空色のサイエンスウィッチ

コーヒー微糖派

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武神女帝編

ep426 敵の総本山に突入だ!

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「空鳥、赤原。待たせたな」
「早速で悪いんだけど、オレッチのガンシップに乗ってくれ。このままクジャク様のタワーまでひとっ飛びするっしょ」

 少し待って陽が沈み始めた頃、フクロウさんのガンシップがアタシ達の元へやって来てくれた。
 フェリアさんも黒いレインコートに身を包み、高周波ブレードも握って準備万端だ。ガンシップの翼に乗りながら、やる気に満ちた表情をしている。

 ――てかさ、別にそのガンシップは二人乗りなんだから、フェリアさんだけでもコクピットに座ってる方がよくない? サラッとやってるけど、結構危ないよね?
 後、その黒いレインコートってフェリアさんにとっての戦闘装束なのね。狐面は外してても、そっちは外さないのか。

「まだ本当にタワー内にクジャクさん達がいるかの確認は取れてない感じ?」
「ああ。フロストも将軍艦隊ジェネラルフリートを使って情報を集めてくれてるが、まだどこにいるかも分からねえみてえだ」
「だが裏を返せば、今から向かうタワーにいる可能性だってあるってことっしょ。あそこは迂闊に立ち入れる場所でもないし、目立った場所でも身を隠すにはおあつらえさ」
「灯台下暗し……てか」

 何はともあれ、アタシとタケゾーもガンシップの上へと飛び乗り、移動をフクロウさんに一任する。
 どうやら機体周辺領域に光学迷彩フィールドが展開されているらしく、これなら上に乗ってるアタシ達の身も隠せる。
 ガンシップの上に三人で乗るのは無作法だけど、潜入するにはこの方法が一番だ。

 ――とりあえずはヒーローとして『ガンシップの上に乗りながら飛行してはいけません』って警告は促しておこう。

「今は姿を隠せてますが、乗り込む方法はどうしますか? ギリギリまでガンシップを横付けして、飛び移るとか?」
「いや、そこまでコソコソやってたら、流石に向こうにバレそうだ。だからオレッチもフロストの旦那から、作戦をたまわっている」
「へー。フロスト博士、わざわざこっちのために作戦まで用意してくれたのね」

 エンジン音を抑えて静かに、しかして速やかにタワーを目指すガンシップ。姿も消して、今のところは誰にも悟られずに進めている。
 今回の騒動において前線指揮を任されているフロスト博士の作戦もあるし、乗り込む心構えは万全だ。
 向かった先にデザイアガルダだろうが何がいようが、ドンと来いってもんよ。



「このままガンシップでタワーの窓に突撃して、三人を中へと届ける。そこで飛び降りて……後は頑張ってくれ」
「何それ!? ちょっと無茶苦茶じゃない!?」



 作戦内容が真っ当なものならね。何さ、ガンシップごとタワーに突撃するって?
 中に入った後のことより、突入方法の時点ですでに身構えなきゃいけないやつじゃん。

「こ、これって、隠密にコッソリ潜入するんじゃないんですか!?」
「『中に入っちまえば、どのみち騒動は確定だろーが』ってのがフロストの旦那の弁だ」
「確かにそうかもしれませんが、もうちょっと手優しくしてもらえません!? フェリアもこんな作戦で大丈夫なのか!?」
「栗阿を救うためだ。そのためだったら……俺はいくらでも無茶してやる!」
「くそっ!? どこまでも一途な王子様だな! 俺は戦闘に関してはこの中でもぶっちぎりの素人だぞ!?」

 タケゾーも思わずツッコミを入れるも、フクロウさんもフェリアさんも完全に覚悟を決めてる感じだ。
 まあ、アタシもできなくはないと思う。ただ、タケゾーは経験の浅さからどうにも及び腰だ。
 ジェットアーマーなんて力を持っていても、そこはやはりタケゾーか。本職は保育士だもんね。荒事とか苦手だし。

 ――てか、フェリアさんは普通にオッケーなんだ。この人、別にアタシみたいな強化人間でもタケゾーみたいなパワードスーツもない普通の人間だよね?
 それなのに乗ってくるあたり、流石はウォリアールの王子様。最大の理由は洗居さんへの想いの強さだろうけど。

「ほれ! もうグダグダ言ってる暇もないっしょ! 後は三人で頑張っておくんなよ!」
「どわぁぁあ!? ぶ、ぶつかるぅぅうう!?」
「やれやれ……。タケゾーには刺激が強すぎたか。これは嫁のアタシがフォローしますかねぇ」

 結局、タケゾーのことなど考えてもらえず、ガンシップはタワーの窓へと突撃していく。
 いざ突撃って時にパニくられてたら気分も乱れるし、タケゾーのことはアタシでどうにかしましょう、そうしましょう。


 バリィィィイイン!!


「よし、中に入れた! 俺達は飛び降りるぞ!」
「ほれ、タケゾー! アタシに掴まんな!」
「す、すまん! 隼!」

 ガンシップの先端で窓ガラスを砕き、アタシ達はタワー内部へと盛大に飛び込む。
 フェリアさんは生身で普通に飛び降りるも、タケゾーは慌てふためいてタイミングを見失いかけている。そんなわけで、アタシが代わりにお姫様抱っこしながら緩やかに滑空しながら着地。

 ――流れで普通にやったけど、立場が逆よ、逆。

「てか、フェリアさんの身体能力ヤバいよね。何か特別な肉体改造とかはしてないんでしょ?」
「してねえよ。訓練を積んだだけだ。これぐらいだったら、ラルカも問題なくできるだろうよ」
「恐るべき、ウォリアール。アタシ達の日常的常識が通用しない。……タケゾーの反応の方がアウェイって感じだね」
「う、うるさい。ウォリアール基準で考えないでくれ。……後、早く下ろしてくれ」

 フクロウさんはガンシップを反対の窓ガラスへと突撃させ、再び外へと出て行った。
 流石にガンシップを使ってタワー攻略とはいかないからね。一時的にタワー内を通過する操縦技術だけでも十分すぎるけど。

 とりあえずはアタシもお姫様抱っこしていたタケゾーを下ろし、軽くあたりを見回してみる。
 ここには見覚えがある。アタシとフェリアさんが戦った吹き抜け空間か。

「どうする? とりあえず、上に向かってみる?」
「その必要もねえだろ。こんだけ派手に突入した以上、向こうからお出まししてくれるさ。……あそこのテラスみてえにな」

 ここからどこを目指すか考えていると、フェリアさんが室内上部のテラス部分に目線を送りながら話を紡いでくる。
 アタシも同じように目を向ければ、いかにも胡散臭そうな男が一人。さらにその下、アタシ達の周囲を囲むように姿を見せるのは、白人と黒人の護衛役を中心とした六人組。

 全員の姿に見覚えがある。新たに追加された四人についても、アタシやタケゾーでも見知った顔だ。
 騒動を聞きつけて自ら姿を現すとは、こっちとしてはありがたい話かもね。



「先日はどうも……天鐘。ラルカさんの部下四人まで連れて、盛大なお出迎えご苦労さん」
「ホホホ。そちらこそ、わざわざワタシの元に戻って来てくださったのですか? ……空鳥様」
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