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6 喧嘩
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しばし、小食堂には沈黙が流れた。
呆気としていたのは私だけで、ユージーンは思い切り浮かない顔をして口を閉ざしているし、給仕係の皆はお互いの顔を窺うようにして朝食の給仕を再開して良いものかどうか迷っているみたいだった。
私は私でようやくふと我に返るとぎこちない仕種で半笑いを浮かべる。
「あ、はは……どうしようかしらね。何かリックってば私たちの関係を大きく誤解してるっぽいけど」
精神的に疲れた~。明日来るって言ってたからその時に改めて私たちの気持ちをリックには理解してもらうしかないのかも。
「うーんでも、国王様にその件を願い出られる前に解決すべきかも……?」
ユージーンと二人で話し合えとは言ってたから、私たちの結論も聞かずに行動に出るとは思わないけど、念のため今すぐ追い掛けた方がいいかもしれない。
そう思って私が席を立とうと食卓に両手を突いた時だった。
伸びてきたユージーンの手が上から私の手を押さえた。
椅子から腰を浮かせるようにして身を乗り出している彼は、何かを訴えたいような目で私の顔を見つめている。
「ロジーナ、どこに?」
「今すぐリックを追い掛けてって説明しようと思って。ちょっと行ってくるから待ってて?」
だけど彼は手を退けてはくれなかった。
どころか、ぎゅっと握ってくる。
「……どうして」
「え?」
少し俯いたユージーンが震えたような声を出す。
「だったらどうしてロジーナはさっきその場で断ってくれなかったの?」
「う……、そこはごめん。驚きが先行しちゃって言葉が出なくって……」
そこはこの子も私の様子を見ていたからわかってくれたのか、はたまた彼自身も兄へと真実を言えなかった負い目があるのか、それ以上は言ってこなかった。手に込められた力も少し緩んだ。
だけど次に出てきた言葉は彼の中で引っ掛かっていた事柄なんだと思う。
「兄上と知り合いだったって僕は全然知らなかった。どうして今まで黙ってたの?」
黙ってたって言い方に彼の中の屈託をちょっと感じた。
仲間外れみたいで不愉快になったのかも。でもそんなに気にしなくていいのに。
「リックの事はずっと庭師見習いだと思ってたんだもの」
「そうじゃなくて、僕は一度だって君からリックの名を聞いたためしがなかった」
「うーん? そこは別に話す必要がなかったから話さなかっただけだけど」
軽く息を呑んでユージーンは目を見開いた。
え、そこまで驚く必要ある?
「それにね、黙っててって言われたのよね」
彼は更に愕然とした面持ちになった。
「何だよ……それ……」
ユージーンの顔には私を責めたそうな、或いは裏切られた人間が浮かべるような悲しそうな色が見える。
この子ってば何でそんな表情になるの?
「ユージーン? どうかした?」
「ロジーナは、兄上の頼みなら僕の気持ちなんて簡単に無視できちゃうんだ?」
「そんなわけないでしょ」
気持ちを無視って、ああそっか、リックの存在を教えなかったから?
「あのね、さっきも言ったけどリックと会ったなんて話す必要性を感じなかったの。そもそも私にとってはさして重要事項じゃなかったのよ。だから拗ねなくても……」
「重要事項じゃない? 僕に話すのが?」
「え? ちょっと待ってそう取るの?」
私の意図するニュアンスと違う。
私はリックとの邂逅を重要じゃなかったって言ってるわけで……リックには悪いけど。
でもまさかそう来られるとは思わず、弁解に口を開くのが遅れた。
「それってさ、この先も兄上に内緒だって言われたらたとえキスしても黙っているかもしれないって事?」
「は……?」
一瞬、何を言われたかはわかったけど、言われた言葉を理解したくなくて意識が停滞した。たとえ話でも酷いじゃない。
意地で重ねられた彼の手を払って抗議の意思を絞り出す。
「……何それ? リックとキスなんてするわけないでしょ。私ってそんなに信用なかったの?」
睨み上げると、彼自身も失言を悟ったのか一度僅かに身を引いて、怒りたいのか泣きたいのかよくわからない顔を伏せると席に腰を落とした。
「そうじゃない、けど……」
「そう言う事でしょ。心配しなくてもリックは昔も今も友人としか思ってないわよ。確かにカッコ良くなっててイケメン王子だとは思うけど、だからってリックとは結婚しない。私が好きなのはあなたなんだから」
「…………」
いつもゆったりした空気を醸す彼には珍しく、自分でも整理できない感情に苛立っているようだった。
