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4 意外な正体
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「ちょっ、ロジーナ!」
「ごめんなさい! でも何となくこのまま無視できなくて」
相手の正体も不明なうちから我が身を危険に晒すかもしれないって愚かな真似をして、さすがにユージーンも顔色を切迫したものに変えている。
「ああもうロジーナはお人好しなんだから。君をおびき出すための演技かもしれないのに」
それは思い付かなかったなあ……。
今や廊下の声も駆け出すような足音も止んでいて、相手がここを特定したのだとわかる。ユージーンは私を背に庇うように陣取ると、来たる何者かへと立ち向かうように両脇に下ろした拳に力を入れた。
大食堂も小食堂も便宜上それぞれ廊下と直接扉一枚で繋がっている。彼は廊下に通じている扉を睨んだ。
いくら体はこの子の方が大きくなったって言っても彼は大事な大事な婚約者で、しかも年下の男の子なのよ。盾になんてできるわけない。
そもそもこうなったのは私の責任なんだしね。
「駄目よユージーン。ここは私が行…」
だけど彼の前に出た私が皆まで言う前に、バンと大きな音を立てて小食堂の扉が勢いよく開け放たれた。
咄嗟にユージーンが私の肩を抱き寄せる。
「ロジーナここだな!」
声を大にして勢い込んで入ってきたのは、背の高い銀髪の勇ましそうな若者だった。
彼は私の顔を見るや、何故かそれまでの張り詰めていたようなもの一切を削ぎ落としたようにして、戸惑いの色を浮かべる。
「ええと……一応確認するけどお前ロジーナだよな?」
「え、ええ」
ぎこちなくも素直に頷く私を見つめ、侵入者は「そうか」と口元を綻ばせ安堵のようなものを浮かべた。
「私に何か用……ですか?」
タメ口は怒りを誘うかもって思って語尾に申し訳程度に敬語を繋げたけど、警戒を滲ませた私の声に相手は直前までの自分の行動を省みたのかバツの悪い顔をした。
この人、やっぱり私を害そうってわけじゃないみたいね。
でも見知らぬ彼に身を案じられるいわれはないんだけど。
そう思ってマジマジと相手の顔を見つめていたら、私の中でとある可能性が首を擡げた。
この顔、どこかで……?
「――もしかして、リック?」
ユージーンが「リック?」と怪訝そうな声を上げたけど、既に確信を抱いた私は驚きと嬉しさのあまり気付きもしなかった。
「絶対そうよね、あなたリックでしょリック! 昔庭師見習いしてたあの!」
それどころか思わずユージーンをほっぽってリックに駆け寄ると、手を取ってはしゃいだように飛び跳ねる。
「何だ俺の事ちゃんと覚えてたんだな」
リックは私の当て推量じゃない確認と言って良い声に両目を輝かせた。
因みに瞳の色は紫色。
「もちろんでしょ。そっちこそ私をちゃんと覚えてたのね」
「当然だろ。この俺様を誰と心得る」
「リックでしょ! いや~もう大きくなっちゃって~。声だって変わっちゃって~」
「ロジーナこそ大きくなったじゃないか~! すごく綺麗になっててビックリした」
「ビックリなんて失礼ね。あの頃のロジーナちゃんがこうなるのは当たり前でしょ?」
「泣きべそ掻いてたくせに?」
「それは言わないで!」
軽口の応酬と本気じゃない怒りをぶつけつつ、大きくなった親戚の子を感慨深く眺める年配者のように労いを込めて軽く腕を叩いてやった。
「もしかして見習いを卒業して、今度は一人前の庭師としてここに?」
「えっ? ……いやその、今回はわけあって一時的に帰って来ただけなんだよ」
「何だそうなのね。じゃあ向こう戻ったら庭師修行頑張ってね」
「え、あ~、それが……」
視線を泳がせるリックはどこかおかしな態度で歯切れが悪い。
彼は彷徨わせていた視線を何故か私の後方へと固定して、より気まずそうに苦笑いした。
リックってばどうしたのかしら?
