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もう一つの故郷編
ep395 タケゾー「かける言葉が見当たらない」
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「じゅ、隼がフェリアと同じウォリアール王家の末裔だって……!? そんな話、俺も初めて聞いたぞ……!?」
「わ、私も知りませんでした……。何故フェリアは語ってくださらなかったのですか?」
「……すまねえ。俺もクジャクおばさんが直接空鳥に告げるまでの間、ずっと口止めされててな……」
隼が一人でフロスト博士に案内された後、俺と洗居さんはフェリアからその真相を語られた。
そもそも何故隼が一人だけウォリアールに呼び出されたのか? その理由を俺も驚愕しながら理解する。
――亡くなった隼の母親はクジャクさんの妹であり、隼もフェリアの本筋とは別筋ではあれど、ウォリアール王家であるスクリード家の血を引く人間だった。
これには俺も言葉が出ない。隼自身だって知らなかったはずだ。
もしも知っていれば俺に話しただろうし、将軍艦隊との戦いで悩んだりもしたはずだ。
知らず知らずのうちに隼はウォリアールという出生の秘密に触れ、気がつけばこうして真相に辿り着いていた。
何の因果か運命か。ただこの真相は当人である隼にとって、どれほど重いものか分からない。
「……俺も動揺するが、今は落ち着いて考察を進めたい。フェリアも語ってくれたが、隼には王位を継ぐ権利もあるんだって?」
「ああ。クジャクのおばさんはどちらかと言えば、俺よりも空鳥を次期ウォリアールトップに据えたいつもりらしい。まあ、あの人からしても姪っ子にあたるわけだ。表向きには『空鳥が持つ空色の魔女というヒーローの実績』なんて語ってたが、肉親として空鳥を立てたい気持ちだってあるだろうよ」
「ですが、空鳥さんにそんなことを言うのは酷ではないでしょうか……?」
フェリアからは他にも話を聞いており、そこでも一番気になるのが隼に王位を継がせようとする意志が存在することだ。
クジャクさんの考えとしては『フェリアよりも隼の方が実績がある』とのこと。確かにあいつはこれまで、将軍艦隊が相手だろうと臆することなく自らの意志を貫いてきた。
戦うことを生業とし、戦う力が何より優遇されるウォリアールにおいて、隼のように『王家の血を引き、戦いの実績を持つ人間』というのはそれだけで価値があるということか。
「確かに空鳥は俺より『戦う面での資格』ってのはあるだろうよ。ウォリアールは『戦いの中でしか生きられない人間』を集められた国家という側面を持つ。フロストとフレイムの兄弟なんてその典型だ。片や軍事工学に特化したマッドサイエンティスト、片や完全に常人離れしたサイボーグ。ああいった人間も納得させられるのは、実際に交戦して相手の力量を推し測った相手なんだろうよ」
「だからって、隼がいきなり王位を継ぐだなんて……!?」
「赤原には突拍子もなく聞こえるだろうが、どうやらクジャクおばさんも結構前から考えてた話らしい。そのために身元を隠して空鳥に接触を図ってたからな」
どうにも、クジャクさんという人は想像以上に行動力も権威もあるようだ。かつて隼がVRゲームを購入してもらった時だって、そもそもの目的は隼に会うことだったということか。
わざわざ将軍艦隊を巻き込み、フクロウさんを使って極秘来日した理由もようやく見えてきた。
ただ、異国の未来を背負うというのは途方もない話過ぎて俺も困惑してくる。話のスケールが違いすぎる。
――この答えは俺では導き出せそうにない。
「フェリア……その……仮に空鳥さんが王位を継いだ場合、私達やタケゾーさんはどのようになるのでしょうか?」
「赤原については空鳥と同じく、ウォリアール王家の人間になるな。その場合、俺と栗阿はある意味で自由の身にはなるそうだ。次期トップの座など関係なく、ウォリアールという『戦いの鎖』からも解き放たれるってところか……」
「ですが、それでは空鳥さんがあまりにかわいそうです。彼女だって、好きで戦っているわけではありません」
「その気持ちは俺も分かるんだが、このままだと栗阿にも被害が及びそうなのが不安でよ……」
そしてこの話を知っていながら、これまで言われた通り素直に従っていたフェリアについても、俺にはその内心が読み取れてくる。
フェリアも洗居さんという婚約者のことを考え、ずっと自分の立場でどうするべきか思い悩んでいたのだろう。
身勝手にも見えるが、フェリアの立場からすれば洗居さんのことが第一となる。俺にとっての隼と同じだ。
守りたい人がフェリアにもある以上、フェリアのことを執拗に責め立てれたものでもない。
――ただ、その対象である洗居さんはどこか不満げだ。