自分の婚約者が他の男から白昼堂々と告白されて面白いわけがないのはわかる。
人はそれを嫉妬と言うのよね。
ヤキモチを焼かれて嬉しいなんて話を聞くけど、そんなの嘘よ。全然嬉しくない。
こんな妬かれ方、胸が痛いばっかりよ。
こっちだって腹が立ったしね。
「私を好き云々はともかく、リックは弟のあなたを思ってくれているからこそああ言ったんだと思うわよ」
ユージーンはゆるゆると左右に首を振った。
「兄上は望まない事はたとえ国家同士の大事な婚姻だろうと突っ撥ねるよ。だから国のために僕の代わりになるってだけじゃなく、あの人はきっと本心からロジーナを好きだよ」
「まさか、そこまで恋してないと思うわよ。説得のための方便って言うか補足的な言葉って言うか、そんなようなものでしょ。子供の頃の繋がりがあるから好意的ではあるかもしれないけど。だって何年会ってなかったと思ってるのよ」
「……そういうのって、時間の問題じゃないんだよ」
最後のは何だか深い言葉ね。
でもやっぱりそこまでじゃないわよって一笑に付そうとして、ユージーンの目には憶測も冗談も浮かんでいなかったから出来なかった。
「へ、へえリックが本気で私を好き? あ、はは……そうなの? でも、――だから何?」
私は珍しくも気配を尖らせて本気でユージーンを睨んだ。
「もし本当にそうだとして、ユージーンってば私をリックに譲るって言いたいの?」
「え……?」
気圧されたように瞠目していた彼はしかし、全く驚いたようにして言葉を呑み込んだ。
何その顔。まさか本当にそう思ってた、とか?
「あのねえ、私にとってリックの想いなんかどうだっていいんだから」
一番はあなたなの。
――ユージーンの気持ちが肝心なのよ。
でもそんな言葉を今口に出すのは悔しくて、だから言わなかった。
「やっぱりリックには明日話をするわ」
すでに結構な距離があるだろう彼を追い掛けるのは手間で、今の私はその手間を掛ける気分にはならなかった。
徐に席を立つ。
「ロジーナ? 朝食は?」
「もうご馳走様よ。あと、申し訳ないけど今日の観劇は行かない。ものすご~く嫌な気分だから!」
「……」
今日のお出掛け予定は劇場で、結婚式の前に独身最後の色々なデートをしようって事前に決めて予定を立てていたうちの一つだった。今まで買い物だったりレストランで食事だったり一つずつそれらをこなしてきて、観劇は最後に消化するはずだった予定でもあった。
明日明後日だと本当に式の直前で忙しくなるから無理だろうってわけで予定は入れなかったの。たぶん王宮の敷地内から出ないだろうから、貴重な独身最後の外出の機会だったけど、そんなのどうだってよくなっちゃった。
「黙ってたって言われたのも、私に非はないし謝ったりはしないんだから。この先リックに秘密って言われたらまた何か秘密にしちゃうかもね!」
「なっ……」
向こうの意思がどうあれ、私はもう出掛けない気満々だったから嫌味まで口にしてやってさっさと食堂を後にしたけど、彼は私を引き止めなかったし追い掛けても来なかった。
フンだ。少し良く考えて反省するといいのよ…………まあ、冷静さを欠いて幼稚な捨て台詞を堪えられなかったって点で私自身もだけど。
ああもう朝っぱらから憂欝まっしぐら。
こんなのマリッジブルーどころじゃない。ブラックよ。
結婚式三日前の朝、私はこの上なく苛立たしくてやるせなくて悲しかった。
その日は昼も夜もユージーンとは顔を合わせたくなくて、部屋から出なかった。言うまでもなく昼食も夕食も自室で摂った。
向こうから一緒にって誘いはあったけど、断ったわ。
だって顔を見たら、そっちこそハッキリと僕の恋人だって言えとか、横恋慕してくんな馬鹿兄貴くらい言えないのかとか、絶対ロジーナは渡さないって殴り合いの喧嘩になってでも宣言してほしかったユージーンの意気地なし……なんて文句が口を突いて飛び出そうだったから。
ただ、ムカつくとは思うけど私の中の大好きの気持ちは少しも減ってないのよね。
傷付いてもいない。
ユージーン大好きって赤いハートがペカペカ輝いて心の中心にある。
もう自分はどれだけあの子を好きなのよって自分でも呆れるわ。
悩みの種のリックだって私のこの胸中を話せばきっとわかってくれるわ。
そう思っての翌日午後、おやつ時、昨日の言葉通りリックがやってきた。
ユージーンにも連絡が行ってるだろうし、彼よりも先にリックに会って私の本音を話しておきたくて応接室へと急いで赴けば、扉を開けて早々に目の前がカラフルな花々で満たされた。
「ほわっななな何事!?」
「――ロジーナ、改めて、俺と結婚してくれ!」
