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第11話
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朝七時。
寝室から騒がしい音が聞こえる。ジリリリリ……リンというベルの音や、携帯電話のアラーム音、コケコッコーという鶏の泣き声まで。
この音を合図に朝食の準備を始める。と言っても昨日のご飯をチンしたり、インスタントの味噌汁をお椀にセットするくらいだ。
初めてこの騒がしい音を耳にした時は、マンションのどこかで火事が起きている! と本気で焦った。でも、その正体は朝に弱い谷崎さんが自分で仕掛けた目覚まし達だった。谷崎さん曰く、あれでも半分くらいしか覚醒できないそうだ。
頭が良くて仕事ができる課長さんでも、弱点はあるらしい。忙しいからというのもあるけど、会社に近いマンションを買ったのは朝が苦手な自分の対応策の一つだそうだ。
朝五時に目が覚める私には理解できない悩みだ。
そう、私はこの三年間の間に五時に起きるよう、しっかりプログラミングされてしまっていた。
そのお陰で谷崎さんが起きて来る前には、着替えもメイクも済ませ、恥ずかしい姿を見せることなく済んでいる。反面、深夜ラジオを生で聴けなくなってしまったのはちょっと残念。録音すればいい話だけど、夜のテンションで聴くのと昼間に聴くのとでは感じ方が違う。
そんな私からすると、目覚ましを三つもかける谷崎さんが気の毒に思えた。谷崎つぐみさんがどうしていたかは知らないけれど、谷崎さんに起こしましょうか? と尋ねた。けれど、断られた。起こされるのに慣れてしまうと、出張とかで一人で起きないといけない時に困るらしい。その代わり濃い緑茶を淹れておいて欲しいと言うので、こうして朝食の用意をして、寝室から出てきた谷崎さんにさっとお茶を出せるように準備している。
「……おはよう」
「おはようございます。お茶をどうぞ」
「ああ……ありがとう」
寝室から出てきた谷崎さんに挨拶がてらお茶を差し出す。Tシャツにジャージ姿の谷崎さんは、完全に起ききれていないのかどことなくぼんやりとしている。こういう時はそっとしておくに限る。
私はご飯を食べながら、テレビで今日のニュースや天気予報をチェックしている。そうしている間に谷崎さんの頭がハッキリしてきて、ご飯を食べつつ私に話かける。そんな感じで谷崎家の朝は始まる。
「そう言えば、今日からだったよな?」
「はい、カードを忘れてないか、何度もカバンをチェックしちゃいました」
「ははっ。確かにカードを忘れて取りに帰って、ギリギリに出社したことあったな。息切らしながら駆け込んで来たから、何事かと思ったよ」
「うわっ……やっぱり」
今日は仕事復帰の日だ。
谷崎さんに言われたことを考え、仕事に復帰してみることにした。
ここでマンガを読み耽るのもよかったんだけど、色々な刺激を受けた方がいいような気がしたから。
会社や仕事の情報は、谷崎さんだけでなく南ちゃんからも仕入れておいた。
ここに来てまだ数日だし、頼れる南ちゃんも育休中だし……心細くて不安だけど、なるようになるさと思うことにした。ダメだったら辞めればいい。
三年間の間のMS精工の最大の変化は、セキュリティーカードが導入されたこと。元々、定期的に警備員が巡回しているんだから問題ないだろと経営陣達はセキュリティーカードの導入に消極的だったみたいだけど、とある企業の大きなプロジェクトに関わることになり、その重大な機密事項を多く扱うことになる関係上、この会社にもようやくセキュティーカードが取り入れられることになったそうだ。
ちなみに、そのプロジェクトを受注したのは谷崎さん。本当に優秀なことで……。
「ほら、そんなに混んでないだろ?」
「そうですね。なんか意外」
「急行待ちの各停と乗る車両を選べば、押し潰されることはないから」
電車に揺られながら、谷崎さんとたわいない話をしている。何だか不思議な感じだ。実家からマンションへ向かう途中の電車では、ガチガチに緊張していたのに。
谷崎さんと私は普段は一緒に出勤していないらしい。課が違うのもあるけど、谷崎さんは課長さんだから早めに出社しているそうだ。今日は私が復帰する日だからと付き添ってくれている。
谷崎さんとの同居生活は、まだ気まずいところもある。けれど、ルームシェアだと考えれば悪くない生活だと思う。
それは、谷崎さんの人格によるところが大きい。