「――ロジーナ」
ちょうどその時ユージーンから呼ばれた私は、ハタと背後の我が婚約者殿の存在を思い出す。
そうだったわ、失念してたけどユージーンは彼を知らないはずよね。
知っていたとしても王族と使用人って立場なんだし会話をした事さえないかもしれない。
紹介しないと。
「あのねユージーン、彼はリックって言ってね、私の…」
「予定より早かったね、――兄上」
「へ……?」
ユージーンはゆっくり一歩二歩とこっちに歩み寄ってくる。彼からの言葉に私は思い切り目を点にした。
しかもどうしてだか愛しの婚約者君はそれはもうお行儀よく微笑んでいる。
ええとその顔……何か怒ってる?
それに何より今彼は何て言ったの?
兄上って言ったわよね?
「兄上って事は、リックがお兄さんなの? まさかユージーンってば実は隠し兄がいたの!?」
「隠し兄? まさか。僕に兄は一人しかいないし、このリカルド兄上がその兄だけど」
「そうなの? ……って、えっ? リカルド?」
信じられない思いでリックの方を見やれば、彼は長年ついていた嘘がひょんな事からバレたような……って言うかまんまその通りの体裁の悪さを滲ませて私を申し訳なさそうに見つめ下ろした。
「隠してて悪かった」
「じゃあ……」
「ああそうだ。俺はこの国の王子だ」
彼の思いもしなかった正体を明かされて、私はまじまじと上から下までを凝視しちゃったわ。
彼ってばこの国の王族の例に漏れず美形に育ったけど、リカルド王子って言ったら優秀な頭脳の持ち主って話よね。
え、でも頭いいのこの人?
言うなればめっちゃ行き当たりばったりかつ力技って感じで私を探してたし小食堂にも入ってきたわよ。
「インテリで名高い王子様には全っ然見えないけど」
「ははっそうか? 名高いかどうかは知らないけどな……」
リックはちょっとささくれたようにした。
あ、まずい。失言だったわ。
「あ~、と、ところで……似てない兄弟よね!」
話題転換話題転換っと急いで考えて、咽の奥からまず出てきたのがそれだった。
「俺は母親似だからな」
「僕も」
「ええと、ならそれも道理よね……」
兄妹仲は良好だけど、母親たちの仲はあまり良くないって聞いた事あったっけ。
腹違いの兄弟は私が王家の微妙な話題に触れて気まずげな顔になったのを見て、互いの顔を見合わせ苦笑する。
「気を遣わなくても大丈夫だよ」
「そうそ。親は親、子は子だからな」
そういう表情をすればちょっと似ていた。
「食卓の様子を見るに、二人は食事中だったんだろ。邪魔して悪かったな」
「本当よね全く。心底驚いたわ」
腕だけお化けかと思った初対面時みたいよ。心臓に悪いったらない。
現在、小食堂では食卓に一人分加わっての三人分の朝食の皿が並んでいる。
朝食がまだらしかったリックの分も急遽用意してもらったのよね。さすがは臨機応変に機転の利く出来た使用人たちで、あっと言う間に追加分が出てきた。
「悪かったよ。何か閑散として人の気配がしなかったからさ、まさかもうロジーナは離宮を出たのかって焦ったんだよ」
「それたぶん皆で食堂の方に来てたからよね」
基本この離宮の人間は貴賤にかかわらず食事の時間をなるべく皆で合わせてるから、場所によっては人がいないようにも見えるんだと思う。今だって給仕係以外の使用人のほとんどは彼らの領分にある食堂で食事中だろうしね。
そう言えば警護の人たちは、リカルド王子の持つ紋章指環と彼の外見から本物のリカルド王子と判断して大人しく引き下がったらしいわ。
ともかく偶然にもリックは勘違いしたようで、途中で使用人は見掛けるようになっても私本人じゃないからって不安で探し続けたんだって。
うーんでもやっぱり私リックに心配される理由は思い付かないなあ……。
「もしも教会に行って結婚の手続き始めてたらどうしようかと焦った」
「教会? ……何を言うかと思えば。式までまだ三日もあるんだけど」
「まあな、よくよく考えてみればそうなんだよな。でももしここで会えなかったら俺教会に突撃してたと思うぞ」
えーと、この人が本当に秀才リカルド王子なのかもう一度疑ってもいいかしら?