「へ?」
花々をちょっと押しやってその後ろを覗き見れば、リックが床に跪いて熱心に私へと花束を突き出していた。
呆気としていたのは私だけで、ユージーンは思い切り浮かない顔をして口を閉ざしているし、給仕係の皆はお互いの顔を窺うようにして朝食の給仕を再開して良いものかどうか迷っているみたいだった。
私は私でようやくふと我に返るとぎこちない仕種で半笑いを浮かべる。
「あ、はは……どうしようかしらね。何かリックってば私たちの関係を大きく誤解してるっぽいけど」
精神的に疲れた~。明日来るって言ってたからその時に改めて私たちの気持ちをリックには理解してもらうしかないのかも。
「うーんでも、国王様にその件を願い出られる前に解決すべきかも……?」
ユージーンと二人で話し合えとは言ってたから、私たちの結論も聞かずに行動に出るとは思わないけど、念のため今すぐ追い掛けた方がいいかもしれない。
そう思って私が席を立とうと食卓に両手を突いた時だった。
伸びてきたユージーンの手が上から私の手を押さえた。
椅子から腰を浮かせるようにして身を乗り出している彼は、何かを訴えたいような目で私の顔を見つめている。
「ロジーナ、どこに?」
「今すぐリックを追い掛けてって説明しようと思って。ちょっと行ってくるから待ってて?」
だけど彼は手を退けてはくれなかった。
どころか、ぎゅっと握ってくる。
「……どうして」
「え?」
少し俯いたユージーンが震えたような声を出す。
「だったらどうしてロジーナはさっきその場で断ってくれなかったの?」
「う……、そこはごめん。驚きが先行しちゃって言葉が出なくって……」
そこはこの子も私の様子を見ていたからわかってくれたのか、はたまた彼自身も兄へと真実を言えなかった負い目があるのか、それ以上は言ってこなかった。手に込められた力も少し緩んだ。
だけど次に出てきた言葉は彼の中で引っ掛かっていた事柄なんだと思う。
「兄上と知り合いだったって僕は全然知らなかった。どうして今まで黙ってたの?」
黙ってたって言い方に彼の中の屈託をちょっと感じた。
仲間外れみたいで不愉快になったのかも。でもそんなに気にしなくていいのに。
「リックの事はずっと庭師見習いだと思ってたんだもの」
「そうじゃなくて、僕は一度だって君からリックの名を聞いたためしがなかった」
「うーん? そこは別に話す必要がなかったから話さなかっただけだけど」
軽く息を呑んでユージーンは目を見開いた。
え、そこまで驚く必要ある?
「それにね、黙っててって言われたのよね」
彼は更に愕然とした面持ちになった。
「何だよ……それ……」
ユージーンの顔には私を責めたそうな、或いは裏切られた人間が浮かべるような悲しそうな色が見える。
この子ってば何でそんな表情になるの?
「ユージーン? どうかした?」
「ロジーナは、兄上の頼みなら僕の気持ちなんて簡単に無視できちゃうんだ?」
「そんなわけないでしょ」
気持ちを無視って、ああそっか、リックの存在を教えなかったから?
「あのね、さっきも言ったけどリックと会ったなんて話す必要性を感じなかったの。そもそも私にとってはさして重要事項じゃなかったのよ。だから拗ねなくても……」
「重要事項じゃない? 僕に話すのが?」
「え? ちょっと待ってそう取るの?」
私の意図するニュアンスと違う。
私はリックとの邂逅を重要じゃなかったって言ってるわけで……リックには悪いけど。
でもまさかそう来られるとは思わず、弁解に口を開くのが遅れた。
「それってさ、この先も兄上に内緒だって言われたらたとえキスしても黙っているかもしれないって事?」
「は……?」
一瞬、何を言われたかはわかったけど、言われた言葉を理解したくなくて意識が停滞した。たとえ話でも酷いじゃない。
意地で重ねられた彼の手を払って抗議の意思を絞り出す。
「……何それ? リックとキスなんてするわけないでしょ。私ってそんなに信用なかったの?」
睨み上げると、彼自身も失言を悟ったのか一度僅かに身を引いて、怒りたいのか泣きたいのかよくわからない顔を伏せると席に腰を落とした。
「そうじゃない、けど……」
「そう言う事でしょ。心配しなくてもリックは昔も今も友人としか思ってないわよ。確かにカッコ良くなっててイケメン王子だとは思うけど、だからってリックとは結婚しない。私が好きなのはあなたなんだから」
「…………」
いつもゆったりした空気を醸す彼には珍しく、自分でも整理できない感情に苛立っているようだった。
自分の婚約者が他の男から白昼堂々と告白されて面白いわけがないのはわかる。
人はそれを嫉妬と言うのよね。