思い出せとプレッシャーをかけるわけでもなく、とある記憶喪失マンガのヒーローみたいに、キスしたら思い出すかもよなんてことも言わず、適度な距離をとってくれている。
私の好みではないけど、この人って案外女性受けするタイプなんじゃないかって思う。華やかさがなければ、ときめきも感じないけど、一緒にいて安心感があるというか……嫌な言い方だけど、確かに優良物件だと思う。
ただ、それを私が求めているかと言うと違う。どんなに考えても、私が谷崎さんを選んだ理由がわからない。それ以上に谷崎さんが私と結婚した理由がわからない。この人だったら、もっといい人がたくさんいたはずなのに。もっと可愛い人とか、お淑やかな人とか……こんな可愛げもなく大雑把な女なんか選ばなくたってと思ってしまう。こんな風に考えるってことは、今の私は谷崎さんに恋愛感情を持っていないってことだ。持っていたら、他にいい人が……なんて思ったりしないはず。
そんなことを考えている内に、電車があっという間に会社の最寄り駅に着いた。
「うわっ」
「っと、大丈夫か?」
ホームに降りた途端、慣れているはずの人混みに体が戸惑いよろけてしまった。頭ではわかっていても、体は久しぶりの人混みに戸惑っているらしい。
そんな私の肩を谷崎さんの左手が支えてくれた。
「はい、大丈夫です。すみません」
「そうか」
ほっとした表情と同時に、私の肩から谷崎さんの左手が離れていく。
今日も谷崎さんの左手の薬指には結婚指輪がキレイにはまっている。それに引き換え、何もついていない味気ない私の左手。
自分の気持ちはどうであれ、結婚指輪はつけておいた方がいいと思っていた。今の私は結婚していることを忘れて、書類に「柏原つぐみ」って書くだろうし……。指輪をしていれば、そんなミスはしないだろうって考えていた。
でも、指輪をはめてみたら何故か落ち着かなくてしょうがなかった。自分の指なのに、自分の指じゃなくなってしまうような感じ? 私好みのデザインだしサイズも私の指にピッタリなのに……。
そんなわけで私の結婚指輪は、ジュエリーボックスの中で眠っている。
「じゃあ、行こうか?」
「はい」
ホームの人混みが落ち着くのを待って、谷崎さんは私に声をかけ、ゆっくりと改札の方へ歩きだした。私はその背中の後についていった。
「柏原さん!」
ドキドキしながらセキュリティーカードをかざし、技術営業支援課のドアを開けると、涙混じりの顔をした姫島さんが飛びついてきた。
「姫島さん? ちょっと落ち着いて。」
抱きつかれるほど、姫島さんと仲良くした覚えがないので戸惑う。男だったら引き剥がすけど、泣いている彼女を無下にはできない。
それにしても……柔らかい。子供を産んでから、一段と胸が大きくなってない? ってオヤジか私は。だけど、三年経ってもまな板の身からすれば、うらやましいぞ。
「本当によかった……柏原さんが戻ってきてくれて。柏原さんにもしものことがあったらって……私」
「大丈夫だから。ほら、生きてるし。ピンピンしてるでしょ?」
言ってみるものの、姫島さんは泣き続けている。何で私のためにそこまで泣く? 理解できないながらも落ち着いてほしくて、姫島さんの肩を軽くトントンしてみる。
付き添ってくれた谷崎さんは、そんな私達に目もくれず技術営業支援課の課長と仕事がらみの話をしてるっぽいし、他の社員達は出社してないし……しばらく待つしかないか。
「姫島さん、そろそろ柏原さんを解放してあげて」
話を終えた谷崎さんが、固まっている私に気づいて助け船を出してくれた。柏原さん? そっか、ここは会社だからね。今までつぐみって呼ばれていたせいか、谷崎さんが私を柏原さんって呼ぶのは何だか新鮮。
谷崎さんのツッコミに姫島さんは、ハッとした様子でごめんなさいと慌てて私から離れた。
ようやく自由になった私は、技術営業支援課の課長の方に体を向ける。
「林田課長。この度はご迷惑おかけして申し訳ありません。本日からよろしくお願いいたします」
三年間の間に私の元上司だった佐々木課長は異動となり、代わりに林田課長という人が着任したらしい。谷崎さんの三つ先輩に当たる人。谷崎さんはいい人だよと言っていたけど、南ちゃんからは厳しい人だよと教わっているので緊張する。
「ああ、事情は谷崎から聞いてるから。無理せず、不明な点は私か姫島さんに聞くなりして解決していくように」
威圧感のある感じではないけど、確かに前の佐々木課長みたいに甘くはなさそうだ。課長がどんな人であれ、仕事に対する姿勢を変えるつもりはないけど、無意識に背筋をピンと伸ばしていた。谷崎さんはそんな私を一瞥して軽く笑って見せた後、「君なら大丈夫だ」と言い残し自分の持ち場である市場開発課へ向かって行った。