「私はフェリアとの婚約について、相応の覚悟はしております。まだまだ未熟なことも承知の上です。……それでもどうか、空鳥さんが納得できる結末を優先してください」
「栗阿……。そう言ってもらえるなら、俺もありがたい話だ。俺の方こそ情けねえ姿ばっかりさらしてすまねえな」
気がつけば洗居さんに最初再会した時のような動揺困惑発狂もなく、フェリアへ面と向かって自らの考えを示している。
俺とフェリアの大喧嘩の前に隼と話をしたことで、気持ちが前向きになれたのだろう。臭い言い方になるが、愛情を再認識できたってことか。
――そのために俺も洗居さんに殺されかけたわけだが、あれも良しとしておこう。そもそも、原因は俺にある。
「とはいえ、ここから先は空鳥の意志次第だな。あいつ任せで申し訳ねえがよ……」
「……そうだな。今ここでとやかく言ってても仕方ない話か。まあ、隼がどう考えてるかはなんとなく読めるが……」
フェリアの私室で話を進めるも、三人だけでは何も自体は進まない。やはり当事者である隼がいないとどうにもならない。
喧嘩で散らかっていた部屋もここに仕えている人達が綺麗に掃除し、代わりの夕食も用意してくれた。
続きは隼が戻って来てからの方が良さそうだ。ただ、俺には隼がどんな心境で戻ってくるかおおよその見当がつく。
「……みんな、ただいま」
「隼……おかえり。俺達も話は聞かせてもらったんだが――」
「うん……でも、ちょっと待ってほしいかな。アタシも正直整理できてなくてさ……」
こちらの話が落ち着いたころ、話題の中心である隼も部屋へと戻って来た。だが、その表情は酷く曇っている。
普段の陽気な明るさなど微塵もなく、どちらかと言えばかつて空色の魔女がバッシングされていた時の表情に近い。
こうなることは俺にも分かっていた。隼にとってあまりに衝撃的すぎる事実の数々は、その心を蝕んでしまっている。
「あの……空鳥さん。用意していただいた野菜が使えなかったのは申し訳ございませんが、まずは一緒に夕食をとりませんか?」
「そ、そうだな。酒の用意だってあるし、少しは気晴らしに……さ?」
「二人とも……ありがと。だけど、今は何か口にする気分じゃないのよね。……ちょっとだけそこのソファで横にならせてほしい」
俺達の出迎えも足早に切り上げ、隼は部屋にあったソファへと体を横たえる。バッシングの時のように泣いてはいないが、その姿からは隼の抱く苦しみがヒシヒシと感じられてしまう。
俺だって何か気の利いた言葉をかけてやりたい。こういう時こそ、隼の力になってやりたい。
ただ、今回はこれまでと違って『どうすれば隼のためになるのか?』が見えてこない。
――隼本人でさえも知らなかった出生の秘密と、俺もどう向き合えばいいのか分からない。
「わ、私も知りませんでした……。何故フェリアは語ってくださらなかったのですか?」
「……すまねえ。俺もクジャクおばさんが直接空鳥に告げるまでの間、ずっと口止めされててな……」
隼が一人でフロスト博士に案内された後、俺と洗居さんはフェリアからその真相を語られた。
そもそも何故隼が一人だけウォリアールに呼び出されたのか? その理由を俺も驚愕しながら理解する。
――亡くなった隼の母親はクジャクさんの妹であり、隼もフェリアの本筋とは別筋ではあれど、ウォリアール王家であるスクリード家の血を引く人間だった。
これには俺も言葉が出ない。隼自身だって知らなかったはずだ。
もしも知っていれば俺に話しただろうし、将軍艦隊との戦いで悩んだりもしたはずだ。
知らず知らずのうちに隼はウォリアールという出生の秘密に触れ、気がつけばこうして真相に辿り着いていた。
何の因果か運命か。ただこの真相は当人である隼にとって、どれほど重いものか分からない。
「……俺も動揺するが、今は落ち着いて考察を進めたい。フェリアも語ってくれたが、隼には王位を継ぐ権利もあるんだって?」
「ああ。クジャクのおばさんはどちらかと言えば、俺よりも空鳥を次期ウォリアールトップに据えたいつもりらしい。まあ、あの人からしても姪っ子にあたるわけだ。表向きには『空鳥が持つ空色の魔女というヒーローの実績』なんて語ってたが、肉親として空鳥を立てたい気持ちだってあるだろうよ」
「ですが、空鳥さんにそんなことを言うのは酷ではないでしょうか……?」
フェリアからは他にも話を聞いており、そこでも一番気になるのが隼に王位を継がせようとする意志が存在することだ。
クジャクさんの考えとしては『フェリアよりも隼の方が実績がある』とのこと。確かにあいつはこれまで、将軍艦隊が相手だろうと臆することなく自らの意志を貫いてきた。
戦うことを生業とし、戦う力が何より優遇されるウォリアールにおいて、隼のように『王家の血を引き、戦いの実績を持つ人間』というのはそれだけで価値があるということか。
