踊らされてた感じだねぇ。まあ、戦いが終わるならそれで構わないさ。これ以上細かいことを考えても、なんだか仕方ない気もしてきた」
【ハハハッ! 今は終戦の事実だけ受け入れればよい!】
本当にクジャクさんに手玉に取られた感じだけど、これにて無事将軍艦隊との全面衝突は避けられた。
アタシも今はそれで良しとしよう。正直、あれこれ考えるのが疲れてきた。考えても無駄っぽいし。
――ただ、アタシには一つだけ気になってしまうものが残っている。
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アルファポリス様で掲載していたのは同名のリメイク前の作品となります。
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