ヤキモチを焼かれて嬉しいなんて話を聞くけど、そんなの嘘よ。全然嬉しくない。
こんな妬かれ方、胸が痛いばっかりよ。
こっちだって腹が立ったしね。
「私を好き云々はともかく、リックは弟のあなたを思ってくれているからこそああ言ったんだと思うわよ」
ユージーンはゆるゆると左右に首を振った。
「兄上は望まない事はたとえ国家同士の大事な婚姻だろうと突っ撥ねるよ。だから国のために僕の代わりになるってだけじゃなく、あの人はきっと本心からロジーナを好きだよ」
「まさか、そこまで恋してないと思うわよ。説得のための方便って言うか補足的な言葉って言うか、そんなようなものでしょ。子供の頃の繋がりがあるから好意的ではあるかもしれないけど。だって何年会ってなかったと思ってるのよ」
「……そういうのって、時間の問題じゃないんだよ」
最後のは何だか深い言葉ね。
でもやっぱりそこまでじゃないわよって一笑に付そうとして、ユージーンの目には憶測も冗談も浮かんでいなかったから出来なかった。
「へ、へえリックが本気で私を好き? あ、はは……そうなの? でも、――だから何?」
私は珍しくも気配を尖らせて本気でユージーンを睨んだ。
「もし本当にそうだとして、ユージーンってば私をリックに譲るって言いたいの?」
「え……?」
気圧されたように瞠目していた彼はしかし、全く驚いたようにして言葉を呑み込んだ。
何その顔。まさか本当にそう思ってた、とか?
「あのねえ、私にとってリックの想いなんかどうだっていいんだから」
一番はあなたなの。
――ユージーンの気持ちが肝心なのよ。
でもそんな言葉を今口に出すのは悔しくて、だから言わなかった。
「やっぱりリックには明日話をするわ」
すでに結構な距離があるだろう彼を追い掛けるのは手間で、今の私はその手間を掛ける気分にはならなかった。
徐に席を立つ。
「ロジーナ? 朝食は?」
「もうご馳走様よ。あと、申し訳ないけど今日の観劇は行かない。ものすご~く嫌な気分だから!」
「……」
今日のお出掛け予定は劇場で、結婚式の前に独身最後の色々なデートをしようって事前に決めて予定を立てていたうちの一つだった。今まで買い物だったりレストランで食事だったり一つずつそれらをこなしてきて、観劇は最後に消化するはずだった予定でもあった。
明日明後日だと本当に式の直前で忙しくなるから無理だろうってわけで予定は入れなかったの。たぶん王宮の敷地内から出ないだろうから、貴重な独身最後の外出の機会だったけど、そんなのどうだってよくなっちゃった。
「黙ってたって言われたのも、私に非はないし謝ったりはしないんだから。この先リックに秘密って言われたらまた何か秘密にしちゃうかもね!」
「なっ……」
向こうの意思がどうあれ、私はもう出掛けない気満々だったから嫌味まで口にしてやってさっさと食堂を後にしたけど、彼は私を引き止めなかったし追い掛けても来なかった。
フンだ。少し良く考えて反省するといいのよ…………まあ、冷静さを欠いて幼稚な捨て台詞を堪えられなかったって点で私自身もだけど。
ああもう朝っぱらから憂欝まっしぐら。
こんなのマリッジブルーどころじゃない。ブラックよ。
結婚式三日前の朝、私はこの上なく苛立たしくてやるせなくて悲しかった。
その日は昼も夜もユージーンとは顔を合わせたくなくて、部屋から出なかった。言うまでもなく昼食も夕食も自室で摂った。
向こうから一緒にって誘いはあったけど、断ったわ。
だって顔を見たら、そっちこそハッキリと僕の恋人だって言えとか、横恋慕してくんな馬鹿兄貴くらい言えないのかとか、絶対ロジーナは渡さないって殴り合いの喧嘩になってでも宣言してほしかったユージーンの意気地なし……なんて文句が口を突いて飛び出そうだったから。
ただ、ムカつくとは思うけど私の中の大好きの気持ちは少しも減ってないのよね。
傷付いてもいない。
ユージーン大好きって赤いハートがペカペカ輝いて心の中心にある。
もう自分はどれだけあの子を好きなのよって自分でも呆れるわ。
悩みの種のリックだって私のこの胸中を話せばきっとわかってくれるわ。
そう思っての翌日午後、おやつ時、昨日の言葉通りリックがやってきた。
ユージーンにも連絡が行ってるだろうし、彼よりも先にリックに会って私の本音を話しておきたくて応接室へと急いで赴けば、扉を開けて早々に目の前がカラフルな花々で満たされた。
「ほわっななな何事!?」
「――ロジーナ、改めて、俺と結婚してくれ!」
「へ?」
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