「確かに空鳥は俺より『戦う面での資格』ってのはあるだろうよ。ウォリアールは『戦いの中でしか生きられない人間』を集められた国家という側面を持つ。フロストとフレイムの兄弟なんてその典型だ。片や軍事工学に特化したマッドサイエンティスト、片や完全に常人離れしたサイボーグ。ああいった人間も納得させられるのは、実際に交戦して相手の力量を推し測った相手なんだろうよ」
「だからって、隼がいきなり王位を継ぐだなんて……!?」
「赤原には突拍子もなく聞こえるだろうが、どうやらクジャクおばさんも結構前から考えてた話らしい。そのために身元を隠して空鳥に接触を図ってたからな」
どうにも、クジャクさんという人は想像以上に行動力も権威もあるようだ。かつて隼がVRゲームを購入してもらった時だって、そもそもの目的は隼に会うことだったということか。
わざわざ将軍艦隊を巻き込み、フクロウさんを使って極秘来日した理由もようやく見えてきた。
ただ、異国の未来を背負うというのは途方もない話過ぎて俺も困惑してくる。話のスケールが違いすぎる。
――この答えは俺では導き出せそうにない。
「フェリア……その……仮に空鳥さんが王位を継いだ場合、私達やタケゾーさんはどのようになるのでしょうか?」
「赤原については空鳥と同じく、ウォリアール王家の人間になるな。その場合、俺と栗阿はある意味で自由の身にはなるそうだ。次期トップの座など関係なく、ウォリアールという『戦いの鎖』からも解き放たれるってところか……」
「ですが、それでは空鳥さんがあまりにかわいそうです。彼女だって、好きで戦っているわけではありません」
「その気持ちは俺も分かるんだが、このままだと栗阿にも被害が及びそうなのが不安でよ……」
そしてこの話を知っていながら、これまで言われた通り素直に従っていたフェリアについても、俺にはその内心が読み取れてくる。
フェリアも洗居さんという婚約者のことを考え、ずっと自分の立場でどうするべきか思い悩んでいたのだろう。
身勝手にも見えるが、フェリアの立場からすれば洗居さんのことが第一となる。俺にとっての隼と同じだ。
守りたい人がフェリアにもある以上、フェリアのことを執拗に責め立てれたものでもない。
――ただ、その対象である洗居さんはどこか不満げだ。
「私はフェリアとの婚約について、相応の覚悟はしております。まだまだ未熟なことも承知の上です。……それでもどうか、空鳥さんが納得できる結末を優先してください」
「栗阿……。そう言ってもらえるなら、俺もありがたい話だ。俺の方こそ情けねえ姿ばっかりさらしてすまねえな」
気がつけば洗居さんに最初再会した時のような動揺困惑発狂もなく、フェリアへ面と向かって自らの考えを示している。
俺とフェリアの大喧嘩の前に隼と話をしたことで、気持ちが前向きになれたのだろう。臭い言い方になるが、愛情を再認識できたってことか。
――そのために俺も洗居さんに殺されかけたわけだが、あれも良しとしておこう。そもそも、原因は俺にある。
「とはいえ、ここから先は空鳥の意志次第だな。あいつ任せで申し訳ねえがよ……」
「……そうだな。今ここでとやかく言ってても仕方ない話か。まあ、隼がどう考えてるかはなんとなく読めるが……」
フェリアの私室で話を進めるも、三人だけでは何も自体は進まない。やはり当事者である隼がいないとどうにもならない。
喧嘩で散らかっていた部屋もここに仕えている人達が綺麗に掃除し、代わりの夕食も用意してくれた。
続きは隼が戻って来てからの方が良さそうだ。ただ、俺には隼がどんな心境で戻ってくるかおおよその見当がつく。
「……みんな、ただいま」
「隼……おかえり。俺達も話は聞かせてもらったんだが――」
「うん……でも、ちょっと待ってほしいかな。アタシも正直整理できてなくてさ……」
こちらの話が落ち着いたころ、話題の中心である隼も部屋へと戻って来た。だが、その表情は酷く曇っている。
普段の陽気な明るさなど微塵もなく、どちらかと言えばかつて空色の魔女がバッシングされていた時の表情に近い。
こうなることは俺にも分かっていた。隼にとってあまりに衝撃的すぎる事実の数々は、その心を蝕んでしまっている。
「あの……空鳥さん。用意していただいた野菜が使えなかったのは申し訳ございませんが、まずは一緒に夕食をとりませんか?」
「そ、そうだな。酒の用意だってあるし、少しは気晴らしに……さ?」
「二人とも……ありがと。だけど、今は何か口にする気分じゃないのよね。……ちょっとだけそこのソファで横にならせてほしい」
俺達の出迎えも足早に切り上げ、隼は部屋にあったソファへと体を横たえる。バッシングの時のように泣いてはいないが、その姿からは隼の抱く苦しみがヒシヒシと感じられてしまう。
俺だって何か気の利いた言葉をかけてやりたい。こういう時こそ、隼の力になってやりたい。
ただ、今回はこれまでと違って『どうすれば隼のためになるのか?』が見えてこない。
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