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不良と猫
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(……間違いない。スコーピオ・ワイツマン)
攻略者のひとり。不良キャラ。孤高で、牙を隠した狼。
だが本来は、高校編からの登場人物。
中三の今、接触する予定なんてどこにもなかったはずだ。
(なんで、こっちに……? ラスの知り合いか?)
隣に視線を飛ばす。だがラスの顔は「知らん奴が近づいてきた」って言ってる。なら余計に謎だ。
そう考える間にも、彼の影は迫ってくる。やがて俺たちの目の前で、ぴたりと止まった。
「おぉ~、可愛いじゃねぇかぁ」
沈黙。
……え? 俺? ラス?
と、次の瞬間。
「ニャァ」
視線の先――ベンチの端に、小さな猫が座っていた。
白い毛並み、丸い目。可愛いの一言に尽きる。
スコーピオは屈み込み、分厚い手で猫を撫で始めた。
その表情は、普段の不機嫌そうな顔から一転。頬が緩み、目尻が柔らかく下がっている。
(おい待て。ギャップやばすぎやろ!?)
不良キャラが猫にデレ顔。破壊力は天井知らず。
俺が撫でるのとでは次元が違う。
きゅん越えてギュン。こっちは息が止まりそうなんやけど!?
(運営、分かってるなぁ……! これぞギャップ殺しやん!)
猫は無邪気に鳴き、スコーピオは夢中で相手をしている。
……が。
(ちょっと待て。これ、見られたらマズいやつやない?)
想像が頭をよぎる。
“猫好きバレた、不良の沽券に関わる。だから――見た奴は消す”
そんな展開。血の匂いしかしない。
(やばい。退散や。気付かれんうちに!)
俺はそっと立ち上がり、ラスの袖を引いた。が――
「アリー、もうお昼終わり?」
「ちょ、ラス!! なんで今話すねん!」
心臓が跳ねる。ラスは気にもせず、にこやかに言葉を続ける。
「でも意外だね。あれ、スコーピオ・ワイツマンでしょ? 学校一の不良が猫好きなんて」
「お、おう。……そっとしとこ? たぶん見られたくないんやって!」
「ちょっと、声大きい――」
「聞こえてるなぁ」
背後から低く、圧のある声。
……終わった。
振り返る。
仁王立ちのスコーピオ。猫はいなくなり、代わりに彼の険しい顔だけが残っていた。
(うわ……これ、逆脅しパターンやん!?)
BL観察どころか、俺の命が先にピンチかもしれない――。
攻略者のひとり。不良キャラ。孤高で、牙を隠した狼。
だが本来は、高校編からの登場人物。
中三の今、接触する予定なんてどこにもなかったはずだ。
(なんで、こっちに……? ラスの知り合いか?)
隣に視線を飛ばす。だがラスの顔は「知らん奴が近づいてきた」って言ってる。なら余計に謎だ。
そう考える間にも、彼の影は迫ってくる。やがて俺たちの目の前で、ぴたりと止まった。
「おぉ~、可愛いじゃねぇかぁ」
沈黙。
……え? 俺? ラス?
と、次の瞬間。
「ニャァ」
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白い毛並み、丸い目。可愛いの一言に尽きる。
スコーピオは屈み込み、分厚い手で猫を撫で始めた。
その表情は、普段の不機嫌そうな顔から一転。頬が緩み、目尻が柔らかく下がっている。
(おい待て。ギャップやばすぎやろ!?)
不良キャラが猫にデレ顔。破壊力は天井知らず。
俺が撫でるのとでは次元が違う。
きゅん越えてギュン。こっちは息が止まりそうなんやけど!?
(運営、分かってるなぁ……! これぞギャップ殺しやん!)
猫は無邪気に鳴き、スコーピオは夢中で相手をしている。
……が。
(ちょっと待て。これ、見られたらマズいやつやない?)
想像が頭をよぎる。
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(やばい。退散や。気付かれんうちに!)
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「アリー、もうお昼終わり?」
「ちょ、ラス!! なんで今話すねん!」
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「お、おう。……そっとしとこ? たぶん見られたくないんやって!」
「ちょっと、声大きい――」
「聞こえてるなぁ」
背後から低く、圧のある声。
……終わった。
振り返る。
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