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トーラスside. 拾った違和感
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トーラスside.
俺の名前はトーラス・チェルナー。
星ヶ丘学園に通う、ごく普通の生徒――のはずだ。
けれど、俺のルームメイトであるアリエス・シェスターク。
今日のあいつは、どうにもおかしかった。
朝、いきなり自分の名前を忘れたような反応をした。
俺の名前まで首を傾げながら聞き返してきて、挙げ句「ホシネガ」とか意味の分からない単語を口にする。
最初はまた寝ぼけてるのかと思った。アリーは朝に弱い。これは三年も一緒に過ごしてきて知っている。
でも――今日は違った。
目の奥が、どこか別人みたいにきらきらしていた。
支度の時だってそうだ。
普段は曖昧な笑顔しかしない奴が、まるで花が開くみたいに笑っていた。
思わず「早く支度しろ」なんて強めに言ってしまったのは、照れ隠しに近い。
……俺はツンデレか。
授業中も、いつものアリーじゃなかった。
真面目にノートを取る姿はなく、どこか上の空。
案の定、ジェミニ先生に呼び出されていた。
あの先生に呼ばれるってことは、普通なら大量の雑用を押し付けられるはずなのに――帰ってきたアリーは、何故か解放されていた。しかも、どこか嬉しそうに。
俺が部屋にかわい子ちゃんを連れ込もうとしたときでさえ、普段なら「ほどほどにしろ」って苦笑しながら小言を言うはずのアリーが――逆に笑顔で「仲ええなぁ」なんて言ってきた。
その笑顔に一瞬、息が詰まった。
けど、やっぱりおかしい。
普段のアリーじゃない。
だから、問い詰めた。
「……今日のお前、変だよ」
真っ直ぐにそう告げると、アリーは目を泳がせ、苦笑しながら言った。
「……あー、その。趣味にちょっとハマってもうただけや」
「趣味?」
「う、うん。まぁ……そんな感じ」
それ以上は言いたくない、という空気を全身で出していた。
俺はそれ以上追及はしなかった。ルームメイトだからって、全部を知る必要はない。お互いのプライベートゾーンには踏み込まない――三年間の距離感は、そうやって保たれてきたのだから。
……なのに。
胸の奥が、ちくりと痛んだ。
(……なんでだ。俺の知らないアリーがいる。それだけのはずなのに)
わからない。
でも、確かに――俺は今まで見たことのないアリーの顔に、目を奪われていた。
俺の名前はトーラス・チェルナー。
星ヶ丘学園に通う、ごく普通の生徒――のはずだ。
けれど、俺のルームメイトであるアリエス・シェスターク。
今日のあいつは、どうにもおかしかった。
朝、いきなり自分の名前を忘れたような反応をした。
俺の名前まで首を傾げながら聞き返してきて、挙げ句「ホシネガ」とか意味の分からない単語を口にする。
最初はまた寝ぼけてるのかと思った。アリーは朝に弱い。これは三年も一緒に過ごしてきて知っている。
でも――今日は違った。
目の奥が、どこか別人みたいにきらきらしていた。
支度の時だってそうだ。
普段は曖昧な笑顔しかしない奴が、まるで花が開くみたいに笑っていた。
思わず「早く支度しろ」なんて強めに言ってしまったのは、照れ隠しに近い。
……俺はツンデレか。
授業中も、いつものアリーじゃなかった。
真面目にノートを取る姿はなく、どこか上の空。
案の定、ジェミニ先生に呼び出されていた。
あの先生に呼ばれるってことは、普通なら大量の雑用を押し付けられるはずなのに――帰ってきたアリーは、何故か解放されていた。しかも、どこか嬉しそうに。
俺が部屋にかわい子ちゃんを連れ込もうとしたときでさえ、普段なら「ほどほどにしろ」って苦笑しながら小言を言うはずのアリーが――逆に笑顔で「仲ええなぁ」なんて言ってきた。
その笑顔に一瞬、息が詰まった。
けど、やっぱりおかしい。
普段のアリーじゃない。
だから、問い詰めた。
「……今日のお前、変だよ」
真っ直ぐにそう告げると、アリーは目を泳がせ、苦笑しながら言った。
「……あー、その。趣味にちょっとハマってもうただけや」
「趣味?」
「う、うん。まぁ……そんな感じ」
それ以上は言いたくない、という空気を全身で出していた。
俺はそれ以上追及はしなかった。ルームメイトだからって、全部を知る必要はない。お互いのプライベートゾーンには踏み込まない――三年間の距離感は、そうやって保たれてきたのだから。
……なのに。
胸の奥が、ちくりと痛んだ。
(……なんでだ。俺の知らないアリーがいる。それだけのはずなのに)
わからない。
でも、確かに――俺は今まで見たことのないアリーの顔に、目を奪われていた。
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