ノリが脳筋……。
「――二人共、口は忙しそうなのに朝食がちっとも進んでいないようだけど?」
三人の中で一番年下のユージーンから妙に落ち着いた声で注意されて、私とリックはちょっと肩身が狭かった。
うーん、だけど何だかさっきからユージーンってばご機嫌斜めよね。
「ごめんなさい! でも何となくこのまま無視できなくて」
相手の正体も不明なうちから我が身を危険に晒すかもしれないって愚かな真似をして、さすがにユージーンも顔色を切迫したものに変えている。
「ああもうロジーナはお人好しなんだから。君をおびき出すための演技かもしれないのに」
それは思い付かなかったなあ……。
今や廊下の声も駆け出すような足音も止んでいて、相手がここを特定したのだとわかる。ユージーンは私を背に庇うように陣取ると、来たる何者かへと立ち向かうように両脇に下ろした拳に力を入れた。
大食堂も小食堂も便宜上それぞれ廊下と直接扉一枚で繋がっている。彼は廊下に通じている扉を睨んだ。
いくら体はこの子の方が大きくなったって言っても彼は大事な大事な婚約者で、しかも年下の男の子なのよ。盾になんてできるわけない。
そもそもこうなったのは私の責任なんだしね。
「駄目よユージーン。ここは私が行…」
だけど彼の前に出た私が皆まで言う前に、バンと大きな音を立てて小食堂の扉が勢いよく開け放たれた。
咄嗟にユージーンが私の肩を抱き寄せる。
「ロジーナここだな!」
声を大にして勢い込んで入ってきたのは、背の高い銀髪の勇ましそうな若者だった。
彼は私の顔を見るや、何故かそれまでの張り詰めていたようなもの一切を削ぎ落としたようにして、戸惑いの色を浮かべる。
「ええと……一応確認するけどお前ロジーナだよな?」
「え、ええ」
ぎこちなくも素直に頷く私を見つめ、侵入者は「そうか」と口元を綻ばせ安堵のようなものを浮かべた。
「私に何か用……ですか?」
タメ口は怒りを誘うかもって思って語尾に申し訳程度に敬語を繋げたけど、警戒を滲ませた私の声に相手は直前までの自分の行動を省みたのかバツの悪い顔をした。
この人、やっぱり私を害そうってわけじゃないみたいね。
でも見知らぬ彼に身を案じられるいわれはないんだけど。
そう思ってマジマジと相手の顔を見つめていたら、私の中でとある可能性が首を擡げた。
この顔、どこかで……?
「――もしかして、リック?」
ユージーンが「リック?」と怪訝そうな声を上げたけど、既に確信を抱いた私は驚きと嬉しさのあまり気付きもしなかった。
「絶対そうよね、あなたリックでしょリック! 昔庭師見習いしてたあの!」
それどころか思わずユージーンをほっぽってリックに駆け寄ると、手を取ってはしゃいだように飛び跳ねる。
「何だ俺の事ちゃんと覚えてたんだな」
リックは私の当て推量じゃない確認と言って良い声に両目を輝かせた。
因みに瞳の色は紫色。
「もちろんでしょ。そっちこそ私をちゃんと覚えてたのね」
「当然だろ。この俺様を誰と心得る」
「リックでしょ! いや~もう大きくなっちゃって~。声だって変わっちゃって~」
「ロジーナこそ大きくなったじゃないか~! すごく綺麗になっててビックリした」
「ビックリなんて失礼ね。あの頃のロジーナちゃんがこうなるのは当たり前でしょ?」
「泣きべそ掻いてたくせに?」
「それは言わないで!」
軽口の応酬と本気じゃない怒りをぶつけつつ、大きくなった親戚の子を感慨深く眺める年配者のように労いを込めて軽く腕を叩いてやった。
「もしかして見習いを卒業して、今度は一人前の庭師としてここに?」
「えっ? ……いやその、今回はわけあって一時的に帰って来ただけなんだよ」
「何だそうなのね。じゃあ向こう戻ったら庭師修行頑張ってね」
「え、あ~、それが……」
視線を泳がせるリックはどこかおかしな態度で歯切れが悪い。
彼は彷徨わせていた視線を何故か私の後方へと固定して、より気まずそうに苦笑いした。
リックってばどうしたのかしら?