寝室から騒がしい音が聞こえる。ジリリリリ……リンというベルの音や、携帯電話のアラーム音、コケコッコーという鶏の泣き声まで。
この音を合図に朝食の準備を始める。と言っても昨日のご飯をチンしたり、インスタントの味噌汁をお椀にセットするくらいだ。
初めてこの騒がしい音を耳にした時は、マンションのどこかで火事が起きている! と本気で焦った。でも、その正体は朝に弱い谷崎さんが自分で仕掛けた目覚まし達だった。谷崎さん曰く、あれでも半分くらいしか覚醒できないそうだ。
頭が良くて仕事ができる課長さんでも、弱点はあるらしい。忙しいからというのもあるけど、会社に近いマンションを買ったのは朝が苦手な自分の対応策の一つだそうだ。
朝五時に目が覚める私には理解できない悩みだ。
そう、私はこの三年間の間に五時に起きるよう、しっかりプログラミングされてしまっていた。
そのお陰で谷崎さんが起きて来る前には、着替えもメイクも済ませ、恥ずかしい姿を見せることなく済んでいる。反面、深夜ラジオを生で聴けなくなってしまったのはちょっと残念。録音すればいい話だけど、夜のテンションで聴くのと昼間に聴くのとでは感じ方が違う。
そんな私からすると、目覚ましを三つもかける谷崎さんが気の毒に思えた。谷崎つぐみさんがどうしていたかは知らないけれど、谷崎さんに起こしましょうか? と尋ねた。けれど、断られた。起こされるのに慣れてしまうと、出張とかで一人で起きないといけない時に困るらしい。その代わり濃い緑茶を淹れておいて欲しいと言うので、こうして朝食の用意をして、寝室から出てきた谷崎さんにさっとお茶を出せるように準備している。
「……おはよう」
「おはようございます。お茶をどうぞ」
「ああ……ありがとう」
寝室から出てきた谷崎さんに挨拶がてらお茶を差し出す。Tシャツにジャージ姿の谷崎さんは、完全に起ききれていないのかどことなくぼんやりとしている。こういう時はそっとしておくに限る。
私はご飯を食べながら、テレビで今日のニュースや天気予報をチェックしている。そうしている間に谷崎さんの頭がハッキリしてきて、ご飯を食べつつ私に話かける。そんな感じで谷崎家の朝は始まる。
「そう言えば、今日からだったよな?」
「はい、カードを忘れてないか、何度もカバンをチェックしちゃいました」
「ははっ。確かにカードを忘れて取りに帰って、ギリギリに出社したことあったな。息切らしながら駆け込んで来たから、何事かと思ったよ」
「うわっ……やっぱり」
今日は仕事復帰の日だ。
谷崎さんに言われたことを考え、仕事に復帰してみることにした。
ここでマンガを読み耽るのもよかったんだけど、色々な刺激を受けた方がいいような気がしたから。
会社や仕事の情報は、谷崎さんだけでなく南ちゃんからも仕入れておいた。
ここに来てまだ数日だし、頼れる南ちゃんも育休中だし……心細くて不安だけど、なるようになるさと思うことにした。ダメだったら辞めればいい。
三年間の間のMS精工の最大の変化は、セキュリティーカードが導入されたこと。元々、定期的に警備員が巡回しているんだから問題ないだろと経営陣達はセキュリティーカードの導入に消極的だったみたいだけど、とある企業の大きなプロジェクトに関わることになり、その重大な機密事項を多く扱うことになる関係上、この会社にもようやくセキュティーカードが取り入れられることになったそうだ。
ちなみに、そのプロジェクトを受注したのは谷崎さん。本当に優秀なことで……。
「ほら、そんなに混んでないだろ?」
「そうですね。なんか意外」
「急行待ちの各停と乗る車両を選べば、押し潰されることはないから」
電車に揺られながら、谷崎さんとたわいない話をしている。何だか不思議な感じだ。実家からマンションへ向かう途中の電車では、ガチガチに緊張していたのに。
谷崎さんと私は普段は一緒に出勤していないらしい。課が違うのもあるけど、谷崎さんは課長さんだから早めに出社しているそうだ。今日は私が復帰する日だからと付き添ってくれている。
谷崎さんとの同居生活は、まだ気まずいところもある。けれど、ルームシェアだと考えれば悪くない生活だと思う。
それは、谷崎さんの人格によるところが大きい。
思い出せとプレッシャーをかけるわけでもなく、とある記憶喪失マンガのヒーローみたいに、キスしたら思い出すかもよなんてことも言わず、適度な距離をとってくれている。
