空色のサイエンスウィッチ

コーヒー微糖派

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ウォリアール新婚旅行編

ep370 新婚旅行先へ飛行中だ!

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「ねえねえ、フクロウさん。ウォリアールまでってどれぐらいかかりそう?」
「太平洋のど真ん中にあるとはいえ、このガンシップならそこまで時間はかからないさ。ソラッチャンとアカッチャンは乗客スペースで空の旅を楽しんでくださいな」

 アタシとタケゾーはフクロウさんの操縦するガンシップに乗り、新婚旅行先のウォリアールへと向かっている。
 増設してくれた乗客スペースの乗り心地もよく、速度も申し分ない。実に快適な空の旅だ。
 コクピットの方にも少し顔を出せるのでフクロウさんに声をかけると、しっかり操縦しながら返事をしてくれる。
 このガンシップ、増設ユニットによる旅客スペースもさることながら、長距離飛行用のエンジンや燃料も増設しているらしい。これも将軍艦隊ジェネラルフリートもといウォリアールの技術力なんだから、大したものである。

「ところでフクロウさん。ウォリアールって見た目的にはどんな国なんですか? 俺達、その辺りの詳細には全然触れてないもんで」
「あー、気になるよね。何と言うか『日本人が想像するファンタジー世界と現代社会の融合』って感じかな? 意外と馴染みやすいと思うっしょ」
「ウォリアールにはフクロウさんを始めとした、日系民族も多いんでしたね。軍事国家といっても、ある意味で日本人には馴染みやすい感じですか」

 タケゾーもフクロウさんに尋ねてるけど、ウォリアールという国はある意味で秘境だ。このご時世でもネットにほとんど情報が出回っていない。
 正直、裏でフロスト博士辺りが情報操作してそうな気はするんだけどね。あの人ならネットの海を都合よくいじくれてもおかしくはない。
 なんだったらAIをネットの海に放逐して、ウォリアールに関する情報だけ削除していってそうだ。

「だったらさ、ウォリアール特有の観光名所とかはないわけ?」
「観光名所……ねぇ。あるとするならば、ウォリアールの軍事基地とか?」
「いや、そういうのはご勘弁願いたい。もっとこう、アタシ達でも楽しめそうな感じの場所とかさ」

 一応は招待された身だけど、新婚旅行としての楽しみだってある。フェリアさんいわく『悪い話ではない』らしいし、ここはアタシも気持ちをシフトしていこう。
 海外に行く機会だってそうそうないんだし、日本では味わえないような体験をしたいよね。

 ――将軍艦隊ジェネラルフリート絡みはすでに日本で何度も経験してるので却下で。

「そうだな……。日本になくてウォリアールにあるものとなると、カジノとかかな」
「カジノ!? ウォリアールってカジノがあるの!?」
「ああ。オレッチもよく出入りしてるもんさ。日本のパチンコや競馬とはまた違うスリルが味わえるっしょ」

 そんな中で気になるのは、日本では合法化していないカジノの存在。賭け事は危ないって聞くけど、日本ではできないことってやってみたくなるよね。
 最近のスリルなんてヒーローバトルしかなかったし、たまには賭け事のスリルも悪くないよね。

「一応はフェリアのおかげで旅行代は浮いてるし、無理のない範囲でなら俺も構わないが……」
「だよねー、だよねー。真面目なタケゾーだって、たまにはギャンブルしてみたいよねー」

 タケゾーの許可も得れたし、自由行動できるようになったらまずはカジノで決定だね。アタシも一度やってみたかったんだ。
 ルーレットで回転する玉やトランプの数字でハラハラしたりするのって面白くない? オンラインカジノやゲームじゃなくて、実際にやるのってちょっと憧れるよね。
 大人の遊びって感じだし、合法ならどんとこいさ。

「……オレッチもあまり口出しはしないが、カジノにのめり込むのだけは止めた方がいいっしょ。浮いた小銭で賭けるのが賢い遊び方さ」
「お? 流石はフクロウさんだねぇ。プレイボーイな見た目の通り、大人の遊びを心得てるや」

 ただ現金が絡む話なので、遊び方には要注意だ。そこについてはフクロウさんも助言を入れてくれる。
 今は将軍艦隊ジェネラルフリートの末端に所属するウォリアールの人間だけに、カジノも経験済みってことか。
 これは参考になる。カジノへ行く時にフクロウさんもいれば、うまく引き際を教えて――



「オレッチ、もう何度もカジノで素寒貧にされてるからなぁ……。引き際、いつも間違えててさぁ……」
「……成程。反面教師にしてほしい感じね」



 ――くれそうにはない。むしろこの人、賭け事とか苦手なタイプだ。
 きっと引き際も分からず、ズルズル賭けすぎてスッちゃったんだろうね。てか、何度も負けてるって時点でカジノの才能はないよね。
 ギャンブル依存症とかになってないかな? なんだか、フクロウさんの身が心配になっちゃう話だ。

「おっと。そうこうしてるうちに、ウォリアールが見えてきたな」
「おっ! ようやく、目的地にご到着ってことね!」
「どんな国なのか、俺も窓の外から見てみようかな」

 カジノでスッた引けなかったの話は別として、気が付けばガンシップもウォリアールの近くまで来たそうだ。
 タケゾーと一緒になってアタシも旅客スペースの窓に手を当て、上空からウォリアールの全容を見ようとする。
 雲の隙間に見える島。いくらか建造物も見えるし、おそらくはあれがウォリアールで――



「……えっ!? あの島、自然にできたものじゃないよね……!?」
「流石はソラッチャンって言いたいところだね。早速勘付いたか」



 ――ウォリアールで合ってるらしいけど、アタシが想像していたものとは違った。いや、別に悪い意味じゃないんだけどね。
 広さ的にはアタシ達の住む街より少し大きいぐらい。国として見れば領土は本当に狭い島国だ。
 ただ、アタシにはあの島全体に妙な違和感を覚える。上空からでも確認できる、あまりに均等のとれた六角形の島。
 どう考えても自然にできた島じゃない――というか、そもそも島といっていいのかも分からない。
 ここからでも確認できる様子を見るに、ウォリアールの土地は『海底に根を張っている』ようには見えない。どちらかと言えば『海面を漂っている』に近い印象を受ける。

「な、なあ……隼。俺も少し聞いたことがあるんだが、ああいうのって確か……?」
「タケゾーも想像してる通りだろうね。まさかあのサイズで実現させ、その上に国家を建設しちゃうなんてね。本当にとんだ技術力だよ」

 タケゾーも窓の外に映るウォリアールの姿から、何かを感じ取ったようだ。
 アタシも資料に目を通した程度でしか知らないけど、あそこまでの規模のものは見たことがない。
 おまけにそれがこんな太平洋のど真ん中に浮いてるのだから、ウォリアールという国家はアタシの想像の斜め上を行く。

 ――将軍艦隊ジェネラルフリートという最新軍事集団を抱える国だけのことはある。



「メガフロート……。ウォリアールって浮島だったの……!?」
「ああ。あれこそが軍事国家ウォリアールの全容さ」
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