「――ロジーナ」
ちょうどその時ユージーンから呼ばれた私は、ハタと背後の我が婚約者殿の存在を思い出す。
そうだったわ、失念してたけどユージーンは彼を知らないはずよね。
知っていたとしても王族と使用人って立場なんだし会話をした事さえないかもしれない。
紹介しないと。
「あのねユージーン、彼はリックって言ってね、私の…」
「予定より早かったね、――兄上」
「へ……?」
ユージーンはゆっくり一歩二歩とこっちに歩み寄ってくる。彼からの言葉に私は思い切り目を点にした。
しかもどうしてだか愛しの婚約者君はそれはもうお行儀よく微笑んでいる。
ええとその顔……何か怒ってる?
それに何より今彼は何て言ったの?
兄上って言ったわよね?
「兄上って事は、リックがお兄さんなの? まさかユージーンってば実は隠し兄がいたの!?」
「隠し兄? まさか。僕に兄は一人しかいないし、このリカルド兄上がその兄だけど」
「そうなの? ……って、えっ? リカルド?」
信じられない思いでリックの方を見やれば、彼は長年ついていた嘘がひょんな事からバレたような……って言うかまんまその通りの体裁の悪さを滲ませて私を申し訳なさそうに見つめ下ろした。
「隠してて悪かった」
「じゃあ……」
「ああそうだ。俺はこの国の王子だ」
彼の思いもしなかった正体を明かされて、私はまじまじと上から下までを凝視しちゃったわ。
彼ってばこの国の王族の例に漏れず美形に育ったけど、リカルド王子って言ったら優秀な頭脳の持ち主って話よね。
え、でも頭いいのこの人?
言うなればめっちゃ行き当たりばったりかつ力技って感じで私を探してたし小食堂にも入ってきたわよ。
「インテリで名高い王子様には全っ然見えないけど」
「ははっそうか? 名高いかどうかは知らないけどな……」
リックはちょっとささくれたようにした。
あ、まずい。失言だったわ。
「あ~、と、ところで……似てない兄弟よね!」
話題転換話題転換っと急いで考えて、咽の奥からまず出てきたのがそれだった。
「俺は母親似だからな」
「僕も」
「ええと、ならそれも道理よね……」
兄妹仲は良好だけど、母親たちの仲はあまり良くないって聞いた事あったっけ。
腹違いの兄弟は私が王家の微妙な話題に触れて気まずげな顔になったのを見て、互いの顔を見合わせ苦笑する。
「気を遣わなくても大丈夫だよ」
「そうそ。親は親、子は子だからな」
そういう表情をすればちょっと似ていた。
「食卓の様子を見るに、二人は食事中だったんだろ。邪魔して悪かったな」
「本当よね全く。心底驚いたわ」
腕だけお化けかと思った初対面時みたいよ。心臓に悪いったらない。
現在、小食堂では食卓に一人分加わっての三人分の朝食の皿が並んでいる。
朝食がまだらしかったリックの分も急遽用意してもらったのよね。さすがは臨機応変に機転の利く出来た使用人たちで、あっと言う間に追加分が出てきた。
「悪かったよ。何か閑散として人の気配がしなかったからさ、まさかもうロジーナは離宮を出たのかって焦ったんだよ」
「それたぶん皆で食堂の方に来てたからよね」
基本この離宮の人間は貴賤にかかわらず食事の時間をなるべく皆で合わせてるから、場所によっては人がいないようにも見えるんだと思う。今だって給仕係以外の使用人のほとんどは彼らの領分にある食堂で食事中だろうしね。
そう言えば警護の人たちは、リカルド王子の持つ紋章指環と彼の外見から本物のリカルド王子と判断して大人しく引き下がったらしいわ。
ともかく偶然にもリックは勘違いしたようで、途中で使用人は見掛けるようになっても私本人じゃないからって不安で探し続けたんだって。
うーんでもやっぱり私リックに心配される理由は思い付かないなあ……。
「もしも教会に行って結婚の手続き始めてたらどうしようかと焦った」
「教会? ……何を言うかと思えば。式までまだ三日もあるんだけど」
「まあな、よくよく考えてみればそうなんだよな。でももしここで会えなかったら俺教会に突撃してたと思うぞ」
えーと、この人が本当に秀才リカルド王子なのかもう一度疑ってもいいかしら?
ノリが脳筋……。
「――二人共、口は忙しそうなのに朝食がちっとも進んでいないようだけど?」
三人の中で一番年下のユージーンから妙に落ち着いた声で注意されて、私とリックはちょっと肩身が狭かった。
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