私の好みではないけど、この人って案外女性受けするタイプなんじゃないかって思う。華やかさがなければ、ときめきも感じないけど、一緒にいて安心感があるというか……嫌な言い方だけど、確かに優良物件だと思う。
ただ、それを私が求めているかと言うと違う。どんなに考えても、私が谷崎さんを選んだ理由がわからない。それ以上に谷崎さんが私と結婚した理由がわからない。この人だったら、もっといい人がたくさんいたはずなのに。もっと可愛い人とか、お淑やかな人とか……こんな可愛げもなく大雑把な女なんか選ばなくたってと思ってしまう。こんな風に考えるってことは、今の私は谷崎さんに恋愛感情を持っていないってことだ。持っていたら、他にいい人が……なんて思ったりしないはず。
そんなことを考えている内に、電車があっという間に会社の最寄り駅に着いた。
「うわっ」
「っと、大丈夫か?」
ホームに降りた途端、慣れているはずの人混みに体が戸惑いよろけてしまった。頭ではわかっていても、体は久しぶりの人混みに戸惑っているらしい。
そんな私の肩を谷崎さんの左手が支えてくれた。
「はい、大丈夫です。すみません」
「そうか」
ほっとした表情と同時に、私の肩から谷崎さんの左手が離れていく。
今日も谷崎さんの左手の薬指には結婚指輪がキレイにはまっている。それに引き換え、何もついていない味気ない私の左手。
自分の気持ちはどうであれ、結婚指輪はつけておいた方がいいと思っていた。今の私は結婚していることを忘れて、書類に「柏原つぐみ」って書くだろうし……。指輪をしていれば、そんなミスはしないだろうって考えていた。
でも、指輪をはめてみたら何故か落ち着かなくてしょうがなかった。自分の指なのに、自分の指じゃなくなってしまうような感じ? 私好みのデザインだしサイズも私の指にピッタリなのに……。
そんなわけで私の結婚指輪は、ジュエリーボックスの中で眠っている。
「じゃあ、行こうか?」
「はい」
ホームの人混みが落ち着くのを待って、谷崎さんは私に声をかけ、ゆっくりと改札の方へ歩きだした。私はその背中の後についていった。
「柏原さん!」
ドキドキしながらセキュリティーカードをかざし、技術営業支援課のドアを開けると、涙混じりの顔をした姫島さんが飛びついてきた。
「姫島さん? ちょっと落ち着いて。」
抱きつかれるほど、姫島さんと仲良くした覚えがないので戸惑う。男だったら引き剥がすけど、泣いている彼女を無下にはできない。
それにしても……柔らかい。子供を産んでから、一段と胸が大きくなってない? ってオヤジか私は。だけど、三年経ってもまな板の身からすれば、うらやましいぞ。
「本当によかった……柏原さんが戻ってきてくれて。柏原さんにもしものことがあったらって……私」
「大丈夫だから。ほら、生きてるし。ピンピンしてるでしょ?」
言ってみるものの、姫島さんは泣き続けている。何で私のためにそこまで泣く? 理解できないながらも落ち着いてほしくて、姫島さんの肩を軽くトントンしてみる。
付き添ってくれた谷崎さんは、そんな私達に目もくれず技術営業支援課の課長と仕事がらみの話をしてるっぽいし、他の社員達は出社してないし……しばらく待つしかないか。
「姫島さん、そろそろ柏原さんを解放してあげて」
話を終えた谷崎さんが、固まっている私に気づいて助け船を出してくれた。柏原さん? そっか、ここは会社だからね。今までつぐみって呼ばれていたせいか、谷崎さんが私を柏原さんって呼ぶのは何だか新鮮。
谷崎さんのツッコミに姫島さんは、ハッとした様子でごめんなさいと慌てて私から離れた。
ようやく自由になった私は、技術営業支援課の課長の方に体を向ける。
「林田課長。この度はご迷惑おかけして申し訳ありません。本日からよろしくお願いいたします」
三年間の間に私の元上司だった佐々木課長は異動となり、代わりに林田課長という人が着任したらしい。谷崎さんの三つ先輩に当たる人。谷崎さんはいい人だよと言っていたけど、南ちゃんからは厳しい人だよと教わっているので緊張する。
「ああ、事情は谷崎から聞いてるから。無理せず、不明な点は私か姫島さんに聞くなりして解決していくように」
威圧感のある感じではないけど、確かに前の佐々木課長みたいに甘くはなさそうだ。課長がどんな人であれ、仕事に対する姿勢を変えるつもりはないけど、無意識に背筋をピンと伸ばしていた。谷崎さんはそんな私を一瞥して軽く笑って見せた後、「君なら大丈夫だ」と言い残し自分の持ち場である市場開発課へ向かって行った。
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